http://www.asyura2.com/11/senkyo120/msg/503.html
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「女性の権利を盾に女性を含む国民の権利を踏みにじる遺族年金消滅策:厚労省案 夫婦の年金 分割受給[東京新聞]」(http://www.asyura2.com/11/senkyo120/msg/146.html)の続報に相当するものです。
厚労省は、アドバルーンをあげてみて、“実質年金支給減らし”の政策に世論がどう反応するか試してみたようです。
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日本経済新聞10月9日朝刊P.9
年金夫婦分割 不満解消遠く
単身者共働き「肩代わり」同じ 専業主婦給付滅を警戒
厚生労働省は会社員の夫の保険料の半分を専業主婦の妻が負担したと見なし、夫の厚生年金の半分を妻に給付する案を打ち出した。専業主婦が保険料を負担しないのは不公平との不満を和らげる狙いだが、自分の年金が半減される夫は反発。世帯の負担と給付を変えない案に単身者や共働き世帯は「まやかしの改革」と批判する。
「給料は2等分しないのに、なぜ厚生年金は2等分するのか」。「夫に先立たれた妻は
遺族年金をもらえなくなる」−。厚労省が9月29日に示した主婦年金の見直し案。直後に日経電子版が実施した緊急アンケート調査「クイックVote」には、反対意見が相次いで寄せられた。
夫側に抵抗感
今は会社員の夫を持つ専業主婦は保険料を払わず、その負担を会社員ら給与所得者全員で肩代わりしている。「なぜ他人の妻の保険料を負担させられるのか」との不満が働く女性にくすぶっていた。
批判を踏まえ、厚労省は夫の保険料の半分を妻が納めたと見なし、年金も夫婦で折半する案を示した。主婦も家事で夫の稼ぎに貢献しているという考え方だが、クイックVoteで厚労省案への賛成は女性の40%に対し、男性は25%だけ。自分の年金が半分になる夫の抵抗感は強い。
専業主婦も夫の死亡後に自分の年金が減るのでは、と警戒する。今は、自分の厚生年金がない妻は亡夫の厚生年金の4分の3を遺族年金として受け取れる。厚労省案だと妻は自分の厚生年金を持つので、夫の遺族年金を受け取れなくなる。
夫より妻が若い場合も似た問題が起こる。夫より妻が5歳若いと現在は夫が65歳になったときに厚生年金を満額受け取るが、厚労省案だと妻が65歳になるまで5年間は夫分
の半額だけになる。
厚労省はこうした問題で専業主婦世帯の年金が現在より減ったりしないよう調整する考え。夫の死亡後に妻が現在と同水準の遺族年金を受け取れるようにする案も浮上している。同省の狙いは専業主婦も保険料を納めたと見なすことで、実際の負担と給付を変える意図はない。
つまり、厚労省案では専業主婦の負担を会社員全体で肩代わりする仕組みは変わらない。働く女性からは「まやかし」との批判の声が上がる。
クイックVoteでは専業主婦世帯の49%が「現状維持」を望んだのに対し、共働き世帯は45%が「妻の保険料負担」を主張した。専業主婦と同じ基礎年金を受け取るため、自営業者や独身の短時間労働者は月1万5000円の保険料を払っている。保険料を専業主婦が自分で払えば、会社員は肩代わり負担が消え、厚生年金保険料が軽くなる。
しかし、全国約1000万の専業主婦世帯に月1万5千円の負担増を求めれば、反発は必至。「給付と負担を変えるのは現実的ではない」と厚労省は判断した。
若年世代に不公平感
主婦の年金問題は国民皆年金を導入した1961年に遡る。
当時、保険料徴収が難しい主婦は皆年金の対象から外し、任意加入とした。保険料を払って加入する人は少なく、自分の年金がない主婦が増加。
妻の年金を求める声に応え、86年に労使が主婦の保険料負担を肩代わりする現制度に変えた。
その後、専業主婦世帯は減り、単身者や共働き世帯が増えた。今では専業主婦世帯は夫が高収入の中高年世代に集申し、若年世代や共働き世帯で不公平感が強まってきた。
場当たり的に年金制度を接ぎ木させたツケが回っている。
抜本改革は見送り
夫が納めた保険料を夫婦の共同負担と見なし、負担も給付も妻と2等分する厚労省案。世帯単位の年金を個人単位に切り替える試みのようにも見えるが、いかにも中途半端だ。
夫婦の所得を合算後に2等分し、それぞれの所得と見なす方式はフランスが採用している。ただし目的は課税の公平性。高所得者の税率が高い累進税率では、年1000万円を稼ぐ夫と専業主婦の世帯と、夫婦それぞれ年500万円稼ぐ世帯では、世帯所得が同じでも税負担は前者の方が重くなる。2等分方式を使えば同負担だ。
だが、厚労省案はこの方式の対象を専業主婦世帯の年金保険料だけに限定し、共働き世帯は対象外。税にも適用しない。主婦年金批判をかわすためだけの小手先調整の感は否めない。
保険料負担のない専業主婦の約4割はパートで働いている。週30時間以上働くと厚生年金保険料、30時間未満でも年収130万円以上になると国民年金保険料がかかるため、保険料負担が生じないよう勤務時間を調整する人が多い。だが、同じパートでも独身の人や夫が自営業の人は国民年金保険料がかかる。低所得者として負担減免を受ければ、将来の年金が減る。
主婦年金の問題が生じるのは、年金制度が職業や主婦か否かで分かれていることが大きい。民主党は職業を問わず、所得に応じて負担する個人単位の年金制度の創設を打ち出した。だが、所得をどう捕捉するかなど課題が多く、検討は進んでいない。政府は当面は年金制度の抜本改革を先送りし、現行制度の改善にとどめる方針だ。
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