05. 2011年10月18日 16:07:48: YywBqRJTlM
小沢一郎は民主主義と自由主義、普通の国を目指しているだけなのだが 小沢一郎が主張している事は単純で、単純すぎるが故に難しい。そこが彼の最大の魅力だ。 彼の日本の真の民主主義実現に向けての熱意。民主主義を補助する形で存在する法治と云う観念(故に悪法でも従う姿勢)。 普通の国となり、自由に外交・経済を展開する事。 http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/3feab554b6157da4c65795de93fd9e73 旧自由党時代から小沢氏を支持していた私からみれば、当然の考え方だと思うが、 そうでない人から見れば、小沢氏はかなり厳しいことを言っているように見えるだろう。企業団体に対して補助金を出すより、個人に直接給付したほうが効率的かつ公平ですよ、という考え。 上久保教授がわかりやすく解説しているが、民主党自身が、小沢氏の考え方、あるいは旧自由党の公約を理解しているかどうか疑問。 ■「直接補助」政策を掲げる民主党政権の“踏み絵”〜業界団体を破壊するのか、取り込むのか 辻広雅文(ダイヤモンド社論説委員)【第84回】 2009年09月16日 地方における公共事業は、いわば“国内ODA”だと批判されることがある。 投下された資金は、族議員を始めとする有力者たち、業界団体であるゼネコンなどに幾度も中抜きされ、 地元の人々、家計には十分に回らない。 建設された箱物自体が必要不可欠なものではなく、経済活性化に役に立たないことが多いことも、ODAによく似ている。 では、どうすればいいか。 経済学的に言えば、最も効率がいいのは、直接家計におカネを配ることである。 そうすれば、おカネの配分権限を中間者に握られ、また中抜きされることもない。 不要な道路や公共施設建設に、資材や資源、労働力が無駄に使われることもない。 前者を「間接補助」、後者を「直接補助」と呼ぼう。 前者は戦後自民党が築き上げた国土均等発展、地域間や家計間の格差を是正する所得再配分システムである。 政治と末端の中間に位置し、双方を結び付け、分配する権力、裁量を握っていた代表例が農協、郵政、医師会、ゼネコンといった業界団体であった。 それに対して、民主党は、子ども手当ての支給、高速道路無料化、農家戸別補償などの直接補助政策を掲げている。 つまり、それは各種の業界団体を飛び越えて所得を再配分する政策である。 前者が、公共事業を通じて供給側(企業、産業)をテコ入れする手法であるなら、 後者は、需要側(家計、消費者)に焦点を当てる政策、と言ってもいい。 この直接補助政策を民主党は高らかに掲げ、総選挙に圧勝、悲願の政権を手にした。 そして、この未知なる与党には、ある「踏み絵」が待っている もう少し、説明を加えよう。 中間業界団体を通じて末端にまでおカネを回す間接補助政策は、二つの柱に支えられていた。 一つは、補助金、助成金などの特別な予算措置であり、もう一つは、法規制あるいは裁量規制によって生じる超過利潤である。 前述した農業、郵政関連事業、医療などが典型的な規制保護産業であったことは、言うまでもない。 ところが、日本経済が低成長時代に入り、そこにバブル崩壊が加わって長期低迷に至ると、 補助金や助成金などの優遇措置の原資である税収が減少した。 公債発行による借金も世界一の水準に達した。 そうして、税金が流れ出す蛇口は止まり、還流ルートは細る一方になった。 一つの柱が崩れそうになれば、もう一つの柱にしがみつこうとするのは理の当然である。 中間業界団体は、規制保護による既得権にますます固執するようになった――。 http://diamond.jp/series/tsujihiro/10084/ そこにメスを入れたのが、小泉政権であった。 構造改革によって、規制を外し、既得権を剥ぎ、生産性を向上させようとした。 長きに渡って二重の保護政策に使ってきた規制産業は、すっかり競争力をなくしてしまっていたからである。 経済の活性化を本気で志向する政府であれば、遅すぎるほど政策であった。 だが、後を引き継いだ三代の自民党政権は、小泉政権がさまざまな格差を拡大したと批判されると、 構造改革路線を次第に離れ、かっての間接補助型の所得再分配方式に回帰し始めた。 その結果、自民党は二つの相反する主張を持つ層からともに批判されることになった。 格差拡大に怒り、その是正が不十分だと不満を持つ層と、 構造改革路線が中途半端に終わり、既得権益層の逆襲が始まっていると批判する層である。 この二つの層がともに自民党を拒否し、民主党を支持した。 あるいは、巧みに民主党が引き込むことに成功した。 これが、総選挙における民主大勝の理由である。 しかし、この大勝によって、民主党は難問を抱えることになった。 相反する主張を持つ層に対して、どちらも満足させる政策を打つことなどできない。 どちらを向くべきなのか、踏み絵を踏まなければならないのである。 彼らの政策手法は、直接補助である。 上記したように、間接補助の仕組みは維持しようにも維持できない時代背景もある。 とすれば、おカネの流れから中間業界団体を外す傾向を強めることになる。 実際、農家に対する戸別補償は直接補助の最たるものであり、農協組織に多大なる打撃を与えることになるだろう。 小沢一郎代表代行も、農業改革における農協の存在を障害だと口にすることがある。 その狙いは、自民党族議員―農協―農水省という鉄のトライアングルの解体であろう。 また、民主党のマニュフェストには、厚労省と文科省に分かれている育児支援を一元的に担当する「子ども家庭省」の設置が盛り込まれている。 つまり、保育園と幼稚園の一元化である。両者の一元化によって、 それぞれに関係するあまたの協会、団体などを廃止し、助成金、補助金などを取り上げ、その代わりに、育児家庭に直接補助を行うのである。 http://diamond.jp/series/tsujihiro/10084/?page=2 このように中間業界団体を干上がるに仕向けて、自民党型の既得権益維持システムを破壊する方向に進むなら、 民主党は構造改革推進派の支持を重視する政権運営に舵を切ることになる。 ところが、構造改革による既得権益打破の象徴である郵政民営化に対しては、まったく逆の政策を遂行しようとしている。 国民新党を連立に加え、日本郵政の4分社化は凍結、西川善文社長を辞めさせ、一体化にまで逆行させようか、という意気込みである。 これらの正反対の政策の混在を、どう考えたらいいのだろう。 総選挙で大勝したことで抱え込んだ踏み絵という難題を、まだ整理できていないのかもしれない。 そうではなくて十分理解しているのだが、例えば日本郵政の労組を始めとして支持、支援してもらった団体には配慮せざるを得ない という政治的リアリズムゆえかもしれない。 もっとずる賢く、農協外しや育児支援一元化という先制パンチを、他の業界の中間団体がどれほど恐れ、恭順の意を示すのかをじっと観察し、 いずれ取り込みを図ろう、という心積りかもしれない。 この場合は、いくつかの既得権維持システムは変形されて、民主党に引き継がれることになるだろう。 おそらく、こうしたさまざまな事情、思惑が民主党内部にうず巻き始めているのだろう。 最後に、もう一度、直接補助政策の特質に立ち戻りたい。 間接補助政策からの転換を図るということは、その産業を保護している規制を外せるということである。 技術革新を生み、生産性が向上するような自由競争的な市場を制度設計できるということである。 それは他方で、正当な競争の上に敗れた企業には退出を促し、 雇用維持のための過剰な政府支援は行わないという自由主義的冷淡さを併せ持つ政策である。 しかし、その一方で、個人が仮に失業しても生活を維持し、なおかつ職場に復帰できる支援システムを社会保障政策として遂行する、 つまり、個人に直接補助し、護る、という政策である。 旧産業再生機構の専務を務め、現在は経営基盤共創基盤センター代表である冨山和彦氏は、直接補助政策の本質を、 「企業や産業を競争に追い込み、生産性向上をひたすら図ってもらうと同時に、 個人に対する高福祉高負担が両立する政策だ」と表現する。 この本質を民主党が理解しているか、その一点を注視したい。 http://diamond.jp/series/tsujihiro/10084/?page=3 |