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小沢氏、TPPに前向き 「自由貿易は日本にメリット」 (朝日新聞) 
http://www.asyura2.com/11/senkyo120/msg/863.html
投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 10 月 20 日 20:29:33: igsppGRN/E9PQ
 

小沢氏、TPPに前向き 「自由貿易は日本にメリット」
http://www.asahi.com/politics/update/1020/TKY201110200493.html
2011年10月20日19時33分 朝日新聞


 民主党の小沢一郎元代表は20日、東京都内でフリー記者らが主催する記者会見に応じ、TPP(環太平洋経済連携協定)について「自由貿易は最も日本がメリットを受ける。原則として理念的にはいいこと」と述べ、交渉参加に前向きな考えを示した。一方で、「セーフティーネットを国内的に構築したうえでやらないと、競争力の弱い分野は生活できなくなってしまう恐れがある。国民生活が大変なことになる」とも指摘した。

       ◇

TPP問題で輿石氏「ピンチをチャンスに」 小沢氏は「原則賛成」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111020/stt11102019270010-n1.htm
2011.10.20 19:26 産経新聞

 民主党の輿石東幹事長は20日、国会内で全国農業協同組合中央会(JA全中)の万(ばん)歳(ざい)章会長と面会し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加問題で「議論を通じてピンチをチャンスに変えるべきだ」と強調した。万歳氏は反対の意向を伝え、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までの意見集約の先送りを求めた。

 一方、TPP問題を扱う民主党プロジェクトチームは20日の総会で、慎重派の川内博史衆院議員の座長代理への起用など7人を役員に追加する人事を決めた。

 小沢一郎元代表は20日、「自由報道協会」主催の記者会見でTPPを「原則賛成だ」としながらも、「国民生活を守る対策を取らずにやるのは早計だ」と付け加えた。自民党有志議員の「TPP参加の即時撤回を求める会」(会長・森山裕衆院議員)の会合では反対論が噴出した。

       ◇

【TPP参加交渉】小沢氏「慎重にやらないとな」 結石はまだ体外に出ていないとも
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111020/stt11102013000003-n1.htm
2011.10.20 12:59 産経新聞

 民主党の小沢一郎元代表は20日午前、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への日本の交渉参加について「交渉ごとだから、慎重にやらないとな。しっかりと米国と交渉できるやつがいないとな」と述べた。国会内で面会した側近の三井辨雄政調会長代理らに語った。

 また、尿管結石で入院し、静養していたことについては「まだ結石は体外に出ていない」と語ったという。

 

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コメント
 
01. 2011年10月20日 20:33:05: pqVvtqY5Ng
ほんとメガメディアはツマミ食い記事ばかりだ。

明日の朝刊は2007年の記者会見の捏造質問の矛盾記事かも、、、
 こんな新聞銭払って読む価値なし!!!


02. 2011年10月20日 20:36:08: oXjyYrHR4I
 またまた、情報操作だ。
小沢氏は、「参加するには、セーフティーネットを国内的に構築したうえでやらないと、競争力の弱い分野は生活できなくなってしまう恐れがある。国民生活が大変なことになる」と言った。
だからTPP参加を急ぐ事はない。

03. 2011年10月20日 20:39:01: l9nFGtRTHY
小沢氏は、「私は自由貿易論者」「TPP参加の前にセーフティーネット整備が必要」と前から言っている。
自民党政権なら、戸別補償なしのTPPだ。
民主党のほうがまだマシ。


■小沢氏、TPP参加の前にセーフティーネット整備が必要
【ニコニコ生放送 11月3日】 民主党の小沢一郎元代表は3日午後、
インターネットの「ニコニコ動画」の公開生中継に出演し、
環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定(TPP)への日本の参加について、
基本的な方向としては賛成だが、まず国内のセーフティーネットを整備する必要があるという考えを示した。…
[小沢一郎]私は基本的に自由貿易論者です。そして自由貿易によって一番利益を得るのは日本です。
だから、考え方は賛成です。
ただ、農業だけ今騒いでますけど農業だけじゃないですよ。
これ、金融からサービスから何から全部含まれてるわけです。
その国内の体制を、いわゆるセーフティーネットを、きちんとしないうちに全部オープンにしちゃったら、
それはもうゴチャゴチャになっちゃいますから、もうみんなやられちゃいますよ。
ですから、そういうまったく無防備な何の考えもなしにただ賛成というのは、私はそれはいけないと思います。
基本原則は、自由貿易は賛成です。
[神保哲生]小沢さんの作られたマニフェストの中で、農業の戸別所得補償というのは、
もともとあれは自由化を前提としていて、そのセーフティーネットだったはずなわけですよね。
自由化がないのに戸別補償だけになるとバラマキといわれてしまうわけだけど、
小沢さんは戸別所得補償について、それからTPPとの兼ねあいについては、今どう考えていますか。
[小沢一郎]まだまだ徹底されてないんですよ。戸別所得補償方式をやるには、適地適産にしなきゃないです。
なんでもいいから勝手に作ってそれを全部補償するという、そんな話じゃないんですよ。
日本で足りないもの、必要なもの、そして、たとえば私は東北ですが、
東北で一番適しているもの、あるいは九州で適しているもの、そういうものを適地適産でもってやれば、
私は食料自給は可能だという論者なんです。…
そのためには、生産者が再生産できるような体制を作ってやんなきゃだめですから、
そういう意味で僕はセーフティーネットを(きちんと作る必要がある)。
これは農業だけじゃないですよ。水産業もそうですし、あるいは一般のサラリーマンもそうですよ。
良くも悪くも日本の旧来の雇用制度は崩れちゃったでしょ、終身雇用の。
崩れたまんまでね、ばんばん規制撤廃して、それでやるから、今いろんな失業だの非正規だのちゅう問題が起きてきている。
雇用であろうが、全体の問題なんですよ。
そういう意味のセーフティーネットをきちんと作って、それで自由化をしたらいいと思っています。…
方向として、日本は自由貿易で生きてきたのだから、これを将来の目標でやろうということはいいですけれども、
じゃそのためには国内政策はどうすんだと。
それをきちんとやらないと、国民は全員が不安になっちゃうと思いますね。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv31110371
http://www.asyura2.com/10/senkyo98/msg/661.html
>あるいは一般のサラリーマンもそうですよ。
>良くも悪くも日本の旧来の雇用制度は崩れちゃったでしょ、終身雇用の。
>崩れたまんまでね、ばんばん規制撤廃して、それでやるから、今いろんな失業だの非正規だのちゅう問題が起きてきている。
>雇用であろうが、全体の問題なんですよ。
>そういう意味のセーフティーネットをきちんと作って、それで自由化をしたらいいと思っています。

サラリーマンのためのセーフティネットが小沢氏が党首を務めた旧自由党マニフェストの「負の所得税」(国民手当て)だと思う。


■直接給付方式の戸別補償の拡大・定着は重要だ。
さらに、これを基本所得保障制度としての負の所得税に進化させるべきだ。
そうすれば、ワープア層などの貧困層の生存権も保障される。
貧富の格差も是正される。

【負の所得税】
所得が一定額に達しない者に対し、政府が給付金を支払う制度。
課税最低限との差額の一定割合の金を給付する。
http://kotobank.jp/word/%E8%B2%A0%E3%81%AE%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E

■小沢氏「戸別補償の徹底が先」 TPPで見解
民主党の小沢一郎元代表は1日、奥州市胆沢区の国営いさわ南部農地再編整備事業完工式出席のため本県入りした。
支持者らとの懇談では、環太平洋連携協定(TPP)に関し
「農家のセーフティーネットにつながる戸別所得補償制度をきちんと進めることが先決だ」との見方を示した。
参加者によると、小沢氏は式に先立ち、地元の小沢後援会関係者らと懇談。
「戸別補償の評価はまだ出ていない。
同制度を通じセーフティーネットを万全にするべきで、私もそのために頑張る。
TPPは同制度をよく検証した上での話だ」と述べ、
TPPの協議を開始する政府に対し、同制度の徹底が先決だとの姿勢を示した。
http://www.47news.jp/news/2010/12/post_20101202143830.html
さすが小沢氏だ。
自由貿易原理主義でもなければ、保護貿易原理主義でもない。
小沢氏の考え方がいちばんバランスが取れている。

■7割以上がおおむね評価 戸別所得補償制度への意向調査
http://www.jacom.or.jp/news/2011/04/news110407-13183.php
■戸別補償加入件数、福島で急増
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111009-00000001-khks-pol
農家はおおむね歓迎しているようだ。
これは民主党政権でなければ、できなかった政策のひとつだ。


04. 2011年10月20日 20:42:40: l9nFGtRTHY
エール大の斉藤准教授の考えも小沢氏とほぼ同じ。

■@junsaito0529 先生は、TPPについてどう思われますか?
日本にとってのメリット、デメリットを教えて頂けないでしょうか?
貿易については全面自由化で問題ないでしょう。
農業は直接支払いで保護すればよい。
問題は医療や法律サービスがどうなるのか。
正直言って正確に全貌をつかめていません。
個人的にはFTAで十分じゃないかと思うのですけどね。
QT @tikaraninaritai TPPについて
posted at 08:44:05
http://twitter.com/#!/junsaito0529/status/125356297595011072
そもそもTPPの前に、円高を是正する必要があるでしょう。
http://twitter.com/#!/junsaito0529/status/125356698461413376
エール大学の斉藤准教授の見解:
(1)貿易の自由化自体はよいことだ。(小沢一郎氏と同見解)
(2)農業は直接払い(戸別補償制度など)で保護。
(3)問題は、医療や法律サービスがどうなるのか、この点が情報不足。もっと情報公開を。
(4)個人的には、TPPではなくFTAで十分と思う。
(5)TPPの前に円高是正を(強力なリフレ政策で円安誘導を)

ほぼ、小沢氏と同じ考えですね。


05. 天橋立の愚痴人間 2011年10月20日 20:45:43: l4kCIkFZHQm9g : M1dRyg1AKE
02 さん

この話は、私も記者会見で小沢が言っているのを直接聞いた、嘘ではない。

「セーフィティネット」を構築するというが、どのようなものかについては全く発言していない。

セーフティネットとは、参加しないことになる。
それほど、TPPの内容は深刻なものである。

一部の輸出企業が、高々1兆円の売り上げを伸ばすために、我が国の弱者をどれだけ犠牲にするつもりであろう。

統計上のメリットが、国民生活を反映してないことは、すでに痛いほど実感しているはずである。

TPPに関しては、小沢は攻撃の対象である。
小沢に近いといわれている、興石の発言も、この様に見れば理解できるであろう。


06. 天橋立の愚痴人間 2011年10月20日 20:54:11: l4kCIkFZHQm9g : M1dRyg1AKE
04 さん、

>(2)農業は直接払い(戸別補償制度など)で保護。

と言われているが、どのくらいの個別補償が必要か詰めて考えられていますか。

最も注目を集める米で言えば、
現在、反あたりの2.0万円の補償を10.7万円としなければアメリカ産の米に対応できないのです。

カルフォルニア米は上質で、秋田こまちに類すると言われています。
それが産地価格で、日本の1/7、

輸送費などを含めて、日本での販売価格は、10s1100円と試算されている。

日本の米は3倍の3300円ですよ。
これにどのようなセーフティネットがあるのでしょう。

農家の個別補償を3〜5倍にするという事で、米だけでなく全ての農産物に個別補償など出来るはずがないではないですか。

>(2)農業は直接払い(戸別補償制度など)で保護。

この様な意見は、詐欺と同じいい様ですよ。


07. 2011年10月20日 20:55:45: VakF4nKSH2
>小沢一郎元代表は20日、「自由報道協会」主催の記者会見でTPPを「原則賛成だ」としながらも、「国民生活を守る対策を取らずにやるのは早計だ」と付け加えた。

小沢はTPPに賛成だったのか。

「国民生活を守る対策」とは何なんだ?
相変わらず具体性のない、中身のないコメントだ。

輿石も賛成のようだし、小沢系は基本的にはTPPに賛成ということ。


08. 2011年10月20日 20:56:17: l9nFGtRTHY
>>05
>。ヨセーフィティネット」を構築するというが、どのようなものかについては全く発言していない。

嘘をつくなよ。
ニコニコ動画のインタヴューで、戸別所得補償の徹底を言ってるじゃないか。

反小沢の天橋立の愚痴人間は、息を吐くように嘘を吐く。


09. 2011年10月20日 20:56:51: chc7K4a6b6
基本的に小沢ってのはグローバリストだからな。
日本の政治家は日米を基軸にした狭い範囲でしかものを考えていないが、
小沢はより世界的な視野で日本を見ている。
その場合、日本の富裕層を守ろうとする日米基軸派である財閥、官僚たちと、グローバリスト小沢との対決になる。
小沢はもちろん貧乏人のことなど毛ほども考えていない。冷徹な政治家だ。
小沢にくらべれば財界や官僚たちのほうが感情的。
最後の最後に小沢が勝つだろうが、それが日本という狭い領域で幸せであるかどうかわからない。

と、わたしはおもう。


10. 2011年10月20日 21:18:58: l9nFGtRTHY
>>09
>小沢はもちろん貧乏人のことなど毛ほども考えていない。冷徹な政治家だ。

貧乏人のことなど毛ほども考えていないのは、官僚や財界でしょう。

すくなとも、小沢氏は戸別補償や派遣法の改正や最低賃金の引き上げなどを主張している。

反対しているのは、官僚や財界の手先である自民党など。
衆参がねじれているから、実現できない。


11. 2011年10月20日 21:23:07: YRyE4hspJA
TPP参加賛成表明で減刑嘆願 ! アホか ? 汚沢の時代はとっくにオワタ。

12. 2011年10月20日 21:26:59: OIxNYWfJog
元々、物価、賃金体系の違う国の自由化なんて無理なんだけど。
自由化するなら、物価、賃金体系を近づけてからするもの。

個別保証とは何なのか???

生活保護なのか???
このような大規模な生活保護をすれば市場経済が大幅に歪められる。
生活保護ではやる気が無くなり衰退する。

価格補償なのか???
価格補償で輸入が伸びなければ、非関税障壁だと言って、撤廃を求められるだろう。
元々、輸出したいからのTPPなんだから。

小沢は人間は良いのかも知れぬが政策は音痴。
良いブレーンが居ないのだろう。


13. 2011年10月20日 21:37:55: 7XCVgzAuMM
民主党の中でTPP反対を強固に進めているのは、小沢派がほとんどと認識して
いましたが違うんでしょうか?それとも小沢氏と小沢派の意見が違ってしまった
のでしょうか?
閣僚賛成、野党自民賛成、与党民主反対、TPPはどうなってしまうのでしょうか?
TPPは参加交渉することに決まっているのですから、反対などとうんうんしている
間に、新規原発は計画通りに進行するし、補助金申請はどの自治体も申請に入るし、
真の原因追求はどうなっているか判らないし、なんとかならないでしょうか?
与党民主党は内部議論といいながら、全くまとまらない、勝手仕放題のような
感じしか伝わってきません。民主党内に与野党がいるような感じですが間違って
いますか?

14. 2011年10月20日 21:41:35: l9nFGtRTHY
ここぞとばかりに小沢氏を叩いている反小沢の天橋立の愚痴人間をはじめアンチ小沢が狂喜乱舞しているな('A`)

直接支払い=戸別所得補償政策なんて、欧米先進国では常識なのにね。
小沢氏は常識を言っているのに過ぎないのに叩かれる。


15. 2011年10月20日 21:43:50: mZzyDsZGA6
09のような工作員がろくでもない弁護士や共同通信・TBS・読売新聞記者の化身であることが判明しました。おまけに反小沢官僚も交じっている。
これは証拠もないのに、一億円の裏金を肯定報道した原理と同じです。

16. 佐助 2011年10月20日 21:52:48: YZ1JBFFO77mpI : jvYCCKp7RE
マスコミの大嘘より食料自給農業の採用が先決

自由貿易論者と超関税自由貿易主義者は別でしょう。日本の政治家や経済の指導者,大マスコミと官僚等は,超関税自由貿易主義者なので,関税をゼロにし,自国の農業や中小企業を壊滅させても,世界信用収縮恐慌の再発を阻止すべきと信じているのである。間違いである各国の関税引き下げによる通貨の切り下げ競争による輸出攻勢から自国の国内市場を守るため、各国は外国製品や外国資本を排除するための保護主義が台頭し保護貿易政策が実施され世界貿易は縮小します。それで世界経済は関税と通貨切下げ競争で、世界貿易は三分の一以下に縮小されます。あらゆる経済指数(生産・販売・雇用・投資・貿易)が3分の1以下に激減するのです。1929年から1931年にかけて世界恐慌が起こり1933年に世界貿易は3分の1以下に縮小。世界経済は関税と通貨切下げ競争で、10年間も悪夢にうなされたのである。

破壊されたセーフティネット,最新鋭のインフラを最新鋭の自然エネルギーから産業革命をおこさなければTPP(環太平洋経済連携協定)の議論もできないでしょう。TPPより前に食料自給農業の採用を進めることだ,生産性を高めるためには食料自給農業化させることであり食料を自給できない国家は食品バブルで崩壊します。

例えば植物が吸収しやすくした無農薬肥料(バイオ肥料)にする.光がなくても種子は発芽出来る,高齢社会対応の農業の生産は無人化にする,無人化工場の動力は当然最新鋭の自然エネルギーからの産業革命で解決するし土質改良による害虫や雑草の防止(すでに雑草のない土地は出来ているがさらに改善) 低温でカネリの発生しない土質改良から植物が育つ土質にする,品種改良などで水耕&液体栽培が可能になる。など進める。ほとんどは開発済みなので最新鋭の自然エネルギーから産業革命を起こすことです。


17. 法務博士に愛を 2011年10月20日 22:26:11: pq/XpR5fxBdSQ : 8rNCXQYiW2
座敷牢に押し込めて、情報操作ですか。念入りですね。とにかくデマスゴミ・赤かぶ どもの悪質コメントにコメントする価値なし。

18. 2011年10月20日 22:37:23: OIxNYWfJog
>戸別所得補償政策なんて、欧米先進国では常識なのにね

農業補助金は米国でも欧州でもしています。

しかし日本が価格補償として補助金を出すのには大幅な価格補償と成ります。

ガットに非関税障壁として提訴されるでしょう。
過去にも農業補助金が提訴された例が有ります。


19. 2011年10月20日 22:37:34: msaJyupoKE

小沢信者共 必死ですね 笑♪


20. 天橋立の愚痴人間 2011年10月20日 22:45:54: l4kCIkFZHQm9g : M1dRyg1AKE
14 さん

私は小沢はTPP参加に賛成していると言っている。

その私を非難するという事は、貴方はTPP参加に賛成と言う事になる。

それは、それで良いとして、

まさか、小沢がTPP参加に賛成していることを、小沢に関しては無罪放免とし、しゃあしゃあとTPP参加に反対だというのではないだろうね。


21. 2011年10月20日 22:50:33: UI3q9XVeuk
ナオミ・クラインのショックドクトリンそのまま。

原発の大ショックで、注意をそらせているときがチャンスなんだ!
今日は、日本のマスコミで小沢が裏切ったという筋書きでやるから、今作員諸君達もよく勉強をして、日本人の脆弱な精神の攪乱に当たれ!

TPP=ニユーワルードオーダー

もう、目の前にブラさっがっていて、なんとか日本の契約がほしくてほしくて、たまらない。一度相手が契約書にサインすれば……、たんまりと金が手に入る。

民主党小沢派や国民新党というのが、抵抗していて、全然前へ進まん!
日本の大新聞の仲間等もしくじった時には、売り上げ半分減少覚悟の、大捏造キャンペーンを張るのだ。だから、日本の中の抵抗派には、徹底的に、感情を害せよ。動揺させよ。内部分裂させよ。

小沢がTPPに賛成した!
みんなまさかと思って、気落ちするぞ。楽しみだなあ。

TPP
年寄り達の医療の劣化やら、年寄り達の農業略奪やら、モンサンと種子やら、貧しい国民の放棄を持ち込むことだ。
ちまたの企業のビルには、アメリカ人と韓国人の社長がふんぞり返り、幹部のアメリカ人と韓国人の下で、日本人が働かせされるなんて、考えただけでごめんだ!
正体は飢えた獣だ。国の乗っ取りも企業の乗っ取りから始めてうまくいくばかりだったが、手の内がばれだしたら、いつまで続くかな。
権利がどうの、正義がどうのと、彼らの口から聞きたくない。


22. 2011年10月20日 23:03:27: xc87ZExAtw
小沢一郎は現時点でのTPP加盟の協議に参加することは「反対」だろう。

言葉の中身をよく考えろ。

原則、自由貿易に賛成 これは当たり前だがしょせん程度問題だ。


23. 2011年10月20日 23:17:50: JwDwgGy09c
読売はこのように報道している

小沢氏「TPP交渉参加は早計」
(2011年10月20日21時14分 読売新聞)

民主党の小沢一郎元代表は20日、フリー記者らを対象にした記者会見で、
環太平洋経済連携協定(TPP)について、「自由貿易には賛成だが、弱い産業部門は突然、『関税撤廃だ、自由競争だ』となったら成り立たなくなる。
国民生活を守る対策が取られないうちにやるのは早計だ」と述べ、交渉参加は慎重に判断すべきだとの考えを示した。

自らの資金管理団体の政治資金規正法違反事件に関しては、「司法、行政、立法は分立しているが、
国会が憲法で最高の機関にされている。国会の国政調査権を強化すべきだ。裁判に対しても、誰に対しても。
検察も行政の一部だが、国家権力をオープン化すべきだ」と語った。
検察審査会の判断で起訴されたことや、秘書3人が有罪判決を受けたことから、検察や裁判への不信を表したものだ。


24. 2011年10月20日 23:31:44: OIxNYWfJog
>小沢氏「TPP交渉参加は早計」

総計も何も

生活保護?
価格補償?
個別補償?

どれだか分からないけど、補償して自由化するという考え自体、間違いだと思うんだけどね。


25. 2011年10月20日 23:41:43: rWmc8odQao
「自由報道協会」主催の記者会見 ( http://www.ustream.tv/recorded/17988426 )

IWJのUstreamで拝見しました。TPPだけでなく「公務員の給料削減」とか「普天間」とか「現在の民主党について」とか、色々なイッシューが聞けていい会見でした。
読売新聞の記者だけが…まっ、「汚点」でしたね。

河上みつえ氏
「ルール無視の偏向誘導質問で会見荒らす記者が記事書くからゴミ売り呼ばわりされる自業自得。世のオピニオンリーダーなんだったら、ルール守って取材しましょうね(*^−’)bくらぶさんは、政治家の言葉狩りとスキャンダルしか興味ないみたい。今更だけど、あの新聞社、経営状態大丈夫?」
https://twitter.com/#!/kawakamimitsue/status/126942297588895744

会見を見た率直な感想としては、小沢氏は「外交・安全保障」分野が一番能弁だなぁと思いました。


26. 2011年10月20日 23:59:31: DgHP5ogETs
・恒次徹(ツネツグトオル)読売記者が上杉隆と岩上安身とケンカ【小沢一郎会見】(NAVERまとめ)

http://matome.naver.jp/odai/2131911398450886201


27. 2011年10月21日 00:18:42: WxPuV1yFJ2
小沢はいつも「自由貿易は日本にとって利益になる」と言っている。
自由貿易、だ。
TPPが、という言い方はしない。TPPで質問されるから、TPPも含めて答えているだけ。
TPPは農業だけでなく、全ての規制を取っ払う協定であり、
アメリカの目的は農業ではなく、別にあると見ている、とも言っている。
金融も医療も、ということだろう。
全て含めて国内体制を整えないと、経済が破壊され国民の生活基盤が崩壊する。
だからTPPには繰り返し慎重な発言をしている。
今回の会見でも、アメリカにも事情があり、日本にも事情がある、
そこを率直に話さないといけないと言っている。
今の内閣のようにアメリカの要求を丸呑みにしたら全部やられてしまう、
盲従して参加するのは危険だと、事実上反対しているように聞こえた。
野田が戦えるとは思えない。
読売がそれに気づいて小沢はTPP賛成とは書いていない。


28. 2011年10月21日 00:24:34: vBtIjwzV9o
酷いなこれw
新聞てなによ?

いつも小沢が言ってることじゃないの
自由貿易には賛成
TPPは(アメリカの戦略だから)慎重に
セーフティーネットの重要性

恐ろしいね、朝日


29. 2011年10月21日 01:13:32: NJMLAj0l7I
信者なら信者らしく、何を言っても全面的に従えよ。我田引水は信仰に欠けると言わざるを得ない。

30. 2011年10月21日 05:53:21: PxnJWnMCL6
天橋立さんとか、厳しすぎるんじゃないの。

200人近く議員を率いる小沢さんが、「慎重に」と念押しした意味は大きいですよ。

これが逆で、小泉や菅みたいなアメリカの言うままなことしか言わない奴だったらどうよ。

ま、「慎重」でなく拙速ならば、小沢さんは体を張ってでも阻止するんでしょう。「有言実行」を期待しときましょう。


31. 2011年10月21日 05:54:38: IIzrsqmIno
小沢氏の詳しい発言読んでも、小沢氏はTPPに原則賛成のようですな。
TPPが決まれば、セーフティーネットなど膨大な金がかかって無理です。
国民保険が潰れて、医療費の高い外資保険に毎月10万円支払わなければならなくなりますが、国が全国民に10万円に80%も負担してくれますか?
無理です。

小沢はやぱり、やつらの仲間です。
今は、利権をめぐって、売国小沢は売国仲間と戦っているだけ。

はっきりいって、信用できません。
だから、亀井さんや田中康夫も、小沢とは距離をおいているのです
是々非々でやっていこうってくらいです。


32. 2011年10月21日 06:03:10: lTZCtA55nA
関連記事

・“アサひる全開”朝日記事「小沢氏、TPPに前向き 自由貿易は日本にメリット」 (世相を斬る あいば達也) 
http://www.asyura2.com/11/senkyo120/msg/876.html
投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 10 月 21 日 05:06:32: igsppGRN/E9PQ

“アサひる全開”朝日記事「小沢氏、TPPに前向き 自由貿易は日本にメリット」
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/8703cdcb34517c6629366f34cc98b8d4
2011年10月21日  世相を斬る あいば達也


33. 2011年10月21日 07:10:20: mz3wip9m2M

小沢さんは(TPP)への日本の交渉参加について

「交渉ごとだから、慎重にやらないとな。
しっかりと米国と交渉できるやつがいないとな」と述べた。

メリットもデメリットもある。おいしいところを見て、
腐った部分に気付かないと、日本は滅びる。

米国としっかり交渉できるやつ?
誰? 
小沢さんなら、言うべきことも言ってくれそうだが・・・


34. 迂武陵 2011年10月21日 08:09:22: hXDjB6NHfb0Sk : hSGfKhnCLo
「天橋立の愚痴人間」様
小沢氏に関する限り現在のあなたは一年前のあなたとは180度異なる立場のようですね。昨年の10.24小沢支持デモに寄せられた熱い思いはどこへ消えてしまったのですか。
小沢氏の政治姿勢は変わっていないと私は判断しています。小沢氏に対する評価がコペルニクス的転回を遂げるような事実が見つかったのでしょうか。それとも官房機密費で鼻薬を嗅がされたでもしたのでしょうか。「新党をうちあげて政治理想の実現に邁進すべきだ」というあなたの持論からすれば、今の小沢氏にはもどかしさを感じられることは理解できます。
しかし、昨日の自由報道協会主催の会見は岩上サイトなどで視聴確認できるのですよ。少なくとも私にはあなたのような受け止め方も解釈もできませんよ。
この掲示板で無知と独善ぶりで顰蹙をかっている07氏と同類ではあまりにも惨めではないでしょうか。

35. 2011年10月21日 09:08:35: UeGdy22GSI
日本人の(食と国土の安全保障)〜外国に農地を売らない〜が肝要だ。
日本農業経営のグローバル化〜株式会社化の美名の下、狙いは(外資が買収)であり、これに騙されてはならぬ。
米国内で1%の金持ちが一生かかっても使い切れない蓄財を持ちながら、99%の貧乏人から労働搾取〜換言すれば、国民を奴隷化して非文明社会を構築しようとしている。アメリカ財閥の教養の無さが露呈している。この問題とドル刷り放題のFRBも併せて、米国民の怒りが米国全土のデモになっているが、日本でも特別会計に入る200兆円/年が国民の知らない処で既得権益悪徳団に好き勝手に横領されて来た実態が問題化されつつある。
この悪人達は全財産没収の上、国外追放せねばならぬ。

36. 2011年10月21日 09:29:29: FUviF2HWlS
小沢氏は正しい。
日本が、日本型社会主義国家へ移行してから、関税ゼロ協定を結ぶならば全面的に正しい。

37. 天橋立の愚痴人間 2011年10月21日 09:38:12: l4kCIkFZHQm9g : M1dRyg1AKE
迂武陵 さん
御答えします。

私は小沢一郎を25年以上前から注目してみてきました。
政権を取るまでのその世界観は概念的なものに終始していました。
それでも他の政治屋共が老成を重んじて変革へ向わないのに対して、小沢のそれは青雲の志を感じさせるものであり、私はそれに期待をしていました。

政権交代を実現させるところまでは、その概念的な世界観で十分でしたが、政権を取れば、今度は市場主義経済のシステムを含む、より広範なそれが求められてきます。

民主党が選挙の為のマニュフェストを作りましたが、それは、その世界観に基づいたものであったはずです。
ところが、実際のマニュフェストは張子の虎に等しく、何の理念の裏づけが出来ていなかったことが判りました。

その段階で(マニュフェストが次々に反故にされ、小沢はそれに対して何の異議を唱えることがなかった)、私は小沢の世界観(理念)に疑問を感じていました。
それでも政治的な判断と、私のような純粋な理屈とは別の要素もあると、尚、小沢の動向を見ていました。

先の菅内閣不信任案採決の折は、その小沢が民主党との関係で大きな決断をするときでした。
その行動を見て、小沢は民主党のありようを、私が思うほどには危機的に感じていないと思いました。

その延長でTPPに関する発言があります。
小沢が言っています、公共事業のありようなども、枝葉末節の意見であり、現在の公共事業の発注のシステム、そのものに異議を言っている訳ではありません。
(公共事業の仕様が中央基準か地方基準かと言う程度のことです)

自ら自由経済論者と言い、地方分権の話も「小さい政府」構想の一貫であります。
グローバル化の影響で疲弊している国の建て直しには、それでは大きな改革は出来ないのです。

ここ2年間で、小沢のそういう面を見てきました。
それでも、他の政治屋共に比べると我が国になくてはならない政治家でありますが、小沢の欠点は欠点でしっかり見極めていないといけないのではないでしょうか。
我が国の改革は、小沢で終わる訳ではないのです。
小沢を支援することと、盲目的な小沢支援とは別に考えねばならないのではないでしょうか。
私は、現在の小沢がそうであっても、そこは政治、考え方を変えてくれることも期待していますし、また本当の改革は短時間で出来るものではなく、最初に小沢が手をつけて、その後の流れに期待することも思っています。

それでも、本当のことは解かっておく必要があります。
特に国民一人一人は、漠然とではあっても希望の方向性は明確にしておかねばなりません。
小沢と言えども丸投げではならないと思っています。
この様な意味での反小沢論をどのように思われますか。

それでも、小沢の悪口を言うのは怪しからん、転向であると言われますか。


38. 2011年10月21日 09:48:14: zxRwWYtUnA
朝日はあれほど小沢叩きに熱心なのに、小沢の言った言葉の文脈から自社に都合のよい部分だけ切り取って利用する。

朝日はTPP賛成で煽っている。ということは、「小沢も賛成している」という記事は国民を説得するのに効果アリと評価しているわけだ。ということは、小沢のお言葉を国民の多くが重視していると朝日は考えていることになる。ということは、朝日は小沢の影響力が並みではないと告白していることになるな。

朝日の記事から読み取るべきはその点だけ。


39. 2011年10月21日 10:18:38: cCJsFhTcrE
大爆笑ものだなwwwwww
オマエらの大好きな小沢様は
TPP賛成じゃねえかwwwwww

40. 2011年10月21日 10:33:11: FUviF2HWlS
>>39

小沢一郎氏の基本政策は、
「真の日米同盟の確立を促進するために、米国と自由貿易協定(FTA)を早期に締結し、あらゆる分野で自由化を推進する。」だ。

TPP参加は、小沢一郎氏の基本理念に合致している。
一方で、
「世界貿易機関(WTO)における貿易自由化協議と、各国との自由貿易協定(FTA)締結を促進する一方、農産物の国内生産を維持、拡大する。そのために、基幹農産物については、わが国の生産農家の生産費と市場価格との差額を各農家に支払う「個別(戸別)所得補償制度」を創設する。」としている。

すなわち、TPP参加と農家への戸別保障制度の拡充を同時に進める政策は、
セーフティネットの充実と自由貿易協定とのセットで新自由主義的国家へ移行していく政策とは、同じことである。

大爆笑ものは、39さん、貴方である。


41. 2011年10月21日 11:01:31: N6gJGv4dHE
中途半端な反対。

このまま政府の目論見通りTPPが成立しようとも立場だけは守る。

そんな表明だわ。
つくづく責任のある立場に立つのを避け続けるな


42. 2011年10月21日 11:05:47: FUviF2HWlS
>>41

小沢一郎氏を中途半端な立場に立たせているのは、執行部の方である。
小沢一郎氏が政権の先頭に立っていたなら、国益に立って自らTPP交渉にあたり、尚且つ、TPP参加で影響を与えそうな産業分野の強化と救済策を実行しているはずである。


43. 迂武陵 2011年10月21日 12:50:59: hXDjB6NHfb0Sk : hSGfKhnCLo
天橋立の愚痴人間・様
いつもあなたの投稿は読ませていただいています。できる限りあなたの真意を知るべく裏からも見ようと努めているのですが、私も含め多くの読者にその思いは伝わりにくいのではないでしょうか。
盲目的な小沢支持・極度な小沢依存はもちろん唾棄すべきでしょう。私は憲法9条や国連については小沢氏とは異なる問題意識をもちながら注視しています。
小沢氏の民主主義をこの国に緊急に定着させなければならないという危機感に強く魅かれます。
さらに日本という国をどのように捉えているのか、殊に「官僚」という言葉を発するとき、明治以降の近代国家になってからの官僚制度に限定されない深い意味を含ませていることを感じさせられます。つまり、日本や日本人をどのように認識しているのか興味がありますし、行動や判断を知るてがかりを掴めるのではないだろうかと思っております。危難の最中にあるのにそんな悠長なこと言ってられるかとお叱りを受けることでしょうが、こうゆう惰眠を貪っている人間がいてもよいのではと思っています。
追伸 本日の18時からの豊島公会堂での催しに行ってきます。

44. 2011年10月21日 13:02:30: GXXKNE7VKY
小沢さんは朝日では小沢被告ではなかったのか。その被告の発言を取り上げるのもおかしいがその発言を捻じ曲げて報道するのはもっとおかしい。小沢さんははっきりTPPには反対と言っているのが分からないとは脳無しと言うしかない。

45. 2011年10月21日 13:14:21: crZxMwRq1w
>>37.殿

私も小沢氏を支持していますが、貴殿と同様にただ盲目的に小沢氏に傾倒している訳ではありません。

小沢氏は今の日本にとってかけがえのない政治家であり最も首相になって欲しい人物には違いありませんが、小沢氏も神ではないのだから間違いも多々あると思います。
たった一人のリーダーだけで国を変えることなどありえない。

私は政治家の中で小沢一郎氏を最も尊敬して期待しています。
しかしその上で氏を冷静に見ていく姿勢も大切だと思っています。

>>37. 天橋立の愚痴人間 殿
あなたの指摘は正しい。

あなたは小沢氏をよく見ている。
支持出来る部分とそうでない部分を冷静に見ている。

小沢氏を本当に支持する者は小沢嫌いな輩から決して盲目的信者と言われないようにしなければならない。


46. 2011年10月21日 17:25:44: EKnV3hYuf8
小沢さんそういう事言っちゃダメだよ。
まあコトの真相は小沢が無罪になりそうなので無理やり日本にTPPをのませようと
したってところでしょう。まあその手には乗りませんが。

47. 2011年10月21日 17:30:48: 0oHHeOa2jQ
>>44さん
>小沢さんははっきりTPPには反対と言っているのが分からないとは脳無しと

これだけたくさんの記事で「小沢氏は自由貿易・TPPに賛成 農家の戸別所得保障はそのためだ・・」

これは2009年衆議院選挙のときから散々話されてきたこと。
「小沢氏はTPPに反対・・」って小沢氏がいつそんな話をしたのですか?
反対ならば農家の戸別所得保障は必要ない 


48. 2011年10月21日 17:38:40: aDiDCZHnys
小沢は「自立と共生」から全くぶれてないでしょ。
自由貿易とセーフティーネットはセットなのだから。
これこそまさしく自立と共生。
自由貿易の部分だけ取り上げてのミスリードは悪意。

小沢をその辺の右翼とか左翼とか悪党と同じ尺度で語らないでほしいのだが、これがやめられなくなってしまう人が多いようで。
佐藤優が小沢の財力を一杯の牛丼の視点で語るのを見て思った。

小沢に抵抗する人間がどんどん滑稽でブキミな存在になっていくのはどうしたことか?


49. 2011年10月21日 18:41:29: s8kCxa4JAw

 「赤かぶ」や「天橋立の愚痴人間」は小沢一郎を歪曲して捉えている。
 以下が本当の小沢一郎だ。

 小沢一郎・元民主党代表が2011年3月3日、都内で記者会見(主催:自由報道協会)を持った。2011年2月22日、党常任幹事会で党員資格の停止処分を受けて以来記者会見を開くのは初めてとあって、会場には大勢のジャーナリストが詰めかけた。記者クラブメディアからも数名が出席した。背に腹は代えられないのだろう。

 自由報道協会の記者会見が記者クラブ主催のそれと根本的に違うのは、ジャーナリストであれば世界中の誰もが出席し質問できることだ。政治家の記者会見とくれば、目先の政局に集中する日本の「記者クラブ質問」と違い、問題の核心にスバリと迫る質問も飛び出す。

 ドイツのジャーナリストが「菅政権には早く代わってほしいか?」と聞くと、小沢氏は「私は民主党政権を成功させたい。09年マニフェストに戻らなくては政権交代の意味がない」と答えた。マニフェストで約束した「歳出を削減し増税しない」を守らず、消費税増税に走る菅政権への批判である。

 TPPに対する質問に答えた小沢氏は政界やメディアに警鐘を鳴らした―

 「菅さんが(TPPを)突然打ち出した。中味を知れば知るほど多くの人が時期尚早と考えるに違いない。どの内閣が(TPP政策を)とって(採用して)も命取りになる」。

 TPPをめぐっては農業ばかりに脚光が当たっているが、金融、労働、医療、通信など24分野にも及ぶのである。菅直人とか言うバカ総理は内容も知らずに「平成の開国」などと浮かれている。

 これまで規制に守られてきた日本の産業がいきなり「世界選手権」で弱肉強食の戦いを強いられるのである。開国どころか壊国となりかねない。郵政民営化よりも遥かにスケールの大きい「日本食い」「植民地化」が展開されるのである。

 ところがTPPの内容については政府もろくに情報を持っていない。TPPを推進する省の副大臣が「私はTPPをよく知らない」とつい口を滑らしてしまったほどだ。

 カーク米通商代表による発言にみられるように米国はひたすら日本に対して「TPPに参加するよう」プレッシャーをかけ続けている。

 米国の意向に沿えば政権が長続きすると思い込んだオメデタイ菅さんは前のめりになる。TPPに参加すれば電波割り当ても外国企業に開放されて日本のテレビ局は独占体制が危うくなるのである。テレビ局の株で儲けている新聞社も一蓮托生だ。

 にもかかわらず記者クラブメディアもTPP推進に一役買っている。自らに災難が降りかかってくるとも知らずに。政府のリーク情報に頼ってきたツケは大きいものとなるだろう。

 ニコニコ動画の七尾功・政治部長が視聴者の質問を代読した。「ロシアが北方領土にミサイルを配備しようとし、中国は尖閣諸島沖で領海侵犯する。これをどう考えるか?」

 小沢氏はきっぱりと答えた。「国土と国民を守るのが政治家の任務。政治家が事なかれ主義で官僚に乗っかっていると、(外国から)侮られることになる」。

 その場逃れのためには仲間さえも売り、病的にテンションが高くなるアホ総理の記者会見は聞くだけ時間の無駄だ。

 小沢氏をはじめ国民新党の亀井静香代表、新党日本の田中康夫代表の記者会見は「政治は誰のためにあるのか」を語る。政局ばかり聞きたがる記者クラブから嫌われているのが3人の特徴だ。


50. 2011年10月21日 18:47:52: s8kCxa4JAw

 TPP協定の条文案や各国の対応に関する資料から、TPPは決して「平成の開国」などとのんきなことを言っていられるような代物ではないということである。

 確かにTPPにおいて農業は大きな問題ではあるものの、それよりも医療、サービス、人的交流やその自由化によってもたらされる影響の大きさを知り愕然とした。そして条文案からは、TPP交渉・締結の裏にあるアメリカの世界戦略がまざまざと見て取れたのである。

 アメリカが環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の実現に向けて、官民を挙げた取り組みを強化していることはよく知られている。それはなぜか?我が国としては、TPP参加の是非を語るうえで、オバマ政権がTPPに傾いているその狙いと背景を、しっかりと把握しておく必要があるだろう。

 リーマン・ショック以降、アメリカでは景気の低迷が続き、失業率も9%を超えるという厳しい経済環境に追い込まれてきた。オバマ大統領とすれば、国内の景気浮揚と雇用の拡大に向けて、有効な手段を講じることができなければ、大統領としての再選も危うくなる。そんな危機感が高まっているに違いない。

 すでに、2010年11月の中間選挙では、オバマ人気はすっかり落ち込んでしまって、民主党は上院、下院ともに大敗を喫する結果となった。この流れを変えるためにも、オバマ政権とすれば国内経済にプラスとなる貿易戦略を構築する必要に迫られたわけである。その切り札が、TPPに他ならないのだ。

 カーク米通称代表の「日本がTPPに参加してほしいと真に望んでいる。菅前首相の(参加に)前向きな表明は非常に勇気のあることだ」という発言からは、オバマ政権の本音がよくわかる。

 TPP推進の旗振り役を演じている経済産業省は、アメリカ側の本音の問題に触れようとしないだけでなく、日本の平均関税率が、他国と比べても決して高くないということにもあえて触れない。同省の基本的な戦略は、貿易に占める2国間の自由貿易協定(FTA)発行署名済み国の数で比較すれば、日本が韓国に大きく出遅れていることを印象付けることにあるようだ。

 その背景にある論理は、このままいけば、韓国やアメリカやEUとの間で自由貿易協定を次々と発行することになり、我が国の輸出は、ますます不利な状況に追い込まれるというもの。その際、経済産業省が繰り返し使うデータの一つが、EUにおける主な高関税品目に関するデータである。しかし、平均関税率から見ると日本の非農産品の関税率は決して高くない。

*全品目、農産品、非農産品の順に関税率を表示(単位:%)
日本:4.9、21.0、2.5
アメリカ:3.5、4.7、3.3
EU:5.3、13.5、4.0
韓国:12.1、48.6、6.6
(WTOホームページより作成)

 経済産業省が実施した、「我が国の産業競争力に関するアンケート」を見ると、今後海外シフトを検討実施する日本企業がいかに多いかが明らかになる。本社機能のみ日本に残すものの、生産機能のみならず、研究・開発機能まで海外に移転することを検討する企業までもが増えている。
http://www.hkd.meti.go.jp/hokis/mono_kondan/data04.pdf

 こうした日本国内の厳しい情勢を打破するために経済産業省が主張する政策は、今後の成長が期待できるアジア太平洋地域に、日本企業がほかの国々と同様に市場参入を図る条件を整えることが欠かせないというものである。

 すなわち、「関税をゼロにする」という自由貿易圏構想を進めるというわけだ。

 では、なぜ日本は今、2国間交渉で進めていくFTAではなく、多国間で交渉するTPPに舵を切ろうとしているのだろうか。FTAとTPPの違いは何なのかについて、簡単に説明したい。

 国際経済を支える貿易の仕組みは、1945年に発行した為替に関する協定、すなわちブレトンウッズ体制から始まった。

 ブレトンウッズ体制とは、金1トロイオンス=35USドルを固定し、そのドルに対して各国通貨の交換レートを決めた金本位制を定めた協定のことで、これにより日本円も1ドル=360円と固定された。そしてブレトンウッズ協定(1944年)以降、1945年には国際復興開発銀行(IBRD)が、1947年には国際通貨基金(IMF)が、1948年には貿易制限措置の削減と自由貿易の推進を定めた「関税および貿易に関する一般協定(GATT)」が発足したのである。

 GATTにより、原則として各国間での輸入禁止や数量制限措置が禁止され、すべて関税に置き換えていくになり、各国間の交渉で関税を引き下げられ、貿易環境が整えられていった。1986年から1994年にかけて行われたGATTのウルグアイ・ラウンドには123の国と地域が参加。1995年1月には、さらなる自由貿易の促進を目指す国際機関として、GATTに代わり世界貿易機関(WTO)が設立された。

 WTO設立以降、加盟国は153の国と地域にのぼり、モノやサービスなどの公正な貿易のために多国間貿易交渉を続けているが、WTOでは多くの国と一度に交渉しなければならないため、交渉成立までには時間も労力もかかかってしまうことが指摘されてきた。そこで、近年ではWTOを補うものとして、2国間で交渉する自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)が注目されているのである。

 FTAは、特定国や地域の間で物品関税やサービス貿易の障壁などを削減・撤廃することを目的とする協定で、EPAは、人の移動(労働)や知的財産の保護、競争政策、さまざまな協力など幅広い分野の提携で関係強化を目指すものである。

 そして、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)は、物品貿易については、農産品を含め、原則全品目について即時または段階的に関税撤廃、政府調達(いわゆる公共事業)、競争政策、知的財産、金融、電気通信、電子商取引、投資、環境、人の移動(労働)など、あらゆるサービス分野を協定の対象に含んでいることが特徴である。

 2006年にシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国による経済連携協定(通称「P4」協定)が発行され、現在はこれにアメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアが加わり、9か国で交渉が行われている。2011年10月までに計9回の交渉を行い、11月にハワイで行われるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議で妥結することを目指している。

 そこでもう一度初めに戻るが、日本がこの協定に加わる意味は何だろうか。

 なぜ、FTAやEPAでは駄目なのだろうか。

 政府によれば、TPPがアジア太平洋の新たな地域経済統合の枠組みとして発展していく可能性があり、TPPのもとで決められた貿易投資に関する先進的なルールが、今後、この地域の実質的基本ルールになる可能性があるということなのだ。しかし、すでに述べたように、TPPはアメリカの経済政策という面を色濃くもっている。 
 
 アメリカは北米自由貿易協定(NAFTA)の締結によって、経済発展を遂げたメキシコとの貿易で莫大な利益を享受した。一方でメキシコの国内経済やカナダの農業は、アメリカ企業やアメリカ製品が大量に流入し、大打撃を受けていることは明記しておかなければならない。まさにアメリカは二匹目のどじょう、つまりは将来の可能性として中国を含む東アジア市場を狙っているわけである。

 実際のところ、アメリカ政府はWTOが公表した日本の貿易政策に関する審査報告書を通じて、日本政府が2011年6月をめどにTPP交渉参加を決めることを前向きに評価している。これでは、「出来レース」と言われかねない。

 それならなおのこと、メキシコやカナダの二の舞にならないために、日本にとってTPPに参加することのメリットは何か、デメリットは何かをきちんと検証していかなければならない。

WTO、FTA(EPA)、TPPの違い

WTO(世界貿易機関)
関税削減交渉、153カ国・地域が加盟、加盟国共通のルール作り(関税削減率、国内補助金の削減、輸出補助金の撤廃)、我が国はWTO農業交渉で多様な農業の共存を主張

FTA(自由貿易協定)/EPA(経済連携協定)
2国間または複数国間で行う関税撤廃交渉
「実質上すべての貿易(一般的には90%以上と解釈)について、原則として10年以内の関税撤廃」とWTO協定で規定(10%は除外・例外が可能)

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)
太平洋を取り巻く9か国間のFTA
9か国間で行う関税撤廃交渉
除外・例外品目を認めず、全品目の関税を撤廃する
TPPもFTAだが、重要品目の除外・例外扱いを認めていない。「実質上すべての貿易」を最も厳格に解釈

  経済産業省では、我が国がTPPに参加した場合の実質国内総生産(GDP)増加、および伸び率の試算を公表をしている。その試算によれば、我が国のGDPは年間0.48〜0.65%伸びることになり、2.4〜3.2兆円の経済効果が期待できるという。そのうえで、同省はTPP早期参加のメリットとデメリットを挙げているのであるが、まさにその論調は「TPP参加ありき」で、TPP参加のデメリットに関してはまったく想像力が働いていないのである。

 経済産業省が主張するTPP早期参加のメリットの第一は、「ルール形成への参加」である。すなわち、関係国の間で自由貿易に関するルールの協議が進んでいるわけで、その協議にいち早く参加することで、日本企業にとって、有利な条件を整備できるというわけである。

 具体的には中小企業の輸出支援、すなわち輸出手続きに関する情報の一覧化や書類を統一する協議が進んでいるのだが、その際に日本のルールを主張することができるというのだ。また、新たな投資規律を強化する議論が進んでいるため、日本が早期の協議に参加できれば、強制的な技術移転や送金規制に関する抑制策を主張できるとも言う。加えて、成長分野の規制の調和を主張できるとも説明。万が一参加のタイミングが遅れれば遅れるほど、他の国々によって作られたルールを受け入れるだけになってしまう、と不参加のデメリットを強調する。

 そして農業などの困難な分野についても、早期にルール形成の協議に参加できれば、除外品目を主張したり、長期の段階的関税引き下げを働きかけたり、いわゆるセーフガードといわれる緊急輸入制限を勝ち取ることもできる。そのためにも一刻も早い協議参加が欠かせないというのである。

 しかも、原産地の表記や基準、知的財産権において、日本型ではないルールが導入されることになれば、日本企業にとっては新たな仕組みに対応するため、過剰なコスト負担を余儀なくされ、競争力がそがれることになりかねないとも説明するのだ。

 こうした貿易のルールに関する早期参加のメリットのみならず、経済産業省が主張する早期参加のメリットには、アメリカとの関係強化という政治的な考慮も強く織り込まれている。すなわち、経済面でアメリカとの関係を強化するおとで、日米同盟を補完できるという発想である。

 沖縄の普天間基地移設をめぐるぎくしゃくした関係によって、アメリカの日本を見る目が厳しくなっていることは間違いない。

 これに対して前菅政権の思惑は、2011年11月にハワイで開かれるAPECでTPPの協定合意を目指すアメリカを後押しすることができれば、日米の同盟関係が修復できるに違いないというものだ。また、このところの中国の不穏な動きを見るにつけ、レアアースの輸出制限など資源ナショナリズムに傾きがちな中国の動きを牽制するためにも、日本とアメリカはいっそう協力関係を強化することで、対中政策にも効果があると分析。そのためにも、現在のWTOを超えた高いレベルの新たなルール作りが重要になる。そんな発想が経済産業省には強いようである。

 しかも、アメリカが主導するTPPを日本が全面的に支えることになれば、TPPへの参加をためらっている中国や、ほかのアジア諸国が少なくとも経済連携協定(EPA)に参加する道筋はつけられるだろうとの目論見も見え隠れする。

 一方でEUも、日本のTPP参加が遅れることになれば、日本とのFTA並びにEPA交渉に関しては、様子見を続けるだけになる可能性がある。その間に韓国とEUがFTAを発行してしまうことになるだろう。また安全保障の観点を考慮すれば、アメリカとの関係強化がないままでは、中国とのEPAも進めにくくなってしまう。

 こうしたもろもろの背景説明をもとに、経済産業省はほかの省庁とは一線を画し、菅前総理のTPP前のめりの動きを強力に推進しているわけである。

 一方、内閣官房においては、我が国がTPPに参加した場合のメリットとデメリットについて、よりバランスのとれた分析を行っている。

 まず、我が国がTPPに参加した場合、すでに述べたように実質GDPを約3兆円押し上げる経済効果に加え、国を開くという強いメーッセージ効果が期待できるという。日本に対する国際的な信用と関心が高まるというのである。

 韓国がアメリカとの間で進めているFTAが実現すれば、日本企業はアメリカ市場で韓国企業より不利な戦いを余儀なくされることはすでに述べた。しかしTPPに参加することになれば、日本企業は韓国企業と同等の競争条件を確保できるわけである。

 もうひとつのメリットは、TPPがアジア太平洋地域の新たな地域経済統合の枠組みとして発展していく可能性があるということである。TPPで協議の進む貿易・投資に関する先進的ルールが、今後この地域の実質的な基本ルールになることが想定されるからである。つまり、これまで我が国が各国と結んできたEPAにおいてはカバーされてこなかった環境や労働といった新しい分野が重要になるとの見方である。

 その意味で、日本がアメリカと歩調を合わせ、この地域の経済統合の枠組み作りを早い段階で進めることができれば、政治的意義は大きいと言えるだろう。もちろん、こうした目標を達成するためには、強い政治交渉力やリーダーシップが欠かせないことは言うまでもない。果たして今の日本の政府にそのような主導的交渉力があるかどうかは大いに疑問であるが。

 内閣官房においては、同時にTPP参加のデメリットも検証している。

 デメリットの最大のものは、あらかじめ特定セクターの自由化を除外したかたちの交渉参加は認められないという点に尽きる。

 すなわち、たとえ日本でもコメを聖域化するような交渉はあり得ないということだ。10年以内の関税撤廃が原則であるから、当然といえば当然のことであろう。

 農林水産省の試算によれば、コメや小麦など主要農産品19品目について全世界を対象にただちに関税を撤廃し、なんら対策を講じない場合の農業への影響は、農産物の生産額の減少が年間4.1兆円程度、カロリーベースでの食糧自給率の低下は現在の40%が14%程度に、農業・農村での多面的機能の減少は3.7兆円程度、農業関連産業も含めた国内総生産の減少は7.9兆円程度になるという。

国境措置を撤廃した場合の我が国農産物生産等への影響は甚大
農林水産省試算

試算の前提
○ 19品目を対象として試算
米、小麦、甘味資源作物、牛乳乳製品、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵等
【基準】関税率が10%以上 かつ 生産額が10億円以上 (林産物・水産物は含まない)

試算の結果
○ 農産物の生産減少額(※) 4兆1千億円程度(米19.7千億円・比率48%、豚肉4.6千億円・比率11%、牛乳乳製品4.5千億円・比率11%、牛肉4.5千億円・比率11%、鶏肉1.9千億円・比率5%、鶏卵1.5千億円・比率4%、甘味資源作物1.5千億円・比率4%、小麦0.8千億円・比率2%、その他の農産物1.8千億円・比率4%)
※ 国産農産物を原料とする1次加工品(小麦粉等)の生産減少額を含めた。
○ 食料自給率(供給熱量ベース) 40%→14%程度
○ 農業の多面的機能の喪失額3兆7千億円程度
○ 農業及び関連産業への影響
・国内総生産(GDP)減少額7兆9千億円程度
・就業機会の減少数340万人程度

 先に経済産業省の試算で述べられていたTPP参加によるGDPへの経済効果が最大でも3.2兆円だとすれば、この農水省による試算は、農業分野だけで15兆円を超える損失が出るわけで、輸出産業にとっては3兆円の新たな富を生み出す一方で、15兆円を超える損失が生まれる計算になる。

 農林水産省と経済産業省の試算がいずれも正しいとすれば、日本全体の経済のためには、TPPの参加は見送るべきとの結論が出るのは当たり前である。

 さらに、内閣官房では日本の消費者にとってより深刻な影響をもたらすと思われる問題を挙げている。それは既存の2国間の合意事項が加盟国すべてに波及する可能性があることだ。つまり、TPP参加国にうちある2国間で結ばれた合意事項に、日本も従わなければならないのである。

 特にアメリカからは日本に対して、牛肉の輸入やさまざまな非関税障壁に関して、これまで以上に厳しい要求を求められる可能性が高いと内閣官房では予測している。

 たとえば、2003年以降、牛海綿状脳症(BSE)の問題によるアメリカ産牛肉の輸入に制限が加えられ、現在も輸入制限が続けられているが、アメリカからは日本の輸入規制は科学的根拠に乏しいものだとして、早期の緩和措置を求めてくる可能性が高いだろう。

 また、公共事業の入札の際には、英語による情報開示が求められてくる可能性も出てくる。すなわち、一定金額以上の公共事業に関しては、国際的な競争の環境を整備する必要があるとし、入札条件が決定したのち、3日以内に英文でその情報を世界に公開しなければならないということだ。

 今の日本の自治体や建設業界では、そのような対応ができるケースは極めて稀と言わざるを得ないだろう。英語での公文書をわざわざ作成するとなれば、日本国内の公共事業はますます停滞することが想定される。

 現在、日本の地方で行われる公共工事に関しては23億円以下であれば、海外企業に門戸を開く必要がない。しかし、TPPがベースにしている「P4」協定では、一律7億6500万円以上の公共工事はすべて海外企業にも発注案件を公示しなければならないとされている。これによりアメリカの大手ゼネコンやコンサル会社が、アジアの安い労働者をまとめて日本に送り込む案件が急増するだろう。現に、東南アジアでは中国などの建設業者がそうした手法で次々と受注を獲得している。

 アメリカの大手建設会社にとっては小規模すぎるかもしれない公共工事であっても、TPPによって、「発注ロットの規模拡大」が現実化すれば、国際入札案件は一挙に拡大する可能性は否定できない。たとえば、日本海沿いで遅れている高速道路の整備(ミッシングリンク「未整備により途中で切れている高速道路」の解消)や新幹線網の拡大には、潜在的な50兆円規模の公共投資が想定されている。これなら海外の建設業界にとっておいしい話であろう。

 しかし、こうした国内の公共事業を海外企業に開放してしまえば、日本国内の建設業は崩壊してしまう。豪雪時には利益抜きで復旧に駆けつけてくれるのが地場産業であり、地元の建設業者である。「契約を優先する」海外の県建設業者にはとうてい望めない、日本的な’職人魂’を失ってよいのだろうか。TPPでは、こうした日本固有の文化的要素は「非関税障壁」として撤廃のターゲットにされる運命にある。

 地域を支えるのは、農業や林業だけではない。建設業も欠くことのできない役割を担っている。京都大学大学院の藤井聡教授(社会都市工学)によれば、TPPによる日本の建設業に対する経済的損失は「最低でも6000億円。最大では3兆円になる」という。となれば、さまざまな分野の専門的な知識や試算を総動員し、TPPのもたらす影響を個別の分野ごとに検証する必要がある。ところが、そうした検証作業がまったくといっていいほど進められていない。

 実は、こうした問題は氷山の一角であり、関税撤廃や自由貿易のもたらす様々なメリットとデメリットをどこまで容認することができるのか、十分な研究や議論が行われているとはとても思えない。

 しかしながら、我が国の主要メディアや経済界では、自由貿易に立脚した日本は早期にTPP参加の決断を下すべきだ、という流れが強くなっている。保守的なメディアと見られる産経新聞ですら、「6月などと言わずに早期参加を目指し、国内の構造改革を果敢に断行すべきだ」(2011年1月16日)と主張しているほどだ。

 産経新聞は、日米構造協議の重要性に言及しつつも、「日米FTAと同等の意味を持つTPPに参加するメリットは大きい」と議論を譲らない。その理由として掲げていることは、「日米の競争力を強化し、長期的な成長を促す基盤を築くだけでなく、世界の通商ルールについて両国のリーダーシップを発揮できるからだ」というのである。

 また、経済産業省の主張と軌を一にするかのごとく、「安全保障の面でもTPPは日米同盟を補強し、国際ルールを無視する動きが目立つ中国を牽制する意味合いがある」とまで主張する。「民主党は日米FTAの締結を当初の政権公約に掲げていながら、農業団体などの反発で、「締結」という表現を「交渉の促進」に後退させ、TPP参加の決断も先送りにした。こうした腰砕けの姿勢では国民の不信を募らせるだけ。だから菅(前)総理はTPP参加を日本の死活問題と認識し、党内や国民への説得を急ぐべきだ」というから驚く。

 産経新聞がこのような主張を掲げるほどであるから、ほかのマスコミは推して知るべしであろう。メディアにとって欠かせないスポンサー筋の大手輸出関連企業が軒並みTPPへの参加を求める緊急集会などを相次いで開催している。自動車や電機機器など関税撤廃の効果が大きいと見られる業界では、それなりのメリットが見込まれるのは確かである。しかし、それ以上に日本の経済界がTPPに期待を寄せているのは、やはり韓国への対抗意識からであろう。

 FTAで先行し、多くの分野で我が国にとって最大のライバルとなった韓国。その韓国と同じ条件で戦うためには、TPP参加が欠かせないという発想が経済界の主流になっているようだ。

 読売新聞が2011年1月に行った経営トップ30人を対象にした新春景気アンケートの結果から見ても、TPPについては29人が参加すべきだと答えている。ほとんどの経営トップが自由貿易の推進により、海外事業に取り組むことで活路を見出そうとしていることが鮮明にうかがえる。

 日本経済新聞が2010年末に行った社長100人アンケートにおいても、TPPに「参加すべき」との意見は8割を超えている。TPP交渉について、「参加すべきではない」という声はゼロであった。

 また、中小企業の経営者を対象に産業能率大学が2011年1月に行ったアンケートの結果も、「TPPに日本は参加すべきだ」と答えた経営者は、全体の83%に達していた。この調査は従業員6人以上300人以下の企業経営者、688人の回答に基づくものである。

 さらにいえば、帝国データバンクが行った2010年1月にかけての全国2万3101社を対象にした調査においても、「TPP参加は日本にとって必要だ」と回答した企業が65%。また、TPPに参加しなかった場合、72%の企業が長期的に見て景気に悪影響があると認識していることも明らかになった。

 これらの調査の結果を見る限りは、経団連に加盟する大企業から従業員10人程度の中小企業の経営者に至るまで、TPPに関しては、「日本の参加が望ましく、かつ避けがたい」との認識が広がっていると受け止めざるを得ない。

 まさに菅前総理の意向を受け止め、経産省が中心となって進めてきたTPP参加に向けての世論工作が大いに効果を発揮しているといえるだろう。しかし、これらのTPP参加賛成派の経営者がどこまでTPPの本当の中身を確認、理解したうえで賛成の回答を寄せているのか、疑問の余地が多分にありそうだ。

 その点については、菅前総理自身が述べている次の言葉が、その危険性を象徴的に示しているといえるだろう。それは2011年1月28日、参議院本会議の代表質問でのことである。「TPPが国内医療など個別の分野にどのような影響をもたらすものか、私から言うのは困難だ」と答弁したのである。

 TPPの中身は、農業のみならず、また製造業に限定されることなく、実は医療や福祉、教育、法律、金融、通信など様々な分野に影響するものである。その一つ、医療分野の交渉が国民の健康に関わる国内医療にどのような影響をもたらすのか、そのことについて問われた前総理の答弁がこれでは、あまりに寒々しいと言えるのではないだろうか。

 2011年1月24日の施政方針演説のなかで、「平成の開国」という言葉を11回も使い、貿易や投資の自由化、人材交流の円滑化まで踏み込んだ包括的な経済連携の促進を強調している菅前総理。「21世紀の日本のオープニング」と題した官邸のホームページにおいても、繰り返し日本が「第三の開国」に向けてTPPの参加への準備を進めていることを強調している。

 これだけ日本の閉鎖性を強調し続けていれば、大企業であろうと、中小企業の経営者であろうと、このままでは日本が世界の流れから取り残されるとの思いに駆られるのも当然であろう。しかし、TPPの問題に関しては、やはりその参加のメリット、デメリットを、国民に対し具体的な情報を示さなければ、全体として賛成も反対も、結論の下しようがないのである。

 正月の福袋を買うわけではないのであって、中身のわからないTPPに賛成しろと言われても、まともな判断力のある人々にとっては、何とも答えようがないというのが正解ではなかろうか。なぜなら、国会の場においても、メディアの場においても、TPPの実態はほとんど明らかになっていないからだ。

 にもかかわらず、2011年1月時点で、TPPへの参加について反対あるいは慎重な対応を求める意見書や特別決議を採択した都道府県議会は39道府県議会と、全体の8割に上ることが、日本農業新聞の調べで分かった。ブロックの知事会が反対要請を政府に提出する動きも出ている。菅前首相は今年を「平成の開国元年」と位置付け、貿易自由化を加速する姿勢を強めるが、地方では反発の声も急速に広がっている。経済界の反応との違いに驚かされる。これは一体どういうことであろうか。要は、情報の開示を拒みながらTPP参加へ前のめりになっている政府への警戒心の発露にほかならないと思われる。こうした不安や懸念に対して、政府は納得できる説明義務を負っているはずである。

 ノーベル経済学賞の候補者とも言われる東京大学名誉教授の宇沢弘文氏は「世界各国はそれぞれの自然的、歴史的、社会的そして文化的諸条件を十分考慮して、社会的安定性と持続的な経済発展を求めて、自らの政策的判断に基づいて関税体系を決めている」と指摘する。その上でTPP反対の立場を鮮明に語るのである。

 曰く、「理念的にも、理論的にもまったく根拠をもたない自由貿易の命題を適用して、すべての商品に対する関税の実質的撤廃を「平静の開国」という虚しい言葉で声高に叫ぶことほど虚しいことはない」。

 日本学術会議の試算を見れば、宇沢教授が指摘する農村の社会資産の重要性が明らかになる。すなわち、洪水防止機能が3兆4988億円、水源滋養機能が1兆5170億円、土壌侵食防止機能が3318億円、土砂崩壊防止機能が4782億円と言われている。要は5兆円を超える農業、農村の多面的な機能がこれまでも十分働いているのである。これほどの資産価値を有する、我が国の地域社会が守ってきた共有インフラを失ってよいのであろうか。

 同じことは森林資源にも当てはまる。我が国は国土の75%が山に覆われている「森林大国」に他ならない。この森林のもつ貨幣価値も莫大である。先の日本学術会議の試算によれば、表面侵食防止機能が28兆2665億円、水質浄化機能が14兆6361億円、洪水緩和機能が6兆4686億円にも達する。

 こうした試算金額の妥当性については、様々な議論があるにせよ、我が国の自然や農山漁村が果たしてきた地域社会と、国民の食生活を守る役割については誰もが否定できないものであろう。「農業はGDPへの貢献度は1.5%に過ぎない」と述べ、「98.5%の輸出貢献産業のためにTPPを進める」と語る菅前政権の閣僚たちの創造力の欠如と、国家観のなさにはあきれるほかない。

◆輸出依存度(=財の輸出額÷名目GDP)について
・約11.5%(2009年)と低い。主要国の中で、日本よりも輸出依存度が「低い」のは、アメリカとブラジルだけ
(第一生命生命経済研究所のコラムでは、70か国中55位となっている。)
・日本の輸出の半分以上(51.81%)は企業が購入する資本財。さらに工業用原料の輸出も25.5%を占め、77%以上は、「企業」が購入する財。
・家電や自動車などの耐久消費財の占める割合は、14.42%。日本の輸出依存度が約11.5%であり、「耐久消費財の輸出対GDP比率」は、1.652% 〜( 第1次産業の割合1.5%とほぼ同等)
 今こそアメリカの考えるTPP、そしてこのTPPが日本にとってどのようなメリットやデメリットをもたらすものなのか、正確な情報に基づき判断を誤らないように議論を尽くすのが政治の役割だと思われる。残念ながら、そうした議論が国会の場でもまともに行われているとは言い難い。であるならば、議論の場をもっと拡大せねばなるまい。

 TPPへの交渉参加問題が提起しているのは、単なる「農業対輸出製造業」といった対立構図ではなく、我が国のあり方そのものなのである。しかも農業が自由化されることの意味はすこぶる大きい。というのは、人間生活に欠かせない「社会的共通資本としての農村」が事実上、消滅することにもなりうるからだ。

 そうした国家存亡の危機をもたらしかねないTPPを安易に認めるわけにはいかない。TPPがもたらす「光と影」の部分をしっかりと受け止める想像力と誤った政策を正す行動力が、我々国民一人一人に求められる。

 2011年3月に我が国は東日本巨大地震と大津波に見舞われた。戦後最大級の災害である。東京電力の福島第一原子力発電所にも被害が発生した。

 そうした国難に直面した日本に対し、世界各国、なかんずく同盟国のアメリカからも支援が寄せられている。しかし、自国の国益をいかなる場合においても最優先するのが超大国。アメリカの日本専門家で国防総省で日本部長を務めたジェームズ・アワー氏(現ヴァンダービルト大学教授)を通じて、日本の復興策の一つとして「TPPを早期に批准せよ」と申し入れてきたのである。曰く「津波で多くの日本農家が命を落とし、生き残った者も非常に苦しんでいるのは間違いない。TPPが批准されれば、日本経済全体を後押しするであろうし、ずっと延び延びになっている、意味ある農業改革をもたらすこともできる」(「産経新聞」2011年3月25日)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110325/dst11032502560002-n2.htm

 巨大地震と大津波で危機的状況に陥った日本に対し、「海外からの支援を円滑に受け入れるためにもTPPは必要」との論調である。我が国の政府内にも、これに呼応する動きも出始めたようだ。火事場ドロボー的な発想に他ならない。こうした時だからこそ、食糧やエネルギーの自給力を高める方策をしっかりと練り上げるべきであろう。決して安易な「第三の開国」論に飲み込まれてはならない。


51. 2011年10月21日 18:52:17: s8kCxa4JAw

 日本ではほとんど報道されていないが、当初のTPPの参加国「P4」(シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ)のみならず、TPP加盟国を前提とした交渉に参加している国々の間では、実はTPPに反対、あるいは慎重な姿勢を政府に求める動きも活発化している。我々はアメリカの一方的な情報宣伝に飲み込まれることなく、各国の動きにも関心を向け、日本にとって国益や個別の業界の利益を守るうえで協力できる国々や組織との連携プレーを考えるべきではなかろうか。

 何としても、「バスに乗り遅れるな」といったアメリカの扇動的なキャンペーンに安易に乗せられる愚は避けなければならない。行き先や運転手の有無をしっかりと確認してから、乗るか乗らないかを決める必要がある。その観点から言えば、「P4」のなかではニュージーランドにおける動きが特に注目に値しよう。

 ニュージーランド各地では、TPPに対する反対の署名活動やデモ行動がすでに頻繁に展開されている。日本ではなぜか、こうしたTPP交渉参加国で発生している反対運動についての情報がまるで伝わってこない。まさに情報鎖国状態である。開国というならば、まずこうした情報面での開国から先鞭をつけるべきであろう。

 さて、日本では報道されない、そうした反対運動の最前列に立っているのが、「ウェリントンTPP行動グループ」と呼ばれる団体である。彼らの主張には我々日本人も大いに耳を傾けるべきものがある。特筆すべき問題点として、交渉参加国でありながら、同国政府が現在進行中の協議の中身について、議会に対しても国民に対してもまったく情報の公開を拒んでいることが挙げられる。

 建て前上、アメリカ政府はTPPにおいては交渉の透明性を確保すると高らかに宣言している。しかしながら、交渉に参加している国々の消費者や影響を受けるであろうと思われる業界団体に対しては、なぜか詳しい説明も情報の提供も拒んでいるのが現状である。そのため、ウェリントンの反対グループは、TPPは秘密交渉なのか。透明性が確保されていない。いわば交渉のプロセスそのものが非民主的と言わざるを得ないと厳しいアンチTPP活動を続けている。

 ニュージーランドの反対グループは、交渉中のTPPの素案を公開するよう迫っているのであるが、その背景には、TPPがニュージーランドの経済や社会、そして将来の環境を大きく左右するに違いない協定であるため、協定締結によりニュージーランドの国益が損なわれることは是が非でも阻止したい、という極めて当然の発想や危機感があると思われる。

 また、「ニュージーランド看護連盟」も、TPPの協定案をすみやかに公開するよう要請文を政府に出している。というのも、TPPへの加盟によりニュージーランドの医療制度そのものが根底から破壊される恐れがあるからである。

 「ニュージーランド看護連盟」会長のナノ・チュニクリオフ氏は、我々が多くの専門家を交えて検討した結果、TPPの加盟により我が国は独自のアルコール、タバコ、医薬品等の販売に関する規制を撤廃せざるを得なくなる可能性が懸念される。ニュージーランドの国民の健康と安全に責任をもつ医療従事者にとって、自国の安全基準を外国にゆだねるような協定は認めるわけにはいかない。その意味で、我が国の政府が国民に対しTPPのもたらす影響を明らかにしようとしていないのは極めて遺憾である。場合によっては国民の健康を大きく損なうのみならず、我が国の医療保険制度そのものが崩壊し、経済全体が奈落の底に追いやられる可能性すら否定できない」と語る。

 これほど厳しい言葉で、ニュージーランドの看護連盟は政府に対し情報公開を求め、各地でTPP反対運動を展開し始めている。そうした運動の理論面での中心的役割を果たしているのが、オークランド大学のジェーン・ケルシー教授である。

 アメリカがアジア太平洋地域の経済連携構想の中に封じ込めようとしている中国は、TPPをどのように受け止めているのだろうか。

 中国社会科学院アジア研究所所長・李向陽氏によれば、「TPPは経済的に見れば金融危機以降、急速な発展の舞台となったアジアの活力を取り込みたいアメリカの思惑が色濃く投影されている交渉にほかならない。この地域で台頭しつつある中国を抑制しようとしているに違いない」と述べている。

 日本の立場についても、同所長は次のように述べている。
「これまで日本は中国、韓国とともにASEAN(東南アジア諸国連合)+3を主軸にアジア域内経済連携構想を進めてきた。もし日本がTPPに参加することになれば、そうした戦略は変更を余儀なくされるであろう。ただ、ベトナムやマレーシアに加え、タイなどもアメリカ市場に向けた競争力を確保するために、TPP参加に舵を切ろうとしている。そのため日本がTPP参加の決断を下せば、ほかのアジア諸国の動きを加速させることになるはず。しかし、我々中国はASEAN(東南アジア諸国連合)+3にせよ、インドなどを加えた+6にせよ、こうした地域間の経済連携とTPPを同時に発展させることは難しいと受け止めている」。

 そのうえで、中国の基本的立場を次のように説明する。曰く、「我々の戦略は、多国間の枠組みよりも2国間でのFTAのネットワークを広げることにある。その意味で、中国がTPPに参加する可能性や予定については短期的にはあり得ない。中国にとっての優先順位は低い。万が一、中国がすべての条件を満たすからTPPに加入したいと申し出たとしても、アメリカは中国に対して無理な条件を押し付け、加入を認めようとしないだろう。なぜなら、アメリカはTPPに限らず、経済連携については常に安全保障的な意味を付与したいと考えているからである。結論的にアジアの経済にとって最も望ましいシナリオは、日本、韓国、中国によるFTAを実現することである」。

 実は、中国外務省もこうした李所長の主張を裏付けている。

 すなわち、「TPPに関しては経済発展の地域格差と多様性を十分に考慮すべきであり、アジア太平洋地域における経済一体化のプロセスは順を追って段階的に進めるべきだ」というわけだ。要は、アメリカが進めるような、TPPによる急速な環太平洋、アジアの経済統合を牽制するという立場にほかならない。

 その背景として、TPPでは関税撤廃の例外品目がわずかにしか認められないため、中国とすれば自国の農業が厳しい競争にさらされることを警戒しているに違いないと思われる。また、アメリカがこの地域の経済連携構想において主導権を握ろうとしていることに対する警戒心も強い。結果的に、中国外務省はアメリカが入りたくても入れない東南アジア諸国連合(ASEAN)などの枠組みを軸にした経済連携強化を進める方針を固めているようである。

 参考資料

http://www.nochuri.co.jp/skrepo/pdf/sr20110217tpp.pdf

 TPP(環太平洋連携協定)に関するQ&A
TPP(環太平洋連携協定)に関する国内での論議が急速に高まるなかで、得られる情報は今のところ乏しいのが実情であり、十分な検討材料がないままに議論が進められている。TPPは、農業は無論のこと、我が国の経済・社会に多大な影響を及ぼすとみられ、正しく基礎的な情報の把握が求められている。
本レポートは農中総研が執筆チームを編成し、TPPの概要、参加国の動向、韓国・中国の姿勢、日本農業・日本経済への影響、各界の意向について取りまとめたものである。
2011年2月
農林中金総合研究所

 我が国の経産省はTPP加盟の理由づけとして、「韓国との輸出競争において、今の不利な状況を克服するためには、TPP加盟が欠かせない」と繰り返し説明している。しかし、韓国自体はアメリカや欧州とのFTA批准に向けて積極的な取り組みをしており、TPPへの関心はほとんどないのが実態である。

 韓国農村経済研究院の金泰坤(キムテコン)研究員曰く、「食糧輸入国にとってTPPに参加する利点はない。我が国はアメリカやEUとのFTAを優先し、同時に国内向けの農業対策を順調に進めている」。このように韓国の方針はすこぶる明確である。経済界出身の李明博(イ・ミョンバク)大統領の意向を受けてのことだと思われる。

 実際、韓国農業は構造改革が進み、施設型農業(施設野菜園芸や中小畜産生産のように、施設の使用をその前提条件とし、その施設規模の大小によって所得水準が規定される農業)などで輸出が増えている部分もあるが、土地への依存度が高い土地利用型農業は大きな問題を抱えている。当然、対策がうまく機能しないこともあったようだ。結果的に食品輸出の伸びの多くは、原材料が海外から入る加工麺や焼酎、菓子といったたぐいで、農産物は少ないのが韓国の実情である。

 つまり、食糧輸入国が市場開放を続けることは難しいというのが世界に共通した状況といえよう。韓国にとっても中国にとっても、農業問題こそがTPPへの加盟に対し慎重ないし反対の立場をとる最大の理由に違いない。

 とはいえ、外交巧者の中国はTPPに関して各国の動きを注視し研究を進めているようだ。参加するか、参加しないかは研究段階であるとし、臨機応変な態度で選択肢を温存する構えをとっている。そのためか、「すでにTPPの交渉に参加している国々とも連絡をとっている」と駐日中国大使、程永華氏を通じてオープンな姿勢も印象づけようとしている。さすが、老練な外交官だ。

 WTO、FTA(EPA)、TPPの違い

WTO(世界貿易機関)
関税削減交渉、153カ国・地域が加盟、加盟国共通のルール作り(関税削減率、国内補助金の削減、輸出補助金の撤廃)、我が国はWTO農業交渉で多様な農業の共存を主張

FTA(自由貿易協定)/EPA(経済連携協定)
2国間または複数国間で行う関税撤廃交渉
「実質上すべての貿易(一般的には90%以上と解釈)について、原則として10年以内の関税撤廃」とWTO協定で規定(10%は除外・例外が可能)

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)
太平洋を取り巻く9か国間のFTA
9か国間で行う関税撤廃交渉
除外・例外品目を認めず、全品目の関税を撤廃する
TPPもFTAだが、重要品目の除外・例外扱いを認めていない。「実質上すべての貿易」を最も厳格に解釈


52. 2011年10月21日 18:55:02: s8kCxa4JAw

 日本のTPPへの参加を巡って、国内では関税撤廃による製造業の輸出増大を期待する賛成論と、外国農産品、特にコメに対する関税撤廃、輸入自由化による国内農業への打撃を恐れる反対論が展開されていることは周知の事実である。

 しかし、TPPの実態を広い視点で捉え、日本への影響を慎重に分析するならば、輸出製造業対農業といった構図に単純化してしまうことにはならないはずである。

 TPPには24もの作業部会があるが、マスメディアの注目を浴びている論点は、製造業の輸出と農業という2点、つまり24分の2でしかない。TPPの問題は、むしろサービスを中心とした、これまでマスメディアの注目を浴びてこなかった分野にこそある。

 民主党の国会議員で農林水産大臣を務めた山田正彦氏ですら、「TPPは農業だけの問題ではない。国の形が変わるかどうかの大問題だ」と語っている。安易にTPPに加われば、「日本は米国の51番目の州になる」とまで危機感を露わにしているほどである。
 
 注目を浴びている農業に加え、医療、金融・保険、教育、法律・会計サービス、メディア、土地所有、中小企業などについて、TPPに参加することによってどのような影響が生じうるのかを分析してみたい。

 そして、この分析を通じて、TPPの実態が、輸出製造業対農業という構図ではとうてい捉え切れるものではなく、むしろ、日本の隅々にまで貿易自由化の波を及ぼすことで、日本のスタンダードをアメリカン・スタンダードに変えていこうとする意図が隠されていることを明らかにしたいと思う。

 TPPの作業部会

@首席交渉官協議 A市場アクセス(工業) B市場アクセス(繊維・衣料品)C市場アクセス(農業) D原産地規則 E貿易円滑化 FSPS(衛生植物検疫)GTBT(強制規格、任意規格及び適合性評価手続)H貿易救済(セーフガード等)I政府調達 J知的財産 K競争政策 Lサービス(越境サービス)Mサービス(金融)Nサービス(電気通信)Oサービス(商用関係者の移動)Pサービス(電子商取引)Q投資R*環境S*労働㉑制度的事項㉒紛争解決㉓協力㉔*分野横断的事項
(注)*印は、我が国EPAにおいて、独立の章として盛り込まれたことのない分野。

 2010年10月27日、農林水産省はTPPに日本が参加した場合の試算を公表した。同省の試算によると、日本がTPPに参加した場合、日本のカロリーベースの食糧自給率は、現行の40%から14%に下がるという。また、コメについて国産米のうち90%程度が輸入米に置き換わり、ブランド化に成功したもの、有機農法で育てたものといった差別化に成功した国産米だけが生き残るとの試算が出た。

 割合で見ればさらに衝撃的なのだが、TPP参加により国産小麦のうち99%が外国産に置き換わり、サトウキビやコン菜等は全滅するという試算であった。

 そしてTPPへの参加により、農産物の生産減少額が毎年4兆1000億円程度であり、関連産業を含めると、毎年7兆9000億円程度のGDP(国内総生産)が減少するとの見通しを明らかにした。また雇用面での影響しとして、約340万人分の就業機会が減少すると試算した。

 この数字の衝撃は大きく、TPP参加の負の側面として農業が突出して注目を浴びる原因となった。もし農林水産省の試算がTPP参加に伴う影響を正確に捉えたものだとすれば、日本の農業はほぼ壊滅に近い状態に追い込まれることになるといえよう。

 しかし、農林水産省の試算の前提は、主要農産品19品目(林野・水産を含まない)について全世界を対象に直ちに関税撤廃を行い、何らの対策も講じない場合としたもの。ところがTPPはアメリカ、オーストラリア、シンガポール、ニュージーランドなど9カ国を対象にしているものであり、全世界を対象にしているわけではない。農林水産省の試算は、対象国・地域という点でTPPの実態以上の関税撤廃を想定しているのである。

 次に、この試算は直ちに関税撤廃を行うことを想定している。しかし、既存のTPPの条文を見る限り、直ちに関税撤廃を行うことによる国内への影響が多い品目(センシティブ品目)については、長期関税撤廃という措置がとられており、チリの一部乳製品のように10年以上の猶予期間が与えられているものも存在している。

 したがって、コメのような関税撤廃による国内への影響が大きい品目については、長期関税撤廃が適用される可能性も残されているのである。ならば農林水産省の試算は、TPPにおける長期関税撤廃制度を無視しているという点では、実態以上の自由化を想定していることになる。

 さらにいえば、農林水産省は何らの対策も講じない事態を想定しているが、政治の側も、外国農産品を迎え撃つ農家の側も、無策でなすがままという前提が果たして現実的といえるかどうか。そんなことは通常、想定しにくいものである。

 このように、農林水産省は少なくとも三つの点であり得にくい前提を立てて試算を行っている。そして、こうしたミスリーディングな試算をすることにより、必要以上に悲観的なシナリオが独り歩きする事態を招いている点は否めない。つまりその結果、農業を守ろうとする農林水産省の立場に対する信用がかえって損なわれてしまっているかもしれないことも指摘しておきたい。

 それでは、実際にはTPP参加により、どのような影響が農業に生じるのであろうか。これには、良い側面と悪い側面があるといえそうだ。

 まず、良い側面から。TPPに日本が参加したとしても、野菜についてはほとんど影響がないと考えられることである。現在、野菜についての関税率は平均して3%程度にすぎない。そしてこの低関税率にもかかわらず、野菜の自給率は80%程度を維持している。野菜はカロリーが低いため、カロリーベースの自給率にはなかなか反映されないが、実際には関税がほとんどない状況でも、我が国の農家の人たちが非常にがんばっている農作物である。したがって、仮にTPPに日本が参加し、アメリカ、オーストラリアなどからの農産品の関税が撤廃されたとしても、国内の野菜生産が大きな打撃を受けることはなさそうである。

 他方、悪い側面もある。それは、コメ、小麦、砂糖類といった高関税品目については、TPPに参加することによる打撃が相当程度あると見込まれることである。

 コメは現在778%の高関税で守られており、その自給率は96%程度を維持している。日本としては、米韓FTAにおいて、韓国側がコメを関税撤廃の対象から除外させたことを参考に、関税撤廃の対象から除外するよう望むことは容易に想像される。しかし、その道のりは極めて厳しい。

 政府が2011年2月2日に発表した「TPPについての情報収集結果に関する報告書」によれば、センシティブ品目については、原則として除外や再協議は認めず、長期の段階的関税撤廃という考え方が基本であると明記されている。そうであるならば、例外としてコメを関税撤廃の対象から除外することが認められるかどうかが問題となるのだが、その場合、ほかのTPP参加国ないし参加予定国とコメについて利害が衝突しないことが肝要となる。言い換えれば、同じ船に乗ってくれる仲間を獲得できるかどうかである。

 TPP参加国ないし参加予定国の中で、農業大国といえるのはアメリカとオーストラリアである。このうちオーストラリアについては、仲間に引っ張り込める可能性は高い。なぜなら乾燥した気候という制約があるため、なかなかコメを大量生産することが難しく、コメの自給がままならない状態にあるからだ。実際、2008年10月、JA秋田おばこがオーストラリアに対して「あきたこまち」の輸出を開始したことが大々的に報じられたほどである。たとえTPPに日本が参加したとしても、オーストラリアが日本に対してコメを大量輸出する可能性はそれほど高くなく、コメについてはオーストラリアと利害が衝突することはなさそうだ。

 しかし、アメリカについては事情が大きく異なる。アメリカではカリフォルニア州を中心に「コシヒカリ」や「あきたこまち」といった日本品種のコメを栽培しており、こうした日本品種のコメは、日本市場をターゲットにしているからだ。当然、TPPに日本が参加することになれば、日本へのコメの輸出を本格化させることは容易に想定されるところであろう。つまり、コメについては、日本とアメリカでは利害が正面から衝突するのである。

 加えて、実際にTPPで関税撤廃の対象から除外されている品目を見ると、ブルネイの酒、タバコ、火器、花火およびチリの砂糖並びに同調製品の一部といった具合で、極めて限定的である。要は、除外品目になるのは「例外中の例外」といえる品目に限られているのである。

 したがって、コメを関税撤廃の対象から除外することはTPPでは困難と思われる。現実的には、コメは10年程度の期間で段階的に関税を撤廃することになる可能性が高いと考える必要がある。とすれば、どのようなことが起こるのか。

 コメを例にすれば、主にアメリカ産のコメが安い価格で日本に入るようになる。日本のコメの価格はアメリカ産に比べて高く、もし現状よりもさらにアメリカがドル安・円高に誘導した場合に国内コメ農家が取り得る手段としては、@農家への補助金を増やしてもらう、A経営規模を拡大する、といった方法によって生産価格を引き下げることが考えられる。

 しかし補助金については、現在の財政状況からすればどこまで国民の理解が得られるかは不透明であり、たとえ規模拡大を実施したとしても、アメリカと比肩する規模にまで拡大することは不可能であるから、価格面でアメリカに対抗することは容易ではない。

 その結果、遅くとも約10年後には国産米よりも相当安い、主にアメリカ産米が日本市場に流通することになるだろう。その際、国産のコメ農家がどの程度打撃を受けるかについては、消費者がどのコメを支持するかによって大きく変わる。消費者は様々な判断基準に従ってコメを選ぶことになるが、価格を判断基準にする消費者が一定の割合を占めることは否定しがたい。

 「国産米のうち90%が外国産に取って代わられる」という農林水産省の試算は極端であり、額面通りに受け取ることは難しい。とはいえ、それでも相当程度の国産米が主にアメリカ産米に取って代わられることは避けられない流れだと思われる。デフレが進行し、あらゆる商品の価格破壊が続けば、消費者も安い外国産のコメに流れる可能性は無視できない。

 他の高関税品目についても議論は類似しており、段階的な関税撤廃により、アメリカやオーストラリア、ニュージーランドからの農産品に相当程度取って代わられる可能性が高い。やはりTPPに日本が参加することにより、農林水産省の試算ほどではないにせよ、国内農業が深刻な打撃を受けることは間違いないと言える。

 政府は2010年3月30日、「食糧・農業・農村基本計画」を閣議決定した。この基本計画のなかで、「2020年度をめどに、カロリーベースでの食糧自給率を50%にすることを目指す」ことが明記された。

 しかしTPPに日本が参加すれば、コメなどの高関税品目については相当程度外国産に取って代わられることになり、食糧自給率が14%になることはなくても、現状の40%から相当程度下がることは目に見えている。つまり、政府の食糧・農業・農村基本計画とTPPへの参加は両立しないのである。

 主な農作物の影響試算

品目名、生産量減少率(%)、生産量減少額(百億円)、今回の試算の考え方の順

米:90%、197、新潟産コシヒカリ、有機米のこだわり米等のみが残る
小麦:99%、8、国内産小麦100%をセールポイントとした小麦粉用小麦を除いて置き換わる
甘味資源作物:100%、15、内外価格差は3倍強であり、国産砂糖は壊滅
でん粉原料作物:100%、2、品質格差がなく、すべて置き換わる
牛乳乳製品:56%、45、乳製品では、鮮度が重視される生クリーム等を除いて置き換わる。引用乳では、業務用牛乳等を中心に2割が置き換わる。
牛肉:75%、45、一部の和牛のみが残り、乳用種の全て、肉専用種の半分が輸入品に置き換わる。

2010年12月農林水産省試算、「TPPに関するQ&A」(農林中金総合研究所、2011年2月)などにより作成

農家1戸当たり耕地面積(2006年)(ha/戸)
アメリカ83.4、カナダ227.7、EU8.3、オーストラリア296.9、中国0.8、韓国1.4、ブラジル12.8、日本1.6

 TPPに参加することにより国内農業は打撃を受け、日本の食糧依存度は現在よりも高くなることは間違いない。

 一方、世界に目を転じれば、近年は異常気象が続いている。

 ロシアは、2010年夏に猛暑と干ばつに襲われた。その結果、ロシアで小麦の生産が大幅に減少したことは記憶に新しい。思い起こせば、そのためにロシアは2010年8月から2010年末まで小麦の輸出を停止する措置を講じると発表した。そしてこの輸出停止措置は2011年6月30日まで延長され、2011年7月1日に再開した。

 また、オーストラリアでは2011年1月に大型サイクロンが上陸し、クイーンズランド州を中心に農産物に大きな被害をもたらした。このように、異常気象は農作物の生産に悪影響を与え、食糧生産に打撃を与えている。

 これらの異常気象を引き起こす原因として、地球温暖化が指摘されて久しい。仮に現在の傾向が続くとすれば、日照りや干ばつによる水不足という気候の変化に作物が対応できず、食糧生産にマイナスの影響が生じるだろう。

 他方、2003年にアメリカ国防総省が発表したレポートでは、地球温暖化が海流に変化をもたらし、逆に地球寒冷化を引き起こす可能性があることが指摘されている。このレポートによれば、地球温暖化のピークは2010年であり、その後、急速に寒冷化するとされている。そして、寒冷化した場合、食糧生産が影響を受けることは避けられないはずだ。

 今後、気候がどのように変化するかについての予測は困難であるが、安全保障戦略の一環として、あらゆるシナリオを検討し、対策を講じておくことは、当然ながら国家がすべき最重要課題である。

 さらに、国連食糧農業機関(FAO)が2008年7月に発表したデータによれば、「地球の陸地面積の24%(3750万平方キロメートル)で生態系の変化と生産性の低下を招く」土地の劣化現象が起きていることが明らかになり、今後、こうした土地の劣化によって食糧生産が減少する可能性が大きいことが判明している。

 このような気候変動のリスク、土地劣化のリスクを踏まえるならば、海外に食糧を依存することは安全保障上、看過できない問題となるだろう。特に食料の中でも穀物は生きていくために不可欠であり、食料安全保障の見地からは重要である。しかし、現状ですら日本の穀物自給率は30%を割っており、コメなどの関税が撤廃されれば、さらに穀物自給率は下がらざるを得ない。

 カロリーベースでの自給率が100%に達していないドイツやイギリスですら、生きていくのに不可欠な穀物の自給率は少なくとも100%に近いレベルで維持している。そうした国々と比べれば、日本の状況が厳しいことは歴然としている。

OECD諸国及び1億人以上人口国の穀物自給率
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/0318.html

 この点について一部の専門家からは、「アメリカはTPPで日本に穀物を含めた農産品を輸出したいのだから、アメリカが日本への食糧輸出を止めることはないだろう」という楽観論も見受けられる。しかし現実はそれほど甘くないと認識すべきだ。

 1999年1月にNHKで放送された「地球・豊かさの限界 第1集 1頭の牛が食卓を変えた」の中で、ニクソン、フォード両政権の下で農務長官を務めたアール・バッツ氏がインタビューに答えている。

 番組の中でアール・バッツ氏は、「食糧はアメリカが持つ外交上の強力な手段である。とりわけ食糧を自給できない日本には有効だ。日本に脅威を与えたいのなら、穀物の輸出を止めればいい。もちろん、それはあってはならないこと。しかし、何か事態が悪化して、そうせざるを得なくなれば、日本はひどいことになるだろう。日本は自国の農業だけで国民を養うことなどできないのだから」と述べており、アメリカが食糧輸出を戦略的に使っていることを端的に示している。

 つまり、TPPに日本が参加して主にアメリカ産の食料に依存することになった場合、日本は国家としての生殺与奪をアメリカに完全に握られてしまうことになるのだ。TPPに参加するか否かという問いは、これほど重要な課題を、我々に突き付けているのである。

 


53. 2011年10月21日 18:57:03: s8kCxa4JAw

 これまで、主に食糧自給率という観点からTPP参加による農業への影響について述べてきた。しかし、より一般的な食への影響という観点から検討すると、TPPには「食の安全」という問題も浮上してくる。

 TPP条文第7章や米韓FTA条文第8章では、「衛生植物検疫措置(SPS)」が定められている。SPSについてはTPPの24ある作業部会の一つで取り扱われているが、これは食品衛生を確保するための措置、動植物の病気を防ぐための措置のことを指している。具体的にはSPSで問題となるのは、食品添加物、残留農薬基準、BSE問題、遺伝子組み換え食品といったものである。

 SPSについては、すでに1995年発効のWTOにおける協定が存在しており、TPPでもWTOの協定を引用している。このWTOの協定では、各国が食品衛生を確保するための措置や動植物の病気を防ぐために講じる措置は認められている。ただし、これらの措置が貿易を阻害しないようにするため、「科学的原則に基づくこと」が要求されている。また、加盟国を差別してはならず、例えば、国産品と輸入品に対して異なる基準を設定することは許されていない。

 実際、日本とメキシコとの間の経済連携協定(EPA)においても、SPSに関する規定が定められており、そこでは日本もメキシコも、WTOで定められたSPSに関する権利義務を有することが確認されている。

 それでは、なぜ1995年からWTOレベルで存在している衛生植物検疫措置(SPS)に関する規定がTPPで問題になるのだろうか。それは、TPPにおけるSPSの運用が食の安全に影響を与えうるからである。

 米韓FTAでは、両国がSPSについて協力し、かつ協議することとされている。そしてその協議の内容には、貿易に影響を与え、または影響を与えうるSPSの適用に関する事項が含まれているのである。

 おそらくアメリカが入った形でのTPPでは、同様の規定が入るに違いない。そうすると日本がTPPに参加する場合には、日本がどのような衛生植物検疫措置を講じるかについて、アメリカと協議をする必要が生じてくることになる。しかもアメリカは、「対日年次改革要望書」において、我が国に対しSPSに関連する要求を繰り返してきたことを忘れてはならない。

 例えば、食品添加物について、2008年の年次改革要望書では、「食品添加物における新規並びに変更の申請が、科学的な原則に基づき、透明かつ迅速に完了するよう、国内および国際的な団体を含む既存の科学的審査と評価を最大限活用する」ことを要求していた。

 さらに、同要望書の農業に関する政府慣行について、「米国は、日本が農産物貿易において国際的義務を十分に満たしていること、またすべての農産物・食品の輸入制度において科学的知見に基づいた国際基準を採用することを期待する」と述べたうえで、具体的な要求として、「FAO(国連食糧農業機関)・WHO(世界保健機関)合同食品添加物専門家会議によって安全と認められており、かつ世界各国で使用されている46種類の食品添加物の審査を完了する」ことを挙げている。

 また、ポストハーベスト農薬(収穫後、主として保管中の防虫対策として使用する農薬)は、人体に有害な物質が含まれる恐れがあるという理由で日本では禁止されているが、同要望書は、特定のポストハーベスト農薬を食品添加物と見なさず、その使用を認めるよう要求しているのである。

 WTOのSPS協定において、科学的に正当な理由がある場合などは、国際基準や指針、勧告よりも厳しい衛生植物検疫措置(SPS)を導入することができるとされているが、日本はWTOのSPS協定を踏まえ、食品添加物についての規制を緩和してきた。当然のことながら、国民の健康や衛生を守るという見地から、日本は明らかに国際基準よりも厳しいSPSを導入している。

 しかし、TPPに参加するためにはアメリカとの協議が必要となり、アメリカのこれまでの日本に対する要求から考えれば、日本の現在のSPSを非関税障壁と見なし、現在のSPSを大幅に緩和するよう求めてくることは確実である。さらに、これまで日本では認められていなかった相当数の食品添加物が認可されることになり、輸入食品を通じて、日本の消費者が今まで以上に食品添加物を摂取することは避けられそうにない。

 残留農薬についても、ほぼ同様の議論が当てはまる。日本の残留農薬規準は、日本人の食生活も考慮したうえで定められており、アメリカの規準と比べると格段に厳しくなっている。ところがアメリカは、2008年の年次改革要望書において、「最大残留農薬規準に関して、できる限り貿易を制限することがないように、効果的な輸入措置を取る」ことを要求していた。すなわち、日本の残留農薬規準が非関税障壁であるとして、規準の緩和を求めているのである。

 したがって、アメリカとの協議では、残留農薬規準を緩和することがTPP参加の条件になることは想像に難くない。その結果、これまでより多く農薬を含んだ農産品が日本に流通することになると思われる。

 牛海綿状脳症(BSE)についても、食品添加物や残留農薬基準の問題と同様である。日本はBSE問題に伴い、2003年12月からアメリカ産牛肉の輸入を禁止していたが、2005年12月に輸入禁止を条件付きで解除した。アメリカ産牛肉で輸入が認められる条件は、月齢20カ月以下の牛であること、脳や脊髄といった危険部位を除去していること、輸出国の政府が輸出証明を発行していることである。この条件は現在も付されたままになっている。

 これについてアメリカは、牛肉の輸入禁止が条件付きで解除になった直後から、日本に対し月齢制限の撤廃を強く求めているのである。国際獣疫事務局(OIE)は、BSE検査については月齢36カ月以上の牛のみを対象にすれば良いとしており、月齢36カ月未満の牛についてはBSEのリスクが非常に低いと判断している。つまり日本の輸入基準はOIE規準よりも厳しいというわけだ。

 アメリカから見れば、日本の輸出に付された条件は非関税障壁そのものなのである。実際OIEは、かつては輸出入できる牛肉の条件として「生後30カ月未満の骨なし」という月齢制限を課していた。ところが2009年の総会で、アメリカの圧力によりこの月齢制限を撤廃してしまった。これがアメリカ式である。

 それゆえ、アメリカがTPPを利用して、日本に対して牛肉の輸入規準の緩和、具体的には月齢制限の撤廃を迫ってくることは確実である。その結果、日本はTPPに参加してしまうと、アメリカ産牛肉の輸入に月齢制限を付すことができなくなる。これは、日本の消費者にとって新たなリスクが生じることを意味している。

 実際、2011年3月8日、元米農務長官のジョハンズ上院議員(共和党)は、超党派27人の上院議員団が連名でオバマ大統領に対し、米国産牛肉の輸入制限緩和を日本のTPP交渉参加の前提条件とするよう求める書簡を正式に送付したことを明らかにした。アメリカはOIEの指針をてこに、日本政府に圧力をかけているわけだ。

 遺伝子組み換え作物の問題も同様である。日本はすでに遺伝子組み換え食品を大量に輸入しているが、食用の遺伝子組み換え作物の栽培は、商業ベースではまだ始まっていない。しかも、複数の都道府県では、条例により遺伝子組み換え作物の栽培に対する厳しい規制が行われており、商業ベースでの遺伝子組み換え作物の栽培を開始するためのハードルは相当に高いと言える。

 遺伝子組み換えをしていない在来種は、長い時間をかけて自然環境に適合しているので、次世代に種子を残していく。しかし、遺伝子組み換え作物の多くは一代限りであり、次世代につながるような種子を残さないよう設計されている。言い換えれば、遺伝子組み換え作物は、次世代に種子を残して自然環境に適合していくという大自然の摂理に反する性格を持つと言える。

 同じ問題点を農家から見ると、次のようになる。農家は在来種であれば、残された自家製の種子を次の年に蒔き、栽培を継続することができた。しかし一代限りの遺伝子組み換え作物については、栽培を継続するためには種子を毎年、種子会社から購入しなければならない。そのため、遺伝子組み換え作物は、農家が種子会社に依存せざるを得なくなるという状況を作り出す恐れがあると言えるのである。

 また、遺伝子組み換え作物から発芽する種子を採ることができたとしても、次の年にこの種子を蒔けば、種子会社が遺伝子組み換え技術に対して得た特許に違反しているとして、農家は種子会社から高額の損害賠償を請求されることになる。結局、農家は毎年種子を種子会社から購入しなければならず、種子会社への依存傾向は変わらないのである。

 さらに、何らかの自然的、人為的理由により、遺伝子組み換え作物の遺伝子が流出すれば、在来種と雑種交配をすることにより、在来種が淘汰されることにもなりかねない。ブラジルやインドの例でもあるように、これは在来種を栽培している農家にとっては脅威である。

 近隣の遺伝子組み換え作物栽培農場から花粉の受粉等を通じて遺伝子が流出すれば、自らが栽培している在来種と近隣の遺伝子組み換え作物栽培農場から花粉の受粉等を通じて遺伝子が流出すれば、自らが栽培している在来種と意図しない交配がなされ、気が付けばいつの間にか栽培している作物が遺伝子組み換え作物になっていたという思わぬ事態も想定される。

 その結果、種を採ることができなくなる、あるいは、意図せずして種子会社から特許違反で訴えられるというリスクを在来種栽培農家も抱えることにすらなりかねない。
 
 ところが、種子会社の視点からすれば、当然のことながら遺伝子組み換え作物の栽培は大きなビジネスチャンスにつながるのである。

 このような種子会社の中で最も大きな存在感を持っているのが、モンサントである。同社は、世界中で遺伝子組み換え作物の栽培を拡大させる戦略をとっている。特に同社の遺伝子組み換え作物は、同社の除草剤である「ランドアップ」に対する耐性を有しており、「ランドアップ」とセットにした売り込みに熱心である。このように、除草剤と遺伝子組み換え作物の種子をセットにすることで、さらに利益を増やすことができるのである。

 さらにモンサントは、同社が特許を有する遺伝子組み換え作物の種子を農家が勝手に蒔いていないかチェックをし、同社から種子を購入していない農家で遺伝子組み換え作物が育っているのを発見した場合、特許侵害を理由とした訴訟を農家に対して起こしている。

 実際、モンサントはアメリカ国内で100人単位の農民を提訴している。しかも、故意、過失あるいは受粉を含む自然的経過といった事情に関係なく提訴をしているのである。またモンサントは、アメリカの政治家をはじめ、各方面にロビー活動や献金を行い、強烈な勢いで政治的影響力を行使していることでも有名だ。

 アメリカは、2006年以降の年次改革要望書において、「バイオテク産品に対する関連諸規則が国際安全基準を反映したものとなるよう改定する」よう、日本に対して強く求めており、遺伝子組み換え作物の栽培がアメリカ、カナダ、中国、ブラジル、アルゼンチンなどで本格的になされていることを踏まえ、日本が遺伝子組み換え作物の栽培を全面的に解禁するよう要求している。

 こうした状況から、日本がTPPに参加する場合、アメリカはTPPにおけるSPS規定に基づいて、日本の遺伝子組み換え作物の規制を非関税障壁だと主張する可能性は高いと言えるだろう。その結果、日本は遺伝子組み換え作物の栽培を全面的に受け入れざるを得なくなることも考えられる。

 仮に、遺伝子組み換え作物の栽培が全面的に解禁されれば、モンサントのような種子会社は日本において莫大な利益を得ることができるようになる。その一方、日本の農業は、自発的な遺伝子組み換え作物の栽培への切り替えや、意図しない交配によって遺伝子組み換え作物に席巻され、種子会社に依存せざるを得なくなるに違いない。たとえ日本の農業が自給率の面で持ちこたえたとしても、それは遺伝子組み換え作物で持ちこたえているという厳しい状況になりかねないのである。こういった事態のもとで、果たして日本の食の安全が守れるのだろうか。TPPはこのような難題も突き付けているのである。


54. 2011年10月21日 19:00:30: s8kCxa4JAw

 TPPの24ある作業部会のうち、5つの作業部会がサービスを扱っている。具体的には、クロスボーダー(国境を越えて行われるサービス)、電気通信、一時入国(商用関係者の移動)、金融、電子商取引の作業部会である。24の作業部会のうち20%以上の割合をサービスが占めていることからすれば、TPPの中でサービスが重点項目に位置付けられていることは間違いないだろう。

 TPPの作業部会

@首席交渉官協議 A市場アクセス(工業) B市場アクセス(繊維・衣料品)C市場アクセス(農業) D原産地規則 E貿易円滑化 FSPS(衛生植物検疫)GTBT(強制規格、任意規格及び適合性評価手続)H貿易救済(セーフガード等)I政府調達 J知的財産 K競争政策 Lサービス(越境サービス)Mサービス(金融)Nサービス(電気通信)Oサービス(商用関係者の移動)Pサービス(電子商取引)Q投資R*環境S*労働㉑制度的事項㉒紛争解決㉓協力㉔*分野横断的事項
(注)*印は、我が国EPAにおいて、独立の章として盛り込まれたことのない分野。

 WTOの設立と同時に締結された「サービスの貿易に関する一般協定」(GATS)において、サービスは「政府の権限の行使として提供されるサービス以外の全てのサービス」と定義されており、既存のTPPも基本的にはこのGATSにおけるサービスの定義を前提にしているに違いない。

 なお、日本もこれまでにTPP参加国、参加検討国のみならずインドなどとも経済連携協定(EPA)を締結しているが、そこでもサービスの定義はGATSの定義と同様である。

 サービスの貿易は、具体的には4つの形態に分かれている。
@いずれかの加盟国の領域からほかの加盟国の領域へのサービス提供(国境を超える取引)「例:電話で外国のコンサルタントを利用する場合、外国のカタログ通信販売を利用する場合など」
Aいずれかの加盟国の領域内におけるサービスの提供であって、ほかの加盟国のサービス消費者に対して行われるもの(海外における消費)「例:外国の会議施設を使って会議を行う場合、外国で船舶・航空機などの修理をする場合など」
Bいずれかの加盟国のサービス提供者によるサービスの提供であって、ほかの加盟国の領域内の業務上の拠点を通じて行われるもの(業務上の拠点を通じてのサービス提供)「例:海外支店を通じた金融サービス、海外現地法人が提供する流通・運輸サービスなど」
Cいずれかの加盟国のサービス提供者によるサービスの提供であって、ほかの加盟国の領域内の加盟国の人の存在を通じて行われるもの(人の移動によるサービス提供)「例:招待外国人アーチストによる娯楽サービス、外国人技師の短期滞在による保守・修理サービスなど」

 さらに、サービス分野の自由化を確保するため、既存のTPPでは内国民待遇および最恵国待遇が定められている。内国民待遇とは、相手国の国民や企業を自国民や自国企業と同等以上の条件で扱うことである。つまり、日本とアメリカがTPPに参加した場合であれば、日本国内のサービス提供に際し、日本企業とアメリカ企業を少なくとも対等に扱わなければならない、ということになる。

 また最恵国待遇とは、相手国以外の第三国に対し、ある恩恵を与えた場合には、自動的に相手国にも同等以上の恩恵を与えるということである。

 つまり、日本とアメリカがTPPに参加し、韓国が参加しなかったと仮定して、日本が韓国とのEPAで韓国国民や韓国企業に対してサービス提供を制限なく自由化した場合には、TPPに基づき、アメリカ国民やアメリカ企業に対してもサービス提供を制限なく自由化しなければならなくなるのである。

 実は、日本が各国と結んでいるEPAにおいても、サービス分野では相当の自由化がなされている。したがって、一見すると、TPPで新たにサービス分野の自由化を約束してもあまり影響がないように思われる。しかし、日本がすでに締結している既存のEPAのうち、シンガポール、マレーシア、フィリピンとのEPAについては、自由化する分野を限定列挙しており、メキシコとのEPAについては、自由化しない分野を例外として挙げているものの、例外は多数に及んでいる。

 他方、既存のTPPでは、ブルネイはサービス貿易の自由化から除外されているものの、自由化の例外は限定的であり、アメリカを含めた拡大TPPでもサービス貿易の自由化に対する例外は極めて限定的になると思われる。

 そうすると日本がTPPに参加することになれば、これまでの2国間EPAでは例外として自由化しなくても済んだ分野についての自由化をすべて迫られることになるはずだ。

 こうしたことを前提にして、サービスの分野について、どのような影響がもたらされるかを慎重に検討する必要があるだろう。

  医療は、当然TPPで取り扱われるべきサービスの定義に該当する。しかし、日本のスタンスは、現在各国と締結しているEPA(経済連携協定)においては、基本的に自由化の例外としている。
 
 アメリカ国務省と日本の経済産業省が2006年6月に公表した「2006年日米投資イニシアティブ報告書」によれば、アメリカ政府が日本政府に対し、医療機関による資金調達を容易にし、生産性を高めるとの観点から、病院、診療所経営に対する株式会社の参入拡大を可能とするよう要望したことが明示されている。
 
 さらにアメリカ政府は、日本では血液検査の外部委託により、かなりの効率化が図られたことを指摘したうえで、リスクの低い医療行為、特にMRI(核磁気共鳴画像法)やPET(ポジトロン断層法)、CTスキャン等、反復性のある医療行為については、株式会社に柔軟に外部委託できるよう求めたことも明らかになっている。
 
 つまり、アメリカ政府は日本の医療分野を自由化し、株式会社が医療分野に参入することができるようにすることを求めているのである。そして、当然のことであるが、この株式会社の参入とセットで、外国資本が日本の医療分野へ参入することが想定されている。

 日本では、基本的に医師が医療機関を設立し、その目的は医療の提供であって、収益を拡大することでない。たとえ収益を拡大することを目指したとしても、基本的には医療の提供に資するという枠内に制限されている。他方、株式会社であれば、医療の提供は、利益を最大化させるための手段となる。日本のこれまでの医療のあり方と、株式会社とでは、目的と手段が逆転することは避けられない。
 
 株式会社の目的に照らせば、医療サービスを提供する株式会社はコスト削減に努めることになるだろう。受診希望の患者は多数いるが、継続すればするほど赤字が出るコストに見合わないようなケースが地域や診療科目によってはあるかもしれない。そのようなケースでは、医療サービスを提供する株式会社は需要があるにもかかわらず撤退することが不可避になるであろう。
 
 もし採算を無視して撤退を拒めば、株主に対する義務違反になり、場合によっては株主代表訴訟で株主に賠償しなければならなくなることもあり得るからである。特に、小児科や長期入院を要する高齢者の治療は、需要がある一方、採算面では厳しく、株式会社の参入による影響が懸念される。つまり、株式会社の参入は、一部の患者の切り捨てにつながりかねないのである。
 
 この株式会社の参入に対し、日本医師会は、当然の如く反対論を展開している。その中で、株式会社の医療サービスの参入が「国民皆保険制度の崩壊」につながるとも指摘している。それはなぜか。

公的保険でカバーされる治療は報酬があらかじめ決まっており、利益率はそれほど高くはない。そのため医療サービスを提供する株式会社は、利益の最大化のためには自由診療を積極導入することとなる。それは、医療は自由診療で行えば良いという風潮につながり、公的保険による診療を中心としている病院の経営が立ち行かなくなる。その結果、公的保険は無意味となり、国民皆保険制度は崩壊するというのである。

 すでにアメリカ政府は「2006年日米投資イニシアティブ報告書」で、日本政府に対し、混合診療の解禁を強く求めていた。混合診療とは、保険診療と全額自己負担となる自由診療を組み合わせることである。アメリカ側は、解禁を求めるにあたって、混合診療の解禁により、国民の医療支出が減少し、結果、医療の効率化が進んで医療保険制度の財政上の困難を緩和すると指摘しているのだ。

 しかし混合診療が導入されれば、折からの財政難と相まって、新規の治療法等については、もはや公的保険でカバーする必要性はない、という判断に傾きかねない。また、これまで公的保険によってカバーされていた治療法や薬品についても見直しがなされ、自由診療の範囲になる可能性も出てくる。

 そして衛生植物検疫措置(SPS)に基づく認可基準の引き下げが行われ、これまで日本では認可されていなかった医薬品や保険補助栄養剤(いわゆるサプリメント)が一挙に流入することになるだろう。また、アメリカ製の先進画像診断機器や先進体外診断用薬品の導入が強制されかねない。と同時に、そうした先進製品の有用性や迅速性を評価する加算制度への移行も求められる。

 つまり混合診療の導入は、公的保険給付の範囲を狭くする引き金となり、国民皆保険制度の崩壊のきっかけにすらなりうると考えられるのである。日本医師会は、株式会社の参入が進めば国民皆保険制度が崩壊の危機に直面すると指摘しているが、混合診療の導入にも同様の危険が潜んでいると思われる。これは利用者である患者にとって望ましい事態ではないだろう。実際、医療の自由化が進んでいる英国では、公的保険で利用できる病院は限られ、受診するために何カ月も待たなければならないような事態も起きた。同じことが日本では起こらない、という保証はない。

 TPPに日本が参加するとなれば、サービス貿易の一環として、アメリカから医療分野について、「2006年日米投資イニシアティブ報告書」に沿った自由化を求められることは避けられない。では、なぜアメリカはそこまで日本に対して自由化を求めるのだろうか。

 一つには、アメリカ資本の医療サービスを提供する混合診療解禁=企業が日本に参入したいということである。日本には、資産1億円以上の富裕層が2007年末の時点で151万人おり、その数は世界でもトップクラスである。人口高齢化に伴い、富裕層に対する医療サービスへの需要は高まる一方と見られる。日本の富裕層に対する医療サービスはアメリカ資本の株式会社にとっては非常に魅力的な市場と映っているに違いないのである。

 もう一つは、アメリカ資本による保険サービスへの参入である。混合診療解禁と株式会社の参入により、自由診療市場が日本で拡大すれば、患者となりうる消費者を対象とした自由診療分のリスクヘッジとしての民間保険に対する需要が、当然、高まるはずだ。

 ところで、アメリカにはもともと国民皆保険制度がないため、医療費のリスクヘッジは当然のことながら民間保険でなされてきた。そのため、アメリカの保険会社は自由診療を対象とした保険のノウハウについては日本の保険会社に比べて一日の長がある。したがって、日本で自由診療市場が拡大すれば、アメリカの保険会社は多くの保険を日本人に売り、日本で莫大な利益を上げることが可能となる。そして、仮に国民皆保険制度が崩壊すれば、保険市場はさらに拡大し、保険会社の利益はさらに大きくなることが予想される。

 一方、もし国民皆保険制度が混合診療解禁や株式会社参入に耐えたとすれば、今度は、国民皆保険制度による国の保険給付が民業圧迫になり、サービス貿易を阻害するという主張すら出てきかねないことも懸念される。こうした要求は在日米国商工会議所(ACCJ)が「日本の健康増進、生産性向上に向けて」と題した政策提言としてまとめ、日本各地で啓蒙活動に活用している。

 実は、TPP参加による医療への影響はこれだけにとどまらない。サービス提供のために、ほかのTPP参加国から人が移動するということも認められるようになるのだ。そうなると看護師、介護士ひいては医師がほかのTPP参加国から来日し、日本の医療機関でサービスを提供するということも認められるようになる。

 日本では、すでにフィリピンやインドネシアから看護師、介護士の受け入れを開始してはいるが、日本語の能力が十分でないため、実際に日本で仕事をするためのハードルは高い。しかしTPPに参加すれば、資格の相互承認を求められる可能性が出てくるのみならず、「日本語がサービス貿易に対する障壁である」ということで、日本語ができなくても、英語ができれば日本で働けるようにするといった制度変更を求められることも十分考えられる。

 このような制度変更は、TPP参加国の資格保持者にとっては朗報かもしれないが、利用者である患者にとってはどうだろうか。症状の説明や治療に関する相談を英語で説明できる日本人患者は決して多くない。特に高齢者や子供についてはなおさらである。外国人の看護師、介護士、医師が日本語の微妙なニュアンスを理解できないために、十分なサービスを提供できないという状況も考えられる。つまり、外国人が医療サービスを提供することによって、日本人への医療へのアクセスが困難になる恐れが生じるのである。

 東京大学・医学教育国際協力研究センターの北村聖教授曰く「医療は社会共通資本である。市場経済に委ねるべきではない。必要な医療を提供するために経済はどうあるべきか、という視点が重要だ。質の劣る医師が大量に流入した場合、医療の質をどう担保するのか。医療レベルの劣る国の医師は、基礎学力が違うため研修医でも使えないほどだが、給料の安さを生かして、悪貨が良貨を駆逐してしまう恐れがある」。

 そんなことになれば、我が国の医療は崩壊するだろう。実際、英国ではEU諸国から英語のできない医師が大量に流入し、大きな社会問題に発展した。今では英国人以外の医師を法律で排除するようになっている。きめ細かな医療サービスを守るには、質の担保は譲ることのできない条件である。

 アメリカが日本のサービス分野の自由化を求めるに際し、最優先事項の一つとされているのが郵政民営化である。

 アメリカは「年次改革要望書」に基づき、長年にわたって郵政民営化を日本に対して求め続け、2005年の郵政解散とそれに続く総選挙を経て、ついに郵政民営化を実現させた。しかし、2009年の民主党を中心とした政権への交代により、特に郵政民営化に反対した国民新党が与党の一翼を担うことになり、郵政民営化に対する見直しの気運が高まった。こうした動きに対し、アメリカは懸念を強めており、郵政民営化のいっそうの推進を求めている。

 郵政民営化の要求の中でアメリカがとりわけ重要視しているのは、簡易保険の問題である。2010年4月に発表された米通商代表部の「外国貿易障壁報告書」では、簡易保険が民間の保険に比べて優遇されており、民業圧迫になっているという視点から、簡易保険と民間保険を同等に扱うよう、強く求めている。

 現在のところ、簡易保険で集められた資金の66%が国債で運用され、70%を超える資金が国債と地方債で運用されている。つまり、簡易保険の資金は国内に投資されているわけだ。これはある意味では安心材料といえよう。

 日本の民間保険は、契約者から払い込まれた資金の運用を外国の金融会社に委託することが自由に認められているため、アメリカの要求が認められれば、簡易保険の保険金も国債からシフトし、アメリカを中心とした外国の金融資本に流れる可能性が一気に高くなる。同様の議論は、郵便貯金についても当てはまる。

 もし、ゆうちょ銀行やかんぽ生命の株をアメリカを中心とした外国の金融資本が購入すれば、それによって日本の国民資産をコントロールすることが可能となるわけだ。

 民主党の山田正彦元農水大臣は「アメリカの狙いは1200兆円ともいわれる民間預金やゆうちょの貯金ではないだろうか。おそらく、このことは24あるTPPの作業部会で話されているはずだ」とまで、アメリカの真意を疑っている。

 また、2010年のアメリカの「外国貿易障壁報告書」では、我が国の共済制度をも批判しており、共済に民間の保険会社と同様の義務を適用し、両者を対等に扱うよう求めている。これは毎年のように「年次改革要望書」において、アメリカから日本に対してアメリカのされ続けたところでもある。共済の存在を、アメリカの民間保険会社が日本の保険市場に参入する際の障壁と見なし、共済の優位性を削ぐことがアメリカにとっての至上命題になっていることの表れであろう。

 もし、共済に民間保険会社と同様の義務が適用されれば、共済は保険会社として求められる積立金の義務などを果たさなければならなくなる。そうした場合、共済は体力がもたず、民間の保険会社には勝てない公算が高くなり、潰れることにもなりかねない。アメリカの要求は、実質的な共済潰しとも言えるものではないだろうか。

 共済でも運用先は国債や地方債が多い。共済が潰れれば、その分の掛け金が外資を含めた民間の保険会社に流れるため、これまで国債や地方債に流れていた資金が外国の金融資本に流れることになるだろう。

 TPPに日本が参加することになれば、アメリカはTPPを利用して、サービス分野の自由化の一環として、保険分野への自由参入を求めるに違いない。そして、アメリカは対等な競争条件の確保の名目で、「外国貿易障壁報告書」で取り上げた事項をサービス貿易への障壁として扱い、簡易保険や共済を民間保険とまったく同様に扱うよう求めてくるはずである。

 さらに医療サービスのところでも述べたが、TPPに日本が参加すれば、自由診療の費用に対するリスクヘッジとして、アメリカの民間保険会社がさらに上陸することになり、このような保険を通じても、国民資産が外国に流出することになりかねない。

 法律サービスもTPPで定めるサービスの一環である。日本がすでに各国と結んでいるEPA(経済連携協定)では、相手国の弁護士が自由に乗り入れることはできず、あくまで、資格を有する国の法律に関するサービスを外国法事務弁護士として日本で提供することができるにすぎない。

 しかも、こうしたサービス提供には、1年のうち180日以上、日本に滞在することが義務付けられており、加えて、弁護士法人を設立することはできないし、訴訟代理を含む一定のサービス提供はできないといった制限が付けられている。つまり、日本は各国とのEPAにおいても、資格を有する専門職、特に弁護士業については、サービス貿易の自由化の例外に位置付けてきたのである。

 しかし、TPPに参加する場合には法律サービスを自由化の例外に位置付けることは困難と思われる。そして、弁護士が多く、’訴訟大国’でもあるアメリカが法律サービスの開放を強く求めてくることは確実視されている。

 アメリカ政府は2008年度までの「年次改革要望書」において、日本に対し、外国法事務弁護士が日本の弁護士と同条件で法人を設立するようにできること、外国の法律事務所を含むすべての弁護士事務所が、法人の設立にかかわらず、日本国内に複数の支店を設立することを認めること、日本以外の法律に準拠するすべての仲裁を含め、日本で行われる裁判外紛争解決(ADR)手続きにおいて、外国法事務弁護士が主宰者として活動することや当事者を代理することができるようにすることを要求し、アメリカの弁護士に対して日本の法律サービス市場を開放することをすでに求めてきている。

 さらに、在日米国商工会議所(ACCJ)が2010年に発表した政策提言「成長に向けた新たな航路への舵取り 日本の指導者への提言」でも、アメリカ政府が「年次改革要望書」や「外国貿易障壁報告書」で要求した事項と同様のことを提言している。官民一体化したチームプレーには驚かされるが、まさにアメリカは政府と業界が一団となって、日本の法律サービス市場の開放を求めているのである。

 既存のTPPではサービスの章には付属書が存在しており、そのうちの一つが専門的なサービスに関するもの。その中で、TPPの各参加国は専門的サービスを提供する資格について、相互乗り入れを認めることを奨励している。

 これもでの経緯に照らせば、アメリカはTPPにおける資格相互乗り入れの奨励を利用して、日本に対し、少なくとも「年次改革要望書」、「外国貿易障壁報告書」で要求した事項をすべて受け入れさせることを目論んでいるに違いない。

 こうした要求を日本が受け入れた後には、アメリカ各州の弁護士資格を有する弁護士が自由に日本に乗り入れることを認めるよう、要求をエスカレートしてくることも予想される。既存のTPPの付属書では、TPPにおける資格相互乗り入れに際し、教育、資格試験等に関する規定を作成することになっており、これらの分野で共通事項が多いほど、乗り入れは容易になるということが想定される。

 日本では、かつては大学の学部3年生になると司法試験の受験資格を有するものとされていたが、現在では法科大学院制度が導入され、法科大学院の卒業をもって司法試験の受験資格が付与されるようになった。法科大学院はアメリカのロースクールと同じ位置づけであり、法曹教育や試験については、すでにアメリカとほぼ同様の構造になっている。

 また、法的知識についてであるが、日本の法律はもともと大陸法系であり、ドイツやフランスの影響を強く受けていた。しかし第2次世界大戦後、英米法の影響も受けるようになり、アメリカ法に近い形での会社法も制定された。さらに、民法の改正作業が現在進行中であり、債権法ではアメリカも加入しているウィーン動産売買条約という取引法の国際条約に準拠した改正も検討されている。

 このように、商取引分野を中心にアメリカ法への接近が進んでいるのである。そして、日本国内でも、商取引の分野での英語による法律サービスの需要は現在でも相当程度存在しており、TPPに参加してアメリカのサービスや商品がいっそう日本に流入するとなれば、その需要はさらに高まるはず。

 他方、刑事裁判では2009年から裁判員制度が導入され、アメリカ法の陪審員制度とは異なるものの、陪審員裁判で必要となるスキルが刑事裁判でも要求されるようになっている。これは要求される知識という点では、「お金になる分野」を中心にアメリカの弁護士による日本参入へのハードルが低くなってきていると見られる。

 これらの各事情からすれば、TPPの資格相互乗り入れの奨励を利用すれば、アメリカ各州の弁護士資格を有する弁護士が自由に日本に乗り入れることが認められることは十分に想定されること。アメリカにとっては法律サービス市場拡大のチャンスであり、アメリカ政府がTPPに目をつけて、要求をエスカレートさせることは十二分にありうる話である。

 アメリカがここまで要求すれば、理論上、日本の弁護士も自由にアメリカに乗り入れできることになるはずである。しかし、アメリカの弁護士と対等以上に英語で勝負できる日本の弁護士がどれだけいるであろうか。また、アメリカ国内に日本法や日本語での法律サービスに対する需要がどこまであるだろうか。実際には、制度上乗り入れが認められたとしても、日本の弁護士がアメリカに乗り入れる例は極めて少ないと予想される。したがって、TPPの資格相互乗り入れはアメリカに一方的に有利に働くということになりそうだ。

 放送を中心としたメディアも当然サービスの一環であるが、日本は既存のEPA(経済連携協定)においては、メディアを自由化の例外に位置付けている。現在、日本には電波法や放送法上の規制があり、EPAもこのような規制を踏まえているのだ。具体的には、地上放送では、外国人が業務執行役員に就任することや外国人が5分の1以上の議決権を有することが禁じられている。(電波法5条4項)

 また、衛星放送等の委託放送についても同様であって(放送法52条の13第1項)、衛星放送等の受託放送についても代表者を外国人にすることや外国人が役員の3分の1以上を占めること、外国人が3分の1以上の議決権を有することが禁じられている(電波法5条1項)。

 他方、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)では、放送を含むメディアはサービス貿易の一環として扱われている。現在行われている24の作業部会の一つに「サービス(電気通信)」があり、この中でメディアも扱われることになる。アメリカの参加する拡大TPPにおいて、電気通信分野の自由化が要求されることになれば、電波法や放送法上の外国人規制はサービス貿易に対する障壁であると認定されかねない。

 現に、サービス分野の自由化については、自由化の例外分野をリストアップする方式を採ることが予想され、放送分野を例外とする動きはTPPの中では特に顕著ではないことを考えると、この懸念が当たる可能性は高い。つまり、TPP参加国出身の外資のテレビ局が日本に誕生する可能性が濃厚となるのである。

 放送は番組を通じて自国の文化や価値観を伝えることができる。そのため、放送は文化的、政治的なツールとしての価値も高い。フランスがBBCやCNNに対抗してFrance24という放送局を開局したり、中国が国際放送を積極的に展開しようとしているのはその表れである。放送分野の外資への開放は、日本が文化的に外国に乗っ取られることにもつながりかねないと懸念される。

 また、TPPによる電気通信の自由化に伴い、日本の放送局と外資の放送局が対等な条件で放送電波にアクセスできるようにすることが要求されるであろう。そうなると、次に登場するのは電波オークションである。

 電波オークションとは、周波数帯域の利用免許を競売で電気通信事業者に売却して事業を行わせるもので、有限な公共財である電波を有効利用するための手法である。電波オークションについては、国家の財源を増やすために有効であり、公平な競争のためには必要である、といった議論がある一方、オークションで一定の周波数を落札し、放送を維持するためには膨大な費用がかかることも事実だ。イギリスでは、電波オークションを導入した結果、番組の質が下がったという指摘もあるくらいである。

 電波オークションの是非はともかく、TPPは電波オークションの問題にもつながっているという認識はもっておく必要があるだろう。多くのテレビ局が電波オークションに反対しながら、一方でTPPに諸手を挙げて賛成しているのは、何とも皮肉な話である。


55. 2011年10月21日 19:04:45: 0EopofEgjc
なぜ野田は正々堂々と今の日本の危機的状況を国際世論に理解してもらう努力をしないのであろうか?
過去の食料自給率の数値を持ってして今の我が国の窮状を考慮せず、闇雲にTPP参加に向かう事が野田政権の掲げる「一刻も早い震災からの復興」に本当に役立つとでも思っているのだろうか。
このままでは、菅前首相同様、野田首相も日本を救うためには何の役にも立たない唯のクズ首相であると評価されるのはもはや避けられないであろう。
ただただ怒りがこみ上げてくるだけだ。

56. 2011年10月21日 20:50:09: qXc4KlPUB2
小沢氏が反対か賛成かは、もうどうでもよい。

医療は大切な、命にかかわるソーシャル・キャピタルだ。

皆保険はもうこの国の、国民の最後の命綱だ。

誰が皆保険のないアメリカのように、月10万もの民間医療保険を支払えるのか。

野田よ、前バラよ、TPP賛成派の国会議員よ。何が自由化だ混合診療だ。

自分の利益だけでなく、庶民のことを少しでも考えたことがあるのか。

森田高議員・山田議員頼むから阻止して!


57. 2011年10月21日 21:46:15: eTVUqn9eqw
小沢氏、TPPに前向き、という朝日の見出しは明らかに
小沢氏の発言と違う、小沢氏は、TPPは農業問題だけでなく
多くの問題があるからセーフティネットがないと、国民生活が大変なことになる、
だから時期尚早ということを発言している。
これを、小沢氏TPPに前向きと理解する朝日の記者と
同様の人々の理解能力のなさにあきれるばかりだ。

TPPの本質と問題点は
s8kCxa4JAw さんの50〜54の論文的投稿にほとんど網羅されている。
TPP賛成派は、この論文をしっかり読んで反論するように
それが阿修羅の掲示板のよいところだ。

TPP賛成者は、今回、成立した韓国と亜米利加のFTAの中身もよく読んで
TPPの狙い、すなわちアメリカのねらいがどこにあるか、
知った上で、TPPに賛成か反対か、述べるがよいだろう。

それともう一つ、TPPが実施されたらどうなるか
その見本がメキシコだ。
メキシコの若者は職もなく、彼等の生活水準はNAFTA後
急速に低下した。メキシコの治安も悪化した。
今のメキシコの現状が、TPPに参加したあとの我が国の未来と
ならない保証はないのだ。

TPP参加は、小沢さんが指摘したとかしないとかでなく、時期尚早である。


58. 2011年10月21日 23:19:52: 3yRSCIuB3c
小沢はみんなの党との提携を狙ってあんな言い方したのか?

59. 2011年10月21日 23:43:35: n9xPO0EdIk
亀井氏がなんと言っても一番信用でき、ほんとうに国民のことを考えている議員さんだ。
みんなで亀井氏を応援しましょう!

60. 2011年10月22日 00:04:31: qcf4RYtUPs
この朝日の記事に見出しを付けた整理記者と整理部長の資質と人間性を問う。

お前ら、恥を知れ。


61. 2011年10月22日 01:07:47: a1i9APYZyI

 公認会計士も弁護士同様の専門職であり、EPAにおける現状やTPPにおける資格相互乗り入れについての事情は弁護士とほぼ共通している。

 さらに、公認会計士については、時価会計や国際財務報告基準(IFRS)の問題がある。日本の会計制度は従来簿価会計であったが、アメリカからの圧力により、アメリカ式の時価会計制度になった。また金融庁は、日本の上場企業約3700社の連結財務諸表への国際財務報告基準の2015年からの強制適用を検討しており、2012年には適用するかどうかの最終決定をする見込みである。

 この最終決定の背後にはアメリカの存在がある。もともとIFRSはEUの会計制度の影響を強く受けていたが、アメリカの4大会計監査法人がIFRSに出資していることもまた事実である。言い換えれば、アメリカの監査法人がヨーロッパ経由で日本に新たな会計基準への移行を迫っているわけだ。そして、アメリカは2011年中にIFRSに参加するかどうかの決定をすることになっており、現状では参加する可能性が高い。

 そうすると、会計制度の日本とアメリカのコンバージョンはさらに進むことになり、公認会計士のTPPによる日米相互乗り入れは弁護士以上に容易になると考えられる。つまり、会計サービスに対するTPP参加の影響は弁護士以上に大きいといえよう。

 実質的にはアメリカ式会計基準の押し付けになりかねない。その基準とは、市場価値のあるものは時価会計し、そうでないものはコンピューター・シュミレーションで将来収益を予測するというもので、予測値や見積もり要素が多く、会社ごとの判断による会計処理の多様化が進み、日本企業にとっては莫大なこコスト負担となるだろう。特に製造業など、固定資産の多い業種にとっては全く不向きであり、結果的に雇用も設備投資も先細り、日本企業が安価に買収される道を開くことになりかねない。こうした、我が国の会計基準を脅かす理不尽な外圧に屈することがあってはなるまい。


62. 2011年10月22日 02:31:50: NJMLAj0l7I
>>31
TPPの結果で国民健保が潰れるわけないだろう。
脱退して高度医療可能な保険に入る人は増えるかもしれないけど。

63. 2011年10月22日 03:36:55: 44NSpIJNWA
小沢氏は元々自由貿易論者。
自由貿易論者である以上、TPPを全面反対する理由がない。

保守を謳っている連中は狭くなっていく日本のパイをどうやって補充するんだよ?
海外の市場に目を向けない政治家がいたらその時点で小物確定だ。

自分は安易にTPP反対とは言わない。メリットがあるなら交渉の価値はある。


64. 2011年10月22日 07:42:54: R429176LjI

 既存のTPPには投資に関する章は存在しないが、24の作業部会のうちの一つに投資に関する作業部会があり、新たに投資に関する規定を盛り込むことが想定されている。日本がこれまでに結んできたEPAや米韓FTAを見る限り、今後、投資についても、自国とほかのTPP参加国を対等に扱い、同じ条件で投資ができるようにすることが求められるようになると思われる。

 投資とは、単に他国の企業買収にとどまらず、多国にある財産の取得一般を含んでいる。そして、財産には土地も含まれるから、外国の土地を買収することも投資の一環になる。日本が各国と締結しているEPAの中には、シンガポールとのEPAのように外国人による土地所有を投資の自由化の例外に位置付けているものもあるが、こうした制限が明示されていないものも存在する。もちろん新たなTPPでは、外国人の土地所有が投資自由化の例外に位置付けられるという保障はどこにもない。

 このような懸念は、日本だけが持っているものではない。すでにTPPに参加しているニュージーランドでも、いろいろな懸念が示されている。ニュージーランドでは、現在、安全保障を含めたさまざまな理由から外国人による一定の土地に対する投資に関しては事前審査が課されている。しかし米通商代表部は、ニュージーランドに対し、このような事前審査が投資の自由に対する障壁になっていると指摘したのである。

 実際、オーストラリアは、米豪FTAにおいて8億オーストラリアドル以下の投資については事前審査の対象外とされ、アメリカ企業によるオーストラリアの土地所有も認められるようになっている。そのためニュージーランドでは、アメリカが参加するTPPにおいては、事前審査の撤廃を求められるのではないか、という懸念が広がっている。

 日本もTPPに参加し、参加国によるほかの参加国の土地への投資が自由化された場合、日本には少なくとも二つの点で大きな影響があると考えられる。一つは森林を中心とした水資源の問題、もう一つは農地の問題である。

 まず、森林を中心とした水資源の問題であるが、近年、中国人や中国資本が日本の森林を買収していることが問題となっている。中国はすでに慢性的な水不足に悩んでおり、今後、水不足はますます深刻化すると考えられている。そのため、日本の水資源とそれを育む森林を中国は喉から手が出るほど欲しがっているのである。

 確かに、中国はTPPの加盟国でも参加国でもない。しかし、現に中国人や中国企業は、中国籍以外の国籍でダミー会社を設立し、その会社の名前で諸外国の土地を買収したり、投資をしたりしているのだ。

 例えば、TPP参加国あるいは参加検討国のうち、中国系住民が多く存在するシンガポール、マレーシア、アメリカに中国人や中国企業が地元籍のダミー会社を設立したらどうなるだろうか。日本とこれらの国々がいずれもTPPに参加することになれば、TPP参加国にあるダミー会社を通じて、中国人や中国企業が日本の森林を買収し、日本の水資源を支配することがより簡単にできるようになってしまう。そうなると、中国人は日本の水を使い放題になる一方、日本人が自国の水資源を利用できず、水不足に苦しむといった事態すら想定される。

 次に農地の問題である。2009年の農地法改正により、農地の賃借が自由化され、外国資本を含む農業生産法人が日本の農地を賃借することができるようになった。

 しかし、TPPにより土地への投資制限が撤廃されれば、TPP参加国の資本が日本の農地を買収することは容易に想定される。特に、アメリカのアグリビジネスが日本の農地を大量に買収することが予想されていて、実際カナダでは、アメリカ、メキシコとの間で北米自由貿易協定(NAFTA)締結後、農業が全国規模でアメリカのアグリビジネスの支配下に置かれるようになり、その意向に逆らえなくなったという。

 もしアメリカのアグリビジネスが日本の農地を買収した場合、そこでできた作物を日本国内に流通させるとは限らない。アメリカは食糧を戦略物資として捉えており、日本がアメリカと何らかの理由で対立する、あるいは意見を異にするということになれば、日本国内の食糧流通を生産の段階からコントロールすることによって圧力をかけてくるであろう。そうすると、仮にTPPによって自給率がそれほど下がらなかったとしても、農地買収という側面から、日本の食糧安全保障が根底から脅かされることになりかねないのである。


65. 2011年10月22日 08:01:01: R429176LjI

@>>62. 2011年10月22日 02:31:50: NJMLAj0l7I
>>31
TPPの結果で国民健保が潰れるわけないだろう。
脱退して高度医療可能な保険に入る人は増えるかもしれないけど。

⇒日本医師会は、当然の如く反対論を展開している。その中で、株式会社の医療サービスの参入が「国民皆保険制度の崩壊」につながるとも指摘している。それはなぜか。

 公的保険でカバーされる治療は報酬があらかじめ決まっており、利益率はそれほど高くはない。そのため医療サービスを提供する株式会社は、利益の最大化のためには自由診療を積極導入することとなる。それは、医療は自由診療で行えば良いという風潮につながり、公的保険による診療を中心としている病院の経営が立ち行かなくなる。その結果、公的保険は無意味となり、国民皆保険制度は崩壊するというのである。

 すでにアメリカ政府は「2006年日米投資イニシアティブ報告書」で、日本政府に対し、混合診療の解禁を強く求めていた。混合診療とは、保険診療と全額自己負担となる自由診療を組み合わせることである。アメリカ側は、解禁を求めるにあたって、混合診療の解禁により、国民の医療支出が減少し、結果、医療の効率化が進んで医療保険制度の財政上の困難を緩和すると指摘しているのだ。

 しかし混合診療が導入されれば、折からの財政難と相まって、新規の治療法等については、もはや公的保険でカバーする必要性はない、という判断に傾きかねない。また、これまで公的保険によってカバーされていた治療法や薬品についても見直しがなされ、自由診療の範囲になる可能性も出てくる。

 そして衛生植物検疫措置(SPS)に基づく認可基準の引き下げが行われ、これまで日本では認可されていなかった医薬品や保険補助栄養剤(いわゆるサプリメント)が一挙に流入することになるだろう。また、アメリカ製の先進画像診断機器や先進体外診断用薬品の導入が強制されかねない。と同時に、そうした先進製品の有用性や迅速性を評価する加算制度への移行も求められる。

 つまり混合診療の導入は、公的保険給付の範囲を狭くする引き金となり、国民皆保険制度の崩壊のきっかけにすらなりうると考えられるのである。日本医師会は、株式会社の参入が進めば国民皆保険制度が崩壊の危機に直面すると指摘しているが、混合診療の導入にも同様の危険が潜んでいると思われる。これは利用者である患者にとって望ましい事態ではないだろう。実際、医療の自由化が進んでいる英国では、公的保険で利用できる病院は限られ、受診するために何カ月も待たなければならないような事態も起きた。同じことが日本では起こらない、という保証はない。

A63. 2011年10月22日 03:36:55: 44NSpIJNWA
小沢氏は元々自由貿易論者。
自由貿易論者である以上、TPPを全面反対する理由がない。
保守を謳っている連中は狭くなっていく日本のパイをどうやって補充するんだよ?
海外の市場に目を向けない政治家がいたらその時点で小物確定だ。

自分は安易にTPP反対とは言わない。メリットがあるなら交渉の価値はある。

⇒TPPに対する質問に答えた小沢氏は政界やメディアに警鐘を鳴らした―

 「菅さんが(TPPを)突然打ち出した。中味を知れば知るほど多くの人が時期尚早と考えるに違いない。どの内閣が(TPP政策を)とって(採用して)も命取りになる」。

TPP参加のメリットはごくわずかで、デメリットが圧倒的に大きい。

もしかして、あなたはごくわずかなメリットを受けるかもしれない関係者の方ですか。仮にそうだとしても、もっと大局的な見地から物事を見てほしい。
ちなみにあなたが考えるTPP参加のメリット・デメリットは何ですか。


66. 2011年10月22日 14:45:30: JkGni5S4SA

 TPPの24ある作業部会の一つが政府調達に関するものである。

 既存のTPPにも政府調達に関する章があり、内国民待遇と最恵国待遇が各参加国には約束されている。そしてTPP参加国が拡大した場合にも、現在の政府調達に関する原則は維持されると考える。つまり政府調達に関して、ほかのTPP参加国の物品サービスを、日本の物品やサービスと対等に扱うことが義務付けられ、さらにTPP非参加国の物品やサービスよりも不利に扱わないことが義務付けられわけだ。

 さらにTPP参加国への開放への対象となるのは、中央政府に関する調達にとどまらず、地方自治体に関する調達も含まれる。このことは2001年3月9日、松本剛明当時外務副大臣が参議院予算委員会でようやく明らかにした。そして、対象となる調達の基準額であるが、物品およびサービスについては5万SDR(SDRとは「特別引出権」という単位で、5万SDRは(750万円)、建設は500万SDR(7億5000万円)となっている。

 実は、WTOの政府調達協定に基づき、日本はすでに地方自治体を含めて政府調達を一部開放しているが、解放の基準額は高い。具体的には、物品およびサービスについては中央政府で10万SDR(1500万円)、地方自治体で20万SDR(3000万円)である。建設関係コンサルタントのサービスについては、中央政府で45万SDR(6900万円)、地方自治体で150万SDR(2億3000万円)とされ、建設については、中央政府で450万SDR(6億9000万円)、地方自治体で1500万SDR(23億円)とされている。

 このため、日本がTPPに参加し、既存のTPPの政府調達基準がそのまま当てはめられると、特に地方自治体レベルでの公共事業案件で、TPP参加国に開放される基準額が大幅に下がるため、TPP参加国の企業が大量に参入することになりそうだ。そうなると国内の建設業者、特に地方の建設業者が落札してきた公共事業案件がTPP参加国の企業によって落札されるようになり、地方の建設業界が大きな影響を受けることは避けられないだろう。そして地方は農業のみならず公共事業の面でも打撃を受け、疲弊に拍車がかかることが予想される。

 さらに、日本がTPPに参加した場合の政府調達への影響として指摘されているのが、国際競争入札の対象となる案件については英語で作成された必要書類のみを受理しなければならなくなるという可能性である。

 既存のTPPのどこにも、国際競争入札の対象となる案件については必要書類を英語で作成しなければならないとは書いていない。しかし日本において、国際競争入札の対象となる案件の必要書類を日本語のみで受け付けるとなれば、日本語が国際的に使用されている言語ではないため、TPP参加国、特にアメリカの企業から、日本語での書類作成を義務付けることによって実質的に海外の企業を締め出しているという指摘がなされ、英語での書類作成を義務付けられる可能性が十分にある。

 つまり、日本語が非関税障壁だというのである。もし、そのような事態になれば、地方自治体は英語での事務処理に対応できなくなり、地方の建設業者は英語での書類作成ができず、入札から事実上締め出されることになりかねない。


67. 2011年10月22日 21:26:40: leRLsU1iK2
21日の豊島公会堂の集会で確認したことは植草氏も自由貿易に関して否定しない。
小沢氏もセフティネットをきちんとしてから交渉に臨むべきと言う視点であるとおもいます。

しかし詳しく知れば知るほど反対するしかないと言うのが個人的な結論です。
米国はイラクから全面撤退します。

これから経済構造を変えない限りつまり戦争経済を変えない限り、神武景気以来の日本もそうですが、米国の経済は良くならないのです。

搾り取られるだけとられた後健全な日本はもうあり得ません。

どういう踏ん張り方をするのかは医療も戦後731部隊が各地に拡がった事実もあり、問題を抱えたまま成長していると言えるでしょう。

ワクチン接種問題も含めて何でも信じる日本人の社会は崩壊しかねない。

消された前川レポート『TPPに潜む危険性』 »

2011-10-19
<日本医師会が批判> TPPで国民皆保険が崩壊する!
<日本医師会が批判> TPPで国民皆保険が崩壊する!
http://ameblo.jp/jcp-s/entry-11046715518.html

政府・民主党が環太平洋連携協定(TPP)の参加を前のめりで進めようとしているなか、同党議員らでつくる「TPPを慎重に考える会」(会長・山田正彦元農水省)は12日、国会内で、日本医師会など4つの医療団体の幹部らを招き、勉強会を開催、

「究極の規制改革として危惧している」(日本医師会の中川俊男副会長)など参加への異論が噴出しました。

中川副会長は、TPPに参加すれば、混合診療の全面解禁による高額の自由診療の導入や医療の市場開放・国民皆保険の終焉(しゅうえん)などが危惧されると強調。「結果として、所得によって受けられる医療に格差がある社会ができる。日本医師会は、全力を上げて国民皆保険を守る」と表明しました。

日本薬剤師会の七海朗副会長は医薬品の安全性の担保などに懸念を示したうえで、「国民皆保険は憲法25条にうたわれている。

憲法の精神を曲げてまで参加するのはいいかがなものか」と述べました。

日本歯科医師会の宮村一弘副会長は「日本という風土でつくり上げてきた医療などの人間関係は、いったん壊れたら再びつくり上げるのは不可能だ」と語りました。

山田会長は冒頭あいさつで、「政府、党として早期に結論を出す動きが始まっている。(TPP参加は)単なる農業だけの問題ではない」と懸念を表明しました。

集会に参加した議員からも「農業ばかりが反対しているように見えるが、医療も危ないという危機感を共有した」「日本が米国の属国扱いされる国になるのではないか」などの意見が出されました。
【10月13日付「しんぶん赤旗 」に掲載】

日本の医療が危険にさらされている (日本医師会)
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110126_11.pdf

日本政府のTPP 参加検討に対する問題提起 (日本医師会)
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20101201_1.pdf


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米主導のTPP、主要な狙いは国民皆保険の解体
http://www.worldtimes.co.jp/col/siten2/kp110308.html

経済コラムー視点

米主導のTPP、主要な狙いは国民皆保険の解体

 環太平洋連携協定(TPP)の作業部会では24分野での関税・非関税障壁の撤廃を検討しているが、それに合わせる形で政府の行政刷新会議が6、7日に12項目にわたって最初の「規制仕分け」作業を行った。

 TPPの作業の中でも、国民生活に直結するのが農業と医療分野の障壁の撤廃である。

国民新党の副幹事長で医師でもある森田高総務政務官はこのほど、同会議で「病院経営に対するM&Aの自由化などが盛り込まれると聞いている」と明らかにした。

さらに、TPP作業部会では「病院経営の株式会社化、そして国民皆保険の解体、プライベート・インシュアランス(個人保険)の全面的な普及という、米国が日本に対して要求し続けた概念が相当入ってくると類推される」と指摘し、行政刷新会議がTPP作業部会と歩調を合わせる恐れがあることに強い警戒心を表明した。

 そのうえで、同じ医師である自見庄三郎金融大臣とともに、「毅然とした決意で医療人としても(国民の負託を受けた)国会議員としても反対していく」と国民新党の党是に従ってTPPを拒否する意思を明らかにした。

TPPに参加すれば、否応なしに日本の国民の生命を支えている国民皆保険制度は解体され、所得の格差どころか、生命(寿命)の格差まで引き起こされてしまうのである。

 これについては日本医師会も同じ認識だ。昨年12月1日に明らかにした見解によれば、「TPPへの参加によって日本の医療に市場原理主義が持ち込まれ、最終的には国民皆保険の崩壊につながりかねない」と警告、事実上TPPへの参加に反対している。

その理由として日本医師会は、

(1)保険診療と保険外診療を併用する混合診療の全面的解禁になって公的医療保険の給付範囲が縮小し、社会保障が後退する

(2)自由価格制を導入するため医療品や医療機器の高騰を招き、所得によって受けられる医療に格差が生じる

(3)医療の事前規制から事後チェックへの移行で、公的医療保険の安全性が低下する

(4)営利追求の株式会社の医療機関への参入を認めれば、医療の質の低下(保険診療ではコスト圧縮と医療の質を両立させることは極めて困難)や不採算部門の撤退、公的医療保険範囲の縮小、患者負担の増大などを招き、患者の不利益が拡大する

(5)医師や看護師、患者の国際的な移動が医師不足、医師偏在に拍車をかけ、地域医療を崩壊させる−などを挙げている。

 米国主導のTPPの主要な狙いのひとつが、日本の国民皆保険制度を非関税障壁として解体し、代わりに医療分野に市場原理を導入して米欧日の医療機器製造会社や医薬品会社、生保・損保など保険会社が巨額の利益を獲得することにあることを見抜かねばならない。

国民の財産であるかんぽの宿を不当に買いたたこうとしたオリックス・グループが、病院経営や保険など医療のあらゆる分野に進出してきているのはその象徴である。

(関連記事)
日本の医療が危険にさらされているhttp://www.jacom.or.jp/column/nouseiron/nouseiron110214-12528.php
ねらいは医療の市場化……世界の潮流に逆行するTPP参加
ttp://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/seisaku-kaisetu/110914tpp.html

TPP:医療団体も懸念 慎重議員ら会合に出席
http://mainichi.jp/life/health/medical/news/20111013ddm005020125000c.html



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