02. 2011年10月16日 17:45:36: 3CNLte9sGM
>私は被曝については武田氏の意見が正しいと見る日本ではマスコミが報道するリスク(ここでは放射線)以外のリスクが見えず 思考力0の安全厨が多い dahttp://d.hatena.ne.jp/NATROM/20110822 2011-08-22 1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が2倍に増える? ■[トンデモ]「1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が2倍に増える」? 31 武田邦彦氏が、「1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が2倍に増える」と主張している。 ■武田邦彦 (中部大学): 甘く見られないように(2)・・・「どうせガンは多いのだから」 1年で死亡する日本人は、約110万人だ。人口が1億2000万あまりで、平均寿命が83歳ぐらいで、今でも少し平均寿命が延びているので、計算はおおよそ合っている。 その中で、死亡の原因がガンの人は、男性が20万人、女性が13万人で合計33万人だから、ちょうど30%に当たる。私が国会の委員会で参考 人陳述をしたとき、原子力安全委員長を経験した高官が同時に陳述をしたが、そのときに「ガンは30%、あるいは50%と言ってよい」と自分の論旨に都合の 良いように数字を誤魔化していた。 病気や公害などでの被害者数を示すときには「10万人あたり」で示すことが多いが、ここではもっと直接的な感覚で比較したいので、福島原発で被曝した人(多い人も少ない人もいるが)が日本人の10分の1ぐらいとして1000万人を基準としたい。 そうすると、ガンが死亡の原因となる人は「1年に2万7000人」である。これに対して、1年1ミリ被曝した人がガンにかかる確率は0.5% で、これは放射線防護のお医者さんも、マスコミ、私も同じ数字を使っている。つまり、1年に100ミリの被曝をすると、1000万人で5万人がガンにな る。 ただ、ガンになっても治癒率(5年間にガンが再発しない比率)は適切な治療を受けたときには6割、治療を受けない人も含めると4割とされているので、3万人が被曝によってガンになり、それが原因して死ぬ可能性が高いことを示している。 【第一結論】 1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能が2倍に増える。 1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が2倍に増えるという結論は誤りである。この誤りは、直接的には、100 mSvと1 mSvを取り違えたこと、および、生涯死亡率と年あたりの死亡率を取り違えたことに由来する。しかし、根本的には、武田邦彦氏が、LNT(閾値なし直線)仮説、および、疫学全般について理解していないことに由来する。単なる計算違いとか、思い違いとかではない。 現在の日本人の、全死亡における癌死の割合が30%というのは正しい。人口が1億2000万人中、年間の癌死が33万人であるので、1000万人あたりでは年間の癌死が2万7000人というのも正しい*1。問題は次。「1年1ミリ被曝した人がガンにかかる確率は0.5%」という時点ですでに誤りである。「放射線防護のお医者さんも、マスコミ、私も同じ数字を使っている」とあるから、おそらくは、ICRPによる数字なのであろう。 ICRPによるリスク係数は、1シーベルトあたり5.5%とされている*2。 新聞等の報道では、丸めて1シーベルトあたり5%とされていることが多い。直線仮説に従えば、100 mSvあたり0.5%、1 mSvあたり0.005%である。ここで武田氏は、100倍ほど誤った。どういうわけだか、「1年に100ミリの被曝をすると、1000万人で5万人がガ ンになる」という部分だけは正しい*3。武田氏の言い方にならえば、「1ミリの被曝をすると、1000万人で500人がガンになる」というわけである。 また、1 mSvで0.005%というのは、生涯の癌死のリスクである。「1年間と一生を隠して比較している」ことがトリック だ、と武田氏は書いているが、武田氏自身がこの誤りに陥っている。「1ミリの被曝をすると、1000万人で500人がガンになる」というのは、生涯での話 で年間の話ではない。にも関わらず、年間のものとして計算しているので、被曝のリスクを過大評価している。 生涯の癌死の割合を30%、ICRPによるリスク係数に従って1 mSvの被曝で0.005%だけ余計に癌死するならば30.005%である。よって、「1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性」は2倍ではなく、 1.00017倍である。ただし、1 mSv/年の被曝とすると、経年で累積するので話は変わってくる。1 mSv/年の被曝が30年続いたとしたら、累積の被曝量は30 mSvとなるので、癌死の相対リスクは1.005倍である。仮に20 mSv/年の被曝が30年続いたとしたら、累積の被曝量は600 mSvとなるので、癌死の相対リスクは1.1倍である。20 mSv/年の被曝が何年間も続くことを許容している専門家は、私の知る限りではいない。 相対リスクが1.1倍であろうと、1.005 倍であろうと、「どうせガンは多いのだから、たいしたことはない」としてはならない。その点についての批判であれば、理解できないでもない。しかしなが ら、武田邦彦氏は、低線量放射線被曝以外のリスクについては、「たいしたことはない」という立場に立っている。「数字では少しわかりにくいが、0.02% というと『タバコを吸っても肺がんにはならない』ということになる」*4「一日煙草一本という毒性は「毒性がない」と表現しても間違いではないほどの弱い毒性である」*5など。主張の一貫性はない。能動喫煙は本人の意志によるものであるが、後者の「弱い毒性」というのはダイオキシンの暴露の話である。受動喫煙についても、「副流煙の被害自体が不明確で、原因も不明。従って、国際的には規制を作ることができない段階」*6と書いている。 あるいは、ICRPはリスクを過小評価している、という批判なら理解できなくもない。しかしながら、「放射線防護のお医者さんも、マスコミ、 私も同じ数字を使っている」と書きながら、「1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が2倍に増える」と結論するのは、まったく理解できない。 そもそも、武田氏は、「1年1ミリなら、部分的に高い場所などに時々、接しても大丈夫」*7と書いていたが、「ガンにかかって死ぬ可能性が2倍に増え」ても大丈夫という意味だったのであろうか?職業的に放射線を浴びる人の基準として年間20ミリシーベルトという数字を挙げていたが*8、職業人なら「ガンにかかって死ぬ可能性が40倍約20倍に増え」ても許容範囲内だとお考えなのか?それとも発癌の相対リスクについて、今回初めて計算したのであろうか?だとして、過去に書いたこととの整合性は気にならないのであろうか? 今回明らかになった問題点は、武田邦彦氏が、LNT(閾値なし直線)仮説について、まったく理解していないことである。LNT(閾値なし直 線)仮説について少しでも理解していれば、「1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が2倍に増える」という誤りは絶対にしない。なぜか。
LNT(しきい値なし直線)仮説の模式図 ■LNT(しきい値なし直線)仮説について ― 放射線安全研究センター ―より引用 LNT(閾値なし直線)仮説とは、低線量(具体的には100 mSv以下の線量)のリスクは不明であるが、高線量で観察されたリスクを外挿して、低線量でも影響があると考えて放射線防護を検討しようという考えであ る。なぜ、低線量のリスクが不明なのか?リスクが疫学的に観察できないからである。つまり、リスクが無いのか、リスクはあるが小さすぎて検出できないか、 わからないのである。もし仮に「1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が2倍に増える」ほどのリスクがあるとしよう。全癌のリスク2倍とは、 べらぼうな数字である。能動喫煙ですら約1.6倍である。そのような強い害があれば、疫学的に観察できる。 また、「直線」とあるように、LNT(閾値なし直線)仮説に従えば、リスクは被曝線量に比例して増えると考える。「1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が2倍に増える」とすれば、「1年10ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が20倍約10倍に増える」「1年100ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が200倍約100倍に増える」ことになる*9。自然発生分で癌死リスクは30%であるから、200倍はもちろん、20倍になど絶対にならない。LNT(閾値なし直線)仮説の元となった原爆被曝者を対象にした疫学調査では、1000ミリシーベルトを一度に被ばくすると全固形がんの発がんリスクが1.6 倍に増加するとされている*10。こうした数字を少しでも知っていれば、「1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が2倍に増える」という計算結果になったときに、何かおかしいと気付くであろう。 武田氏が陥った誤りは、単純ミスやちょっとした計算間違いではない。たとえて言うならば、 400円の商品と1200円の商品を買うと、合計は400万1200円になります。全体としては間違いがないと思いますが、もし詳しい方がおられたらチェックをお願いします。 というものである。こういう計算をする人を、レジ係にしたいであろうか。
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