103. 一隅より 2011年11月16日 02:20:51: PnbUj1IYwR18o
: ErQdBkXZLA
阿闍梨さま例によってまた、私の今日いいたいことは後半に書きますが、 その前に、阿闍梨さんの、>>45以下にお答えします。 ただできるだけ網羅して答えようとするとかえってわかりにくくなってしますので、穴だらけを承知でいくつかだけ。 足りないところはまた突っ込んでください。(私もまた後から補います。) ↓ ◇ >本登記必要書類は、全部本登記できる程に整備されていたと断言できますか? すみません、まずひとつは、経験論です。 「全部本登記できる程に整備されて」いて、(それを受け取って)はじめて、買主は全額支払います。 そうでなければ一部支払いを留保する。 個人間の売買や知り合い同士は別ですが、業者がはいった売買はまずこれ。 (この原則以外のやりかたをするなら、10/29にあらためて何か特約でもするのだろうが、今回はその様子はない。) もうひとつの理由は、10/29までに「全部本登記できる程に整備」することは売主の契約上の義務だったが、 売主がこれをできなかった様子も、できてもやらなかった様子もない、からです。 だからきっと売主はすべて用意できたし、用意したのだろうと思います。 >農転届出受理通知書でなく、「特約事項の6の受領通知書」とか。 のところは意味不明です。私は、「特約事項の6の受領通知書」=農転届出受理通知書と思っていました。 以上のような、買主を危険から守る方法をいい加減に無視する業者がいることは知っています。 しかし今回の契約立会いの仲介業者が、そんなことはしない業者であることも知っています。 というわけで経験論ですので、断言できるか、といわれても・・・ 「そんなものは経験論でしかない」と言われるなら、いくらでも引っ込めます。 なお業者がいい加減か小ズルいか無知怠慢で、小沢さんの側の担当者(やそれにアドバイスする者)が無知なら、上の「あまりあり得ないような」やりかたの決済がされることはあります。 でもそれは、だからといって私が小沢さん(や石川さんたち)を、無知呼ばわりしたことにはならないでしょう。 ◇ >返済期限に返済できなかったら、銀行に差し押さえられていたかもしれない。
私の言ったのは、売主は(3月に土地を仕入れるとき)、たとえば10月末日とか、11月、12月でも、そんな短期に返済期限の来るような借入れをしたのか、ということです。 もしそうであれば、不動産商売としては大失敗ですね。10月、あるいは11月、12月、期限が近づいたら投売りしてでも売って資金回収し、返済しなくてはならなくなる。 そんなことはまず、やりません。 (これも経験論にすぎない。引っ込めてもよい。) ただ、 >売主に資金があったのであれば、何も10月29日の忙しい時に返済しないでしょ。 は、間違い。 資金があっても、一刻も早く返します。金利がかかるから。 ◇ >「全額の前払い」を売主の口座に振り込んだ瞬間に、売主の気が変わって「みずほ銀行に返済しない」と言いだしたなら・・・
まあ、「売主の気が変わって」は、私が「その間にみずほ銀行の倒産があったら」と言ったのと同じくらい、あり得ないことなのですが。 それよりももっと重大な間違い。 ↓ みずほ銀行は事前に、「当日売主の口座に必要資金が振り込まれたらただちに(いわば自動的・連続的に)、売主のみずほ銀行にたいする借入債務の弁済のため、銀行がそこから引落としをする、このことを売主があらかじめ承諾する」、という一札を売主から取っておきます。そうでなければ銀行は抹消書類を用意してくれません。 つまり金利の1円単位まで計算のうえあらかじめ返済書類をつくってしまっておいて、あとはすべて自動的に行われます。 ◇ 契約書裏面に、「第・・条 本物件の所有権は、買主が売買代金の全額を支払い、売主がこれを受領したときに、売主から買主に移転する。」 および、「第・・条 本物件に対して賦課される公租・公課は、引渡日の前日までの分を売主が、引渡日以降の分を買主が、それぞれ負担する。」 と書いてあったろう、というのは私の推測です。
私だってこの契約書裏面(の画像)を見られれば見たい。が、まだ見られていません。 ただ、全国宅地建物取引業協会連合会の所定書式はじめ、業者の使う契約書書式はほぼすべてそうなっています。 そして今回の契約書も、表面を見るかぎりそのような「業者の使うもの」に見えます。 (というわけでこれも、経験論です。) ◇ >それでは、売渡証書(権利証)の文面を見て下さい。
売渡し証書(のちに権利書になるもの)が、一種独特な、特別な意味のものとして業界では使われていることは、私が>>18に書きました。 いずれにせよこれに書かれていることで意味があるのは、登記原因とその日付だけで、それ以外には実質的な意味はない、とは誰もが知っています。 誰もが、と書くとまた突っ込まれそうです。 売主買主も、司法書士も、法務局の係りも登記官も、という意味です。 (実質的な意味があるのは売主買主の合意であり、契約書です。) なお、「登記原因とその日付にだけは意味がある」といっても、それは「実際の」ではなく、「(実際と違っていても)当事者が登記簿上そうあらわしたいと考えている」登記原因とその日付です。 また、売渡し証書は登記のために法務局に提出するために・そのときにしか作成されませんから、>「売渡証書の誓約違反」などということはあり得ません。 (そもそも買主は、のちに権利書となって渡されて来るまではこれを見たこともないということも多い。司法書士がつくり売主だけに押印させることが多いからです。) ◇ >指定弁護士は、『売渡しました。と書いてある。』と、これを自慢げに見せ・・・「これが、引き渡し完了書です。」と断言しました。 >ご意見を伺いたい。
私にはわかりません。 私だったら、上に書いたように「売渡し証書」は形式的なだけのものだから、そこに何か法律的な意味があるなどという主張はできません。 指定弁護士がそのことをまさか知らないということはないだろうから、悪意のあるデマ攻撃でしょうか。 弘中弁護士は、論破できると思います。 また、「引渡し完了書」については、>>06に「引渡し完了確認書」として書きました。 06では、「売主および仲介業者はすることをすべて済ませた、だからあとはもう文句はいうな、(だから仲介業者は仲介料を受け取れる)」、という意味」だと書きましたが、 もっと内実をいえば、「仲介業者はすることをすべて済ませた、だから仲介料を受け取れる」というところに実質的な意味があって、おもに仲介業者の利益のために、仲介業者が用意した書面に売主買主の押印を求めるものです。 だからこれにも大した法律的意味は見出せないはずです。 いずれにしても、売渡し証書=取引完了書というふうには業界ではまず考えられていない。まったく別物です。 ここのところは、指定弁護士がよほど悪質・大うそつきか、もしかしたら本当に知らないのかもしれない・・・なんてことはないか。 -------------------- キリがないから、そろそろ私の言いたい本論に移ります。 ↓ ◇ >>42を読んで、気がつきました。 (今ごろ!? といわれそうですが、分かりが遅いのは私が悪い。) これまで私が、「所有権移転のとき」を問題にしないほうがいい、といい、 阿闍梨さんが、「はじめからそれは(大した)問題にしていない」とおっしゃっていたと思いますが、 どうやら阿闍梨さんは、所有権移転の日とは別に、「使用収益できることとなった日」を重視しているようです。 そして私は、所有権移転の日=使用収益できることとなった日、と考えていた。 これがどうもチグハグした原因のようです。 所有権移転の日については、なかなか意見が合わないので、これは脇に置いておいて、 以後はもっぱら、「使用収益できることとなった日」について考えてみます。 ◇ 「使用収益できることとなった日」とは、引渡しがあれば、その日からでしょうね。 ただ阿闍梨さんは、引渡しは10/29ではないとおっしゃるでしょうから、引渡しはまだの場合だとしましょう。 ↓ 代金は支払ったがまだ引渡しがされていないときはどうでしょう。 「民法575条 1項 まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属する。 2項 買主は、引渡しの日から、代金の利息を支払う義務を負う。 」 1項は、「契約後、まだ(代金も支払われず)引き渡しもされていない売買の目的物が果実を生じたときは」、売主が使用収益できる、という意味だと考えられています。 2項は、「買主は、引渡しを受けたがまだ代金を支払わなかった場合には」、以後支払いのときまでの利息を上乗せして支払わなければならない、という意味です。 ご覧のように、「代金は支払ったがまだ引渡しがされていない」場合の使用収益はどうするかの話は、出てきません。 それに1項の、「まだ(代金も支払われず)引き渡しもされていない売買の目的物が・・・」のところは、何だか変な解釈です。余計なものが勝手に入っている(=カッコ内の部分)ようです。 これは、実・情・は・「代金は支払ったがまだ引渡しがされていない」場合の果実(=使用収益権)は代金を支払った買主のものなのに、民法575条がそうなっていないため、 ↓ やむを得ず、上のように(=カッコ内の部分を追加して)解釈して、 ↓ だから、「代金は支払ったがまだ引渡しがされていない」場合については575条に出てこないのだから、反対解釈として、果実は(=使用収益権は)買主のものだ、とすることができるように、なのです。 あえて、少し無理して解釈しているのです。 ◇ というわけで、、「代金は支払ったがまだ引渡しがされていない場合には、使用収益権は、代金を支払った日から買主のものだ」、と一般には受けとめられています。
私が>>06で、『たとえば買主が建築資材でも置いたら売主が、「おいおい、本登記がまだだからそこに物を置くな」と文句をいう場面と、逆に、売主がひとに車を置かせて駐車料金を取ったら、買主が「おい、もう金を払ったのだから俺の土地だ。勝手なことをするな」と文句をいう場面』とを並べてみたのも、そういう意味です。 (なお、代金支払いその他すべて済んでも、売主がまだその土地を使い続ける場合はもちろんあります。 でもそれはたとえば、「まだあと・・・ヶ月は引越しできないからおかせてくれ」とか、売主が買主に頼んでそうなります。 多くの場合、それに見合った金銭が売主から買主に払われます。 決して、「本登記がされるまでは売主がその土地を使い続けることができる」、なんてことはありません。) ◇ けっきょく、「使用収益できることとなった日」を根拠に勝負しても、小沢さん側は負ける可能性が高い。
というか、所有権移転の日だろうが、引渡しの日だろうが、使用収益できることとなった日だろうが、 (私はいずれも10/29説ですが、そして阿闍梨さんが1/7説でそれも十分ありうることで、ただ阿闍梨さんと私との意見がなかなか合わないだけだとしても)、 それらを根拠にしてたたかったのでは、0Eo・・・さんのいう例の「ダブルスタンダード」がある限り、テキが10/29を選んで、けっきょく負ける、ということが大いにあり得るのです。 代金(にあたる金額のお金)が支払われた日ははっきりしていますが(=10/29)、それを「前払い」あるいは小澤さんの「立替払い」と解釈できるかどうかは、やはり曖昧です。 テキが(=裁判所が)、どう解釈してくるか/こじつけてくるか分からない以上、危険です。 はっきりしているのは、本登記が1/7だ、ということだけです。 ◇ そこで考えます。法人税基本通達2−1−2についてです(これは阿闍梨さんと0Eo・・・さんとで十分論じられているところですが)。
阿闍梨さんは、今回は「引渡しの日がいつであるかが明らかでないとき」にあたらないから後段は適用にならない、前段の「相手方において使用収益ができることとなった日」だ、とおっしゃっています。 しかし「引渡しの日」も、敵のダブルスタンダードのわなにかかる可能性があります。 そこでこれを逆手にとって、「引渡しの日」も曖昧だ、だからそれが「いつであるかが明らかでないとき」にあたるとして、後段を適用し、「(2) 所有権移転登記の申請・・・をした日」の話にもっていくことはできないでしょうか。 「所有権移転登記の申請をした日」だけが、はっきり動かないからです。 (以上、0Eo・・・さんの発案=著作権ですが。) ◇ 私のいいたいこと。
敵のダブルスタンダードのわなにかかると危ない。 つまり、1/7計上でもよいようにも見えるがじつは10/29でなければならない、と認定されてしまうと、一応はとにかく形式犯です。 そうすると、ただの間違いだ、悪意はない=可罰的な違法性はない、と主張しても、 「では悪意のないことを示せ。なぜ登記を1/7にしたか説明しろ。悪意がないなら、資金の出所も説明しろ」、と攻撃されます。 まあ私は、そんなこと説明する必要はないと思いますし、すでにされている説明で十分だとは思いますが、それでも攻撃はされ、それがまた小沢批判の政治的デマに利用されます。 基本通達2−1−2の後段、「所有権移転登記の申請をした日」で勝負して勝てば、形式的な記載違反すらないのですから、 もはや、「登記について説明しろ。資金の出所も説明しろ」、と言われることもない。 いわれても、まったく答える必要がないと突っぱねることができる・・・のではないでしょうか。 ◇ 最後のほうはヘロヘロで、うまく分かってもらえるように言えてないかも知れない。 それに、整理すればもっと短く書けたかもしれないが、でももうほとんどムリ、読み直しせずに出します。
阿闍梨さんもお忙しいところ、身体にご無理をなさらないように。 ・・・でもあとでゆっくりでいいから、読んでください。
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