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騙されてはいけない「年金改革案」に潜む罠(徳山勝)
http://www.asyura2.com/11/senkyo120/msg/269.html
投稿者 判官びいき 日時 2011 年 10 月 03 日 22:42:08: wiJQFJOyM8OJo
 

新聞の見出しが「不公平感 解消遠く 働く女性の批判必至」となっていると、多くの人はそういう先入観で記事を読むことになるだろう。専業主婦の妻ら第3号被保険者制度の見直し案で、厚生労働省が29日に示した「保険料の半分を妻が払ったとみなす」二分二乗案は、専業主婦らの受給権を高めるとともに、働く女性たちの批判に応えようとしたものだ。こう続くと「なるほど」と頷いてしまう。

国民年金の3号制度について、小宮山洋子厚労相が「本当におかしな仕組みだ」と批判している。だが、ちょっと待ってと言いたい。今日の社会情勢にマッチしていないとしても、3号制度には歴史的な経緯がある。その歴史的な年金制度の下で働き、保険料を支払い、家族を養い、今は年金生活を営んでいる人が多数いる。その現実を忘れては困る。小宮山女史の世代で、キャリアウーマンはそう沢山いる訳ではない。

国民年金制度が始まった当時(1961年)、日本の社会では、男性が外で働き、女性は家事と育児で家庭を守る。夫婦で働くのは、横丁の八百屋、魚屋、雑貨屋などの個人店舗。戦後復興の中でこのような社会が出来上がり、その家族構成を前提に設計された年金制度であった。即ち、工場やオフィスで働く人を対象にした厚生年金に加えて、国民年金は家族経営の個人を対象にした年金としてスタートした。

85年に、いわゆる男女雇用均等法の改正により、雇用における男女の機会均等と待遇の差別解消が進められた。この背景には日本の経済成長と女性の高学歴化に伴い、女性の社会進出が増えたことが挙げられる。この時、働く女性とのバランスで、専業主婦について【二分二乗】が言われた。だが、今回言われている二分二乗とは、その意図する所は明らかに違っていた。

家庭を主婦が守るから、夫が仕事に邁進できる。これによって日本は世界第二の経済大国になった。だから妻の家事を高く評価しよう。そこで夫の収入を二分し半分を妻の収入と見做し、両者に課税する。これが当時言われた【二分二乗】である。所得税は累進するから、夫婦二人の合計所得税額は、夫一人の所得税額よりは少なくなる。この時、専業主婦の年金として3号被保険者制度が設けられたと記憶する。

バブル経済が崩壊し、日本の経済成長が停滞。増えぬ夫の収入だけでは、子供の教育費や住宅ローンが支払えない。そこで家庭の主婦がパートタイマーとして就業する。また、それより以前に始まったモータリゼーションにより、日本の多くの都市の郊外に大型店舗が次々と開店。一方、駅前商店街やアーケード街は次々とシャッター街へと衰退し、横丁の小売店の老夫婦は店を閉じた。日本の社会は大きな変化をした。

このような社会環境の変化が、保険料を納めない専業主婦に国民年金を給付するのはおかしいとの議論を生み出した。この環境変化に対応し対策を講じる。そのことは間違っていない。厚労省が示した、@妻に保険料負担を求める。A夫に追加負担を求める。B妻の基礎年金を減額する。――の3案は検討の価値はある。だが、おかしいのは、これに便乗した【二分二乗】である。

厚労省が示した【二分二乗】は国民年金だけではない。厚生・共済年金についても、「夫の保険料の半分を妻と共同で負担したとみなし、夫婦それぞれが年金を半額ずつ分割して受給する方式に見直す」と言うものである。新聞見出しの「不公平感 解消遠く 働く女性の批判必至」とは全く違う内容なのである。それを新聞は、「見直しが実現すると受給額が減ることになる」と一行入れているだけである。

「受給額が減る」を分り易く言うと、夫婦二人が健在なうちは年金受給額に変わりはない。だが、夫が先立つと、夫の厚生年金の四分の三の遺族年金が消滅する。妻が先立つと夫の年金は現在より少なくなる。その年金の減額幅に個人差はあるが、概ね最低で3割、多い場合は4割強が減ることになる。いわゆる1階部分の不公平を解消すると言いながら、2階部分の厚生年金の給付削減が、今回の案の骨子なのである。

見直す必要はあるが、「第3号被保険者」の年金受給権には、歴史的な経緯がある。処が、厚労省官僚は、その権利を無視して、働く女性と専業主婦の差別解消を掲げ、その実は【国民の財産権】を奪おうとしている。4年前は、高齢者は「姨捨山」に行けという後期高齢者医療制度を目論み、今度は寡婦・寡夫は長生きするなという制度設計を目論んでいるようだ。これが厚労省に限らず、霞ヶ関官僚の本音なのだろう。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?n=115044
 

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コメント
 
01. 2011年10月03日 22:56:14: ohlCKVGB7U
霞ヶ関の妻は3号だ。
それを守って、3号から外れている貧しい女性に増税するのがおかしい。
働く女性=高所得のキャリアウーマンという色眼鏡はやめてくれ。
もとから免除もされず、給付される年金額は生活費にも足りない女性が多くいるのだ。
それには増税というのが酷いのだ。



02. 2011年10月04日 10:19:26: LKDXLDHvSk
>>01

霞が関の妻は共済年金という高額な年金に守られていて、夫が亡くなっても遺族年金を貰えるのでは?

そもそも天下りを繰り返し、数回の退職金と長年の高額の給与で相当な蓄えがあるので、国民年金など全く眼中にないのではないでしょうか?
多分彼女たちにとっては小遣いにもならない額でしょう?

不公平は女性同士ではなく、共済年金にあると思うのですが?


03. 2011年10月04日 14:56:24: cOnYXdQbyY
<厚生年金>不公平感、解消遠く 働く女性の批判必至
専業主婦の妻ら第3号被保険者制度の見直し案で、厚生労働省が29日に示した「保険料の半分を妻が払ったとみなす」二分二乗案は、
専業主婦らの受給権を高めるとともに、働く女性たちの批判に応えようとしたものだ。
しかし夫婦で合算した負担に変化はなく、「不公平感の解消」につながる保証はない。
3号制度について、小宮山洋子厚労相は「本当におかしな仕組みだ」と批判しており、厚労省は同日、年金分割案以外に
(1)妻に保険料負担を求める(2)夫に追加負担を求める(3)妻の基礎年金を減額する−−との3案も示した。
ただ、いずれも不公平感解消には有力でも負担増を伴うため、同省は年金分割案を本命視している。
04年改革時も同じ議論を経て、厚労省は分割案を選んだ。
これは社会保障制度の設計単位を「夫を主とした世帯」から「夫と妻の個人」へと変える試みでもあるが、
原案段階で自民党保守派から「家族の絆を壊す」と反対論が噴き出し、分割は離婚時のみに限定された。
今回も働く女性から「まやかしだ」との批判を受けると同時に保守派の反発も買いそうだ。
一方、同時に示した年金額を本来水準まで下げる案は、給付総額を抑制するために04年改革で導入した
「マクロ経済スライド」を発動させる狙いがある。
同省は物価が下がったときは発動しない同スライドの仕組みを改め、デフレ下でも機能させることを視野に入れる。
だが、この制度は年金が本来水準に戻らないと発動できず、まずは特例水準の解消が大前提となる。
給付に本来水準との差が生じたのは00年度。物価下落局面なのに3年間支給額を据え置き、年金は本来より1.7%高くなった。
04年改革ではかさ上げ分が相殺されるまで、物価が上昇しても年金額を据え置くなどとしたが機能せず、
11年度はかさ上げ分が2.5%まで拡大した。
年金を2.5%削って本来水準に戻せば、3年で約3000億円削減できるという。
しかし、満額の基礎年金(11年度、月額6万5741円)で月に約1600円、年間なら2万円近い減額となる。
高齢者が反発し、与野党内に異論が出るのは確実だ。
厚労省はこのままだと「12〜21年度の10年間で支給総額は5.1兆円増」と試算するが、
民主党政権が減額に踏み切れるかどうかは不透明だ。【山田夢留、鈴木直】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110929-00000112-mai-pol

お役所仕事
この見直しの方針は、全く意味がない。
専業主婦の夫が支払っている保険料を夫婦で払ったことにしようという建前の変更だ。
保険料収入が増えるわけでもない。
この建前ならば、夫婦の片方が亡くなれば、支給額は半減されてしまう。
それを防ごうとすれば、わけのわからない制度になり、しかも、破綻している現状の改善には全くならない。
厚生年金の問題は、人口が減少している中で賦課方式を続けようとしていることだ。
そもそもこの制度を維持できるはずがない。
くだらない小手先の目くらましで時間を潰すよりも、抜本改革をやらねばならない。
民主党にまともな政治家がいれば、厚労大臣がまともな政治家ならば、
こんな馬鹿なことはやめて、抜本改革の議論をすると言うだろう。
2004年改正は、もともと100年安心と言いながら、よーく見ると、積立金が百年目になくなりますという改革だった。
百一年目からどうするのか。百年安心、百一年目から地獄、みたいな改正だった。
しかし、いまやその積立金も遙かそれ以前になくなってしまう。
もはやこの破綻した制度を小手先で直すのではなく、抜本改革しかない。
厚労大臣、煙草の話だけしていればいいわけではない。
http://news.livedoor.com/article/detail/5900639/

河野太郎は、よいことを言っているが、では、この馬鹿げた不公平な年金制度を続けてきたのは、自民党ではないか。
河野太郎は、長年自民党にいながら、いったい何をやっていのかという不信感がある。
「河野案」を自民党のマニフェストにできるのか?

そして、民主党。
2009年マニフェストで約束した年金制度の抜本改革を早くやってくれ。
・国税庁と日本年金機構を統合して歳入庁の創設。
・年金制度の一元化。
・全額税を財源とする最低保障年金の創設。
これらがもっとも国民が期待している改革だろ。


04. 2011年10月04日 22:21:42: EVskgte9f6
そうだなぁ。

公平性の観点から言うと、辞職して悠々自適な生活をする人たちに
上下の区別などあるのだろうか。

年金は、その人の過去とは無関係に一律金額が正しいと思いますな。

金額としては一人当たり10万チョイで充分でしょう。
私が保証します(私は二人暮しで15万ですもん)。


05. 2011年10月05日 22:15:03: R10pxbnz2U
赤字垂れ流しの年金制度を辞めればいい。
年金に群がるはげたかファンドがガックリするだけである。

06. 2011年10月12日 11:11:28: E4x5RD2n7w
>>3
>年金制度の一元化
>全額税を財源とする最低保障年金の創設

まず、民主党のマニフェストに関して、今の1〜3号被保険者の全てが、最低保障年金の他、所得比例年金の対象になります。
わかりやすく言うと、今の1号・3号被保険者が2号被保険者に準じた形へ移行します。

今回の「二分二乗方式」は、内容的に「2・3号被保険者の統合」「3号被保険者の2号被保険者への移行」に近く、民主党マニフェストに近付いた訳ですが・・・・


07. 2011年10月20日 14:36:27: XvuFPA0NiI
妻が先に死亡した時に遺族年金が消える話は納得である。やっぱりそこだったか。
それと夫が妻より年上の人は多いと思うが、夫が年金支給が始まっても、妻の年金支給までは、支給後に比べ、約2/3の支給になるが、厚生省の案は、ここが1/2支給になるわけだろう。差額分は年金支給時期が遅れる。どの位になるかわからないが、3号は数も多いから結構な額になるのではないだろうか。
ひとり10万程度で固定にしろという意見があったが、厚生年金は、ふつうそのくらいである。それ以上の部分は、各企業で設ける積立金である。財源は自分自身だ。しかし、前述の期間は、厚生年金はひとり頭10万円をキープできない。厚生省の案が通ると、その額がさらに減る。
要するに取りやすいところから取ってるにすぎない。こんな事やる位なら国民総背番号制を導入して未納の1号保険者から徴収して欲しい。

08. 2011年10月25日 05:00:56: huyv5XaIEY
今回の年金改革は、改革案を作成するのが霞が関の官僚ですから、自分たちの首を絞める共済年金については今回も棚上げし、厚生年金の狙い撃ちですね。
年金原資を納付はさせるが、受給はさせない案としか思えません。
また、それを丸呑みする民主党執行部も情けないです。

今回の改定案の大きな柱は、(1) 受給年齢の引き上げ (2) 第3号被保険者制度の見直し案
だと思います。
(1) 受給年齢の引き上げ
高齢者の雇用対策等の環境整備が先に論議されなければ、受給までの間に年金難民が急増し、更に、若者の就職難も増幅され、生活保護の受給人口が急増するのではないでしょうか?
(2) 第3号被保険者制度の見直し案
第3号被保険者制度は、国民年金と厚生年金の一元化の際に新たに創設された
経緯があります。
一部の働く女性の不平等感を逆手にとり、経緯を無視して、不平等感を是正するどころか、支給額の減額に利用されています。
夫婦の場合、同年齢でない限り、将来の総受給額は年齢差に応じて減額となります。
また、配偶者に先立たれた場合は、更に悲惨な状態になる事が容易に想像できます。(生活保護の方が受給額が多いかも?)

このように多くの国民に厳しい負担を強いるのであれば、国民年金、厚生年金、共済年金の実態を詳らかに国民に開示し、年金の完全一元化を実施し、負担と受給の
将来像を国民に示してほしいものです。
小手先の改革ではすぐに行き詰る事必死なんですが....
民主党に出来ますかねえ。
 



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