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日本のマスコミの海外報道は、アメリカ発のものの垂れ流しで悪名高い。下記の記事は比較的まともな方です(朝日、共同などIMF視点で酷い)。それでも「(ピノチェトの“ショック療法”の国)チリの経済運営」を讃えるコメントを載せている。ただ、「債務不履行08年の金融危機の影響を受けなかった」という記述は興味深い。南米経済の好調はもっと注目されてよい。
アルゼンチン:金融危機、どこ吹く風 経済「奇跡の回復」 大統領、再選確実に
17日、ブエノスアイレスでのイベントで、支持者に囲まれる現職のクリスティナ・フェルナンデス大統領=ロイター 南米アルゼンチンで23日に行われる大統領選で、現職フェルナンデス大統領の圧勝が確実視されている。人気を支えるのは、南米一好調な経済だ。だが、アルゼンチンは01年12月に債務不履行(デフォルト)宣言し、翌02年の経済成長がマイナス10・9%、失業率が2割に達した国だ。奇跡の復活劇を果たしたアルゼンチン。この10年で何が起きたのか。【ブエノスアイレス國枝すみれ】
◇大豆高騰、ブラジル好況、通貨安…
首都ブエノスアイレスは「10年前に破綻した国」とは思えないほどのにぎわいを見せている。サンタフェ通りで衣料品店を経営するフリオ・オルティスさん(36)は「売り上げは前年より20%は増えた」とほくほく顔だ。
1日4時間、レストランでアルバイトするパメラ・バスさん(39)は「客は1年で3倍になった」。3000ペソ(約5万4000円)の月給は3カ月ごとに200ペソずつ昇給しているという。
高級住宅地のパレルモ・ソーホーやレコレタは新しい店が次々と開店し、新車が走る。レコレタに住む外資系企業勤務のカミラ・サラサルさん(40)は「若者は頻繁に外食するので、レストランの予約をとるのが難しいほど。私も給料は1年で17%上がったけど、出費が多くて収入が追いつかない」と告白する。
アルゼンチン経済は03年から平均7・6%と8年連続でプラス成長を続け10年成長率は南米最高の9・2%。今年も8%超と推計されている。失業率は7・4%に改善した。
奇跡的な回復は、どうして成し遂げられたのか。一つには、輸出総額の2割を占める大豆、小麦など1次産品の価格高騰が続いたことがある。主な輸出先は中国やインド。人口増加と経済成長が著しく、需要が減る兆しはない。さらに、最大の貿易相手国の隣国ブラジルの景気も好調で、アルゼンチンの自動車輸出総台数の8割を占める。10年の自動車生産台数は前年比約4割増の71万台余りと、史上最高を記録した。
輸出好調の背景には、02年に固定相場制から変動相場制へと移行し、国内通貨ペソが4分の1の通貨安になったことがある。政府の債務残高は10年末で1471億ドルあるが、債務不履行を宣言したため追加的な融資はほとんど受けられず、債務増加にはいたっていない。このため国際金融市場からは孤立し、結果的に08年の金融危機の影響はほとんど受けなかった。
アルゼンチンは過去何度も債務不履行をしている。だが、国際社会が必要とする穀物を生み出す肥沃(ひよく)な土地や、銅、金などの資源を産出する鉱山を豊富に抱え、経済活動は停滞していない。これが根本的な問題解決を阻んでいる側面もある。国際協力銀行ブエノスアイレス事務所のエコノミスト、ビクター・ペロイネ氏は「もし過去20年間、(中南米の優等生と呼ばれる)チリのように手堅い経済運営をしていたなら、我が国の経済規模は5倍になっていただろう」と指摘する。
体質改善を怠ったツケで、アルゼンチン経済が危機に陥る可能性はある。8月には穀物の国際価格が大幅下落。輸出市場ブラジル経済の減速と、実質23〜35%に達するインフレが影響し、輸出に陰りが見え始めている。
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■ことば
◇アルゼンチン大統領選
07年10月の前回選挙では、現職クリスティナ・フェルナンデス氏(58)が女性で初当選。経済再建を達成した夫のネストル・キルチネル前大統領から政権移譲された。74年にペロン大統領死去に伴い、選挙を経ずに昇格した3番目の妻イサベル大統領の再来とも評された。キルチネル前大統領は昨年10月、病死。夫の死後、フェルナンデス氏の人気は高まり、今回の選挙では地滑り的勝利が予想されている。
毎日新聞 2011年10月24日 東京朝刊
<アルゼンチン>フェルナンデス大統領再選 夫急死で同情も
毎日新聞 10月24日(月)11時16分配信
【ブエノスアイレス國枝すみれ】南米アルゼンチンで23日、大統領選挙の投開票が行われた。クリスティナ・フェルナンデス大統領が約53%(開票率75%)を得票して再選を果たした。大統領は23日夜、ブエノスアイレス市内のホテルで勝利宣言し、「私はアルゼンチンを指導者ではなく国民の国につくり替える義務がある」と演説した。
【アルゼンチンに何が】アルゼンチン:金融危機、どこ吹く風 経済「奇跡の回復」 大統領、再選確実に
大統領選には、現職のほかサンタフェ州知事のビネル候補(社会党)ら計7人が出馬した。大統領の夫は03年から4年間、大統領を務めたネストル・キルチネル前大統領。フェルナンデス氏は夫の後を継いで07年10月に初当選した。支持率は一時27%にまで低下したが、昨年10月に今選挙の有力候補だったキルチネル氏が心臓発作で急死。喪服で選挙キャンペーンを続けるフェルナンデス氏に同情票が集まった。
政治アナリストのフリオ・バルバロ氏は、「野党に政権担当能力を持つ有力候補がいなかった。また、キルチネル氏の死が、国民の夫婦に対する憎しみをすべて消し、野党勢力を混乱、分裂させた」と勝因を分析した。
フェルナンデス政権は中道左派。前政権の政策を引き継ぎ、大豆など農業部門に高額の輸出税をかける一方で、公共料金を抑え、貧困対策、福祉政策を強化、所得の再配分を行った。アルゼンチン経済は03年から平均7%を超える高成長を遂げた。
投票所の一つ、市内カバジート地区の小学校。フェルナンデス氏に投票したカルラ・メディオさん(23)は「問題もあるが、良いことをたくさんした。私の母は障害者で月約800ペソ(1万4400円)の福祉手当をもらっている」という。宝石店を経営するアリスティデス・ゴンザレスさん(46)も「彼女は庶民の味方。批判する者は貧しい人に金をやりたくないだけだ。過去4年で私の所得は3倍になった」と話した。
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