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日本政府やメディアは、相変わらず、「TPP交渉への参加」というまやかしの表現で国民の反発や警戒心を和らげようとしているが、「TPP交渉の展開でも具体的な観測が聞かれ始めた。米国やオーストラリアなど9カ国の通商担当者が現在、ペルーのリマで交渉中。税関手続きや政府調達、知的財産や公営企業への補助制度などを参加国が共有する枠組みなどで11月にハワイで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)での合意を目指している」段階だという。
3番目に転載した鹿野農水相絡みの記事に、「政府関係者は「TPPの交渉参加と協定参加では天と地の差がある」と解説する」とあるが、TPPには交渉に参加するだけといくら強弁しても、交渉自体がすでに終盤を迎えているだから、いつもながらのまやかし表現ということだ。
また、2番目の転載記事にあるが、米国支配層は、「トップ外交で、日本の他国との通商交渉への不快感も読み取れるような発言をしたことで、TPP参加を促す同盟国としてのメッセージを伝えたということ」で、「米国が圧力をかけているとみられるのが逆効果になると警戒して」静観しているのだそうだ。
それを受けてか、日経のワシントン特派記者も、最初に転載した記事で交渉の進展についてはあいまいに報じている。
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TPP推進論米で拡大 対韓FTA法案署名来年通じ交渉詰め
【ワシントン=御調昌邦】米議会が前週可決した韓国などとの自由貿易協定(FTA)の実施法案に、オバマ大統領が21日署名し、米側の批准手続きは完了した。対韓FTAは来年1月にも発効をにらむ展開となり、米国では環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉推進を唱える声が広がってきた。2012年を通じて交渉を続け、全体像を詰めたい考えで、日本への風当たりが強まることも予想される。
◆次の「最重要事項」
双方で批准手続きが遅れていた米韓FTAは、韓国も今月中の手続き完了を目指している。ブッシュ前米政権の国際経済担当の大統領補佐官で、主要8カ国(G8)などでブッシュ大統領(当時)の個人代表(シェルパ)を務めたダニエル・プライス氏は日本経済新聞の取材に答え、米韓FTAの意義について@国内で超党派の政治的支持を得たA経済的に北米自由貿易協定(NAFTA)以来の大きな影響を持つ――と力説した。
米議会の動きは「米国が通商戦略を再開した」ことを内外に示すメッセージになったとも説明し、次の最優先課題として「オバマ政権はTPPを挙げる」と言明。TPP対応は「前政権が打ち出し、現政権が進めた」と米側の意欲を強調した。
◆産業界も積極論
米戦略国際間題研究所(CSIS)日本部長のグリーン元米国家安全保障会議(NSC)上級アジア部長も米議会の動きを評価する。最近の記者会見で、TPPの多くの部分で国内調整の素地ができたと指摘した。
産業界では、全米商工会議所のドナヒユー会頭が対韓FTA実施法案の議会通過後に声明を発表し、TPPの迅速な交渉などを要請した。基本的にはアジア・太平洋地域との貿易促進につながるTPPに積極論が多い。
◆大枠は来月合意
TPP交渉の展開でも具体的な観測が聞かれ始めた。米国やオーストラリアなど9カ国の通商担当者が現在、ペルーのリマで交渉中。税関手続きや政府調達、知的財産や公営企業への補助制度などを参加国が共有する枠組みなどで11月にハワイで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)での合意を目指している。
だが、ハワイ会合の合意は「幾分大まかなもの」(プライス氏)になるとの見方が大勢。11月には参加国など大枠を合意し、その後に細部を詰めることになるようだ。
日本経済新聞10月22日朝刊P.9
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日本の状況は静観 参加表明に期待論も
【ワシントン=御調昌邦】日本の動向について、米政府はオバマ大統領が9月に野田佳彦首相に環太平洋経済連携協定(TPP)への参加に期待感を表明した以降は、日本国内の状況を見守る姿勢を取っている。日本で議論が始まったこともあり、米国が圧力をかけているとみられるのが逆効果になると警戒しているもようだ。だが識者らの間では、日本の「明確な参加表明」への期待も強い。
「中国・韓国や欧州連合(EU)と交渉の準備をしているようだが、TPPを進められるのか心配している」。複数の関係者によると、オバマ大統領は9月下旬のニューヨークでの日米首脳会談で日本の動きについてこんな趣旨の認識を示したという。
米政府内では現在の日本の政治状況や農業問題の難しさなどへの理解も浸透しており、対応は日本の政府・国民が決めることだというのが基本姿勢。トップ外交で、日本の他国との通商交渉への不快感も読み取れるような発言をしたことで、TPP参加を促す同盟国としてのメッセージを伝えたということのようだ。
プライス氏は「日本がTPPの一員になることは非常に重要だが、日本からのメッセージは決して明確ではなかった」と主張。「米国は日本が明快な方法でTPPに参加したいと表明することを非常に歓迎するだろう」とも語った。
アメリカン・エンタープライズ研究所のクロード・バーフィールド研究員は「野田首相にとって最善策は、ひるまずになるべく早く交渉に参加するための作業を進めることだ」と指摘している。
日本経済新聞10月22日朝刊P.9
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底流
■ TPP「交渉参加」と「参加」に差
農家支援網引きはまだ先?
環太平洋経済連携協定(TPP)に「慎重」とみられている鹿野道彦農相の言動が注目を集めている。
「情報を国民に提示して議論することが大事」「どういう対応をしていくべきか真剣に考えたい」。記者会見やTPPへの不参加を求める各県知事との会談での農相の発言は慎重派と受け止めることができる内容だ。
ただ「一度もTPPに反対とは言っていない」(農林水産省幹部)。もちろん賛成とも言っていないが、議論の重要性を強調しているだけだ。
政府が20日にまとめた農林漁業再生の基本方針には「高いレベルの経済連携と農林漁業の再生・食料自給率の向上の両立」を速やかに取り組むべき重要課題として明記した。農水省は「基本方針そのものはTPPへの参加を見据えたものではない」と強調するが、重要課題はTPPを含めた経済連携の推進を前提にしている。農相は方針をまとめた会議の副議長だ。
農相の言動を読み解くカギについて、ある政府関係者は「TPPの交渉参加と協定参加では天と地の差がある」と解説する。野田佳彦首相が現時点で強い意欲を示しているのはあくまで「交渉参加」だ。農業界などが懸念するような影響は交渉の中身次第で変わる。
実際、農相は11日の記者会見で、TPPによる農業界への影響を和らげるための財政出動について「具体的にどのような対策が必要かは、交渉がどうなっていくか不確かなの
で言及する段階ではない」と語った。
コメ市場の部分開放を決めた1993年のウルグアイ・ラウンド合意のときも、政府が6兆円の農業対策を打ち出したのは交渉が妥結してからだった。「交渉参加」の是非を問う議論が「協定参加」の是非を問う議論に移った時、本当の綱引きが始まる可能性が高い。
(K)
日本経済新聞10月22日朝刊P.7
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