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検察審査会法により起訴された小沢氏の裁判が10月6日に始まった。新聞各紙の6日の夕刊と7日朝刊の一面トップには「小沢元代表罪を主張」の文字が躍っていた。その他に「共謀の事実無い」「潔白を主張」など当然と言えば当然の見出しである。また、NHKの6日午前10時の番組では、NHKアナが「小沢氏が只今無罪を主張しました」と絶叫したのには、笑ってしまった。そんなことは当然のことだろう。
この裁判の本質は、小沢氏が冒頭に述べた意見陳述にある。この裁判で裁かれるのはこれからの日本の体制である。主権在民の民主主義国家を選ぶか、検察が政治に介入する検主主義国家を選ぶか、それが問われる裁判である。マスコミがそのような報道をする訳がない。せいぜい小沢氏の意見陳述の全文を掲載する程度だ。テレビでは、識者たる人が、これを小沢氏のうらみ節と批評していた。何を言うかである。
事件の本質は、09年3月に小沢氏が指摘したように、「総選挙の直前に、証拠もないのに、検察当局は捜査・逮捕権という国家権力を乱用して、私を狙って強制捜査を開始した」ことにある。この時、一部の識者は「検察による政治介入だ」と言った。これに対し、検察OBの元特捜検事の河上和夫、堀田力の両氏などは、「検察は贈収賄罪に連なる証拠を握っている」と、大久保氏の逮捕・拘留を支持する発言をした。
本当に、河上、堀田両氏の言うように証拠を握っていたのなら、検察は小沢氏を贈収賄罪で起訴立件したはずだ。それが出来ないから、検察は自らの面子を保つために、大久保元秘書を政治資金規正法違反容疑で起訴した。検察には「退く勇気」が無く、エリートである検察官僚こそが正義だとの、間違った「突撃精神」しかない。それは小沢氏が指摘した戦前の軍人官僚たちと同根の精神構造なのである。
この時、元特捜検事・名城大教授の郷原信郎氏が、「政治家が、検察の顔色を窺い政治をする。この検察の暴走を認めると、日本は民主主義国家から【検主主義国家】になる」と警鐘を鳴らした。当時、この警鐘を報道したのは、山口一臣編集長の週刊朝日と、日刊ゲンダイくらいだった。他のマスコミは、検察の垂れ流す世論操作用のガセネタを土石流の如く報道するだけで、ことの本質を見逃していた。
小沢氏が述べたように、「主権者である国民に選ばれた代表者たる政治家が自由な意思により、その良心と良識に基づいて、国民の負託に応え、国民に奉仕する政治」、即ち、議会制民主主義の国家を守るか。それとも郷原氏と同じように小沢氏が指摘した、「国家権力介入を恐れて、常に官憲の鼻息をうかがわなければならない政治」の国、即ち、【検主主義国家】に日本をするのか。この裁判の本質はここにある。
マスコミは、この問題の本質に目をつむり、小沢氏の「政治とカネ」の問題に矮小化している。例えば、日本テレビに出演した女性弁護士に、「検審起訴は国民の世論・常識に基づく起訴だから、裁判所も国民の常識に従った判決を下すべきだ」と言わせている。法治国家である日本で、このような考えを披露しても、恥とは思わない弁護士も弁護士だが、マスコミの「おつむ」も相当おかしいと言うか、狂っている。
少なくとも、検審起訴が国民の世論だと言うならば、二度開催されたという東京第5検察審査会の審査員の平均年齢の不思議くらいには言及すべきだ。もっと許せないのは、現在の検察審査会法では、検察審査会が国の三権のいずれにも属していない不思議な存在であることを知りながら、それを全く報道しなかったことである。だから記者会見で、「もうちょっと勉強してから質問して下さい」と言われるのだ。
同じく問題の本質から目を逸らしているのが、政治家だ。検察官僚が描いた筋書きによる検審起訴。これは政治家が守るべき民主主義が、官僚によって踏みにじられた姿なのだ。戦前、軍人官僚が、彼らにとって危険思想である反戦思想家を、憲兵を使って次々と弾圧し、死に至らしめたのと同じことなのである。それなのに「証人喚問」などと馬鹿を言う。自民党議員は、今でも自分達は大丈夫だと思っているのだろう。
検審起訴による小沢公判は、「民主主義」と「検主主義」の戦いでもある。だから小沢氏が検察の捜査を批判したのは当然なのだ。処がそれを検察は、「批判の矛先に戸惑い」(毎日新聞)などと言うが、とんでもない話である。検察は批判されたくなければ、国民の前に全てを明らかにすることだ。民主主義のためには、今からでも決して遅くはない。小沢氏が言うように「まだ間に合う、私はそう思います。」である。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?n=115557
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