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「私はあなたの意見には反対だが、それを主張する権利は命をかけて守る。」とヴォルテールが言ったと言われるが、エミール・ゾラも、「ドレフュス」事件」に際して、ドレフュスという軍人を擁護したわけでなく、裁判そのものの不当性を批判したに過ぎない。これは微妙な差異だが重要な差異である。
繰り返しになるが、小泉純一郎政権は、出身派閥が「清和会」(旧福田派)であったにもかかわらず政権基盤が弱かったために、政権維持のために、飯島勲という秘書官を先頭に、数々のダーティワークに手を染めたように思われるが、その悪弊の一つが、テレビや新聞を対象とした言論統制であり、言論弾圧であることは明らかである。
それは、安倍政権、福田政権、麻生政権、そして民主党による政権交代後の今も踏襲されているように思われる。新聞やテレビでは、経済政策などを中心に、それまで激しい論戦が戦わされるのが普通であったが、小泉政権誕生を転換点に、テレビや新聞から、小泉政権の政策に批判的な人間が、たとえばそれまで頻繁にテレビに登場していたエコノミストの植草一秀が痴漢疑惑で逮捕され、有罪の判決をうけてたのを初め、次々に社会の表舞台から消えて行ったことは記憶に新しい。
その結果、新聞やテレビの言論空間が、小泉構造改革路線擁護論一色になったことは言うまでもない。そこに「官房機密費」が投入されたのかどうかは証拠がないからわからないが、しかし何らかのものが動いたことは間違いない。現在も、たとえば、新聞やテレビは「小沢一郎批判」一色である。
小沢一郎批判が悪いわけではない。問題なのは、たとえば、「小沢一郎擁護論」を展開するジャーナリストや文化人がいると、すぐに、テレビ画面から消えるという問題である。明らかに言論統制や言論弾圧が行われているのである。「言論・表現の自由」のないところに民主主義は存在しない。
ヴォルテールの有名な言葉に、「私はあなたの意見には反対だが、それを主張する権利は命をかけて守る。」というものがあるが、と言っても厳密にいうと、ヴォルテールがそういったかどうかは明確ではないらしいが、それはともかくとして「言論・表現の自由」は、民主主義だけではなく、人間社会が暗黒社会にならないために必要不可欠な最低限の人間的権利だと言わなければならない。
これは、言い換えれば、言論表現の自由が奪われる社会は健全な社会ではないということだ。その意味で、小泉政権以後、現在に至るまで、日本社会は、あるいは日本という国家は健全な社会でも健全な国家でもない。言い換えれば、「言論表現の自由」という先進国としての最低限の原理原則まで侵害しなければならないほど、現在の日本国家は弱体化し、危機的状況に追い詰められているということだ。
僕は、特殊な場合には、理論的には、言論表現の自由が制限されることがあってもいいと考える。しかし、そこまで追い詰められるということは、国家として破滅的事態に直面しているということだ。「小沢事件」や「小沢一郎暗黒裁判」が明らかにしたのも、じつはその問題だといっていい。
マスコミの全員一致の小沢一郎バッシング報道も、検察や裁判所の暴走も、明らかに常軌を逸している。何故、そこまで、「小沢一郎潰し」に向かってマスコミや検察が夢中になるのか。何故、マスコミは反論や論争まで排除し、議論や討論を許そうとしないのか。何故、裁判官が裁判のルールまで無視して有罪判決へ暴走しなければならないのか。
昨日から今日にかけて、次のようなメールが配信されてきた。先日、「小沢一郎秘書全員有罪判決」の直後、「山崎康彦」という一般市民ジャーナリストの司会による「小沢一郎と一般市民との座談会」が行われて話題になっていたが、その録画をユーチューブにアップしていたところ、突然、昨日、著作権もない第三者(会社)の抗議によって削除されたそうである。不思議な事件である。言うまでもなく、これもまた小沢一郎の政治活動や言論活動を妨害し、弾圧しようとする言論統制、言論弾圧の一種であろう。
しかし、現代は、「田中角栄裁判」の時代とは異なる。新聞やテレビが、一致団結して一方的に騒ぎ立てても、その情報をそのまま受け取る人はそんなに多くない。「山崎康彦」等のネットによる言論活動が象徴するように、新聞やテレビの報道を批判的に受け止め、それにネットを駆使して対抗しようとする一般大衆がいる。僕は、新聞やテレビ、あるいは検察や裁判所こそ追い詰められているのだと考える。
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20111011/1318309999
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