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さきほどまで祝日3日の午前に放送された「激論!TPP」の録画を見ていた。
経済や社会に関する問題を担当しているNHK解説委員8人が集い、TPP参加問題や農業問題について討論するという趣向の番組だ。
生放送で、視聴者からの意見の一部もテロップで流れ、アナウンサーがときに視聴者の意見を読みあげた。
番組を見た率直な感想は、解説委員はともかく、番組に意見を述べる人たちの見識の高さにほっとしたというものだ。
テロップで流れた意見をざっと集計すると、情報不足で議論も熟していないから交渉参加に反対が3割、農業(農村)を破壊しかねないので反対が2割、参加で生活条件がよくなるとは思えない(悪くなる:デフレ深化論を含む)ので反対が2割で、参加することで輸出が増え雇用も増えるから賛成1割、外圧を利用して農業をはじめ国内の改革を進められるから賛成0.2割という感じだった。
ざっくり言えば、TPP参加反対が8割で、賛成が1.5割、どちらか不明が0.5割という色分けだ。
アナウンサーが読み上げる意見は、半分っ子ずつとNHKらしい公平さを見せていたが...。
討論に参加した8人の解説委員は、私の見立てだが、TPP参加に積極賛成が4人、まあ賛成が1人、あわてる必要はなく様子見が良とする立場が2人、反対が1人という色分けだった。
しかも、積極賛成派のうち3人は、そうじゃなきゃ日本は変わらないから、TPPという「外圧」を利用して国内の改革をすすめるべきという論まで展開していた。
NHKのニュースなどの論調がああであることがわかる布陣である。
面白いというのもなんだが、年配者が賛成で、若い人が反対もしくは慎重だった。
視聴者の意見も、60歳を過ぎた人たちのほうが、経済戦争に“意気軒昂”なのか賛成に傾いている人が多いように感じた。
タイトルの話に戻ろう。
公共放送と自他ともに認めるNHKの解説委員が、討論形式で自分の考え方を主張する機会を与えられることはぎりぎり許容する。
しかし、公共放送局(放送法では民間放送局も)が公共の電波を使って主張を放送する際には、超えてはならない壁(基準)があると考えている。
○ 価値判断や論理の主張は認めるが、その根拠にウソを使ってはいけない。
○ どういうものであれ、政治的な主張をしてはいけない。
タイトルに掲げた「通商問題」担当解説委員の嶋津氏は、この両方から逸脱していた。前者(ウソ)については思い違いや記憶のブレといった可能性もあるので問わないが、政治的な主張のほうは明白なので、それを問題にしたい。
TPP参加でもっとも積極果敢な論陣を張っていた嶋津氏は、最後のTPPに参加すべきかどうかというテーマのなかで、「来年、だんだん選挙が近づいてくるんじゃないですか。やっぱり今がチャンスなんじゃないですか、いちばん。政治的にも」と主張した。
討論参加者は賛成あり反対ありと違っていたが、TPPは今後の日本に重大な影響を与えるものということでは認識を共有していた。
さらに、生放送番組での討論だから、国民の多くがTPP参加に危惧を抱いていることもわかっている。
嶋津氏の言動は、TPPに参加する決断を先延ばしにすると、選挙が身近に迫ってきて、有権者の考え方を考慮する政治家は参加の決断ができなくなるから、APECの機会に決断した方がいいというものと解釈できるだろう。
意訳すれば、「国民の多くはTPPへの参加に反対や憂慮のようだから、世論を考慮するとTPPに参加できなくなる。だから、とにかく今の機会に参加を決めてしまえ」ということになる。
NHKの解説委員がとんでもない主張を番組で展開したものである。
民主党執行部や官僚そして嶋津氏自身もだが、内輪話でそのようなことを言ったからといって、とやかく言う気はない。
しかし、NHKの番組で、極めて政治的な主張というだけにとどまらず、民主主義の基本を否定するかのような主張をした事実は見過ごされるものではない。
NHKは、9月の民主党代表選のときにも、決選投票前に、海江田支持を表明していた馬渕氏の動向を野田支持と“誤報”したが、簡単な訂正をしただけで、経緯をきちんと調査して公表することもなく、会長や担当役員などが責任をとるということもしていない
。
政治的駆け引きで投票行動が決まる要素がある。票読みして「それじゃあ、野田氏が勝つな」と思わせるような情報を流せば、負け馬はやめて勝ち馬に乗ろうという人が出てくる。
国会議員それぞれが情報を収集して票を読むのはかまわないが、投票が終わってもいないのに、どのグループ、誰誰が、誰に投票するという情報をNHKが流すこと自体間違っている。
馬渕氏が本当に野田氏支持であってもそのような情報を“事前”に流すことは極めて問題が多い情報操作だと考える。
公共放送NHKの番組内で政治的しかも反民主主義的主張を行った嶋津解説委員はその職を辞すべきだと考える。
嶋津氏が辞任しないなら、NHKが嶋津氏を解説委員から解任することを求める。
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