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久しぶりに小沢不動産問題について書いてみる
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/2496989/
2011/11/03 09:23 阿比留瑠比 国を憂い、われとわが身を甘やかすの記
本日は昨日に引き続き、竹島問題に関するエントリとする予定でしたが、資料を職場に置き忘れてきたので、実に久しぶりに民主党の小沢一郎元代表の不動産問題を取り上げようと思います。このブログの昔からの訪問者の方はよくご存知のことですが、私は以前、この問題にかなりこだわっていろいろな角度から取り上げてきました。
政治家の資金管理団体が都心などに特段必要もないのに10物件以上も不動産を買い漁り、しかもそれが小沢氏が元気な間はすべて資金管理団体の経費で維持され、不慮の事態が起きれば法律上、小沢氏の親族が相続することになるる----という構図が、いかに合法的であろうと納得がいかず、まさに小沢氏という政治家のあり方を象徴しているように思えたからです。
小沢氏の政治資金問題の本質は、法の網の目をかいくぐろうと法の精神に反していようと、とりあえず形式的に合法的だったら何でもいいじゃないかという、ある種のニヒリズムにあるように感じています。実際、過去のエントリで紹介したように、ご自身でもそんなことを語っていますしね。
ですが、実際にこの問題が事件化され、さらに裁判も始まるに至って、私がわざわざここで論じる必要もないだろうと考え、小沢氏自身にも特に関心がなくなったこともあり、久しく取り上げていませんでした。いかにつまらない政治家であっても、強い権力や影響力を持っている間は論評しないわけにはいきませんが、この先じり貧になる一方だろうと見ていたこともあります。
とはいえ、やはり小沢氏の公判の模様などは気になるので、新聞各紙の関連記事には目を通しています。そして、小沢氏の初公判を報じた10月7日付の東京新聞の記事に「ああ、やっとこの問題が出てきたか」と思う問題が文中に埋もれるように小さく出ていたので、その後の展開に注目していました。それは裁判の論点ではないのですが、私が小沢不動産問題のいかがわしさ、不透明さを訴えてきたいろんな理由の一つでもありました。記事にはこうあります。
《(指定弁護士は冒頭陳述で)同会(資金管理団体の陸山会)が小沢元代表の妻に「毎月計344万円の不動産賃料を払っている」とも述べた。陸山会など小沢元代表の関連団体の支出は約6割が不動産関係という》
10件以上の不動産物件を持つ陸山会が、どうしてさらに小沢氏の和子夫人に毎月そんな高額な賃料を払っているのか、ふつう疑問に思うところですね。しかも、陸山会のお金は基本的に政治資金であるわけで、それが小沢氏サイドに還流していることにもなります。私が気づいた範囲では、この冒頭陳述の部分を取り上げていたのは東京新聞だけでしたが、違法か合法かではなく、こういう手法にこそこの問題の本質があるとずっと考えてきました。
私も過去の2007年2月28日のエントリ「小沢氏の資金管理団体は家賃2400万円も計上」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/125183/)、2007年5月25日のエントリ「自民・松波議員への懲罰動議と小沢不動産について」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/179167/)、2008年のエントリ「小沢不動産・週刊現代記事を後追いしてみる」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/731962/)などで、この不可解な賃料の問題と和子夫人のかかわりについて幾度か書いてきましたが、十分詰められずにいました。ところが、やはり指定弁護士たちもこの点の不透明さは強調しておきたかったのでしょうね、直接、裁判の焦点になっていないにもかかわらず、冒頭陳述でしっかり指摘したというわけです。
で、そうしているうちに今週発売の週刊現代で、この小沢不動産問題を当初から追い続けてきたジャーナリストの長谷川学氏が「奇々怪々! 小沢一郎が妻に渡す『毎月344万円の家賃』」という記事を掲載したので要約して引用、紹介します。長谷川氏は冒頭陳述を引用してこう書いています。
@ 《陸山会、政経研究会、誠山会は、和子から建物を賃貸し、平成12年以降は毎月344万円の賃料を支払っている》
A 《和子夫人は被告人(小沢氏)の私邸近くの2棟も所有し、それを旧秘書寮として前述の政経研究会と誠山会に賃貸しており、平成7年以降、それぞれ毎月69万5000円(合計139万円)の賃料も受け取っている》
私の過去エントリで2400万円とあるのは、@の中の陸山会分についてです。またAの2棟についても過去エントリで書いた通り、現物を見にいきましたが、なかなか立派な建物でした。10人以上は優に住めるスペースがここにありながら、さらに3億6000万円かけてどう考えても不必要な新たな「秘書寮」を建てようとしたのが、そもそもこの問題が注目される発端でしたね。
それにしても毎月344万円の賃料だと、年に4000万円以上となりますね。いやはや、とてつもない金額ですが、それが10年以上続いたとなるとさらに……。私なんかには想像を絶する世界であります。
で、@の建物はどんなものかというと、これは世田谷区の小沢氏の豪邸に隣接する「同じ敷地内」にあり、延べ床面積336平方メートルの2階建て(土地部分は約500平方メートル)。土地も建物も、小沢氏の私邸からほど近いところに住むA氏の所有で、長谷川氏の記事によると《和子夫人は、このA氏から土地と建物を借りる形になっており、さらに夫人がこれを陸山会に転貸している》という形です。
で、実は私は以前、後輩記者にこのA氏に取材させ、「陸山会によるとあなたは月に約200万であの建物を貸しているというが、それは事実か」と当たらせたことがあります。その際、A氏の回答は
「小沢さん(陸山会)が200万円だと言っているのなら、きっと200万円なんだろうよ」
という実に要領を得ないもので、ますます疑惑は深まったもののの、それ以上は取材に応じてもらえなかったのでした。このとき、この建物は事実上、小沢邸の敷地内にあってA氏には使い道がないし、年額2400万円もの賃料を毎年払い続けるぐらいなら、なんで買い取らないのか、しかもなぜ小沢氏個人ではなく陸山会が賃料を払うのか----などとさまざまな疑問が生じましたが、小沢氏の資金問題をめぐってはこんなことばかりでもあります。
長谷川氏は記事でこう指摘しています。
《政治団体のカネ=政治資金には、支持者からの献金の他、政党交付金などの税金も含まれている。そのカネを、政治家が直接、自らの懐に入れることはもちろん許されない。しかし妻などの名義を使い、そこに資金を迂回させれば、表面上は「合法的」になってしまう。これではまるで政治資金のマネーロンダリング≠セ。》
小沢氏をめぐってはこのほか、小沢氏やその側近が支出、あるいは名目上の支出先となり約100億円が使途不明のまま闇に消えた政党の機密費、「組織対策費」の問題もあります。いま裁判で争われている政治資金収支報告書の虚偽記載問題も決して軽視はできませんが、疑惑の氷山の一角、問題の傍流にすぎないと考えています。まあ、書き出したらきりがありませんが、このへんでやめておきます。
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