http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/447.html
Tweet |
原発事故・陸山会裁判・TPPと、日本の大手メディアが放つ立て続けの犯罪的言動にげんなりしている。
地震・津波・原発事故については、まったく不十分だが、気象庁・経産省・官邸などは、不備があったり至らなかった事実があったことをそれなりに反省し、それを言葉にしている。
しかし、NHKを筆頭に大手メディアは、3.11の重大原発事故を4時間余りも“秘匿”していたことについて、なんら説明もせず謝罪もしていない。
次期経営計画をNHKの放送で概要の説明した松本会長は、厚顔無恥なことに、震災や原発について、NHKは公共放送としての使命を果たしたと胸を張っていた。
NHKは、さらに、意図的かミスなのかは別にして、次期内閣総理大臣の選出でもある民主党代表選に影響を与える“重大な誤報”(馬渕Gの投票行動)を発信したにも関わらず、会長が謝罪したり、担当幹部が責任をとって辞任したという話も聞かない。
このように腐り切った人たちが動かしているのだから言っても詮無いのだが、TPPの関する報道も、あきれ返るほど「参加プロパガンダ」に満ちたものになっている。
提供できるはずの基本情報(現行TPP協定の内容・交渉スケジュールなど)も報じず、公正を装うために慎重派や反対派が動いていることも報道はするが、金銭レベルの農業問題に矮小化した範囲に終始している。
そして、日本の現実や実態とは大きく異なった“閉鎖性”を言い募り、その言葉の勢いだけを根拠に「開国」の必要性を声高に叫んでいる。
「ウソも100回言えば真実になる」とも言われるが、インターネット情報があるとはいえ、残念ながら「大手メディアが揃って言えば正しいものになる」という状況は根深いものがある。
TPP(交渉)参加をめぐる問題をぎりぎりで持ち出し判断まできわめて短い期間を設定したのは、一応議論したかたちをとりながらも、内容がわからないまま“イメージ”や“気分”で、参加したほうがいいのかな、参加するしかないのかなと国民が思っているうちに強行突破をはかってしまおうという狙いからだろう。
最近の総務省試算のTPP参加によるGDP押し上げ効果2.7兆円も、当否は別として、参加後10年の積算額なのにまるで1年の話(GDPという用語が出てくればそう思う)のように、朝日新聞を除き報じていた。
フジテレビに出演した中野剛志氏がそのような報道姿勢にキレて声を荒げるのも当然だろう。(中野氏の「TPPが日本を壊す」はフジ産経グループの扶桑社から出ている)
他のテーマでも似たようなものだが、各社横並びの報道内容だから、TPP関連の政府発表について書き方のレクチャーをしているのは官僚だと推察される。
このような現実から、TPP(交渉)参加をやめさせることができるキーマンは、一人輿石幹事長しかいないような気がする。民主党内のプロジェクトチームでの議論はアリバイとガス抜きでしかないから、最終判断は、野田首相・藤村官房長官・輿石幹事長・前原政調会長・平野国対委員長の会談でまとめられるはずだ。
連合会長が力ずくのTPP(交渉)参加決定を避け慎重に対応するよう提言していることもあり、輿石氏が老獪な調整能力を発揮できる条件はある。輿石氏が面従腹背でその時を待っていることをほのかに期待している。
下に引用した日経新聞の記事によると、リマで開催されているTPPの第9回交渉は終わり、APECで「大枠合意」するレベルに達したという。
交渉に参加しなければ、内容もわからないとか、有利な条件も引き出させないとか、政府や推進派のひとびとは口先で言っているが、隠しているだけでTPPに関する内容の情報はあふれかえっているし、交渉の進捗状況と日本の交渉参加可能時期を考えれば、有利な条件を引き出すと言うのは“今さら”でしかないのだ。
慎重派や反対派があれこれ懸念を説明すると、“おばけ”や「誤解」と貶めるような表現で対応しているが、「日本が交渉に参加した場合も、ゆうちょ銀行やかんぽ生命保険などの扱いが議論になる可能性はある」とか、知的所有権絡みで「米国は新薬の特許保護を拡充してアジア市場を獲得したい意向」(健保財政に影響)と推進派の日経新聞さえ認めている。
“おばけ屋敷”は出れば終わりだが、「「交渉に参加しても途中離脱できる。情報収集のためにもとりあえず交渉に参加すべきだ」との論法でTPPに慎重な議員を説得する案がある。米国のワイゼル首席交渉官は28日、ペルーで記者団に「真剣に妥結に向かう意志がない国の参加は望んでいない」と指摘。日本の動きをけん制し始めたが、米国は経済大国、日本のTPP参加を期待している」のだから、出るに出られないTPP(交渉)ということがわかる。
何より、幸か不幸か震災・原発事故という“国難”レベルの言い訳があるのに、国民的議論ができないまま、仮に参加しても交渉機会がほとんどないスケジュールのTPPには参加しないという意志決定さえできないのだから、「交渉に参加しても途中離脱できる」はずもなかろう。
(下記の記事の付表にTPP最終合意が来年秋となっており、一昨日まで日経が報じていた6月最終合意から数カ月後ろにずらしたようだ。しかし、それでも、交渉はおよそ2ヶ月に一度のペースで行われているから、日本が3月か4月に交渉に参加しても、2〜3回の交渉に参加できるかどうかで、11月に「大枠合意」しているはずだから、細かな文言表現の修正に加われる程度の「交渉参加」ということになる)
当該記事で日経は、「米国は自由貿易協定(FTA)を締結済みのオーストラリアとは関税交渉を実施しない方針を表明。「関税撤廃」が原則のTPPでも一部の例外が認められる可能性があり、そのルール作りに日本が関わる余地は残っている」と書いているが、日米にはFTAはないのだから米豪間の話は日米間の参考にはならないし、農産品輸出国同士の交渉と、日本のような一大農産品輸入消費国に対する交渉は別物になる。
それどころか、日本がFTAを締結していないTPP参加国である米国・オーストラリア・ニュージーランドは、“共通利益”として、日本の農産品輸入障壁をできる限り取っ払おうと共同戦線を張ってくるだろう。
口には出さないが、政府は、米も10年ほどの猶予で関税撤廃という落としどころを確認しているはずだ。「関税の撤廃」がTPPの基本原則で、どうしてもという産品が関税撤廃まで猶予期間を与えられるというものだ。
==========================================================================================
TPP「大枠合意」へ前進 米など9カ国、APEC控え歩み寄り
知的財産は隔たり
【リマ=檀上誠】米国やシンガポールなど9カ国は28日、ペルーの首都リマで環太平洋経済連携協定(TPP)の第9回拡大交渉会合を終えた。植物検疫や原産地証明などで各国が歩み寄ったとみられ、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での「大枠合意」に前進した。日本もAPECで交渉参加の表明を目指しており、政府・民主党内の調整を急ぐ。
日本、交渉参加へ調整急ぐ
今回はAPEC前の最後の交渉。ペルーのバスケス首席交渉官は会合終了後の記者会見で「多くの分野で着実な進展があった」と述べ、APECの際に、9カ国で大枠合意できるとの見通しを示した。今後、1年程度をかけて正式合意にいたることを目指す。
TPPは関税撤廃・削減だけでなく、投資、サービスなど21の分野で交渉を進めている。リマでは植物検疫や原産地証明の方法で前進があったとみられる。一方、米国が国際協定より厳格な保護を求めている知的財産分野では各国の隔たりが大きいとされる。米国は新薬の特許保護を拡充してアジア市場を獲得したい意向だが、「後発薬の価格が上昇しかねない」として途上国を中心に影響を懸念する声が出ている。バスケス首席交渉官は「創造性を守ることと公衆衛生のバランスが必要だ」と指摘した。
また、米国は民間企業と政府系企業の競争条件を平等にすることを求めている。国営企業の多いベトナムなどとの間でどんな着地点を見いだすかの調整を残している。日本が交渉に参加した場合も、ゆうちょ銀行やかんぽ生命保険などの扱いが議論になる可能性はある。
焦点の関税撤廃を巡っては、具体的、本格的な議論にはまだ入っていないとみられる。米国は自由貿易協定(FTA)を締結済みのオーストラリアとは関税交渉を実施しない方針を表明。「関税撤廃」が原則のTPPでも一部の例外が認められる可能性があり、そのルール作りに日本が関わる余地は残っている。
日本が交渉参加を急ぐのはこのためで、政府・民主党内の調整は週明けからヤマ場を迎える。
党執行部では「交渉に参加しても途中離脱できる。情報収集のためにもとりあえず交渉に参加すべきだ」との論法でTPPに慎重な議員を説得する案がある。米国のワイゼル首席交渉官は28日、ペルーで記者団に「真剣に妥結に向かう意志がない国の参加は望んでいない」と指摘。日本の動きをけん制し始めたが、米国は経済大国、日本のTPP参加を期待している。
米国はしばしば議会の声を背景に外交交渉を進めるとされる。日本も政府としては協定参加を前提に交渉に参加する一方で、党の反対など日本の立場をルール作りにどう反映していくかの戦略が問われそうだ。
日経新聞10月30日朝刊P.3
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK121掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。