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小沢一郎を本音で語ろう
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2011/10/23 依存症の独り言
今日は小沢一郎氏について本音の部分を書こう。
私のことを反小沢の急先鋒と思っている方も多いと思うが、正確に言うと私はそうではない。
私のスタンスは反金権政治なのであって、小沢氏に関しては非小沢である。
何度も書いたのでご存知の方も多いと思うが、私は1990年代は小沢氏の熱い支持者だった。
それが変化し始めたのは、自自連立に傾き、天敵とも言うべき野中広務氏と組んだ時からだった。
野中氏は人間的には魅力のある人物だが、政治的立場はまったくの売国左翼である。
その親北朝鮮ぶりは、もう常軌を逸している。
拉致問題への取り組みが遅れたのも、金丸信氏の「金の延べ棒」問題も野中氏が絡んでいる。
こういう野中氏と組み、そして自公連立であっさり捨てられた。
私は、ここに小沢氏の政治家としての限界を見た。
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ネット上では「小沢支持」がけっこう多い。
私に言わせれば、それはもう信仰の域に達しているように見える。
が、彼らは小沢氏を誤解している、と言うか、小沢氏を自らに都合の良いように曲解している。
いわゆる「豪腕」がそうだ。
しかし、それは“伝説”であって、彼が豪腕を振るったという事実を実際に挙げることはむつかしい。
唯一挙げることができるとすれば、それは細川連立政権の樹立だろう。
しかし、これも国民の間に蔓延していた政治不信、政治改革への渇望がそうさせたのであって、小沢氏はその舞台廻しを務めたに過ぎない。
小沢氏に反米、あるいは対米自立の夢を託している人もけっこういるようだが、これも小沢氏の実像とはかなり違う。
小沢氏は反米ではない。
親米かどうかは不明だが、少なくとも日米同盟は肯定的に評価している。
かつての彼は「普通の国」を提起し、集団的自衛権の行使も容認した。
その立場が今、あいまいなのは、民主党内の護憲派に対する配慮以外の何ものでもない。
小沢氏はリアリストであり、マキャベリスト的な面も強い。
だから、その時々で主張を変える(ように見える)。
が、根っこの部分はそれほど変わっていないと思う。
彼は「普通の国」と同時に「自立」を説いた。
もたれ合いの社会から自己責任の社会へ―そこでは個人は組織(企業)に、組織(企業)は国家に、国家は外国に依存するのではなく、自己責任で行動することが求められている。
そして、それは管理行政、管理教育からの解放も意味している。
つまり小沢氏は、規制緩和を推進し自由競争を促進する立場がその本質なのだ。
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小沢氏の「自立した国家」論が、彼を反米、あるいは対米自立論者と誤解させる主たる原因である。
が、これこそ小沢氏に対する最大の曲解である。
小沢氏は「対等の日米同盟」を求めているのであって、脱米国ではない。
そして、その前提にあるのは自衛のための武力行使と集団的自衛権の容認である。
そういう意味では、彼が、日米関係を「主従」ではなく「盟友」の関係に変えたいと思っているのは間違いないだろう。
ただ、これは、日米安保同盟における日本の役割の大幅な増大と表裏であることを認識しなければならない。
つまり、9条擁護派とは相容れない真逆の立場なのである。
なお、彼が一見、国連中心主義に変質したかに見えたのは、党内社会党系を取り込むための方便に過ぎない。
小沢氏が日米同盟を基軸に据えているのは普天間基地問題に対する姿勢を見ても解る。
鳩山政権下でこの問題が迷走した時、彼は幹事長だったにもかかわらずほとんど沈黙した。
なぜなら、彼は普天間基地の県内移設に賛成だったからだ。
が、党内左翼や連立与党だった社民党を意識して彼は沈黙を選んだ。
「内外の政策の決定は首相だ。結論を出す過程も、結論も一切聞いていないので、論評する立場にはない」
これが普天間問題に対する小沢氏のすべてである。
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かつて小沢氏は、「日米中正三角形」論を唱えた。
が、これも本音ではなく、自らを取り巻く情勢と立場を考慮した意図的発言である。
2008年9月、小沢氏は、「中国共産党政権は必ず崩壊する」と滋賀県大津市内の講演で語っている。
これは、共産党独裁と市場経済は両立しないという考えから来ている。
管理行政を否定し、自由競争の促進が根本にある小沢氏からすれば当然の発言だろう。
にもかかわらず、彼は日米と日中の関係が同等であるかのような発言を繰り返した。
しかしこれは、米国への牽制ではなく、自民党政権に対する対抗である。
小沢氏も、本音では中国脅威論者なのだ。
つまり小沢氏という政治家は、安保や外交も信念ではなく、その場の状況に合わせて語るのだ。
この姿勢は、政権交代が第一、権力掌握が何よりも優先するという彼の政治哲学から導き出される。
言うならば、小沢氏の政治的軌跡のすべてがそうだ、と言っても過言ではない。
靖国参拝も同様である。
彼は1986年、中曽根内閣の自治大臣だった時、次のように国会で答弁している。
「靖国神社は一般的に常識的に言って戦没者を祭っておる、その追悼ということでだれもが自然な気持ちで行くべきものであろうと思います。したがって、私もいわゆる自分のそのような気持ちがわいてきたとき、そして時間が許せば靖国神社の参拝は今までもしておりましたし、するつもりであります」
「基本的に、お国のために一生懸命、その是非は別といたしまして戦ってそれで亡くなった方でありますから、そういう戦没者に、参拝することによって誠の気持ちをあらわす、また自分なりにそれを考えるということであろうと思います。したがいまして、A級であろうがB級であろうがC級であろうがそういう問題ではないだろうと思っております。たまたま敗戦ということによって戦勝国によって戦犯という形でなされた人もいる。あるいは責任の度合いによってABいろいろなランクをつけられたんでありましょうけれども、その責任論と私どもの素直な気持ちというのはこれは別個に分けて考えていいんではないだろうかというふうに思っております」
参照:第104回国会 地方行政委員会 第5号
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/104/1050/10404021050005c.html
今の小沢氏からは想像もできないが、彼の本質はこれである。
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最後にTPP(環太平洋経済連携協定)について書こう。
TPP反対の急先鋒・山田正彦元農相は21日、「反対署名が民主党の194人を含む212人にのぼった」と発表した。
そして、「民主党内の3分の2がTPPに慎重だと思う」と胸を張った。
が、実際は違う。
署名の中には、菅政権時代のものも多く含まれている。
つまり「反TPP」ではなく「反菅」の理由で署名した者も多いのだ。
事実、「TPPを慎重に考える会」が21日、国会内で開いた総決起集会の参加者は、民主党議員を中心に約120人に過ぎなかった。
このように、民主党内で反TPPが盛り上がらないのは小沢氏の姿勢にある。
元来、小沢氏は強硬な自由貿易論者である。
これは一貫している。
やはり根底に、「自己責任と自立」があるのだ。
小沢氏の今の立場は、「TPPは原則は賛成」だが「時期尚早」というものだ。
ここにも小沢らしさが出ている。
本音は「賛成」だが、発言が自分に不利にならないように「時期尚早」を付け加える。
「自由貿易には賛成だが、弱い産業部門は保護すべき」
本音はともかく、これが現実の小沢氏である。
永田町で聞く話では、小沢グループは「反TPP」では組織的に動いていないそうだ。
小沢氏が自由貿易論者である上、グループ内には反対と賛成が入り乱れているからだ。
小沢氏の盟友である輿石東民主党幹事長は20日、国会内で全国農業協同組合中央会の万歳章会長と面会し、TPPについて「議論を通じてピンチをチャンスに変えるべきだ」と強調した。
既に小沢氏の盟友は、「TPPはチャンス」に傾いていると言うことだ。
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以上、小沢氏に対する私の思い、認識を徒然に書いた。
私は、良い悪いは別にして、小沢氏はカメレオンのような政治家に見える。
皆さんが、このエントリを読んで小沢氏をどう評価されるかは自由である。
ただ、「政治は数、数は力、力は金」だけは絶対に許してはならない。
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