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民主“影の番長”4人組のウラ行状!野田は単なる“チーママ”?
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20111024/plt1110241557004-n1.htm
2011.10.24 夕刊フジ
★鈴木哲夫の永田町核心リポート
野田佳彦政権として2回目となる臨時国会が20日召集され、与野党攻防の第2幕がスタートした。焦点は、「TPP(環太平洋連携協定交渉)参加」と「原子力発電所」「消費税増税」という3つの問題に絞られつつある。こうしたなか、仙谷由人政調会長代行(65)と枝野幸男経産相(47)、輿石東幹事長(75)、藤井裕久最高顧問(79)の「民主党4人組」が、政府・与党の重要政策を裏で差配しているという。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が核心に迫った。
「野田政権にとって『TPP参加』は決定事項だ。11月中旬のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で、オバマ米大統領に正式表明する。その決定スケジュールは、仙谷氏と枝野氏が裏で申し合わせている」
官邸スタッフはこう明言した。
TPPについては、民主党内で200人以上が「慎重に考える会」に参加するなど反対論も多い。仙谷氏には政調幹部として、党内の幅広い意見を集約する役割が求められるが、側近議員にオフレコでこう話している。
「党内でいくら議論してもまとまるわけがない」「国を開く。やるという選択肢しかない」「反対論者は、所詮自分の選挙区事情で反対しているだけだ」
もはや、剛腕な政治手法を超えて、傲慢ですらある。14日から党プロジェクトチームで議論が始まっているが、仙谷氏には「形だけ」なのだ。地方自治体や農業団体、医師会とともに、必死に反対論を訴えている議員は惨めなだけである。
現在、政治の最重要テーマは「1にTPP、2に原発、3に消費税」(官邸スタッフ)。実は、そのすべてで、仙谷氏を中心とする「民主党4人組」が暗躍している。「TPPと原発は仙谷氏と枝野氏。増税は仙谷氏と藤井氏。そして、輿石氏が最後の流れをつくる」(同)構図だ。
仙谷氏の、TPP傾斜の背景をベテラン議員は次のように解説する。
「野党時代、仙谷氏は米国にパイプがなかった。政権中枢に入り、そのコンプレックスから、逆に米国に異常におもねるようになったのでは。TPP参加は明らかに米国の意向。仙谷氏の頭には参加しかない」
枝野氏は「世界の流れに出遅れる」と政府側からあおり、仙谷氏は党内のガス抜き儀式を終えて一任を取り付ける−。こんな茶番シナリオが展開されているのだ。
原発・東電問題でも、仙谷氏と枝野氏が暗躍している。先週初め、前原誠司政調会長のもとを、経産省関係者が尋ねた。
「東京電力の料金制度見直しを、党としても進めておられるんですね」
「えっ? 俺は聞いていない」
「政調側は、仙谷代行がいろいろ話をされているようですが…」
前原氏は瞬間的に切れた。
「何で代行が出てやってるんだ!」
本来、原発事故を受けた東電対応は、政府側と政調会長の前原氏が議論して決めるはずだった。その前原氏をすっ飛ばして、補佐役である仙谷氏と枝野氏が勝手に話を決めていたのだ。
枝野氏は12日、現在の「総括原価方式」と呼ばれる電力料金制度を見直す方向で、有識者会議を新設する考えを示した。これも、仙谷氏と枝野氏が2人で話し合ったといい、「前原氏は『党の政策責任者を外して原発・東電問題を進めることは許されない』と激怒しているが、仙谷氏は全くお構いなしという態度だ」(前原グループの若手議員)という。
霞が関の高級官僚らは、仙谷氏が官房長官時代から蜜月関係を構築しており、「言うだけ番長」と揶揄される前原氏の軽さを敬遠している。「党に話すなら仙谷氏」(厚労官僚)と“仙谷詣”は続けており、実質的な政策責任者は仙谷氏になりつつあるのだ。
原発・東電問題に関する、仙谷氏と枝野氏の思惑は一致している。
経産官僚は「仙谷氏はもともと原発推進派。枝野氏も言動をよく見聞すると、実に興味深い」といい、こう解説する。
「枝野氏は、九州電力のやらせメールへの厳しい態度を見せ、『原発に依存しない社会』などと発言している。だが、脱原発は2050年という先の話だし、IAEA(国際原子力機関)では『世界一安全な原発を』と推進発言をしていた。要するに、自分に火の粉がかからぬよう、結論を先送りしているだけ」
弁護士でもある2人が一致したのが、こんなシナリオだという。
「堂々と『原発維持』や『結論先送り』といえば世論は許さない。そこで、東電や九電をスケープゴートにした。料金制度やリストラ、やらせメールに厳しい注文を付ければ、国民からは『よくやっている』ように見える。原発の是非論から目をそらし、できる限り先送りして原発維持へ−という狙いだ」(同官僚)
消費税増税問題では、仙谷氏と藤井氏が策謀を重ねている。
野田政権は、税と社会保障の一体改革で、消費税などの増税によって財政健全化を目指している。閣僚・党役員人事の際、仙谷氏は野田首相に対し、「政調代行を自分がやる。前原氏には税と社会保障をやる力量はない」(首相周辺)と直訴したという。
これに歩調を合わせるのが、旧大蔵省出身の増税派で、党税調会長でもある藤井氏だ。第3次補正予算論議でも、藤井氏は復興財源を所得税や法人税増税で賄う案を強引に進めた。財務省に近い仙谷氏と藤井氏のコンビで、来年にはいよいよ消費税に手をつける。
そして、輿石氏が党内で最後の流れをつくる。
「TPPの党内議論が始まったばかりの16日、輿石氏は『APECまでに決着を』と口にした。彼が重要視するのは政策の中身ではない。常に流れを決定づける役割を見せつけて、党内での発言力や権威を増していくことを狙っているようだ」(民主党中堅議員)
野田政権の重要課題を差配する4人組。その背後には、財務省や経産省の高級官僚が張り付いている。民主党はかつて青臭くとも開かれた議論をするのが魅力で、官僚政治と対峙する姿勢を見せていた。4人組の動向は、政権与党のいかがわしさを際立たせるだけではないのか。
■すずき・てつお 1958年生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部などを経て、現在、日本BS放送報道局長。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「汚れ役」(講談社)など。
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