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取調べの全面可視化が必要で、かつ有益な理由
http://ameblo.jp/gusya-h/entry-11048506583.html
2011-10-15 11:05:12 弁護士早川忠孝の一念発起・日々新たなり
よくぞ昨日の法廷で石川被告が隠し録りした録音を再生してくれたものだと感謝している。
指定弁護士側と弁護側がそれぞれに法廷で再生する部分を事前に指定していたのがいい。
だらだらとすべての録音部分を法廷で再生されたのでは、疲れるだけで、しかも不得要領に終わってしまう。
限られた時間で要領よく録音部分の肝の部分を再生するからこそ、裁判官や指定弁護士、被告及び被告弁護団のみならず傍聴人にも中身が理解できる。
勿論、再生されなかった部分にも重要な供述があるかも知れないから、すべての録音分を書き起こした反訳書が必要になるが、これは早口で朗読する程度でも足りる。
私はかねてから取り調べについては全面的に録画、録音を実施し、取り調べの可視化を進めるべきであると主張してきた。
そんなことをすると被疑者との人間関係の構築が出来ず、被疑者や参考人が本当のことを言わなくなる、組織的な犯罪の場合には誰が喋ったのかが関係者に筒抜けになり、どういう仕打ちを受けることになるかも分からない、取り調べの状況を全部録音したり録画するようになると、捜査もやりにくくなるが、裁判所や弁護人の手間も現実には大変になる、などなどの理由を挙げて、捜査当局は取調べの全面可視化に抵抗しているが、今回の石川被告の隠し録り録音の再生を経験して私はやはり取り調べの全面可視化は不可避であり、かつ有益であることを確信した。
石川被告が有罪判決を覚悟し、しかも有罪判決を受けた場合の不利益を最小限に止めるためにはどうしたらいいのかなどの方策を様々に考えていた様子が赤裸々に再現された。
この部分を聴くだけで、事件の大筋を読むことが出来る。
再生された部分をなぞるだけで、この裁判の帰趨をある程度占うことが出来る。
第一に水谷建設から1億円の献金を受けたという話について、大久保被告の供述に不審感を抱いていたこと、水谷建設から5000万円を自分が受け取っていたとされていることについて当時から石川被告が強く反発し、抗議していたこと、第二に、収支報告書の作成について小沢氏に報告し了承を求めたことがあるが、本人の認識では3分程度のごく短い時間であったこと、第三に、小沢氏に報告了承を求めた時期については最終的に大久保被告の供述に合わせたが、本当は平成16年の12月のことだったこと、などが明らかになった。
被告弁護側は、あくまで石川被告等の検面調書に任意性がないことの証明としてこの録音を利用したいはずだが、裁判所でこの録音が証拠として採用された以上は、この録音に残っている石川被告の供述全体が証拠になったということである。
勿論、それぞれの供述の信用性についての判断はこれからだが、私の見るところ、裁判所は法廷で再生された石川被告の録音の証拠価値を高く見る。
次回公判期日で石川被告が証人として証言するようであるが、指定弁護士の主尋問と弁護人の反対尋問の巧拙でこの裁判の帰趨が決まる。
取調べを全面的に可視化すれば、供述調書の任意性について延々と攻防を繰り拡げる必要がなくなる。
これまでは供述調書に争いがある場合は、事件の真相の解明は棚上げして、検察官や警察官の取り調べ状況についての証拠調べに公判期日の相当部分を取られていた。
供述調書の任意性や信用性に争いのある刑事事件の裁判は検察官や警察官の尋問なのか、と錯覚するような事態である。
裁判を傍聴している人たちは、狐につままれたような者だったろう。
なんてこんなつまらない証人尋問が行われているのか、などと思われた方もおられるかも知れない。
法律家にとっては実に大事な争点に係る証拠調べなのだが、事件の真相を知りたいと思っている人にとっては裁判所は実につまらないことをやっているところだ、などと思われるかも知れない。
取調べが全面的に可視化されると、取り調べをした検察官や警察官を証人に呼んで被告人が取り調べの時にどう言っていたのか、間違いなくこれを供述調書に記載したのか、取り調べにあたって暴力を振ったことがあるか、何か引っ掛け質問や誘導尋問で相手に間違った供述をさせたのではないか、などなど取り調べ状況についての証人尋問など一切不要ということになる。
いつまでも核心に触れない裁判をダラダラと続けるのは良くない。
無実の人、無辜の民をいつまでも裁判の場に引き出し、あるいは裁判の場に止めおくことはいけない。
同時に、犯罪があるのにこれを見逃し、あるいはダラダラと裁判を続け、結果的に法に基づく正義の執行を遅らせたり、無意味のものにさせるのもいけない。
真相の解明、真実の追及を急ぐべきである。
そのためにも、取調べの全面可視化を改めて求める。
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