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航空機(日本も輸入)などの製造業もあるが、小麦・豆類・油用種子や肉類そして木材の一大輸出国であるカナダが、農業保護にこだわり、TPP協議に参加していない理由を次のように説明している。
NAFTAに参加しているカナダは、輸出入とも米国との取引額が断トツである。会見では語っていないが、米国と同じく、日本がTPPに参加するかどうか様子を見ているはずだ。
日本がTPPに参加するとしたら、GDPで米国が7割・日本が2割だから、日本がいないTPPに参加しても、NAFTA加盟のカナダなら、着ている洋服をただ1枚2枚と脱がされるだけで得はないと考えるのは当然だ。
カナダ農相の話を聞くと、英国と米国からという“二重影響構造”にありながらカナダ政府は農業保護で主権を貫き、その一方で、日本政府は主権を守る意志さえないことがよくわかる。
カナダの農相は、「アジア太平洋経済協力会議(APEC)までに、という圧力や焦りはない」と語り、「TPP交渉が決着するまでの道のりはかなり長くなる。その過程で、カナダが加わることの意義を他の交渉国が理解する」のを待つと冷静に構えている。
参加して欲しいと思う国にはそれなりの条件を用意するものだから、自分から腹をすかした犬のようにバタバタ走り寄るのではなく、相手をじらすのが得策という考え方は正しい。
重要な話が最後になったが、カナダは、TPP協議参加国に「全品目を交渉対象とする用意があるが、参加条件の事前交渉はしない」と主張し、それが本音の理由かどうかはともかく未参加のわけを、カナダが交渉入りの前に“約束”をしないことに、「米国とニュージーランドだけが反対しているからだ。この2カ国は事前に何らかの約束を求めている。しかし、我々にはその用意はない」と説明している。
ということは、日本政府が、TPP協議に参加できるとしたら、現在協議中の9カ国に事前の“約束”を示した可能性が高いという話になる。
それは秘匿が求められる可能性もある交渉の内容ではなく、交渉に参加するための条件なのだから、日本政府は、国民に対し、協議に参加させてもらうために事前の“約束”をするのか?“約束”をするとしたらどういう内容の約束をするのか、参加表明の前に明らかにする義務があるはずだ。
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カナダ貿易相に聞く
TPP、農業守り参加狙う
交渉入り前の「約束」望まず
カナダが環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する道を探っている。同国は日本と同様に国内に保護したい農業分野を抱え、全分野の関税撤廃には反対する立場。米国をはじめとする現在のTPP交渉参加国と、どのように協議を進めるのか。来日したエド・フ
ァスト国際貿易相にTPP交渉参加に向けた方針を聞いた。
――TPP交渉への参加を目指しているのか。
「カナダ政府は、経済成長と自国企業が世界市場で事業機会を増やすことを目指している。カナダが経済的に繁栄するためには貿易障壁は撤廃すべきであり、アジア太平洋地域の経済統合を進めるべきだ。貿易自由化が望ましいという立場だ」
「ただ難しい問題は、どんな貿易自由化交渉でも(市場開放しにくい)デリケートな分野があること。TPP交渉参加国はそうした特定の分野を、それぞれ国内に抱える。カナダの場合は、供給管理の下にある乳製品、鶏肉、鶏卵の3分野だ」
−−自由化対象に例外を設けるのはTPPの原則に反するのでは。
「これまで我々は多くの貿易交渉を成功させてきた。まず全品目を交渉の机の上に置いたが、交渉の最後には供給管理の仕組みを守ることができた。米国、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)交渉も同じだ」
「現在のTPP交渉の全参加国にこう伝えている。カナダは全品目を交渉対象とする用意があるが、参加条件の事前交渉はしない。全参加国が全市場分野を机に載せ、自由かつ率直に協議すべきだ。貿易全体のパイを大きくし、全員が勝者となることこそが重要だ」
――日本の立場と共通点があるか。
「日本にもデリケートな分野があり、同時にTPP交渉に関心が高いと認識している日本とは交渉の健全な進め方と目標について、立場を共有できると考えている」
――なぜカナダは交渉に未参加なのか。
「米国とニュージーランドだけが反対しているからだ。この2カ国は事前に何らかの約束を求めている。しかし、我々にはその用意はない」
「その一方で、カナダが単独で自発的に国内の貿易障壁の撤廃に取り組んでいることを、日本も知っておいてほしい。例えばかねて米国が懸念を表明してきた著作権保護では、カナダ議会は、世界知的所有権機関(WIPO)の協定に沿った保護強化法案を可決した」
――いつまでに交渉に参加できる見通しか。
「ハワイでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)までに、という圧力や焦りはない。現実的に見れば、TPP交渉が決着するまでの道のりはかなり長くなる。その過程で、カナダが加わることの意義を他の交渉国が理解すると考えている」
(聞き手は編集委員 太田泰彦)
[日経新聞11月3日朝刊P.7]
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