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「裁判所がストーリーを描きだしたら―あなたもすぐに犯罪人」(週刊朝日)
http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-1223.html
2011/10/05 02:32 週刊朝日10/14号 :日々坦々
久しぶりに週刊朝日を買った。
http://blog-imgs-43-origin.fc2.com/e/t/c/etc8/2011100502063613c.jpg
この中の注目記事は何といっても「裁判所の暴走」記事だ。
週刊朝日は、特に石川知裕議員が逮捕されると同時に、上杉隆氏やだった山口一臣編集長を中心に、検察批判を展開し、大きな流れをつくった。それが検察改革(まだまだ道半ばだが)の遠因になった思う。
その時のテーマが「暴走検察」で、黄色の本にもなっている
三人の元秘書の判決で、裁判所の劣化、暴走があからさまになり、検察に続き、いよいよ本丸か、というところだろう。
これを起点に、裁判所改革の狼煙を上げて、世論歓喜のスタートになっていってもらいたいと願うばかりだ。
(週刊朝日10/14号)
http://blog-imgs-43-origin.fc2.com/e/t/c/etc8/13076.jpg
タイトル:
特捜部よりスゴい!
裁判所がストーリーを描きだしたら――あなたもすぐに犯罪人
こんな判決まかり通るのか?
裁判所の暴走
リード文:
≪まったく開いた口がふさがらない。陸山会事件の公判で、東京地裁は、小沢一郎・民主党元代表の元秘書3人に有罪判決を下した。
問題なのは、判決内容だ。大した証拠もないのに、犯罪事実を次々と認定する――これで果たして「法治国家」といえるのか。
検察のみならず、裁判所までもが「暴走」を始めてしまったのか……。≫
この記事の最初に載っていたが、今回の判決を受け、当然ながら翌日、三人揃って控訴した。
なぜ、「即日控訴」して、その勢いを見せてもらえなかったんだろうと、少し疑問に思えていたが、その辺のところを「小沢氏周辺の話」として次のように書いている。
≪「実は、現役議員の石川さんはともかく、大久保さん、池田さんは判決の内容次第では控訴しないという気持ちもありました。
大久保さんは『無罪』とみられてましたし、池田さんは、すでに政治の世界から距離を置き、第二の人生のために税理士の勉強を始めてましたから。
だけど、判決があまりにひどかった。裁判所が認定した小沢事務所の『天の声』、そして『裏ガネ授受』は明らかに事実と違う。
彼らも、断じて認めるわけにはいかなかった」≫
この「天の声」を「裏金授受」は、まさに検察が描いた強引なストーリーで、それが全て違っていたので起訴できなかったが、その後、検察やマスコミもあたかもグレーで怪しいと機会ある度にほのめかしてきたことだ。
それを推認という裁判官個人の主観的ことばで片づけているのにはさすがに驚いた。
ただ、検察もマスコミ報道もそうだが、報道を疑ってみることができる人、ネットなどの情報に接して、自身の頭で考えることができる人、いわゆるメディアリテラシー(情報を評価・識別する能力)がある程度確立している人を、少数意見として無視し、
あくまでも一般大衆、テレビや新聞の情報をありがたいと信じてくれる人だけを中心に相手にしている。
だから、自分達の悪事がばれようが、仕込んだネタを一部の人に見られようが、そんなものは関係なく、たとえ手段が露骨で杜撰でミエミエだったとしても、
一般大衆にわからないようにあらゆる手段を講じて誤魔化し、ある時は話題になるようなニュースをぶつけて目くらましをする。
検察審査会もそうだったが、今回もこういう露骨な不当判決でも、堂々と出ることができる。
今日は、この記事を要約&引用させていただく。
是非、買って読まれることをおススメしたい。
(要約&引用)
石川議員はインタビューで、
「自分の行為に対して(法律上の)認識の違いはあるでしょう。だけど裁判所は、なかったことに対してやっていたはず″という。これは恐ろしいこと」
と訴えた。
ありもしないことを、勝手な推測で「あった」と決めつけられたのであれば、黙っていられないのも当然だ。
本誌はこれまで再三、「検察の暴走」の危険性を訴えてきた。しかし、裁判所ならば、もろもろの証拠を精査して、きっと妥当な判断を下すものだろうと考えていた。
ところが、驚いたことに検察、裁判所をひっくるめた「司法ムラ」では、まったく別の論理が幅を利かせているようなのだ。
■今回の判決のポイントは二つ
@西松建設の違法献金事件の背景事情として、東北地方の公共事業での受注決定の際、小沢事務所が談合による本命業者の選定に決定的な影響力を持っていた。
さらに、大久保被告が業者を決める「天の声」を出す役割を担い、ゼネコツから多額の献金を受け入れる窓口だった
A小沢氏の資金管理団体「陸山会」を巡る土地取引事件では、その背景事情として、小沢氏の地元の「胆沢ダム」建設工事受注に絡み、中堅ゼネコン・水谷建設から、04年10月に石川議員に、翌05年4月に大久保被告に、それぞれ現金5千万円が渡った
――と断定したうえで、陸山会の土地購入の原資となった小沢氏からの借入金「4億円」について、〈原資不明の4億円での土地取得が発覚すれば、裏献金や企業と癒着して資金集めをしていた実態が明るみに出る可能性があるため、隠蔽をした〉とも認定した。
政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪に問われた3人の判決は、石川議員に禁鋼2年執行猶予3年、大久保被告に禁錮3年執行猶予5年、池田被告に禁錮1年執行猶予3年だった。
■各氏のコメント
●元検事の郷原信郎氏
「一言で言うとストーリー判決″です。物事を単純化してストーリーを描いて、無理やり調書にすることで特捜部は批判された。しかし、この判決は裁判官が描いたストーリーに沿つて、調書によらずに、臆測・推測、さらには妄想に近いものまでも認定している。こんなのがまかり通るならば刑事裁判をやる意味はありません」
「結局、『水谷マネー』を隠そうとしたのが虚偽記載の動機になっていますが、まったくのこじつけ。胆沢ダムエ事前後に政治資金報告書に『4億円』を記載したらマスコミに『水谷マネー』を追及されると恐れて時期をズラしたとしています。
でも、まともなマスコミであれば、公共工事を巡る裏ガネ疑惑など余程の根拠がなければ報道できないことは、当のマスコミの人たちがいちばんよく知っていることでしょう。大久保氏と池田氏の『共謀』に至っては、推論を超えて、どうせ暴力団みたいなもんだから、あいつらつるんでるだろう″と思い込みで認定しているに等しい。刑事裁判史上に残る『画期的判決』だと思いますよ」
●ジャーナリストの魚住昭氏
「正直、驚きました。裁判所の事実認定どおりならば、悪質かつ巨額の賄賂があったわけで、贈収賄事件ですから、実刑になるべきですが、執行猶予がついた。事実認定と刑が乖離している。初めから有罪ありきで考えてるから、こういう認定をしなくてはならなくなるんです。『疑わしきは被告人の利益に』が裁判の大原則なのに、『検察の利益』になっている」
「結局、『水谷マネー』の部分をなくしてしまうと、虚偽記載の動機の悪質性が希薄になり、量刑が罰金刑くらいまで落ちてしまう。それでは政治資金収支報告書の修正程度の″形式犯″だと批判され、そもそも処罰価値があったのかという議論が再燃することになる。裁判所は、検察のメンツを立てたのです」
「弁護側の証言台に立った水谷建設の水谷功元会長は『見届け人を付けなかったのは、うちのやり方と違う』と過去の贈賄を白状してまで証言し、元社長の5千万円着服″を示唆している。そこまでおかしな話が出ているのに、一方的に石川さんにカネが渡ったと認定するのは到底ムリです」
●ジャーナリストの江川紹子氏
「判決は、大久保被告が陸山会の土地取引に絡んで、不動産会社との交渉などにかかわっていたことから、石川議員と4億円を隠蔽することについて『意思を通じ合った』と決めつけ、その半年後の報告書に虚偽記載する共謀までできあがつたと断定した。
そんな証拠がどこにあるのでしょうか」
●元東京地検特捜部長の宗像紀夫弁護士
「裁判所は『天の声』や『水谷マネー』など間接事実について、かなり″大胆″に認定している。しかし、どのような証拠に基づいて認定したのか、判決要旨を読む限りわからない。さらに奇異に感じたのは、小沢さんが用立てたとされる4億円を『本人も明確な説明ができていない』という理由で不明朗なカネと認定したこと。常識ですが、このカネの性質について立証責任を負うのは、被告側ではなく100%検察です」
「私が弁護した佐藤栄佐久元福島県知事の裁判でも、二審では『無形のわいろ』として賄賂額を実質ゼロと認定しながら、結局、有罪判決を出した。裁判所が検察の顔を立てるというか、バランスを取って『有罪』の形だけ残したと思いました。この事件に関しては、検察が作り上げたまったくの冤罪だと考えている」
●横浜地裁判事の経験をもつ井上薫弁護士
「衆目を集めている裁判だと、ウケを狙って筆がすべってしまう人がいるんですよね。後世のために、などと訓示をたれるのが好きな人が。 一方、ふつうの裁判官は10年か20年に一度しか無罪判決なんて書かない。
裁判官といえども一介の公務員であり、その人事評価は『減点主義』です。もし無罪を書いて高裁などでひっくり返ったら大減点。前例尊重で思い切った判決なんて書かないほうが出世するんです。
だから、思い切った判決を書くときは、意外と定年間近の裁判長はひょうひょうとしていて、『自分は先があるのに』と渋るのは右陪席です」
「検察に気を使う裁判官も多いんですよ。まず、お互いに公務員同士、さらに立ち会い検察官なんてずっと顔を合わせていますから、自然に仲良くなることもある。裁判官室に出入りする検事も多いし、逆に、裁判官が検察官に電話をして『この証拠が足りないから補充捜査したほうがいいよ』なんてアドバイスすることもある。弁護士側にそんなことをする裁判官はいません。司法の独立なんて建前だけなんです」
参照
・登石郁朗裁判長(57)
1985年に裁判官に任官し、06年から東京地裁の部総括判事を務めている。「エリートコースを歩み、手堅い」(裁判所関係者)との評がある一方、「官僚的で上ばかり見ている矢別の関係者)とも言われる。
・右陪席・市川太志裁判官(49)。
91年に任官し、札幌高裁判事などを経て08年から東京地裁判事になった。こちらは「将来を嘱望されるエース級」(同前)と言われる。
■裁判官の脳内ストーリー
実際、判決要旨を精読すると、「動機」や「共謀」を認定する文末は、
「――が強く推察される」
「――とみるのが自然かつ合理的」
「――とは到底考えられない」
といった、あやふやな表現のオンパレード。
裁判官の脳内ストーリーで事実認定をされたのでは、たまったものではない。
こんな判決がまかり通れば、私たちも、いつ身に覚えのない事件に巻き込まれてもおかしくない。恐ろしい判決なのだ。
こんな判断が当たり前になったら、国民は安心して暮らしていられない。いま本当に必要なのは、裁判所の改革なのではないか。
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