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毎日新聞のスクープ記事なのか、或いは捏造記事なのか、そのどちらとも分からないが、28日の毎日新聞朝刊2面に見出しが「政府文書に本音」とある記事が載った。その書き出しは「TPP交渉に参加した場合のメリットなどを分析した内部文章を政府が作成していたことが分かった」で始まっている。当然、TPPの核心に迫った分析だろうとの期待を持ってこの記事を読んだのだが、案に相違していた。
政府が分析・作成したと言うのだから、日本にとってのメリット・デメリットを分野別に分析しているだろうと誰もが思うだろう。処が、最初に書かれているのは、交渉参加を表明する時期なのである。しかもその時期は、「米国が最も評価するタイミング」だと言うのだから、恐れ入ってしまう。単なる交渉参加という小手先の問題が政府の分析であり、「本音」だとすれば、何ともお粗末な話である。
この交渉参加表明すべき時期と理由として次のように書かれている。(以下引用)
11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で交渉参加表明すべき理由。
米国がAPECで政権浮揚につながる大きな成果を表明するのは難しい。日本が(TPP)参加表明できれば、米国が最も評価するタイミング。これを逃すと米国が歓迎するタイミングがなくなる。(引用終了) 当に「アメリカ様命」である。
日本の国益など何も考えていない。11月のAPECで交渉参加を表明すると、12年の米国大統領選挙を前にして、オバマ大統領の成果になると分析したと言うのだから、思わず笑ってしまった。大統領選挙を挙げるならば、ABCとワシントンポストが発表した世論調査を参考にして書けと言いたい。オバマ氏の再選を予測する人は37%。オバマ氏は1期限りの大統領になると55%の人が回答しているのだ。
メリットは米国が歓迎するタイミングでの交渉参加表明だけらしい。後は、交渉参加を延ばした場合のデメリットの羅列である。即ちルールづくりに参加できないとか、重要情報の入手が困難になるとか、例によって例の如き話である。笑ったのが、韓国が先に加入して日本の参加を認めないと書いてあることだ。米韓二国間FTAの内容を知った上でこれを書いたとしたら、その人の頭の中を覗いてみたいものである。
その次は国内向けブラフ(脅し)である。11月に交渉参加を決断できない場合として次のように書いてある。(以下引用)
マスメディア、経済界はTPP交渉参加を提案。実現できなければ新聞の見出しは「新政権、やはり何も決断できず」という言葉が躍る可能性が極めて大きい。経済界の政権への失望感が高くなる。(引用終了)
そもそも国民が民主党に政権を負託したのは、特に小泉政権以後、新自由主義政策で国民生活に見向きもせずに、財界一辺倒の政策を自民党政権が遂行したからである。経済界の政権への失望感が高くなったとして、多くの国民は別に構わない。逆に、それがどうしたと言うだろう。この部分は、野田政権を脅しているつもりなのだろう。だがこれは、官僚がマスコミ・財界と癒着していることを白状したのと同じである。
民主党議員に対するブラフは、選挙の時期との関係で書かれている。13年夏まで国政選挙が無いことに触れ、「交渉に参加しても劇的な影響は発生しない。交渉参加を延期すればするほど選挙に近づき、決断が下しにくくなる」と書いてある。民主党の国会議員も官僚から舐められたものである。これは、民主党議員の賛否に関係なく、TPP交渉参加、条約締結になると言っているのと同じことである。
そして最後になって目が点になった。参加表明の際には「TPP交渉の最大の受益者は農業」としっかり言うべきだ、との文章で結んでいるのだ。TPPを農業問題に矮小化した前原政調会長も真っ青になる結論である。どのような分析をして、このような結論が導き出されたのだろう。肝心要のその分析については全く触れていない。誠に摩訶不思議な記事なのである。
冒頭に「スクープ記事なのか、或いは捏造記事なのか」と書いたのは、この摩訶不思議に由来する。見出しの「政府文書に本音」とは「米国が最も評価するタイミング」での交渉参加表明を意味している。この隷米思想こそが、官僚とマスコミの「本音」なのであろう。霞ヶ関は、何時の間にか米国植民地の総督府になったようである。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?n=117101
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