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名前だけは仰々しい環太平洋パートナーシップ協定(TPP)。環太平洋と称しているが、現在の加盟国はニュージーランド、シンガポール、ブルネイとチリの4カ国。アメリカは新たにそこに加盟して、ニュージーランドと共に、日本と韓国をターゲットに自国の「絶対標準」を受け入れさせたいそうだ。これは既に、ニュージーランドからの公電として、ウイキリークスで暴露された事実である。
環太平洋と言えば、日本以外にカナダ、メキシコ、ロシア、中国、台湾、インドネシアなど二十カ国以上になる。だが、現在新たにTPP参加について交渉の椅子に着いている国は、アメリカ以外では、僅かにオーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアの4カ国に過ぎない。お隣の韓国はもちろん、カナダ、タイなどはTPPではなく、二国間協定であるFTAを、世界の各国と締結する賢明な政策を進めている。
マスコミや一部の売国奴政治家はTPPを巡る対立を、経産省・経団連・製造業と、農水省・農業の対立に矮小化してきたが、そんな単純な話ではない、労働市場、医療保険、金融資産、弁護士業務などの分野で、アメリカ基準を日本に飲ませ、アメリカの雇用を増やす。これがオバマ政権の意図するところである。アメリカは戦略的にTPPを活用し、自国の経済発展を考えている。共存共栄など考えてはいない。
一方、日本はどうだ。13日の毎日新聞は「米大統領:TPP参加を野田首相に迫る 首脳会談で」とのタイトルで、オバマ大統領が9月21日にニューヨークで行われた日米首脳会談で、野田首相に対し早期の交渉参加を要請していたことが12日、分かったと報道した。また、安住財務相はルース駐日大使に「野田政権の次の課題はTPP交渉参加だと考えている」と13日の会談で述べたそうだ。
これでは、TPP交渉に参加すると言っているのと同じではないか。野田首相とオバマ大統領の会談は、会談ではなくアメリカによる恫喝だったとも言われている。だから安住財務相の馬○が、尻尾を振ったのだろう。それを裏付けるのが普天間基地移設問題で、最低でも県外を唱えた鳩山首相を裏切った岡田元外相が、TPPに参加しない場合日米関係に影響が出る可能性があるとの見方を示した、という報道である。
この二人に輪を掛けた馬○が玄葉外相。「アジア太平洋の40億人を日本の内需と考え、外に目を開いてTPPで打って出ないと、子供や孫達に豊かさを引き継げない」と述べたそうだ。中国、インド、インドネシア、メキシコ、カナダ、ロシアなどが加入すれば、それは40億人になるだろう。だが、それらの国々の政治家はTPPに見向きもしていない。外相ならば、アメリカだけでなく世界の動きを見ることだ。
TPPを第二の開国などと呆けたことを言った首相がいたが、日本の平均関税率は欧米よりも低く、国は十分開かれている(政治評論家中野剛志・毎日新聞2月3日)。そして参加交渉をするということは、既にある協定がベースになる。そして、そこには物品貿易の全品目について、即時または段階的な関税撤廃を求め、加えてサービスや人の移動なども対象にしている。
つまりTPPに加入すると言うことは、独立国なら当然持つ自主関税権を放棄することを意味する。徳川幕府による開国・日米和親条約に戻ると言うことになる。また、TPPに加入すると、関税ゼロになり輸出産業が潤うというがこれは全くの嘘だ。アメリカを除いてTPP参加国に大きな購買力はない。日本の輸出競争力が無いのは、関税の問題ではなく、為替レートの問題なのである。
TPPに経団連が賛成するのは、製造業の輸出を重視するからではない。ベトナムなどから低賃金労働力を輸入し、派遣労働者よりもさらに安い労働力を求めているからだ。この安い労働力の流入をはじめ、医療・保険分野への営利企業の参入、安全でない食品の輸入、外国人弁護士の流入など、TPP加入による影響は多方面にわたる。日本の農業が壊滅的な打撃を受けるかどうかだけの問題ではないのである。
TPPが日本経済の多方面にわたり影響があると言うのは、誤解だという釈明問答集の原案を政府が纏めた。一部に誤解はあるかもしれないが、「他国から一方的に求められることは想定しがたい」とか、ただ単に「議論の対象外だ」とか、希望的観測に基づいた、何も根拠を示さない釈明が並んでいるだけのようだ。TPPが本当に良いものなら、他の環太平洋諸国が先を急いで交渉のテーブルに着いているはずだ。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?n=115990
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