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日経新聞は、TPP参加を社是のように紙面で煽っている。
日本が“鎖国”した国で今こそ“開国”が必要だと外交で不利になるようなデタラメな説明している日経新聞社が、「関税の原則的な全面撤廃を掲げるTPPだが、交渉次第で自国に有利な条件が認められる余地がある」と説いているのには笑ってしまうが、「仮に11月のAPECで日本が交渉参加を表明しても、実際に交渉に加わるのは早くて来春以降となる。米国の慣例で、外国との交渉を始める際に米議会の承認を得るため90日間の「通告期間」を取る必要があるためだ」と後ろの方で解説しているのだから、さらに笑ってしまう。
極めつけは、文章にはないが、スケジュール表が別途あり、そこには、来年(2012年)6月に「TPPが正式合意(?)」と書かれていることだ。
(?)は付いているが、11月にTPPの交渉に参加することを表明しても、来年の3月になって初めて日本は交渉に参加できるようになり、それからわずか2ヶ月ちょっとでTPPが正式合意になるのだ。
記事にあるように、「10年3月に8カ国で政府間交渉を開始。同年10月に開かれた会合でマレーシアが新規参加した。今年10月までに9回の会合」ということから、2ヶ月に1度のペースで会合が開かれていると推測できる。
このことから、日本がTPPの交渉に参加しても、最終合意文書の文言表現をどうするかに関われる程度ということになるはずだ。
日本が実質的には交渉に参加できない、できたとしてもごくごく限られたものになってしまうというTPP交渉スケジュールを知っていながら、「交渉に参加しない限り、必要な情報も得られず」とか、「来年になれば本交渉が始まるため、日本が交渉に加わること自体も難しくなる」といった煽りで早期参加表明を主張する言論は、ある種の犯罪だと思う。
内容の是非以前に、そんなレベルの交渉しかできないTPPへの参加をシャカリキになって煽る日経新聞社幹部の頭の中はどうなっているのだろうか?
あげく、「沖縄の米軍普天間基地移設問題の進展が見込めないなか、日本がTPPで前向きな姿勢左示さないと日米関係が悪化しかねない」と、米国からの指図なのだからTPPには参加するしかないと思いを吐露している。
日経新聞社はそのような米国に対する考え方をしていながら、中国に対しては「確固たる主権行使を!」といった言論活動がよくぞできるものだと感心してしまう。
記事の最後が、「ただ、そうした米国事情を抜きにしても、日本の“開国”を巡る議論に決着をつけるまでに残された時間は少ない」という、いつもながらのデタラメな日本観で締めくくられているのだからあきれる。
日本の今後を大きく左右する内容を含んでいることが間違いないTPPに、ほとんど交渉もできないことがわかっているのに、参加を云々すること自体が狂気の沙汰としか言いようがない。
幸か不幸か、日本は3月11日にM9.0の大地震に襲われ、巨大津波による大被害と原発3機が次々とメルトダウンを起こすという未曾有の大災害に見舞われている。
事故対策と復旧・復興に政府挙げて取り組んできた(いる)ので、「現段階でTPPへの参加を判断することはできない」と説明すれば、内心ふざけるなと思っても、日本国民の反米感情の噴出を考えればオバマ政権もうなずくしかないだろう。
最悪でも、野田政権の何名かが辞任すれば収まることだと思う。
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TPPを知るA
なぜ来月前半交渉参加を表明?
政府は11月12〜13日に米国ハワイで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加表明を念頭に調整を進めている。慎重派議員や農業団体などからは「拙速だ」と批判の声も上がっている。なぜ政府は参加表明を急ぐのか。
交渉に参加している米国や豪州など9カ国は、APECで「大枠合意」を目指すという目標を掲げる。参加国は2010年3月に8カ国で政府間交渉を開始。同年10月に開かれた会合でマレーシアが新規参加した。今年10月までに9回の会合が開催済みだ。
関税の原則的な全面撤廃を掲げるTPPだが、交渉次第で自国に有利な条件が認められる余地がある。関税以外にも投資や知的財産など24の部会を設けてルールづくりを進めている。交渉に参加しない限り、必要な情報も得られず、日本の国内事情も参加国に説明しづらくなる。
ルール作りに関与狙う
仮に11月のAPECで日本が交渉参加を表明しても、実際に交渉に加わるのは早くて来春以降となる。米国の慣例で、外国との交渉を始める際に米議会の承認を得るため90日間の「通告期間」を取る必要があるためだ。来年になれば本交渉が始まるため、日本が交渉に加わること白休も難しくなる。
APECでは日米首脳会談も予定されている。
沖縄の米軍普天間基地移設問題の進展が見込めないなか、日本がTPPで前向きな姿勢左示さないと日米関係が悪化しかねない。ただ、そうした米国事情を抜きにしても、日本の“開国”を巡る議論に決着をつけるまでに残された時間は少ない。
(日経新聞10月27日朝刊P.5)
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