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世界で起きる“反格差デモ”金持ちVS貧困の戦いなのだろうか
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/33e9aa8a0e051b99ce1b7e10496f3784
2011年10月17日 世相を斬る あいば達也
NY・ウォール街に端を発した「格差社会」を糾弾するデモは、オキュパイ・トウキョウ(東京を占拠せよ)と云う僅かな有志によって「99%のための社会を!」をテーマに、数百人がデモをした。急場デモとしては、それなりに人は集まったと評価しておこう。米国発の運動であり、世界的現象になりつつあるだけに、ニュースバリュウがあると云う事で、例のマスメディアと呼ばれる連中も大挙二、三百人訪れ、その様子をカメラに収めていた。何やら少々間抜けな時空さえ感じた。
デモの主宰者の考えでは、特にテーマを決めない事から始めようと云う事のようだ。今ある不満を表現する場、と云う位置づけと云う事なのだろう。その所為かNYにおける「格差社会」への怒りを表明するデモと異なり、自由放任とでも云うか、参加者夫々が各自自分の主張を訴えると云う変わったデモになった。これが特徴といえば特徴のデモなのだが、“居酒屋の愚痴デモ”と揶揄するのは礼を失するのかもしれない。
しかし、「原発反対」「TPP断固反対」「高校授業料無償で継続」「貧困撲滅」等々となると、どうも今ひとつ判らなくなる。立ちあがって、自己表現する事は大切であり、民主主義の原点なのだから、このような傾向が続くことは、日本の民主主義の成長には欠かせないのだろう。個人的には、『オキュパイ・トウキョウ(東京を占拠せよ)』と云う言葉の響きが、何処かクーデター的臭いを感じて“はてな?”と思う。“トウキョウ”を“カスミガセキ”、“ケイダンレン”、“ナガタチョウ”等々の言葉に置き換えた方が、既得権勢力の横暴への怒りが、的確に表現できるような気がする。漠とした表現の場も必要だろうが、漠とし過ぎると“何が何だか判らない”事になり、気晴らしの場になってしまう嫌いがあるだろう。
まぁ成長の糊代を失った世界への、若者の怒りの表現と云う側面には共感を覚える。既得権を堅持したい勢力や富裕層と呼ばれる人々の“彼等には努力や勤勉の欠片もなく、ただ不満を鬱積しているだけ”と云う分析は、自分達の階層において通じる論理であり、立ち上がる99%に象徴される人々には通じない論理だ。読売新聞が珍しく、直接取材で、NY格差デモの仕掛け人にインタビューをしている。また、産経新聞も珍しく地球規模の世代間格差について、真っ当な記事を書いている。
≪ 反格差デモ仕掛け人「今後数週間で明確な要求」
【ニューヨーク=吉形祐司】米ニューヨークから世界に波及した「格差是正」を求めるデモは7月中旬、数々のキャンペーンを展開する社会派の雑誌「アドバスターズ」(カナダ・バンクーバー)がホームページで呼びかけた。仕掛け人となった創刊者カレ・ラースン氏(69)に電話で狙いなどを聞いた。
――なぜ「ウォール街占拠」を呼びかけたのか。
「ウォール街は資本主義の象徴。2008年の金融危機の根源で、世界に影響を及ぼした。ウォール街に対しカナダからも戦いを挑む権利はある。5月から7月にかけて計画を練った」
――デモは手慣れた人が組織しているように見える。
「中核の数人は欧州各地のデモに参加し、組織化や食料供給などを学んだ。米国で爆発的な支持を得て運動が生命を得た」
――急速に世界に広がったのはなぜか。
「当初から(ネットで)デモを生中継した。ネットでの情報発信は非常に強力かつ重要な要素だ」
――具体的な要求に欠けるとの批判もある。
「今後、数週間で明確な要求が出る。今月29日に世界中で数百万人規模のデモを行い、(投機目的の)金融取引に1%の税金を課すよう要求する。今の世界経済は地球規模のカジノだ」≫( 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20111016-OYT1T00529.htm?from=main1
≪地球を一周 親より貧しい世代の反乱
【ロンドン=木村正人】米国からアジア、欧州と世界を一周した反格差社会デモはインターネットの威力とともに「親より貧しい世代」の不満がくすぶっていることを浮き彫りにした。大きな家や高級車は届かぬ夢となり、授業料の値上げや就職難という現実が目の前に立ちはだかる。未来に希望を抱けなくなった若者 世代が景気低迷や債務危機をきっかけに構造的矛盾に気づかされ、世界中の街頭で反乱を起こした格好だ。
国際コンサルタント会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が最近、英国の「1963年生まれ」と「93年生まれ」の世代の所得を比較したところ、65歳の時点で93年生まれは25%、金額にして40万ポンド(約4900万円)も63年生まれより貧しくなるという結果が出た。 第二次大戦が終了した46年から60年代半ばまでの出産ブーム時代に誕生した「ベビー・ブーマー世代」は無料の教育費、緩やかに上昇する不動産市場など の恩恵を享受できた。これに対し、その後の「バスター世代」は目先の大学授業料値上げだけでなく、不動産バブル崩壊、将来の年金削減に直面するとPwCは 分析する。
今年4月の米世論調査会社ギャラップの調査でも、55%の米国民が「所得・住宅・教育面で子や孫の世代は自分たちの世代より貧しくなる」と答えていた。 7〜8月に英BBCラジオ番組で「親より貧しい世代」を特集した米国出身の人気財務コンサルタント、アルビン・ホール氏は「若者たちは親世代は幸運だっただけと考え、自分を取り巻く環境にひどく怒っている。革命が起きてもおかしくないと語る親世代も少なくなかった」と報告した。
スペインでは若者世代の失業率が43%に達するなど、金融・経済危機の後遺症をひきずる先進国では、15〜24歳の失業率は25歳以上の3〜4倍にのぼる。
高齢化で年金や医療費の予算が膨らみ、各先進国は財政赤字を埋めるため国債を大量発行。一方で財政健全化に教育費など将来世代への投資を削っている。
英国では大学授業料が約3倍の年9千ポンドに値上げされ、昨年12月に若者の暴動が起きた。イタリアでは大学予算削減やスキャンダルまみれのベルルスコーニ首相に対する若者の不満が渦巻いている。
世代間の経済格差に気づかされた若者が自分たちの声を政治に反映させようにも人口構成上、有権者の中では少数派にとどまり、街頭を占拠して声を上げるしか道がない。インターネットを通じた「Occupy(オキュパイ=占拠せよの意)」という呼びかけに欧州やアジアの若者が一斉に反応したのは、構造的な矛盾へのいらだちを共有しているからに他ならない。≫(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111016/amr11101619500004-n1.htm
読売のインタビューからは、NYのウォール街占拠デモには、それなりのターゲットと目的がある事が判る。共和党のテーパティーの向こうを張った趣さえ感じ、幾分大統領選を意識した運動の臭いも感じられる。それに対して、産経の記事を読んでみると、NYとは必ずしも目的を一致させない動機のようなものも見えてくる。
最終的に筆者は、地球上で何が起きているかと云う俯瞰的認識が必要な時期が来ているのかもしれないと思う。その問題は、政治経済と云う枠組みで対応する問題と云うより、社会文化哲学思想的領域の問題になりつつあるようだ。先進国家の世代間人口構成のいびつさ、緩やかな成長が構造的に約束されていた世代VS成長を失った若者世代と云う図式がある。悪夢のような、米国軍産複合のリーダーらによる、“第三次世界戦争”の陰謀等と云う話も、閉塞した世代間問題をブレイクスルーする一便法として、語られる素地になっているのだろう。逆に、アフリカや後進国においては、膨大な人口増が問題になると云う皮肉さえ生まれている。その意味では、地球上に、まったく異なった人類が存在している錯覚に陥る。
“先進国家の世代間人口構成のいびつさ”において、典型的国家が我が国・日本である。本来であれば、「高齢者VS働き盛り・若者」の利害対立が最も先鋭化されても不思議ではない人口構成であるにも関わらず、どこか先鋭化すべきものが、どんよりとしている。その原因が、今どきの若い連中は意欲・気力・能力がない等と、短絡的に語るは愚かだ。長くなったので、続きは明日語ろう。
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