http://www.asyura2.com/11/senkyo120/msg/696.html
Tweet |
予算編成権を財務省から取り上げよ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/22672
2011年10月16日(日) ドクターZは知っている 週刊現代 :現代ビジネス
'12年度一般会計予算の概算要求が9月30日に締め切られた。要求総額は過去最大の約99兆円である。
概算要求とは、各省庁が政策実施のための経費を要望書にまとめて財務省に送付すること。例年は8月末が締め切りだから、今年は1ヵ月遅れたことになる。
政権交代前は、竹中平蔵氏率いる経済財政諮問会議で策定する「骨太の方針」が事実上の予算編成方針と位置づけられ、それに基づいて概算要求基準(シーリング)が設定されていた。同諮問会議が予算編成の主導権を財務省から奪っていたのだ。また、「骨太」が反映された'02年から'08年度予算までの一般会計の歳出(当初予算ベース)の伸びは対前年度比で平均0・1%と、ほぼ横ばいだった。
政権交代後は同諮問会議が事実上の休会になり、予算編成の主導権は再び財務省に握られた。そのため、各省庁の大臣が議論を戦わせる場がなくなり、政府全体の方針が見えなくなった。さらに、財務省がしっかりしたシーリング作りを放棄したため、各省庁は従来の要求項目にマニフェスト事項を上乗せして概算要求を行うようになった。そのため、民主党政権下で作られた'10年度予算の一般会計歳出は前年度比4・2%増となったのである。
はっきり言おう。政権交代によって財務省が予算編成の主導権を取り戻すと、予算は膨らんだ。財務省は予算編成が下手なのだ。かつての高度成長時代、大蔵省は有り余る税収を配分すればよく、各省庁の既得権に斬り込む必要はなかった。だが現在は税収が減り、既得権にメスを入れなければ、まともな予算を組めない。
にもかかわらず、財務省自体が役所であり、霞が関の既得権の内側にいるから、本気で戦う気はないのだ。例えば、各省庁の特殊法人は当該省庁の天下り先であり、既得権の塊だ。だが同時に、財務省の役人が財務担当の名目で天下る場所でもある。だから他省庁の特殊法人も切れないのだ。
しかも、法学部卒が大半を占める財務省には財務のプロはいない。いかにも予算を削っているように見せかけているが、実際にはシーリングに沿って各省庁の会計課が予算を圧縮しているのが実態だ。概算要求額が過去最大の99兆円にまで膨らんだことを受けて安住淳財務相は「鬼になる」と意気込んではいるものの、役人たちは既得権にメスを入れる気などない。歳出増は必至だろう。
逆に言えば、財務省は予算を抑えることができないから、増税に走るのだ。手強い既得権者との戦いを放棄し、立場の弱い一般庶民からむしり取ろうという安易で志の低い発想だ。
そうしたなか、前原誠司政調会長がJT株やエネルギー株を売却して税外収入を2兆円積み上げ、増税幅を圧縮するとぶち上げた。この手法はかつての小泉政権を彷彿とさせる。小泉時代には、上げ潮派と呼ばれる政治家がしばしば埋蔵金などを掘り出し、増税なしの予算編成を後押しした。
一説では、前原氏の背後には竹中氏がいるという。そうなると、かつて予算編成の実権を竹中氏に奪われた財務省は黙っていない。「ノーサイド」を掲げて党内融和に腐心する野田政権内部で、財務省vs.前原・竹中連合の予算編成権争奪戦が勃発しかねない状態だ。
ただし、野田総理はもちろん財務省に味方する。財務省もすでに「どうせ八ッ場ダムと同じことになる」と言いふらしている。勝負の行方は見えている。膨らんだ歳出を口実にして、財務省は増税への道をひた走るのだろう。
「週刊現代10月22日号」より
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK120掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。