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誰でも天皇陛下と同じ医療が受けられる国の危機   西岡昌紀
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/576.html
投稿者 西岡昌紀 日時 2011 年 11 月 02 日 19:57:54: of0poCGGoydL.
 

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(転送・転載を歓迎します)

http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/4777896.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1791681995&owner_id=6445842

諏訪邦夫先生は、日本を代表する高名な麻酔科医です。


1987年、諏訪先生は、膵癌を患はれた昭和天皇の手術に麻酔科医として
参加されました。その際、手術後の記者会見で、新聞記者から、その日の手術の麻酔について質問を受けた諏訪先生は、何を言ったか?諏訪先生が、著作の中に書かれたこの回想をお読み下さい。

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 1987(昭和62)年の9月下旬、天皇陛下は宮内庁病院で腸の手術を受けられました。私は、この手術と術後の治療に麻酔科医として参加しました。ところで、読者の方々は天皇陛下の医療が非常に特殊なものであった、と想像してはいないでしょうか。
 もしそうだとしたら、それは誤りです。私自身も、おそらくはチームの他の先生方も、天皇陛下だということで、初めは緊張してやや身構えたところのあったのは否定できません。それに、あれだけ細大もらさずテレビや新聞や週刊誌に報道され、その取材の方々に攻め立てられるのですから、つい特殊なことをしている気分になりそうです。しかし、医療そのものは特殊ではありませんでした。
 宮内庁病院は一般病院とはちがいますが、それは皇居の中にあってふつうは近ずけない、というだけのことです。陛下の手術室や病室も、入口に警備の人がついているところはちがいましたが、設備や行なった医療は同じです。ふつうに硬膜外麻酔を行ない、ふつうに気管内挿管して笑気で麻酔し、術後は集中治療室でふつうに治療を続けました。
 新聞記者の方々には、「天皇陛下だから使ったという、特殊な薬や特殊な医療機器はありませんか」と攻め立てられましたが、そういうものはありません。考えてみて下さい。もし、「天皇陛下だから使おう」というほど優れた方法があるとしたら、私たちはその前に使いたい患者、使うべき患者に応用しています。逆に、今まで使わなかったことを天皇陛下にいきなり使用するなどということは、医療の原則にも反しますし、その勇気もありません。ですから、天皇陛下に行なわれた医療は、一般の国民の方々の受ける医療と同じなのです。
 これは凄いことだと思います。現在の日本ではどこに住んでいても、どんな立場のどんな収入の人でも、基本的には同一の医療が受けられるということです。つまり、健康保険を中核とする医療の体制が、かなりよく機能していることを表わしています。もちろん、病室が個室か大部屋かとか、床に絨毯が敷いてあるかないか、などの差はあるでしょうが、それは医療の本質とは無関係なことです。自宅に絨毯を敷いていない人が、病院に絨毯を要求するのは不当な要求というものです。


(諏訪邦夫『麻酔の科学』(第1版/講談社ブルーバックス・1989年)第11章「だれもが天皇陛下と同じ医療を受けられる」(同書202〜203ページ)より)


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これが、日本の医療です。

世界中がうらやむ日本の医療制度が、「誰でも天皇陛下と同じ医療を受けられる」社会を維持して来ました。

では、アメリカはどうなのか?次に御紹介するのは、ニューズウィーク日本版の記者で、日本で入院生活を体験したアメリカ人ジャーナリスト、デーナ・ルイスさんが、1993年に書いた自身の体験の回想です。やや長い文章に成りますが、驚かずにお読み下さい。

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http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1444545957&owner_id=6445842
http://www.asyura2.com/09/iryo03/msg/256.html


(以下引用)


二つの病院の話をしよう。とくに目新しい話ではない。でも、日本の読者もこれから数カ月間、アメリカの医療保険制度をめぐる論議について耳にタコができるほど聞かされるはず。いったい何が問題なのかを理解してもらう上で、この話はいささかなりともお役に立つかも知れない。
 まずは東京郊外の丘の上に立つX病院(近くには某テレビ局の広大なスタジオがある)の話。数年前のある日曜日の午後、私は赤い自転車に乗って、この丘のスロープを下っていた。さわやかな日だった。目の前には、穴ぼこ一つない舗装道路が広がっている。あたりには人影もなく、ついついスピードを出しすぎた。
 しまったと思ったときは、もう遅かった。私は救急車で丘の上の病院に運ばれた。足首の骨が砕けており、つま先が地面に触れるだけで、激痛が走るありさまだった。
 X病院は五階建ての私立病院で、その界隈では一番大きい病院だ。でも、私が運び込まれた大部屋には、さびた鉄棒の古めかしい病院用ベッドが並び、天井には雨漏りの染みが広がっていた。
 ベッドの横に布団が敷けるようになっていて、夜中にトイレに行くときに介助が必要なら、「付き添いのおばさん」を雇ったらいい、という。ときおり無愛想な看護婦がやって来て、体温を測る。医者は日に一度だけ、ちょっと病室をのぞいて私の足首を見ると、「結構、結構」などとつぶやいて去っていく。

一週間後に、ようやく手術を受けた。これまた年代ものの手術室。私の足には、フランケンシュタインもかくやの縫合の跡が残った。その後、まるまる一カ月間、医者は私を病院のベッドにクギずけにした。おまけに骨を支えるために入れていた金属の棒を、麻酔もかけずに引き抜いたのだ!
 退院許可が下りるころには、私はこの病院に敵意すら抱いていた。不潔なトイレ、不親切な看護婦、惨めな食事・・・・。
 X病院でさんざんな目にあったので(もちろん、ここが日本の最高水準をいく医療施設だなどとは思わなかったが)、日本ではもう二度と病院の厄介にはなるまいと固く心に誓っていた。
 だから、八カ月後、再び足首が痛み出したとき、私はサンフランシスコ近郊にあるY病院(同じく私立)に行った。
 検査の結果、X病院の処置がまずかったので、再手術の必要があることがわかった。私はアメリカでも指折りのその道の専門家に執刀を依頼した。彼は何時間もかけてレントゲン写真を見せ、これからどのような処置をするか詳しく説明してくれた。
 手術を当日、朝七時にY病院に入院。親切な看護婦が、最新式の電動ベッドを備えた明るい部屋に案内してくれた。数時間後、医者は医者はファイバースコープを搭載したリモコン式の超小型ノコギリで手術を行った。傷跡はびっくりするほど小さい。手術の模様はビデオテープに収録され、後で患者に見せることになっている。
 麻酔からさめると、輝くように清潔な部屋に寝かされていた。愛想の良い看護婦が何度も顔を出しては、「気分はどう?」と尋ねる。手術からきっかり、十二時間後に退院許可が下り、私は歩行用の軽いギプスをつけてY病院を退院した。
 ざっとこれが二つの病院の物語だが、ただもう一点、些細な違いにも触れておかなければならない。X病院では私は健康保険による治療を受けたが、Y病院ではそうではなかった。

 アメリカの医療保険制度は論争は、多くの日本人にはわかりにくいかもしれない。日本には国民皆保険制度があり、会社員であれば給与から保険料が天引きされる。医者にかかるのに、いちいち懐具合を気にする必要はない。もちろん、私と同じように、果たして最善かつ最新鋭の医療を受けたかどうか疑問に思う人も少なくないだろう。
 アメリカの医療サービスの水準は高く、X病院よりはるかにましな日本の病院と比べても、総じてもっと行き届いたケアが受けられる。けれども、ここで言いたいのは、そのことではない。アメリカの医療保険制度をめぐる論議は、医療サービスの質とはあまり関係がないのだ。
 問題は、退院して数週間後に私がY病院から受け取ったぶ厚い封筒にある。
 X病院の場合、一カ月の入院で私が窓口で支払ったのは、わずか五万円。残りは健康保険でまかなわれた。
 Y病院から送られてきた封筒には、当時の為替相場で換算してなんと125万円の請求書が入っていた。半日のケアに対して、この金額である。日本で働いていた私は、アメリカの医療保険にはいっさい加入していなかった。病院とかけ合い、第三者に明細書をチェックしてもらうなど、八方手を尽くしてみたが、結局は全額支払う羽目になった。
 今のアメリカには、医療保険に加入していな人が3700万人もいる。この恥ずべき事実の原因は複雑だが、結果は単純だ。彼らは自転車で転んだり、癌や糖尿病にかかったり、あるいは妊娠しただけで、破産の憂き目にあう可能性がある。
 世界最高の医療サービスを提供してくれる施設は、アメリカにはいくらでもある。ホテル並みの病院の自動ドアの前に立ちさえすれば、優秀な医師と親切な看護婦の一団があなたを迎えてくれるだろう。
 ところが、日本と違って、誰もが気軽にそのドアの前に立てるわけだはないのだ。私はまだしも恵まれていた。仕事に就いているので、法外な治療費をどうにかやりくりできたからだ。だが無保険者の多くはそうではない。借金して払う人もいる。ないものはないと居直って、病院や政府にツケを回す人もいる。それ以前に、治療を受けずに苦しんでいる人が大勢いる。
 だからこそ、X病院でひどい扱いを受け、Y病院のすばらしいケアに救われたにもかかわらず、私は日本の医療保険制度を改めて見直している。もちろん、医療サービスの水準がアメリカ並みになれば、それに越したことはない。

 クリントン大統領が先週、議会に提出した医療保険制度改革案に反対する一部の人々は、医療の質の低下を論拠にしている。国民皆保険制度を導入すれば、X病院のような施設が増えるのではないか。そうでなくとも、金を出しさえすれば、最高のケアが受けられる現行制度のメリットが失われる可能性があると、彼らは主張する。
 だが、こうした批判はあまりにも説得力をもたない。質が低下する懸念がないとはいわないが、それはすでに医療保険に加入している人の言い分だ。X病院とY病院の中間には、さまざまなレベルのサービスがある。けれども、保険に入っていない人たちには、そもそも行くべき病院がないのだ。
 というわけで、今後数カ月、辛抱強く論議の行方を見守ってほしい。制度改革をめぐる論争は部外者には退屈だろうし、国民に医療を保障するというごく当たり前の政策を実行するのに、なぜこれほどごたつくのか、日本人は理解に苦しむだろう。
 でも私たちアメリカ人は、この方面ではまだまだ学ぶことが多いのだ。

(デイナ・ルイス「世話になるならやっぱり日本の病院?」(ニューズウィーク日本版・1993年10月6日号・44〜45ページ)


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TPPに加盟したら、「誰でも天皇陛下と同じ医療を受けられる」日本の保険医療制度が、アメリカの保険会社から「非関税障壁」と見なされる事は明らかです。そんな社会では、アメリカの保険会社の商品(保険)の需要が伸びないからです。

アメリカの保険会社にとって、日本のTPP加盟ほど嬉しい話は無いでしょう。日本が、TPPに加盟さえしてしまえば、もうアメリカの物です。日本政府は、TPPが定めるISD条項、即ち、アメリカ企業に「損害」を与える制度を撤廃させられる条項によって、アメリカは、日本の保険医療制度を廃止するに追ひ込まれる事は確実だからです。「誰でも天皇陛下と同じ医療を受けられる」日本のこれまでの医療制度は消失し、デーナ・ルイスさんがアメリカに帰国して体験した様な医療制度が、それにとって代はるのです。アメリカの保険業界にとってはバンバンザイです。

TPPに加盟するとは、こう言ふ事なのです。

野田内閣は、今、それをしようとして居ます。

平成23年11月2日(水)


              西岡昌紀(内科医・元厚生省職員)

http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/4777896.html

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TPP参加で「自由診療」普及 金持ち用病院登場する可能性も
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1798590&media_id=125

TPP参加で「自由診療」普及 金持ち用病院登場する可能性も
(NEWSポストセブン - 11月02日 16:10)

 政治家だけでなく、経済学者の間でも意見がまっぷたつに分かれているTPP。関税廃止による農業への影響はよく語られるが、もうひとつ医療への影響も大きいとの予測がある。

 TPPはモノだけでなく、「ヒト、サービス」も自由に行き来できるように、各国で統一のルールを整える。なかでも医療が大きく変わりそうだ。

 日本の医療は皆保険制度。国民全員が保険料を国に納め、国が平等に医療を受けられるように保障する。このため、医師が自由に料金を設定できる「自由診療」は、先進医療や美容手術などの場合を除き、厳しく制限されている。

 しかし、これは日本独自のシステム。アメリカなどではその「自由診療」が主流だ。TPPに参加すると、各国の診療体系が同一化されるため、日本もまた「自由診療」が普及する公算が大きい。

 現在の国民皆保険制度のもとでは、治療費は国が定める範囲でしか決められないので、腕のいい医師が治療しても、腕の悪い医師が治療しても、基本的には同じ料金しかかからない。いい換えれば、腕のいい医師はあまり儲けられないシステムになっている。そのため、スーパードクターといわれる医師が、海外に流出する弊害がある。ジャーナリストの山田厚史さんはこう予測する。

「TPPが導入されると、医療の自由競争が進み、営利のために病院を経営する株式会社の参入が拡大、医師はたくさん稼ごうと思えば稼げる環境になります。これまで国内で治療できなかった難病を治せる医師が登場するかもしれません」

 しかし、「自由診療」の普及は、医療格差を広げるという。

「自由診療ばかりを扱い、保険での診療を極力避ける病院が増える可能性があります」(山田さん)

 つまり、お金のある人は医療を受けられるけれど、お金のない人は医療を受けられない病院がでてくる可能性があるのだ。また、保険での診療を扱っている病院には患者が集中する。疲弊した医師たちが自由診療を希望するようになれば、医師不足にも拍車がかかることになってしまう。こうした点から、日本医師会はTPPに猛反対している。

※女性セブン2011年11月17日号

 

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コメント
 
01. 無段活用 2011年11月02日 21:46:04: 2iUYbJALJ4TtU : ZgIt55eFaN
岩上氏のツイートが、私のアカウントに回ってきた。

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@iwakamiyasumi 岩上安身

ほらね。RT @XBOXID_JINROKU_: RT @clarte1: 本当でした。日本政府が嘘ついてた。TPPで公的医療保険は自由化、薬価もTPP対象 alfalfalfa.com/archives/47750… 小宮山厚労相が認めても大マスコミは報道しない。米国からの要求文書が存在。

http://alfalfalfa.com/archives/4775011.html

-----------------

とんでもない。


02. 2011年11月02日 22:54:33: x94jNAnB4M
誰でも天皇陛下と同じ医療、ということは、
日本の医療レベルが公的保険のせいで沈滞しているという証明でもある。

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