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カダフィ大佐の死に一言も発しなかった野田首相
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2011年10月23日 天木直人のブログ
野田首相は21日の朝、首相官邸に向かう途中に記者団から次のよう
に聞かれたという。
「リビアのカダフィ大佐が死亡しましたが、一言お願いします」と。
これに対する野田首相の反応は「・・・・・・」であったという。
つまり何も答えずに立ち去ったというのだ。
考えられない事である。
この記事を読んだ時、私は驚きを通り越して異常さを感じた。
野田佳彦という政治家はひょっとしたら中身が何もない政治家なの
かもしれない。
しかし、このメルマガで私が言いたい事はその事ではない。
野田首相の空疎さについてはもはや明らかだ。驚くことではない。
私が異常さを感じたのは、外務官僚たちはまともに仕事をしている
のか、と思ったからである。
ひょっとしたら外務省は野田首相に正しくリビア情勢を伝えていない
のではないか。カダフィ大佐の死に対して野田首相に「こうコメント
してください」と的確に振付けていなかったなかったのではないか。
それは私の官僚時代の経験から見ればあり得ないことではあるが、
そのあり得ない事が今の外務省で行なわれているのではないか。ひょ
っとして今の外務省は機能不全状態ではないのか。
私が異常さを感じるのはまさしくその事である。
そしてそれはあながち根拠のない事ではない。
私の同期の一人に飯村豊という外務官僚がいる。
駐仏大使を経て2年前から中東担当の政府代表に「天下り」している。
私がここで問題にしたいの中東担当のこの飯村政府代表の仕事ぶり
が全く見えてこないことである。
民主化の嵐が中東を席巻し、イスラエルが国連加盟の申請に踏み切り、
そしてリビアの独裁体制が終焉した。
この歴史的な中東の動きを前にして、わが国の中東担当政府代表が何
を考え、何をしていかメディアが報じることはない。
彼もまた野田首相と同じように中東問題についてはまったくの素人だ。
同期だからよく知っているが、その40年余りの外務省勤務でまともに
中東を担当したことは一度もない。
そのような素人が中東担当の仕事が勤まるのも、外務省が組織をあげて
お膳立てするからだ。
野田首相や飯村政府代表が、激動する中東情勢を前にして日本の中東
政策を発信できないということは、とりもなおさず外務官僚たちがまとも
な仕事をしていないということである。
因みに飯村豊政府代表はこの二年間、何も仕事をせずに年収二千万円
を超える給与を受け取って来た。
どう考えても不当収入だ。
年収200万円以下で必死に働いている多くの国民に恥じて給与を返上
すべきだ。
こんな天下り人事を平気で許している民主党政権の事業仕分けはデタラメ
だ。絶対増税させてはいけない。
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