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【小沢被告第4回公判(1)】
「まさか逮捕はないだろう」 石川議員、水谷建設の裏献金を否定
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/trl11110112190006-n1.htm
2011.11.1 12:19 産経新聞
(10:00〜10:20)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第4回公判が1日、東京地裁(大善文男裁判長)で始まった。前回に引き続き、小沢被告の「腹心」で、元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴=が出廷し、証人尋問が行われる》
《第3回公判で、石川議員は検察官役の指定弁護士側の尋問に対し、「自分としては、きちんと記載したつもりです」と述べ、虚偽記載の認識を否定。焦点となっている小沢被告への不記載の報告についても「報告していない。そういう調書を(検事に)書かされた」などとした》
《また、東京・世田谷の土地の不動産登記を翌年1月にずらしたことについては、小沢被告の側近で、前任秘書の樋高剛衆院議員から「アドバイスを受けた」と“新証言”。「政治状況が変化するから、収支報告書の公表が1年遅れた方が余裕ができるんじゃないか」と言われ、実行に移していたことを明かした》
《不動産登記の翌年への先送りは、1審判決で小沢被告が貸し付けた4億円を隠すための「隠蔽工作」と認定されている。それに現役の衆院議員が「助言」という形で、深く関与していたことになるが、今回の公判で樋高議員の証人尋問は予定されておらず、指定弁護士側にとって、これ以上の追及は難しい情勢になっている》
《ただ、指定弁護士側は前回公判で、証拠提出していた石川議員の自筆ノートを初公開。政治資金収支報告書に関する引き継ぎ事項として、「全体、先生に見せる」との記述があったことを明かし、「小沢被告にまとめたものを見せるという趣旨ではないか」と追及。石川議員から「そうだったかも知れない」との証言を引き出すことに成功している》
《きょうの第4回公判では、前回に続き、指定弁護士側が尋問を行い、その後、弁護側の反対尋問、裁判所側からの質問が行われることになっている》
《第2回公判で再生された石川議員の「隠し録音」には、任意聴取を行う検察官に石川議員が「報告は本当に短い時間なんですよ」「できれば『3分ぐらいで』とか時間を入れて」などと、小沢被告への報告を示唆する発言も録音されていたが、前回公判ではこれについてはまだ触れられていない。今回の尋問で追及されるのだろうか》
《法廷は前回と同様、東京地裁最大規模の104号。傍聴席はほぼ満席。午前10時ちょうど、裁判長が小沢被告の入廷を呼びかける》
裁判長「それでは被告の入廷をお願いします」
《傍聴席から向かって左側の扉が開き、小沢被告が入廷する。紺色のスーツに白いシャツ、えんじ色のネクタイ姿の小沢被告は入廷後、裁判長に一礼をすると、いつもの通り弁護側の席に座った。また、座るやいなや目を閉じた》
《続いて裁判長が石川議員の入廷をうながす。今度は向かって右側のドアが開き、紺色のスーツに青色のネクタイ姿の石川議員が入廷する。胸に議員バッジはなく、法廷に向かって軽く会釈した後、証言台に立った。小沢被告とは目を合わせない》
《裁判長が石川議員に着席をうながし、指定弁護士側の尋問が始まる》
指定弁護士「あなたは平成22年1月15日に逮捕され、2月4日に起訴。その後、保釈されましたね」
証人「はい」
指定弁護士「取り調べの内容について伺います。まずは水谷建設についてですが、(小沢被告から受領した)4億円の原資ではないかと追及を受けましたね」
証人「はい」
指定弁護士「どのような疑いをかけられましたか」
証人「私が平成16年10月15日に水谷建設株式会社から5000万円を全日空ホテルで受け取ったのではないかという疑いを持っていました」
指定弁護士「そういう事実はあるんですか」
証人「ございません」
《石川議員ら元秘書3人の1審判決では、「石川議員に5000万円を渡した」とする法廷での水谷建設の元社長らの供述の信用性を認め、裏献金の事実を認定。ゼネコンと小沢事務所との癒着が、虚偽記載事件の背景にあったと指摘している。石川議員は、これをまた真っ向から否定した形だ》
指定弁護士「検事にも『事実でない』と答えた?」
証人「はい」
指定弁護士「それで疑いは晴れましたか」
証人「いいえ」
指定弁護士「1月15日に逮捕され、裁判官の勾留質問が行われた際、水谷建設について説明しましたね」
証人「はい」
指定弁護士「どのように説明しましたか」
証人「水谷建設から5000万円はもらっておりませんと述べたと記憶しております」
指定弁護士「水谷建設からの5000万円はあなたにかけられた被疑事実ではありませんが、なぜ説明したのですか」
証人「逮捕されて絶望やあきらめがありましたが、水谷建設のことが、降ってわいたように出てきたので、それについて言わなきゃいけないと思ったんだと思います」
《石川議員の声は、はきはきと答えていた前回と違い、小さく、かすれ気味の声で話すため、ときおり音がこもって聞こえにくくなる》
指定弁護士「5月の○○検事(法廷では実名)の取り調べでも、水谷建設の話は出ましたか」
証人「はい。何度か話したと思います」
指定弁護士「最後まで水谷建設からの5000万円は、受領していないと供述しましたか」
証人「はい」
指定弁護士「その後、(副部長の)□□検事から聴取を受けていますが、そのときも認めていませんね」
証人「はい」
指定弁護士「水谷建設から受領したという調書を作成されたことは?」
証人「いいえ」
指定弁護士「間違った調書は作成されていないということですね」
証人「はい」
《その後、指定弁護士は平成21年12月に、○○検事から任意聴取を受けた際の状況について聞いていく》
指定弁護士「調書は作られましたか」
証人「はい」
指定弁護士「(4億円の原資は)小沢さんの個人資産で、相続で引き継いだものだ、という話はしましたか」
証人「はい」
指定弁護士「調書には載っていますか」
証人「載っていると思います」
指定弁護士「不動産登記を翌年にずらしたのは、『忙しかったので(後任の)池田(光智元秘書)にやらせた』という話はしましたか」
証人「はい」
指定弁護士「それは調書には載っていますか」
証人「はい」
《石川議員は前回の公判で、政治資金収支報告書の虚偽記載について、小沢被告に報告し、了承を得たとする調書は「(検事に)書かれた」などと証言している。指定弁護士側は、石川議員が話したことが、そのまま調書に書かれている点を強調し、取り調べの正当性を訴えたい考えとみられる》
《指定弁護士はその後、銀行から受けた4億円の融資の経緯や、陸山会に入出金された現金の原資などについて、石川議員に検事に話したか、調書にその通り書かれたかどうかを確認し、石川議員はいずれも「はい」と答えていく》
指定弁護士「検事に主張したことは、きちんと調書に書かれているということでいいんですね」
証人「全部が全部というわけではありませんが、今おっしゃられたことについては、そうです」
指定弁護士「最後に調書にサインをしますね。認めたということではないんですか」
証人「認めたというか調書を作らないと帰してもらえませんから」
《指定弁護士はここで質問を変える》
指定弁護士「その後の捜査はどうなると思いましたか」
証人「どうなるというと?」
指定弁護士「捜査の行く末です」
証人「まず刻々と状況は変わっていました。正月には『在宅起訴』という報道がなされたので、そういう方向に進むのかな、という不安な気持ちでいました」
指定弁護士「その後、逮捕されましたが」
証人「(22年1月)13、14日と強制捜査が行われました。○○検事から『特捜部はなんでもできる』という話もあり、心の中では、『まさか逮捕はないだろう』という願望はありましたが、そういうことになるのか、とも思いました」
指定弁護士「特捜部の捜査について、どなたかに話を聞いたことは?」
証人「鈴木宗男先生と(元外交官の)佐藤優さんに相談しました」
指定弁護士「何を聞きましたか」
証人「なんでもやってくる、と…」
《ここで大善裁判長が「語尾が聞き取れないので、はっきり大きな声で話して下さい」と指摘する。石川議員の声はかすれて聞き取りにくい》
《次いで、指定弁護士は強制捜査の翌日の22年1月14日に行われた任意の聴取について聞く》
指定弁護士「どんな調書が作成されたか、記憶にありますか」
証人「記載ミスを認めた調書が作成されたのではないかと思います」
指定弁護士「小沢被告からの4億円を記載すべきだった、と?」
証人「そうだったと思います」
《その後、指定弁護士は、石川議員が後任の池田元秘書に、16年の収支報告書に土地代金の記載がないことは「気にしなくていい」などとし、17年1月7日に記載するよう指示したことについて確認していき、石川議員はいずれも「そういう調書が作成されたかも知れない」と答える》
《その後、指定弁護士は虚偽記載の指摘される収支報告書の記載についてに質問を戻す》
指定弁護士「小沢被告からの4億円についてですが」
証人「私としては記載したと思っています」
指定弁護士「『記載した』という根拠については話をしましたか」
証人「お話をしました」
指定弁護士「どう説明しましたか」
証人「小沢先生の4億円を記載しました、と」
指定弁護士「いや、根拠について聞いているのですが」
証人「収支報告書に書いてある通りだ、と」
《いまいち話がかみ合わない。指定弁護士が「記載の通りとは?」と聞く》
証人「(収支報告書の借入金の欄に)『小澤一郎 4億円』と書いてありますから、とそう申し上げました」
指定弁護士「○○検事から、それでは日付が違う、と質問はありませんでしたか」
証人「そういう質問はなかったです」
《水谷建設からの裏献金を否定した石川議員。指定弁護士は検事の取り調べ時の状況について質問を続けていく》
◇
【小沢被告第4回公判(2)】
「どんなに酒を飲んでも、眠れず…」 石川議員、気力うせ調書にサイン
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/trl11110112540007-n1.htm
2011.11.1 12:53
(10:20〜10:40)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第4回公判は、検察官役の指定弁護士による元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴=への証人尋問が続いている》
《石川議員は自身が政治資金規正法違反容疑で逮捕される前日の平成22年1月14日の検察の取り調べで、土地購入代金4億円について、収支報告書への虚偽記載を認めていた。この日の取り調べは、検察官が「特捜部は恐ろしいところだ、何でもできるところだぞ」と石川議員を威迫したとされる問題部分。指定弁護士はこの調書に任意性があったことを立証しようと、追及を続ける》
指定弁護士「この調書の内容は違うということですか」
証人「自分の思ったことと違う調書が作られました」
指定弁護士「この時点では逮捕されていません。弁護士のアドバイスも受けていたんではないですか」
証人「当時、私自身も、(北海道の)選挙区、東京の支援者も特捜部から呼び出しを受けていました。報道も過熱し、どんなに酒を飲んでも、夜中の2時、3時に起きる生活が続いた。人に相談する気力がありませんでした」
指定弁護士「署名の義務はありませんでしたが、弁護士に聞いていましたか」
証人「聞いていました」
指定弁護士「署名しなかったときもありますね」
証人「はい」
指定弁護士「このときはどうして署名したんですか」
証人「ある程度折り合いをつけないと、大変なことになると考えたからです」
《ここで指定弁護士は、石川議員が作成調書の表現に自筆で訂正している証拠を提示する》
指定弁護士「この後の作成調書には、一貫して本件4億円が記載されていない、という(虚偽記載を認める)調書になっていますね」
証人「はっきり覚えていません」
《22年1月15日に政治資金規正法違反容疑で逮捕された石川議員は、その後、検察官が容疑に対する認否を尋ねる「弁解録取」や裁判所の勾留質問で、自身の虚偽記載を認める。指定弁護士はこの際のやり取りについて尋ね、石川議員が答える》
証人「今思うと、自分の考えを述べればよかった。弁解録取の意味が分からず、検察に『こう書いたほうがいいよ』と言われた」
《この後、数日間、供述調書は作成されず、19日、石川議員が小沢被告の共謀を認める供述調書が作成される》
指定弁護士「17日が日曜で、18日も供述調書は作成されませんでしたね」
証人「はい」
指定弁護士「検察官は17日調書を作ろうと言わなかったですか? 拒絶したんですか」
証人「そうだったと思います」
指定弁護士「なぜですか」
証人「まあ…、嫌だったからです」
指定弁護士「弁護士に言われたんじゃないんですか」
証人「『意に沿わない調書にサインするな』とは言われていました」
《指定弁護士は18日にも同様の経緯で供述調書が作成されなかったことを確認。弁護士と石川議員とのやり取りが密に行われ、19日の調書にも任意性があったことを強調したいようだ》
《石川議員はこの調書で、4億円について「小沢先生が政治活動の中で何らかの形で蓄えた簿外の資金であり、表に出せない資金」と供述したと記録されている》
指定弁護士「4億円について、どういう金と思った、と説明しましたか」
証人「(小沢被告が)『長い人生の中で蓄えた金だと思う』と話しました」
指定弁護士「(取り調べを担当した)○○検事(法廷では実名)はあなたの公判で、(石川議員が)自由党などの離合集散した際にため込んだ公表できない金、と話したと証言しています。そう説明していませんか」
証人「いいえ」
指定弁護士「あなたが『抽象的に表現してほしい』と頼み、この(『政治活動の中で〜』)表現になったんではないんですか」
証人「そうではありません」
指定弁護士「○○検事は、4億円の原資が水谷建設からの裏金であると追及しませんでしたか」
《陸山会は土地購入と前後して、水谷建設から“裏献金”を受けていたことが、石川議員ら元秘書3人の公判の判決で認定されている。今回の公判では、この点は立証の対象から外れている》
証人「(4億円の)一部がそうだ、と追及していたと思います」
指定弁護士「そうであれば、○○検事が『政治活動で蓄えた資金』などと付け加える理由はないんじゃないですか」
証人「(4億円から水谷献金の5000万円を引いた)3億5000万円について説明が必要なので。(検事が)書きたかったんじゃないですか」
《この調書では、4億円が記載されれば、原資の不透明さなどが報道され、民主党代表選で小沢被告に不利に働きかねないと考えて記載の変更を行った、とする犯行動機も石川議員が話したとされる。指定弁護士はこの記載について、小沢被告の判断・指示がなければおかしいと主張している》
指定弁護士「代表選との関係について、検察官は説明がおかしいと指摘しましたね。どこがおかしいといいましたか」
証人「検察官が考えることです」
指定弁護士「どこがおかしいか、聞くでしょう」
証人「代表選は予想できないのではないか、と」
《石川議員は翌年に行われる可能性があった臨時代表選について、「定時代表選」と説明していた》
証人「すぐに撤回しています」
指定弁護士「でも、始めはそう説明していたんですよね」
証人「混乱していました」
指定弁護士「政治情勢の判断は、小沢さんがすることじゃないんですか」
証人「小沢先生も判断する。われわれも気を回して考えなければならない職業です」
《小沢被告は前回までと同様、無表情で「腹心」の証言に耳を傾けている》
◇
【小沢被告第4回公判(3)】
検事が笑いながら「やっぱりこれはだめか」と訂正 石川議員は「捜査攪乱…」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/trl11110113010008-n1.htm
2011.11.1 13:00
(10:40〜11:00)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第4回公判は、証人として出廷した元秘書の石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴=に対する検察官役の指定弁護士の質問が続いている》
《指定弁護士は東京・世田谷の問題の土地の登記を平成17年1月7日に先送りしたことについて質問する。前回の公判で、石川議員は当時、前任の秘書だった樋高剛衆院議員のアドバイスを受け、小沢被告に相談することなく、登記の先送りを決めたなどと証言している》
指定弁護士「この登記の先送りの処理について小沢被告から、叱責されたことはありますか」
証人「いいえ、ありません」
指定弁護士「樋高議員に本件土地は、秘書寮の用地という説明はしましたか」
証人「はい」
指定弁護士「なのに先送りしろと言われた」
証人「示唆というかアドバイスです」
《指定弁護士は石川議員の平成22年1月19日の調書を読み上げる。石川議員が民主党代表選を前に、収支報告書が公表されると「マスコミが騒ぐ」と言うと、小沢被告が「そうか。じゃあ、そうしよう」と収支報告書の虚偽記載を認めたとする内容だ》
指定弁護士「この調書を覚えていますか」
証人「そういう調書ができあがったことを今、思いだしました」
指定弁護士「保釈された5月の調書も同じ内容ですね」
証人「そうだったと思います」
指定弁護士「(銀行から融資を受けた)りそな4億円については(平成16年10月)29日に初めて小沢被告に伝えられた」
証人「そうだったと思います」
指定弁護士「これについて(22年1月)19日の調書では、何と書かれているか覚えていますか」
証人「覚えておりません」
《指定弁護士が再び調書を読み上げる。石川議員が平成16年10月29日までに、銀行から融資を受けるための担保の説明を小沢被告にした際に「おう、分かった」と了承したという内容だ》
指定弁護士「覚えていますか」
証人「そういった調書ができあがったことを今、思いだしました」
指定弁護士「りそな4億円について、小沢被告に『融資後に1回で返済するとマスコミに勘ぐられるので、何回かに分けて返済しましょう』と相談をしたことはありますか」
証人「いいえ」
指定弁護士「小沢被告の指示はありましたか」
証人「いいえ」
指定弁護士「2月の調書には、そう記載されていますが」
証人「ちょっとそれは分かりません」
《指定弁護士は、石川議員の取り調べの際の調書と、法廷での証言の違いについて徐々に明らかにしていく方針のようだ。弁護側は、石川議員の調書は『検察の圧迫と誘導により、無理やり作り上げて署名させたにすぎない』と主張しており、双方のやりとりに注目が集まる》
指定弁護士「登記の先送りや、りそな4億円の融資の話は(16年10月)29日までに報告しているというが、捜査段階での証言は食い違っている」
証人「そういう調書は作らされた」
《石川議員が続けて発言する》
証人「どこかで折り合いをつけなければならないと思っていまして」
指定弁護士「あなたの方から折り合いをつけたのですか」
証人「捜査の攪乱とか…。自分自身の弱さかもしれないが、後援者も取り調べに呼ばれて、どこかで折り合いをつけないと、もっと大変なことになるかもしれないと思っていた」
指定弁護士「○○検事(法廷内では実名)が勝手に内容を作ったわけではないということか」
《短い沈黙の後、石川議員が口を開く》
証人「勝手というか、検事さんは推測して(調書を)お作りになられた」
指定弁護士「あなたの方で合わせたところもある」
証人「はい」
指定弁護士「登記の先送り、りそな4億円の報告については小沢被告にどう伝達したか覚えているか」
証人「いや、さすがに…。調書を見せてもらえれば」
《石川議員が大善文男裁判長の許可を得て、22年1月30日の調書を見る。内容について指定弁護士から「覚えているか」と尋ねられた石川議員は「よく覚えております」と答える。指定弁護士は再び水谷建設との関係について、質問をする》
指定弁護士「水谷建設の問題については、あなたが現金を受け取った、受け取っていないなどと話したことが調書になったことは覚えていますか」
証人「記憶にありません」
指定弁護士「現金を胆沢ダムの関係で受け取ったことはないですね」
証人「はい」
指定弁護士「この調書については、あなたの言い分通りになっている」
証人「その部分についてはなっております」
《続いて別の日の調書を取り出す指定弁護士。「覚えていますか」、「内容は合っていますか」という質問の連発に、たまりかねたように石川議員が話し出す》
証人「よろしいですか。どこかで折り合いつけないと、議員辞職とか、私も再逮捕されるとか、そういった話が出ていたときに作られた調書。その部分(調書の訂正が認められた部分)も、○○検事が笑いながら『やっぱりこれはだめか。(訂正して)いいよ』といって、横棒を引っ張った」
指定弁護士「内容はあっているのか、あっていないのですか」
証人「書かされた調書です」
《東京・世田谷の土地の登記変更の際に作成した「小澤一郎」と署名の入った書類を取り出して質問する》
指定弁護士「この登記権利書に『小澤一郎』と書かれていますが、これはあなたが書かれたものですか」
《証拠を手に取りじっと見つめる石川議員》
証人「私の字です。間違いありません」
《指定弁護士はりそな銀行に4億円の融資を申し込む際に記入した約束手形のコピーを出した。ここにも『小澤一郎』と署名がある》
指定弁護士「この字はどなたの字ですか」
証人「住所と名前は、小沢先生の字です」
指定弁護士「先ほどの署名と似通っていませんか」
証人「まあ、(私が)できるだけ上手に書こうと思って書いたのだと思います」
《指定弁護士は土地登記の先送りに関する文書も、4億円の融資時の書類と同様に小沢被告本人が記入したと見立て、小沢被告が「了承」していたのでは、と追及したいようだが、石川議員は「似せて書いたもの」と反論する》
《小沢被告は時折、目を強くつぶったり、指定弁護士の様子を見つめたりするが、これまでの公判と同様に大きな表情の変化は伺えない。指定弁護士の質問は続いている》
◇
【小沢被告第4回公判(4)】
「いやぁ、あのぉ…。先生を有罪にしたいというより…」 関与認める調書「わが身かわいさ」に署名
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/trl11110113160010-n1.htm
2011.11.1 13:15
(11:00〜11:30)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第4回公判は、証人として出廷した元秘書の石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴=に対する検察官役の指定弁護士の質問が続けられている》
《石川議員は捜査段階では小沢被告の関与を認める供述をしていたとされる。指定弁護士は引き続き、この点を厳しく問うていく》
指定弁護士「(捜査段階では)小沢被告を有罪にしたいという気持ちがあったのではないか」
証人「いやぁ、あのぉ…。小沢先生を有罪にしたいというよりも、きちんと自分の嫌疑を晴らしたいという気持ちがあった」
指定弁護士「自分の嫌疑とは?」
証人「だれであれ、他人が有罪になるのは望まない。小沢先生だけではなく、自分の周囲にも捜査が拡大するのを望まない。自分の弱さがあった」
《石川議員は小沢被告の関与を認める供述調書にサインしていた。石川議員もこの点は認めている》
指定弁護士「小沢被告が関与していないにもかかわらず、自分の弱さから署名したというのは、どういうことか」
証人「ひとつは、自分の支援者や秘書が(検察から事情聴取に)呼ばれていたので、自分を守るためだったかもしれない。もうひとつは、検事さんから『ここまで書いても(小沢被告の立件は)ないから』といわれ、サインした」
指定弁護士「あなたは事実でないことを認めた」
《繰り返し説明を求められ、石川議員は少しいらだちをみせる》
証人「はぁ。あの(検事からの聴取の)大変さはお話ししても理解してもらえないかもしれない。わが身かわいさからからと、検事さんから『ここまで書いても起訴はないから』といわれ、判断の甘さもあった」
《石川議員も、指定弁護士の追及に同じ説明を繰り返し、調書は、あくまでも検事が作り上げたものだと強調する》
指定弁護士「あなたは(捜査当時)毎日、2組の弁護士に面会している。相談しなかったのか」
証人「まぁ。相談といっても30分とか、少ないときは10分ということもあった。状況の報告を聞いていたり、いらだちをぶつけるだけというのもあり、すべてが詳細に相談していたのではない」
指定弁護士「いつから(捜査段階での供述を覆し)小沢被告が関与していないと言い始めたのか」
証人「…。いや、ずっとそう思っていた」
《質問の趣旨とは、食い違う回答に指定弁護士もいらだちをみせる》
指定弁護士「いつから弁護士に、(小沢被告が関与していないと)言い始めたのか」
証人「う〜ん。それはちょっと覚えていません」
《指定弁護士は続いて、小沢被告の関連政治団体の収支報告について追及を始める。指定弁護士は、石川議員が作成した収支一覧票を見せながら、細かに説明していた実態を立証しようとする》
指定弁護士「収支報告書を小沢被告に見せていたのではないか」
証人「これを見せることはありません。小沢先生はパーティー券や個人、企業や団体献金の増減の方が興味があった」
指定弁護士「支出については?」
証人「『倹約しろ』とは指示されていた」
指定弁護士「一番核心の収支について、あなたは説明していないのか」
証人「興味は、昨年との増減にあった」
指定弁護士「何を説明するのか」
証人「結局は、入り(収入)ですね」
《指定弁護士は、前回公判に続き、後任の会計担当の池田光智元秘書=1審有罪、控訴=との引き継ぎについての確認を行う。石川議員への質問は予定の1時間を超えている》
大善文男裁判長「すでに(1時間を)超えているが…」
指定弁護士「最後に確認だけさせてください」
《指定弁護人は、足早に証言台に向かい、石川議員がサインした複数の供述調書を示し、自らの筆跡に間違いがないかを正していく。石川議員は「はい」と繰り返し、順番に確認していく》
《石川議員の横に立ち、供述調書を示す指定弁護人を、小沢被告は大きく目を開いて、にらみつけるように見据えた。その後、天を仰いだ小沢被告は再び目を閉じた》
◇
【小沢被告第4回公判(5)】
ビニール袋の4億円を台車で…「あるところにはあるんだな」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/trl11110114350014-n1.htm
2011.11.1 14:34
(11:30〜12:00)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第4回公判(大善文男裁判長)は、検察官役の指定弁護士による元秘書の石川知裕衆院議員=一審有罪、控訴=に対する証人尋問が続く。質問は石川議員が管理していた口座に移った》
指定弁護士「通帳や印鑑、使う際に小沢さんの了解はいるのか」
証人「任されていたので。ほとんど使うこともなかった」
指定弁護士「通帳の残金を確認したことは?」
証人「さすがに覚えていない」
指定弁護士「通常はどうしていた?」
《ここで弘中惇一郎弁護士率いる弁護団が「通常っていつのことだ」と声をあげる。予定時間を超えた質問にいらだっているようだ。石川議員も思わず苦笑する》
指定弁護士「どういう場合に出金するのか」
証人「ケース・バイ・ケースなので…、お答えは難しい」
指定弁護士「りそな銀行への利息450万円の支払いについて、小沢氏の了解は得たのか」
証人「得ていない。特に確認の必要はないと思った」
指定弁護士「池田(光智)元秘書に引き継ぎしたのか」
証人「していないと思います」
指定弁護士「以上です」
《予定時間を大幅に超過し、指定弁護士側からの証人尋問が終了した。続いて、弁護側の反対尋問に移る。小沢氏はまっすぐ前を見つめたまま、表情を変えない》
弁護人「弁護士の北村です。まず、これまでに9時間あまりが経過していますので、その点についてご留意頂きたい。時間の関係もあるので端的に」
《弁護側はまず、土地購入資金の4億円を平成16年10月12日に4億円を受け取った経緯について尋ねる》
弁護人「誰から、どのように話が来ましたか」
証人「小沢先生から電話がありました」
弁護人「どこで電話を受けましたか」
証人「(陸山会の事務所がある)チュリス赤坂。元赤坂タワーズ(陸山会が所有するマンションの一室)に取りに行きました」
弁護人「歩き? それとも車? 現金はどうやって運んだ?」
証人「車で。金はチュリス赤坂にあった台車で運びました」
弁護人「小切手などではなく、現金を受け取ると分かっていた?」
証人「現金だろうと分かっていました」
弁護人「電話の際の小沢さんの言葉は?」
証人「『用意できたから取りに来てくれ』と」
弁護人「以前、こういう時に小切手を使うことは」
証人「いいえ」
弁護人「元赤坂タワーズは902号室ですね?」
証人「はい」
弁護人「部屋の中まで入った? 玄関口で?」
証人「玄関口だったと思います」
弁護人「到着した、と伝えますよね。それに対して小沢さんは?」
証人「『来たか。今行くから待っていてくれ』と」
弁護人「小沢さんが部屋の中に入って現金を持ってきた?」
証人「はい」
弁護人「あなたと小沢さんは、そのときどんな話を?」
証人「小沢先生が現金を持ってきたとき、『ちゃんと戻せ』と。『分かりました』と答えました」
弁護人「元赤坂タワーズにいた時間は?」
証人「エレベーターの昇降の時間を除けば、5分いたかいないかだと思う」
弁護人「4億円の形状は?」
証人「1億円の入ったビニール袋4つ。キオスクなどで売っているビニールコーティングした袋に入れていました。上は新聞紙で覆っていたので、ぱっと見は(現金と)分からなかったと思います」
弁護人「金融機関で用意した袋のようだった?」
証人「はい」
弁護人「台車を使ったの? 1回で運べた?」
証人「台車を使って2回に分けて運んだと思う」
《続いて弁護側は、金を受け取った際に、それが「借金」だったかどうかの認識をただしていく》
弁護人「通常、金を借りる際にはいつ返すとか利息は払うのか、利率はどうするかとか話すと思うが、何か話し合いはした?」
証人「いいえ、ありません」
弁護人「金を受け取った平成16年10月12日までの間に、小沢さんとあなたとの間で返済についての話はしましたか」
証人「いいえ」
弁護人「陸山会が小沢さんから4億円を借りた、という認識はあった?」
証人「取りに行っただけ、という認識でした」
弁護人「受け取った4億円。売買代金の支払いにあてるのか、預金担保の原資にするのか、どのように利用するか決めていた?」
証人「特にそこまでは考えていませんでした」
弁護人「どのように使います、と小沢さんにいつ報告した?」
証人「(平成16年10月)29日です」
弁護人「どう報告を?」
証人「預金担保を組んでそれで支払います、と」
弁護人「それに対して小沢さんは何と?」
証人「分かった、と。それで署名してくれた」
弁護人「分かりました。小沢さんと陸山会の間で、4億円の使途が確定したのは?」
証人「29日になるだろうと思います」
弁護人「この裁判では、29日に陸山会が受け取った4億円は、小沢さんから受け取ったものと、りそな銀行から借り入れたものと別のものが2つあるとされています。あなたの認識は?」
証人「小沢先生からお預かりした4億円で担保を組んだ。あくまで4億円は1回しか借りていないという認識です」
弁護人「(指定弁護士側は)4億円は2つある、だから陸山会は小沢さんから8億円借りているという主張だが?」
証人「4億円を借りたのは1回しかありません」
弁護人「あなたは自身の裁判の中で、平成16年の収支報告書の借入金(の記載)と受け取れる供述をしているが、その真意は?」
証人「私の1審では、水谷建設からの5000万円を隠すために4億円を借りたという(検察側の)主張だった。裏金は絶対ないということ」
弁護人「10月12日に、4億円を記載したという主張の真意は?」
証人「12日にきちんと預かったと言わなければ、水谷からの違法な5000万円が(4億円の中に)入っていると思われるので」
弁護人「平成16年の収支報告書に小沢さんからの借り入れ4億円を『10月29日』と記載している。(証人尋問で)小沢さんからの金、りそな銀行からの金、どっちを書いたのかという質問に小沢さんからの金と答えたと思うが」
証人「書いたのが何かと聞かれれば、小沢さんから借りたのは1回だけですから、それを答えたということです」
弁護人「あなたはりそなの4億円はどうか、という質問に『1つのスキームとして』などと回答している。りそなの4億円を記載していないのか、という質問には『どちらかといわれると困るが、答えがたい』などと回答している。きちんと処理、記載していないから答えに窮したと理解されかねないが」
証人「小沢さんからは1回だけしか借りていない。2つあるわけではない。どちらかと詰め寄られたので、こういう話し方になってしまった」
弁護人「4億円は2つある、という前提で質問されると難しい?」
証人「はい」
《その後、弁護人は4億円をいくつかの口座に分けて入金した理由について質問。石川議員は「政治家が多額の金を持っていると芳しくないと思った」などと回答。4億円の出所についても「あるところにはあるんだな、としか思わなかった」などと、違法性のある金である可能性を想定していなかったと強調した》
《ここで正午となり、裁判官が休廷を宣言。午後1時半から再開されることになった。小沢氏はこの間、身じろぎもせず証人に立つ石川議員を見つめていた》
◇
【小沢被告第4回公判(6)】
小沢被告の4億円「違法でなくても騒がれる」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/trl11110116070016-n1.htm
2011.11.1 16:05
(13:30〜14:00)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第4回公判は、昼の休廷を挟み、再開。小沢被告は入廷すると元気な様子で一礼、足早に弁護側の席まで歩き、再び一礼して着席する。大きく息をつくと、いつものようにまぶたを閉じた》
《続いて、元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴=も入廷。午前に引き続き、石川議員に対する弁護側の証人尋問が始まった》
《弁護人は初めに、午前の尋問で話があった4億円の「分散入金」の問題について質問。小沢被告から渡された4億円をいったん複数の銀行口座に分けて入金してから集約した経緯について「指示を受けたのではなく、自ら気を回して行った」などと返答した》
《ここから、弁護人は前回の第3回公判で初めて名前が登場した前任秘書の樋高剛衆院議員の関与について尋ねていく》
弁護人「(検察官役の指定弁護士の)主尋問で、契約の実行を遅らせることに関連し、樋高剛議員の名前が出ました。もう一度確認します」
証人「はい」
弁護人「樋高さんといつ話をしましたか」
証人「(平成16年10月)20日前後です」
弁護人「場所は」
証人「(世田谷区)深沢(の小沢被告の私邸)です」
弁護人「時間はいつごろですか」
証人「樋高さんが朝に来たときです」
《小沢被告は、毎朝私邸の茶の間で秘書らとの打ち合わせを行っていた》
弁護人「樋高さんは当時、すでに議員活動をしていましたが」
証人「選挙区と国会の間に(深沢が)あり、来やすい。それに樋高さんは議員とはいえ、(小沢被告の)秘書的な役割を担っていました」
弁護人「あなたから話をしたんですか」
証人「はい」
弁護人「差し迫った理由があったからですか」
証人「そうでもないです」
弁護人「深沢の土地を購入することについて、それまでの取引と違う、と考えたことはありましたか」
証人「今まで私が担当した不動産より10倍近い金額でした。それで樋高さんにこういうのをやっている、と話したんでしょう」
《石川議員はよどみなく質問に答えていく》
弁護人「秘書寮を建てる、ということの他に何を話しましたか」
証人「小沢先生から4億円を預かっていることも話しました」
弁護人「取引契約の実行日(10月29日)についても?」
証人「話しました」
弁護人「樋高さんはあなたの話に、なんと答えましたか」
証人「契約の実行を延期した方がいいのでは、という示唆がありました」
弁護人「理由は言いましたか」
証人「16年10月29日にすると、17年秋に収支報告書への記載が公表されます。そこで翌年にした方がいい、と」
弁護人「なぜ1年遅くするんですか」
証人「選挙がいつあるか分からないし、代表選もいつか分からないので。公開になれば結果的に違法でなくても騒がれ、その時に政治的変化があったとしたら(影響が出る)、と」
《土地購入代金の支払いについても、銀行に定期預金を設定し、それを担保に融資を受ける方法の「預金担保」の説明を受けたと答える石川議員。弁護人はアドバイスを受けた際の状況についてさらに詳しく尋ねていく》
弁護人「それ以前にも、樋高さんにアドバイスを受けることはあったんですか」
証人「樋高さんが小沢先生について動くことが、(樋高議員の)秘書時代も議員時代も多かった。(民主党と自由党の)民由合併などでも一緒だったので、アドバイスを受けていました」
弁護人「樋高さんは命令口調でしたか」
証人「『そうした方がいいんじゃない?』と」
弁護人「アドバイスに従うことが多かったんですか」
証人「はい」
《検察官役の指定弁護士側の尋問とは打って変わり、はきはきと質問に答える石川議員。弁護人は前回公判から樋高議員の名前を出すようになった理由について尋ねていく》
弁護人「検察調書や自身の公判で、樋高さんの名前は出したことはありますか」
証人「はい」
弁護人「出ましたか?」
証人「…申し訳ありません、ありません」
弁護人「順番に聞きます。検察での取り調べで、樋高さんのことを話したことはありますか」
証人「はい」
弁護人「あるんですね」
証人「あります」
《石川議員は力強く答える。「樋高議員にアドバイスを受けていたことを、検察官に伝えていた」とする新たな主張だ》
弁護人「検察に話した時期は逮捕後ですか」
証人「後です」
弁護人「逮捕からどのくらい後ですか」
証人「何日後かはっきり覚えていませんが、しばらく後だったと思います」
弁護人「誰にしましたか」
証人「○○検事(法廷では実名)です」
《「特捜部は恐ろしいところ」などと石川議員を威迫した、と弁護側が主張する検察官の名前が挙げられた》
弁護人「どういう経緯でしたか」
証人「選挙にかんがみ、登記を延期することにした、私が考えた、と言いました」
弁護人「○○検事は受け入れましたか」
証人「受け入れがたいようでした」
弁護人「なぜ樋高さんの名前を出すことにしたんですか」
証人「きちんとお話ししたほうがいい、と考えました」
弁護人「樋高さんの名前を出した時、検察官と事務官はいましたか」
証人「事務官はいませんでした」
《検察官と2人きりで、“密室”のやり取りだったことを明かす石川議員。12月15日に予定される検察官の証人尋問でも、主張がぶつかりそうだ》
弁護人「○○検事が席を外すよう言ったんですか。それともあなたからですか」
証人「私から。押し問答はありました」
弁護人「どう話したんですか」
証人「樋高さんに迷惑をかけられない、と。それで事務官を外してもらいました」
弁護人「いわゆる『サシ』の話だったんですね。○○検事の反応は?」
証人「『あーそうか』、『まあそうだろう』という感じだった気がします」
弁護人「記憶をたどると、○○検事は言葉としてどういっていましたか」
証人「まあ『自分もそう思っていた』という感じでした」
《証言の迫真性について考えをめぐらせているのか、指定弁護士らも真剣な表情で石川議員を見つめる》
弁護人「2人きりの時間はどれくらいでしたか」
証人「はっきり覚えていませんが、5分から10分程度だったと思います」
弁護人「事務官が戻ってきて、○○検事は?」
証人「外に出て行きました」
弁護人「理由は?」
証人「分かりません。上への連絡・報告で出て行くことは多かったので、そうだろうと思いました」
弁護人「席を外していたのは10分、20分、その単位ですか」
証人「はい」
弁護人「(樋高議員の)名前を出したのに、調書にはなぜ入っていなかったんでしょうか」
証人「私には分かりません」
弁護人「樋高さんのアドバイスは違法と思ったことはありますか」
証人「ありません」
弁護人「違法でないなら、はじめから○○検事に樋高さんの話をしても問題ないように思いますが」
証人「問題のあるなしではなく、報道で騒がれる可能性もあるし、樋高さんが特捜部に呼ばれることも考えられます。迷惑をかけたくありませんでした」
《公判の新たな注目部分となった樋高議員について、集中的に話を聞いていく弁護側。自身についてのやり取りがなく、小沢被告は退屈そうにもみえる》
◇
【小沢被告第4回公判(7)】
なぜいま樋高議員の名前が? 「有罪判決受け、真実を話そうと…」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/trl11110116410017-n1.htm
2011.11.1 16:40
(14:00〜14:30)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第4回公判は、証人として出廷した元秘書の石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴=に対する弁護側の反対尋問が続けられている》
《弁護側は、石川議員と取り調べを担当した○○検事(法廷では実名)とのやりとりを質問。りそな銀行から小沢被告名義で受けた陸山会への4億円の融資に、元秘書の樋高剛衆院議員がどう関与したかを明らかにしていく》
弁護人「(任意の聴取は)いつ行われましたか」
証人「平成22年5月でした」
弁護人「そのとき○○検事は何といった」
証人「預金担保をやるように、と示唆があったのではないかと聞いてきました」
弁護人「誰の示唆があったと聞いてきましたか」
証人「樋高先輩です」
弁護人「では、(樋高議員に相談した)平成16年10月20日ごろ、預金担保(の仕組み)について、樋高さんから聞きましたか」
証人「はい」
弁護人「10月20日より前に話したことはありますか」
証人「やり方は聞いたことはあります」
弁護人「本件土地について、樋高さんから何か聞いた、と○○検事に言ったことはありますか」
証人「いいえ、ありません」
弁護人「○○検事は預金担保(の仕組み)があることを、あなたに誰が言ったか聞きましたか」
証人「はい」
弁護人「どのように対応しましたか」
証人「『名前は出せない』といいました」
《弁護側は取り調べの際の、○○検事と石川議員とのやりとりを記した書類を法廷内に設置された大型モニターに映し出す》
《○○検事が預金担保の仕組みを“伝授”したのは「樋高か」と聞いたとする文言が記されている》
弁護人「いま、あなたが証言したように、『樋高さんの名前が出ていないのに○○検事が出してきた』というのはこの部分ですか」
証人「はい」
弁護人「代金決済などの話はしていても、○○検事に預金担保の話をしなかった理由は何かありますか」
証人「特にありません」
弁護人「○○検事は預金担保を誰から聞いたかという質問をしてきましたか」
証人「はい」
弁護人「何と答えましたか」
証人「慣例ですから、と」
弁護人「樋高さんの名前を出さなかったのに、○○検事から名前が出てきて、どう思った」
証人「(○○検事が)気がついているんだ、と思いました」
弁護人「でも樋高さんの名前は自分から出さなかった。どうしてですか」
証人「そこでまたいろいろと騒がれてしまい、迷惑がかかるのではないかと思って…」
弁護人「樋高さんの名前を出そうか、出さないか考えたことはありますか」
証人「はい、迷っていました」
弁護人「あなたの(起訴された事件の)判決でも名前を出さなかったのに、この法廷で名前を出したのはどうしてですか」
証人「1審で有罪判決を受けまして、自分なりに考えて、真実をお話ししたほうがいいって思いました」
弁護人「証言にあたり、名前を出すことの了解を樋高さんにとりましたか」
証人「はい。有罪判決を受けてから2週間ぐらい後に」
弁護人「どんな対応でしたか」
証人「『分かった。いいよ』ということでした」
弁護人「(東京・世田谷の土地の登記が)平成17年になることを小沢さんに報告したことはありますか」
証人「いいえ、ありません」
弁護人「報告しなかった理由はなんですか」
証人「特に大きな変化ではないので」
弁護人「登記が2カ月ぐらい遅れるのは大きな変化ではないと」
証人「その通りです」
弁護人「お金はすでに払っているに、土地が取得できない危険性、可能性について考えたことはありますか」
証人「ありません。すでに不動産仲介会社を通して、司法書士が間に入っているので、そういう心配はありませんでした」
弁護人「結果的に2カ月後に取得が遅れましたが、秘書寮の建設に何らかの懸念を持つことはありましたか」
証人「ありません」
《質問は再び樋高議員とのやりとりに戻る》
弁護人「樋高さんが(所有権の変更を)遅らせた方がいいというのは、時間的に余裕ができるということでしたね」
証人「はい」
弁護人「樋高さんにも(土地登記を)遅らせることを報告しなかった理由は何ですか」
証人「樋高さんの中でも何かお考えになっていると思いますし、2カ月なので特に必要ないと思いました」
《ここで質問は小沢被告の私邸で行われていた秘書との打ち合わせに移る》
弁護人「打ち合わせは毎日行っていますか」
証人「はい」
弁護人「毎日顔を合わせるので、(登記の遅れなどを)報告するのは簡単という見方もあるが、それは考えませんでしたか」
証人「特に考えませんでした。朝の打ち合わせでは他に話し合うことがありますし」
《石川議員は毎日、秘書5〜6人が私邸に集まり、午前7時半から午前8時の間の約15〜20分間、その日の行事日程の確認や、誰が代理で参加するかなどの打ち合わせを行っていたと説明する》
弁護人「そうした会合の際に電話はかかってきますか」
証人「はい、主に政治家から」
弁護人「朝早くに私邸に電話をかけてくる理由は何ですか」
証人「小沢先生は朝ならお出になるからです」
弁護人「その際(朝の打ち合わせ)に不動産購入の話はしますか」
証人「はい、買う買わないを決めるのが大きな関心なので、そういうことは報告します」
弁護人「本件土地(の購入)は朝の会合で報告しましたか」
証人「その日(契約を結んだ平成16年10月5日)に言っていると思います」
《弁護人は小沢被告が多忙のため、土地の購入など重要案件は報告を受けるが、土地登記が2カ月遅れることは「大きな変化ではない」ため報告されなかった、と印象づけようとしているとみられる》
弁護人「(世田谷区深沢の土地の購入で)預金担保融資を思いついたのは平成16年10月27日ごろですか」
証人「はい」
弁護人「りそなに連絡したのは、(石川議員が)よく知った間だから」
証人「先方には認識していただいていたと思います」
弁護人「りそな銀行の融資担当と面談しましたか」
証人「はい」
弁護人「いつごろ」
証人「(16年)10月28日の夕方5時ごろでした」
弁護人「借り入れは誰になると話しましたか」
証人「『小沢先生です』と」
《弁護側は平成16年10月28日前後の、石川議員と、りそな銀行の融資担当者とのやりとりについて質問を続ける。小沢被告は疲れなのか眠気なのか、時折目をぎゅっと閉じる仕草をしながらも、弁護士と石川議員のやりとりに耳を傾けているようだ》
◇
【小沢被告第4回公判(8)】
被告は元赤坂で「外泊中」…融資書類もらえず「4億かき集め」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/trl11110116520018-n1.htm
2011.11.1 16:52
(14:30〜14:55)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第4回公判は、証人として出廷した元秘書の石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴=に対する反対尋問が続けられている》
《弁護側は平成16年10月29日午後、りそな銀行から小沢被告名義で4億円の融資を受けた前後の経緯について引き続き、石川議員への質問を続ける。石川議員は前日の28日に銀行に融資の申し入れをしている》
弁護人「銀行に申し入れをした後、その場で融資オーケーと言われたのか」
証人「いいえ」
弁護人「正式な決定はまだだが、定期預金を担保にして融資を受け、不動産を購入しようとしていたのは、りそな銀行側は知っていたのか」
証人「知っていたと思います」
弁護人「融資オーケーの連絡をもらったのは?」
証人「夜の8時くらいだったと思います」
弁護人「10月28日の午後8時ごろか」
証人「はい」
《融資は小沢被告名義で受けようとしていたため、申請書類には小沢被告の自署が必要だった》
弁護人「小沢さんに署名は、その日(10月28日)のうちにもらおうと思ったのか」
証人「いいえ。夜の8時に(りそな銀行から融資オーケーの)連絡をもらったので、その日は無理だと思いました」
《弁護人は時折、状況を補足しながら質問していくため、石川議員の回答は必然的に短くなる》
弁護人「(翌)29日の朝、午前7時半ごろに小沢さんの世田谷区のお宅に伺ったとおっしゃいましたが、会えたのですか」
証人「できませんでした」
《小沢被告は、陸山会が所有する東京・元赤坂のマンション一室に泊まっていたために、すぐには会えなかったという。石川議員は小沢被告は夜遅くなった際や、朝が早い際にはよく元赤坂に宿泊するが、秘書らは把握していないという》
《融資前の10月12日ごろに、石川議員は小沢被告から4億円を預かっている。検察官役の指定弁護士側は、この4億円が表に出せないと判断し、石川議員が銀行からの借り入れで決済して外形を整えたと主張している》
《弁護人は、これに反論する形で、融資と土地購入代金が支払われた10月29日の状況について、石川議員に質問を重ねる》
弁護人「世田谷の自宅に(小沢被告が)いないと署名がもらえないが、定期預金を担保にした融資に影響が出ると思ったか」
証人「(不動産代金の)代金決済までに預金担保が組めないと思った」
弁護人「解決策として、代金決済を遅らせる選択肢もあったが、どういう行動に出たのですか」
証人「とりあえず(不動産代金の)支払いを優先しようと思った」
弁護人「そのために、どうしたのか」
証人「他の銀行(口座)から、お金を集約しようと思った」
弁護人「4億円の定期預金の名義は?」
証人「陸山会名義です」
《定期預金は陸山会名義だったが、その定期預金を担保に受けた融資は小沢被告名義だった。弁護人はその点についての説明を求める》
証人「前日(10月28日)の遅い時間に融資の相談に行ったので、小沢さん(名義)の方が借りやすいと思った」
弁護人「陸山会名義でも借りられることは知っていたはずだ」
証人「ひとつは、小沢さん名義の方が、金額も大きいので借りるのが確実だと思った」
弁護人「それ以外とは」
証人「小沢先生から借りた形をはっきりさせたかった」
弁護人「銀行口座を通じて、小沢さんから陸山会名義に(お金が)流れたと、はっきりするためか」
証人「はい」
弁護人「小沢さんから4億円を預かった際に、『ちゃんと返せよ』と言われましたね」
証人「はい」
弁護人「そのまま不動産の支払いに充てれば、(小沢被告に言われたように)ちゃんと返せたのか」
証人「いいえ」
弁護人「リクエスト、要求を満たすことができないのは、なぜか」
証人「借りた4億が返せる態勢があるのを示すのは難しい」
《弁護側は、小沢被告から預かった4億円が手元にありながら定期預金を担保に4億円の融資を受けた核心部分の質問に入る。弁護側の静かな声が法廷に響くが、小沢被告は微動だにせず、じっと前を見据えている》
弁護人「定期預金を担保との関係は?」
証人「それ(小沢被告に返せる形を見せること)が可能だろうと思った」
弁護人「一般的に銀行から融資を受ける際、不動産担保と定期預金担保があるが、どちらが利率が安いのか」
証人「(定期)預金担保です」
弁護人「そうすると、陸山会からみると、安い利率で借りられるということか」
証人「はい」
《続いて、弁護側は小沢被告の融資の認識について石川議員に問う》
弁護人「小沢さんに預金担保について説明したのか」
証人「はい」
弁護人「いつか」
証人「(融資申し込みの)書類を書いてもらうときです」
弁護人「何日で時間帯はいつか」
証人「10月29日の昼前です」
弁護人「どう言ったのか」
証人「お預かりした4億円を預金担保に融資を組んで、それで(不動産代金を)支払いますと」
弁護人「小沢さんはその際に何と」
証人「分かった、と」
弁護人「やりとりはそれだけか。時間はどのくらい」
証人「はい。5分から10分だったと思います」
《ここで約25分間の休憩に入る。小沢被告の表情は変わらない》
◇
【小沢被告第4回公判(9)】
「全体先生」は小沢被告の交際費 石川ノートの記述説明
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/trl11110117310019-n1.htm
2011.11.1 17:29
(15:20〜15:50)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第4回公判(大善文男裁判長)は、約25分間の休廷を挟み、弘中惇一郎弁護士率いる弁護団による元秘書の石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴=に対する反対尋問が再開された。再開2分前に小沢被告が入廷、着席。続いて石川議員が入廷し、裁判長に軽く一礼して着席した》
《弁護側は、引き続き4億円を担保にした銀行融資について質問していく》
弁護人「融資に当たり、銀行から利息についての説明はあったか」
証人「はい、(融資前日の平成16年10月)28日夕方にあったと思います」
弁護人「一括先払いで天引きされた金額が振り込まれます、という説明も?」
証人「あったと思います」
弁護人「翌日、小沢氏に説明していますね。預金担保で融資を受けるので利息を支払うという説明はしましたか」
証人「そういう説明はしなかった」
弁護人「なぜ?」
証人「利子がかかるのは当たり前なので」
弁護人「利息は誰が負担する?」
証人「陸山会です」
弁護人「小沢さんも理解していた」
証人「そうだろうと思います」
弁護人「だから説明しなかった」
証人「はい」
弁護人「実際は450万円の利息が天引きされて、小沢さんの口座に振り込まれた」
証人「はい」
弁護人「小沢さんの口座から陸山会の口座にいくら振り込まれましたか」
証人「4億円です」
弁護人「その瞬間は小沢さんが利息を負担しているような感じだが…。天引きされた金額を陸山会が負担するんですね?」
証人「はい」
弁護人「あなたが秘書の間に補填(ほてん)した?」
証人「していません。手続きを勘違いしていたか、忘れたんだと思う」
弁護人「その件で小沢さんから『あれはどうなっている?』と聞かれたことは」
証人「ありません」
弁護人「実際には(元秘書の)池田(光智)さんが支払った?」
証人「そうだったと聞きました」
《続いて弁護側は、献金収入の取り扱いについて尋ねていく》
弁護人「年末の収入について、個人献金と企業献金は、それぞれ入る政治団体が違っているのか」
証人「はい。パーティー券は小沢一郎政経研究会、個人献金は陸山会、企業献金は民主党岩手県第4区総支部にそれぞれ入ります」
弁護人「収入についての説明は、あなたがまとめて資料を作るのか」
証人「はい。収支一覧表と、それぞれ3つの収入が分かるものを作っていた」
弁護人「申し送りか、それともあなたの工夫か」
証人「私が作成しました」
弁護人「細かく何万何千何百何円としていたのか、まとめて、いくらぐらいと表記していたのか」
証人「対前年比の金額を報告していた。(小沢被告が)収入に関心があるから。それら3つの団体の収入は、政治的な影響力のバロメーターになるので」
《石川議員は言葉を選ぶようにゆっくりと話す。小沢被告は時折顔をしかめるようなしぐさをするものの、表情を変えず淡々とした様子だ》
弁護人「表には収入のみを表記していた?」
証人「収支一覧表には支出も入っていたが、年末の報告では渡していない。収入のみ」
弁護人「平成16年の収支報告書。案がまとまった際、(元秘書で会計責任者だった)大久保(隆規)さんに報告したか」
証人「していない。必要がない。経理担当者(石川議員のこと)が全て把握して行うことなので、従来からしていない」
弁護人「公的なところに報告するものをあなたが作成、責任を持つと」
証人「そうです」
弁護人「小沢さんに提出して内容を報告、了承を受けたことは」
証人「いいえ、ありません。特に必要がないからです。他の事務所の秘書と話しても、ウチが特別だとは思わなかった」
弁護人「小沢さんから平成16年の収支報告書を見せろと言われたことは?」
証人「ありません」
《ここで弁護側が前回の証人尋問で登場した証拠資料「石川ノート」を取り出し、法廷内のモニターに映し出す》
弁護人「このノートの記載について、検討されたと思います。その前提で伺うが、この石川ノートといわれるものはいつ、だれが作った?」
証人「13年前に私が樋高(剛衆院議員)さんの元で1年間経理の仕事をしていたときに作成したものです」
弁護人「ここに書かれた仕事のやり方は?」
証人「樋高さんから聞いたものを私がまとめた」
弁護人「作業手順。毎年いつごろ行う?」
証人「だいたい12月に」
《弁護側が石川ノートの一部分を拡大する。手書きの文字で「全体先生」「先生に見せるもの」との記述があるのが見える》
弁護人「ここにある『全体先生』は収支報告書の全体?」
証人「いいえ。小沢先生の交際費を指しております」
弁護人「どういうことか」
証人「小沢先生が人と会うとき、個人としてか政治家としてか分からない場合は、いったん政治活動費として後で確認してもらう。それを含んだシートです」
弁護人「シートとは」
証人「(表計算ソフトの)エクセルのシートの1項目です」
弁護人「誰かと会って食事する。プライベートか政治活動か分かりにくいものなのか。誰が支払うのか」
証人「(陸山会ではなく)誠山会が支払う。いったん全部支払い、それらを抽出して小沢先生に見てもらう」
弁護人「分けてどうするのか」
証人「公私の区別をつける。こちら(誠山会)が立て替えていた分を先生からもらう。収支報告書は政治団体の活動を見せるところだから、厳格にしていた」
弁護人「もう一度確認だが、『全体先生』は収支報告書の全体ではない。支払いは陸山会でなく、誠山会だと。ところで、あなたが経理の責任者になったのは?」
証人「平成12年の冬です」
弁護人「あなたはどういうやり方をしていたのか。『全体先生』という表現を使っていたか」
証人「いいえ、『先生交際費』などを使っていた。池田も私のやり方を見ていたと思う」
《弁護側が、石川ノートの替わりに別の証拠資料「池田ノート」をモニターに映し出す。ノートには『先生交際費』『誠山会』『先生に見て頂くこと』などの記述がある》
弁護人「これは誰の字ですか」
証人「池田君の、です」
弁護人「内容は?」
証人「私から聞いたものをまとめたものと思う」
弁護人「確認だが、石川ノートは樋高さんのやり方を書いたもので、池田ノートは石川さんのやり方が書かれたものですね。『全体先生』に相当する記述ですか」
証人「年末に小沢先生から精算するための項目で、『全体先生』に相当するものです」
《ノートの記述について、淡々と説明を続ける石川議員。弁護側との“予定調和”ともみえる光景に、大室俊三弁護士を中心とした検察官役の指定弁護士らは、やや鼻白むような表情を浮かべている》
◇
【小沢被告第4回公判(10)】
なぜ調書に署名? 「自分の弱さです」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/trl11110118140020-n1.htm
2011.11.1 18:13
(15:50〜16:10)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第4回公判は、元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴=に対する弁護側の証人尋問が続いている》 《弁護人はさらに別の証拠を石川議員に提示。収支報告書の記載方法について石川議員がメモを残していた「石川ノート」が廷内の大型モニターに表示される。今回の公判で初めて明らかにされた証拠だ》
《検察官役の指定弁護士は報告書作成に関する「全体先生」という記載を指摘、収支報告の内容を小沢被告に報告していたことを裏付けるものと主張し、石川議員から「『全体』とあるのでそうかもしれない」との証言を引き出していた。弁護側はこの点について反論する構えだ》
弁護人「どのくらいぶりにこの『石川ノート』を見たんですか」
証人「平成10年と書いてあるので、10年ぶりくらいかもしれません」
弁護人「仮に10年ぶりとして、記載を見せられ『全体先生』が何を意味するか分かりますか」
証人「すぐに分かりませんでした」
弁護人「主尋問の最中に理解できましたか」
証人「できませんでした」
《弁護側は次に、平成22年1月の逮捕前の状況について尋ねていく》
弁護人「逮捕されると思いましたか」
証人「覚悟はしていました。ただ、『在宅起訴』という報道もあり、望みを持っていました。間違いなく逮捕されるという人もいれば、国会議員だから逮捕はない、という人もいる。人として、希望は持っていました」
《検察で2時間の取り調べを受けた後で逮捕され、手錠をかけられた石川議員。東京拘置所の独房に着いたのは、夜中の1時だったと証言する》
弁護人「逮捕されてどう思いましたか」
証人「人生で、犯罪者になるとは思っていませんでした。政治活動を続けるというより、ひとりの社会人として生きていけるのか、不安でした。周りに迷惑をかけるのではないか、とも思いました」
《石川議員は翌日以降の取り調べで、容疑を否認しつづけたが検察官から同じ質問を繰り返されたと強調。取り調べの過酷さについて具体的に証言を始める》
弁護人「取り調べは何時から何時まで行われましたか」
証人「朝は10時か10時半から始まり、昼休みと夕飯を挟み、夜の11時から12時まで続きました」
弁護人「指定弁護士は『毎日弁護士と接見していた』と主張していますが、きちんとした相談に基づいて取り調べに臨むことはできましたか」
証人「できませんでした」
弁護人「否認を続けるとどうなる、と検事から何か言われましたか」
証人「『捜査の拡大化』を言われていました」
弁護人「脅しや口先だけと思いましたか。それとも本当に危険と感じましたか」
証人「本気だと思いました。支援者が前年の衆院選投票日の翌日から取り調べを受けていたので。あらかじめ、とにかく(自分に)狙いをつけて追い詰める、という感じだった」
弁護人「○○検事(法廷では実名)の『特捜部は恐ろしいところ』という言葉を思いだすこともありましたか」
証人「はい」
《弁護側は柔らかな口調ながら、取り調べの不当性を強調しようと質問を続ける》
弁護人「(政治資金収支報告書の虚偽記載に)小沢さんの関与を認める調書が取られている。改めて、客観的に小沢さんへの報告・了承はあったんですか」
証人「いいえ」
《急に語気を強め、続ける》
証人「ありません」
弁護人「事実と異なることを分かっていて、調書に署名したんですね」
証人「はい」
弁護人「(裁判長らを見やり)裁判官も疑問を持つところです。なぜ署名したんですか」
証人「結論からいうと、自分の弱さです。私も大変苦しく、周囲の支援者、秘書、他の人にも苦しい思いを味わわせていました。ある程度は(検察側に)迎合しないと大変だ、と思いました」
《さらに、検察側の供述誘導について尋ねていく弁護側。「検察官から『これぐらい書いても小沢さんの起訴はない』と言われた」「上司が『もっと強い表現にしないと困る』と言っている。ここまでなら大丈夫」。石川被告は自身の公判などと同様、検察官の巧妙な説得があったと強調する》
弁護人「署名しても小沢さんには影響しない、否認すれば小沢さんに迷惑がかかる、と聞かされたんですね」
証人「はい。(小沢被告の)奥さんを(特捜部の聴取に)呼ばなければいけなくなる、と聞かされました」
弁護人「小沢さん自身も」
証人「当然考えられると思いました。やはり特捜部が考える調書にサインしなければ、と思いました」
《弁護人の質問は、石川議員が保釈後の22年5月に○○検事から再聴取を受けた際のやり取りに移る》
弁護人「再逮捕の可能性について、○○検事から何か言われましたか」
証人「『検察がやってやろうとして、できないことではない』と言われました。まだ狙われている、と思いました」
弁護人「○○検事から供述について何か言われましたか」
証人「(東京)拘置所で取られた供述調書を、○○検事がまとめる(維持する)のがいい、と。供述が変わると検審(検察審査会)の印象が悪くなる、という」
弁護人「1月も5月も小沢さんへの報告・了承があったとする供述を維持したのは、『その方がいい』と言われたからですね」
証人「はい」
弁護人「どちらも誤りですね」
証人「はい」
《ここで弁護人が交代、弘中惇一郎弁護士が補足の説明を行う。石川議員の女性秘書が深夜まで聴取を受けた点について、再度石川議員に確認する》
証人「夕方5時か6時に帰す約束で、夜中の10時、11時まで取り調べを受けました。小さな子供がいるのに、予定を過ぎると(面倒を)見る人がいなくなってしまいます」
《小沢被告は石川議員の“悲痛の訴え”を、淡々とした表情で聞き続けている》
◇
【小沢被告第4回公判(11)】
「商学部卒だが民法の授業は受けましたか」 小沢被告も苦笑い…
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/trl11110119080022-n1.htm
2011.11.1 19:08
(16:20〜16:50)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第4回公判は、証人として出廷した元秘書の石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴=に対する弁護人の反対尋問が続けられている》
《弁護側は陸山会が東京・世田谷の土地を購入した際に、不動産会社と陸山会の間で作成した「確認書」を法廷内の大型モニターに映した》
弁護人「この確認書は誰が作りましたか」
証人「先だっては私が作ったと言いましたが、違うかもしれません」
弁護人「これを見ただけでは分かりませんか」
証人「はい。たくさんの確認書を作成したので」
《ここで弁護側の反対尋問は終了した。検察官役の指定弁護士の再尋問が始まる》
指定弁護士「りそな銀行から小沢被告名義で借り入れた4億円の450万円の利息についてですが、『後で池田(光智元秘書=1審有罪、控訴)さんから聞いた』と証言をされたことはありますか」
証人「はっきりは覚えておりません」
指定弁護士「池田さんに450万円を返すように指示したことはなかった」
証人「忘れていました」
《ここで池田元秘書が石川議員から業務を引き継いだ際に作成した「池田ノート」がモニターに映し出される》
指定弁護士「33枚目に『金利 450万円 10月29日』、『10月29日 2億円返済』とある。金利の話の部分からは矢印が伸びていて『借りたときに差し引かれている』と書かれている。池田さんに金利を返済するように指示をしたのではないですか」
証人「覚えておりません」
指定弁護士「次に4億円のスキームについてお聞きします。本件4億円といいますが、口座の中には政治団体からもらったお金とか、いろいろなお金がごちゃごちゃになっていましたよね」
《質問の意図が分からず、石川議員は面食らった表情に》
証人「そりゃ、まあ、銀行にお金が入る時期はまちまちですから」
指定弁護士「小沢被告の4億円を溶かさないというか、残しておきたいと思った」
証人「確保しておこうと思いました」
指定弁護士「小沢被告の4億円の定期預金を担保にして、そのまま定期預金にすれば収支報告書に記載する必要はないと…。いや、あれ…」
《考え込む指定弁護士。質問が的を射ず、たまらず大善文男裁判長が「質問の趣旨を明らかに」と声をかけた。指定弁護士は「私はもういいです」といい着席し、廷内では小さく笑いが起きる。ただ、その直後、指定弁護士を務める大室俊三弁護士が「では私から」と立ち上がり、廷内は一瞬で緊張感を取り戻す》
指定弁護士「指定弁護士の大室です。○○検事(法廷では実名)から『特捜部は怖いところだ』と脅されたということについて、ご自身の弁護士と相談されましたか」
証人「その日は相談しなかった」
指定弁護士「私はその日に限定していない。ご相談されましたか」
証人「どこかで話しました」
指定弁護士「弁護士から○○検事や地検特捜部に抗議しましたか」
証人「した覚えはありません」
指定弁護士「あなたが直接抗議したことは」
証人「私からは言えるような状況ではなかった」
指定弁護士「(石川議員の)政策秘書の女性(法廷では実名)の(取り調べの)際は抗議しましたよね」
《石川議員の女性秘書は保育園に子供の迎えに行かなければならないのに、深夜まで聴取を受けたとして弁護側は冒頭陳述で批判。石川議員の「心理的な圧迫を、より実感させた」としている。指定弁護士はその際は石川議員が抗議をしたのに、ということが言いたいのだろう》
証人「前提が違いますから。『おい、てめえ、このやろう』ということではなく、『特捜部は恐ろしい。何でもできるぞ』と○○検事が、上(層部)を止められないという話し方だった」
指定弁護士「私の質問の答えになっていない」
《なぜ自身への不当な捜査があったのに、正式に抗議をしないのかという率直な質問をはぐらかす石川議員。指定弁護士はたたみかける》
指定弁護士「政策秘書の女性の時は抗議しており、ご自身の時も抗議できたのでは」
証人「自分の前提と、政策秘書のときは感情が違っていた」
指定弁護士「(平成22年1月)15日に逮捕され、弁解録取書が作成されたと思いますが、覚えていますか」
証人「弁解録取書は検事さんにとられるものですか」
指定弁護士「はい」
証人「とられました」
指定弁護士「そのときはどこで」
証人「検察庁でした」
指定弁護士「こういうふうに弁解しろという押しつけはあった」
証人「もう検事さんが作られた調書にサインしました」
指定弁護士「あなたに聞く前に弁解録取書はできあがっていた」
証人「その前は水谷建設のことばかり聞かれていた。その後は検事さんの言うことを聞いてサインした」
指定弁護士「ご自身の被疑事実は聞かされなかったですか」
証人「作ったものにサインしました」
指定弁護士「あなたの意見は聞かれませんでしたか」
証人「そういうふうには覚えていません」
指定弁護士「大久保(隆規元秘書=1審有罪、控訴)さんや池田さんの逮捕はどこで聞きましたか」
証人「検事さんから聞きました」
指定弁護士「勾留中に小沢先生の告発があったことはご存じでしたか」
証人「えー、それはちょと…」
指定弁護士「あなたの調書が大久保さん、池田さんの裁判で使われるとは思いませんでしたか」
証人「そういう認識はなかったです」
指定弁護士「ご自身の裁判で使われるとは」
証人「認識が薄かったのは事実です」
指定弁護士「小沢先生の捜査で使われるということは」
証人「そこまで使われるという認識はなかった」
《ここで指定弁護士の再尋問が終了した。大善裁判長が「それでは裁判所からお尋ねします」と声をかけ、左陪席の裁判官の質問が始まった》
裁判官「小沢被告の4億円の(陸山会の複数の口座への)分散入金について、政治家個人が詮索されるのが嫌なのが理由だったと証言してますが、相手は銀行員、マスコミ、政敵ですか」
証人「銀行員でもありますし、(銀行に)持ち込むのなら台車に載せていくので、マスコミに見られるのも嫌だった」
裁判官「マスコミに対して警戒心があった」
証人「はい」
裁判官「(平成16年)10月29日は仮登記にしていましたが、仮登記と本登記を正確に理解していますか」
証人「正確というか…。10月29日が仮で、(平成17年)1月7日が正式と思っていました」
裁判官「あなたは商学部を卒業されていますが、民法の授業は受けたことはありますか」
証人「…授業に出ていませんでした」
《法廷内に笑いが起きる。これまで鉄面皮で通してきた小沢被告も石川議員を見て笑っている。だが左陪席の裁判官は構わずに質問を続ける》
裁判官「この売買契約を売買予約にしたという認識はありましたか」
証人「認識はありませんでした」
裁判官「所有権と所有権等移転登記の違いは分かりますか」
証人「今は分かりました」
裁判官「当時は何か疑問に思うことはありましたか」
証人「司法書士さんから返ってきた答えだったので、疑問を持つことはなかった」
裁判官「土地取引をなぜ17年1月7日に伸ばしたかでいろいろと質問を受けていますが、理由について『事務手続きが面倒で翌年にやってもらいたい』と証言したことはありますか」
証人「はい」
裁判官「ただ、この証言は維持されないということですね」
証人「はい」
裁判官「収支報告書への記載を(17年に)遅らせたい、ということが理由でいいですか」
証人「はい」
裁判官「収支報告書をずらすことに、違法という認識はありましたか」
証人「司法書士に相談したので問題ないと思いました」
裁判官「収支報告書に載せる載せないで、(前任秘書の)樋高(剛衆院議員)さんに相談しましたか」
証人「いいえ」
裁判官「法律家などに相談したことは」
証人「いいえ、ありません」
《これまで丸2日間かけて行われた石川議員の証人尋問で、浮かび上がってきた矛盾点を整理する裁判官。鋭い追及はさらに続いていく》
◇
【小沢被告第4回公判(12)】
「資産公開は厳密でないということかね」 裁判官が「矛盾」次々指摘
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/trl11110119140023-n1.htm
2011.11.1 19:13
(16:50〜17:20)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第4回公判は、証人として出廷した元秘書の石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴=への裁判所側からの質問が続く》
《左陪席の裁判官は、小沢被告から4億円の現金を受領しながら、銀行から定期預金を担保に、さらに4億円の融資を受けた点について石川議員に問う》
裁判官「預金を担保に融資を受けた4億円と、小沢被告から預かった4億円とセットにすると、陸山会に合計8億円が動いていることになる。それは認識していたのか」
証人「預かったのは4億円の1回きりなので」
裁判官「(8億円に)資金が膨らんでいるという認識はあったのか」
証人「そうでもない」
裁判官「そうでもないというのは?」
証人「小沢被告から預かった4億円を担保にしていた。4億円が拘束されていますので、収支報告書を書くのには、借りた4億円の1回でいいと自分では認識していた」
裁判官「会計を担当する者として、通常8億円に財産が膨らんだと認識していいと思うが」
証人「…」
裁判官「使えるお金が8億円じゃないということですかね」
証人「はい」
《小沢被告は口をじっとつぐみながら、耳を傾ける》
《裁判官は、じっくりと質問を整理するためか、ときおり間をあけながら、質問を続ける》
裁判官「小沢被告から預かった4億円を、陸山会名義の定期預金にした。小沢被告の名義にしなかったのは、何か問題でもあるのですか」
証人「特に考えていなかった」
裁判官「資産公開のことでお尋ねしますが、16年分の資産公開は担当されていないので、経験上のお答えで構いませんが、(小沢被告が)陸山会に預けた4億円の定期預金は、そこで公開しなくてよいのか」
証人「え〜。収支報告書ではなく、資産公開なので。定期預金は陸山会名義で、(小沢被告名義ではなく、本人の)資産公開ではしない」
裁判官「小沢被告からみれば、陸山会に4億円の貸し付けがあるが、資産公開では出す必要がないと」
証人「個人であれば必要あるかもしれませんが…」
裁判官「財産として公開しないのか」
証人「(資産公開については、元秘書の)池田(光智)君に任せていたので、いま問われれば必要あったと思うが、その事務処理を扱っていないので、仮定には答えにくいです」
裁判官「資産公開はあまり厳密ではないということですかね」
証人「当時の認識として、池田君に任せていた。自分自身でやらなければならない仕事とは、認識していなかった」
《続いて、裁判官は平成16年10月29日に銀行から融資を受けた際の小沢被告の認識について、石川議員に確認していく》
裁判官「融資を受けることを(小沢被告に)説明していたとするが、借り主が小沢被告になるということは説明したのか」
証人「はい」
裁判官「前提からすると16年10月12日に小沢被告から4億円を預かった。その後、りそな銀行の融資を受けた。『4億円を渡したのに、なぜ4億円を借りなければならないのか』と(とがめられることに)なるかもしれないという心配はしなかったのか」
証人「そういう心配は抱いていなかった」
裁判官「それには、政治家と秘書という何か特別な事情が存在するのか」
証人「任されて、ひとつ、ふたつ、不動産の手続きをしたこともあった。経理担当として、通帳も印鑑も預かっていたので、信頼していただいていたのだと思う」
《裁判官は問題の収支報告書の記載についての質問に入る》
裁判官「収支報告書の作成にあたって、預金残高の確認はするのか」
証人「3月の時点で銀行の通帳と照らし合わせたと思う」
裁判官「収支報告書を提出する際、4億円の巨額の借り入れがあれば、マスコミからの取材を受けると考えたことはあるのか」
証人「土地の取引の方に頭がいっぱいだったので、想定していたかは記憶にない」
裁判官「仮定の質問だが、(4億円について)尋ねられたら、『個人資産』と答えていたのか、『銀行からの融資』と答えていたのか、どちらか?」
証人「考えたこともない」
裁判官「振り返っても(答えるのは)難しいですかね」
証人「はい」
裁判官「収支報告書に8億円の借り入れを記載する認識はお持ちではなかった」
証人「はい」
《左陪審の裁判官は最後に、石川議員が収支報告書の記載に際し、会計士や提出先官公庁の担当者に相談しなかったかを尋ね、質問を終了した。石川議員はいずれも「ない」と答えた。続いて右陪審の裁判官が質問に入る。石川議員は、東京・世田谷の土地の不動産登記を、売買代金を入金した平成16年10月から、本登記を行った翌年1月にずらしたことについて、前任秘書の樋高剛衆院議員の助言だったと証言。裁判官はこの点を尋ねていった》
裁判官「樋高さんのアドバイスの前までは、小沢被告から預かった4億円で(不動産代金を)決済しようと思っていたのか」
証人「そう思います」
裁判官「さきほどまで借り入れのメリットを説明されていましたが、考えていなかったと」
証人「考えていませんでした」
裁判官「樋高さんの助言がなければ、現金決済していたのか」
証人「それは、あくまでも仮定なので、分かりません」
裁判官「(不動産登記時期をずらす際に、樋高議員から受けた)『時間的余裕が生まれる』とするのは何か」
証人「特に私がこうだ、と分かっていたわけではありません」
裁判官「どう認識したのですか」
証人「政治にはタイミングがある。16年5月に経験したことだが、違法ではないが、小沢先生の年金未加入という問題が浮上して騒がれ、代表を逸するということがあった。仮に(16年に)購入すると、憶測を呼んだりして、同様のことがあってはならないと樋高さんが思ったのかもしれない」
裁判官「土地の購入は2、3カ月遅れる程度といっていたが、遅らせると、収支報告書の記載が翌年にずれ込む。大きな変更ではないのか」
証人「そう思わなかった」
《続いて、大善文男裁判長が質問に入った。裁判長も翌年に不動産登記をずらした経緯を尋ねる》
裁判長「(物件を所有する不動産会社との)合意によって売買契約も移したという認識か」
証人「私の認識が本登記が正式な契約と思っていた」
裁判長「仲介料も出金しているが、これはどう認識していたのか」
証人「司法書士にも相談し、本登記が正式合意と思っていた」
《裁判所側の素朴だが本質的な疑問が、石川議員に投げかけられる。小沢被告は、引き続きじっと耳を傾けている》
◇
【小沢被告第4回公判(13)完】
不動産公表をずらすことは小沢被告に報告 隠し録音で判明
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111101/trl11110119340024-n1.htm
2011.11.1 19:34
(17:20〜17:35)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第4回公判は、大善文男裁判長による元秘書の石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴=への尋問が続いた》
《大善裁判長は、陸山会名義の定期預金を担保とした4億円の融資が、小沢被告名義の口座に振り込まれた経緯についてただしていく》
裁判長「陸山会名義の定期預金を、小沢さん名義に変更することは検討しなかったのか」
証人「陸山会の口座に入っていたし、バタバタしていたこともあり、そのままにしていた」
裁判長「逆に、陸山会名義で借り入れることは考えなかったのか」
証人「小沢さんの名義で借りた方が確実だと思った」
裁判長「誰の名義で、というのは相談しなかったのか」
証人「はい」
裁判長「会計責任者である大久保(隆規元秘書=1審有罪、控訴)さんには見せなかったのか。大久保さんの署名が必要なはずだが」
証人「ありませんでした。私が(代わりに)署名しました」
《質問は、1審で有罪判決を受けた石川議員の検察調書に移る》
裁判長「検察調書には水谷建設の件と収支報告書の件があり、このうち水谷については否認。報告書に関しては、(小沢被告の)関与をうかがわすような記載がある」
証人「はい」
裁判長「小沢さんは秘書として仕えた人。不利益になる、事実と違うことを記載するということについては?」
証人「そういう認識はあったが、自分の周りの人々や自分の再逮捕など、いろんなことがあり、○○検事(法廷では実名)から『(小沢被告の)起訴はない』と言われ、サインした」
裁判長「証拠になるという認識はあったのでは」
証人「確たる認識はなかった。この件で、小沢さんが起訴になるかならないかということだったので。○○検事に『(起訴は)ない』といわれていたので調書にサインした」
裁判長「調書の文言は、すべて検事が書いたのか」
証人「○○検事が書いたこと。決定的なことは○○検事が書いた」
裁判長「4億円が『表に出せない資金』という認識は?」
証人「(調書の中で)○○検事が、そういう文言にしたので。というか、(取り調べ中は)ずっと問答が続いていたんで。どうなんだ、と。検事が考えて書いた。訂正をお願いしたが、直してくれなかった」
《大善裁判長は、今回証拠採用された平成22年5月に○○検事が石川議員に行った任意聴取の録音内容を紙に起こしたものをモニターに映し出し、さらに質問を続ける》
裁判長「やりとりの中に『不動産の公表をずらすというのは報告してます』という記載がある。誰に報告したのか」
証人「小沢さんのことだと思います」
裁判長「○○検事から意に沿わない調書を取られたと言っていたが、弁護人にそのことについて話したか」
証人「話しているときもありましたが、話すといろいろ言われるので言いづらかった。弁護士は調書にサインするなと言うが、そういう状況じゃなかったと言っても伝わらなかった」
《続いて、大善裁判長に替わり、左陪席の裁判官が「8億円の貸し付けが成立したという検察調書はあるのか」と質問。石川議員は「8億円という言葉が書かれた調書はなく、どちらの4億円なんだ、という言い方をしていたと思う」などと答えた》
《ここで大善裁判長が証人尋問の終了を宣告。石川議員は一礼し、退廷した。午後5時35分、本日の審理がすべて終了。終始無表情だった小沢被告だったが、終了が告げられると、軽くうなずくようなしぐさを見せた。次回期日は11月30日。大久保元秘書の証人尋問が行われる予定だ》
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