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【剛腕出廷】(上)土地購入4億円「ゼネコンマネーじゃないのか」 原資解明 特捜の執念
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111002/trl11100222220000-n1.htm
2011.10.2 22:18 産経新聞
平成22年5月15日。東京・内幸町の帝国ホテル。その一室では、東京地検特捜部の検事と小沢一郎が対峙(たいじ)していた。
「元秘書は、政治資金収支報告書の内容について報告したと供述している」
「なぜ、元秘書がそのようなことを言うのか理解できない」
検察審査会が同年4月27日に「起訴相当」と議決した後、再捜査の一環として小沢への聴取が行われた。午後5時に始まり、小沢がホテルを出たのは午後10時すぎだった。
検察は同年1月、2度にわたって小沢を聴取。その後、2月4日に「有罪を得るだけの証拠がない」として嫌疑不十分で不起訴としていた。
一度、不起訴にしているから再聴取は淡々と終わるだろう−。周囲はそうみていたが、違った。
「決して形式的な取り調べではない。本気で小沢をやろうとしているな」
検察首脳は現場からあがってきた調書を見てそう感じたという。質問は50項目にもおよび、矛盾点が細かく整理されていた。取り調べが想像以上に厳しいものだったことが見て取れた。
小沢を不起訴とした後、ある捜査幹部は「検察が不起訴にしても、小沢は検察審査会の2度の議決で強制起訴されるよ」と予言してみせた。内部では積極意見がくすぶり、強制起訴に望みをつないでいたのだ。
特捜部検事らはなぜ、ここまで小沢捜査に執念を燃やしたのか。
「4億円の土地購入の原資は何だったのか、それに尽きる。小沢が原資さえ説明できれば、すべての疑惑は晴れる。それでも説明できないのはなぜか」
捜査に携わった現役検事は、そこで一呼吸置いて、こう続けた。「それはゼネコンマネーだからじゃないのか」
「下請けの水谷建設だけが、現金を渡しているとは到底考えられない。元請けゼネコンも絶対に渡しているはずだ」。小沢捜査にかかわった特捜部検事らは、常々こう口にしていた。
9月26日の元秘書判決は、胆沢(いさわ)ダム(岩手県奥州市)工事受注をめぐる中堅ゼネコン「水谷建設」から小沢側への計1億円の裏献金を認定。その上で、事件の背景には「長年にわたる公共工事をめぐる小沢事務所と企業との癒着」があると指摘した。
検事らを突き動かしたのはまさに、この「ゼネコンマネー」の解明だった。検事らは4億円の土地購入原資はすべて工事受注をめぐるゼネコンからの裏金と見立てた。
× × ×
東北の公共工事の中でも、小沢一郎の地元である岩手県にあり、計画当初から関与していた胆沢ダムは「小沢ダム」といわれ、受注に絶大な影響力を持っていたとされる。
胆沢ダムは昭和58年に実施計画調査に着手。平成4年以降、道路整備やトンネル工事が始まり、ゼネコンの活動が活発化した。下請け工事を受注した会社の幹部はいう。「1回に何百万単位から5千万円まで渡していたと聞く。小沢事務所への営業は激しく、胆沢ダムは異常だった」
「受注を邪魔されないように」「保険みたいなもの」…。小沢側への献金を長年続けてきたゼネコン関係者は口々にこう語る。
だが結局、特捜部が裏献金供述を引き出せたのは水谷建設だけだった。
ある重機土木会社の幹部は特捜部の調べに「小沢側への工事受注の謝礼として5千万円を元請けゼネコンに渡した」と供述したが、元請けゼネコンの幹部は「小沢側に渡さず、自分で使った」と主張し続けた。
元秘書3人を逮捕する直前の22年1月。ゼネコン各社への一斉の家宅捜索も行ったが、有力証拠はなかった。「ゼネコンは、検察につくか、小沢につくかどちらが有利か考えたのだろう。その勝負に検察が負けたということだ」。特捜部の元幹部はそう語った。
× × ×
昨年9月、小沢を「起訴すべきだ」と議決した検察審査会。「4億円もの大金の話を人任せにするのか」。議論の中では率直な疑問も出てきたという。
「利息がもったいないから、早く返せ」
問題の土地を購入した翌年の17年。土地購入時に借りた4億円の銀行融資を早く返済するよう小沢は指示を出したという。元秘書は17年に2億円、18年に2億円を返済した。小沢は銀行融資の申込書と約束手形に署名、押印。検察審査会は融資を「土地購入原資を隠すための偽装工作」と指摘し、起訴議決を導いた。
「コピーの裏の用紙は捨てずに使うように」「朝は必ず(小沢の)自宅に顔を出すように」。小沢事務所では細かい取り決めが行われていた。ゼネコンとの関係でも、小沢の「細かな」一面が浮かび上がる。
西松建設の東北地方の下請け企業20社で作る「松和会」。陸山会は会員企業に請求書を送付し、1社から毎年50万円の寄付を得ていた。小沢事務所は12年ごろから毎年、この会員企業と懇親会を開催。出席者は元秘書の大久保隆規と、小沢本人だった。
× × ×
「小沢はカネより票が狙いだ」。こう指摘する政界関係者もいるが、捜査幹部は「50万円を寄付する企業との懇親会にも必ず顔を出すのが小沢だ。なぜ4億円ものカネに無関心でいられるのか」といぶかしむ。
「秘書に全て任せてきたこと」「知らなかった」…。これまで政治資金収支報告書の処理には一切、関与していないと繰り返してきた小沢。法廷で「4億円の原資」「偽装工作」をどう説明するかが、司法判断の行方を左右する。
元秘書らの公判では、3人の法廷証言のあいまいさが有罪判決に結び付き、小沢本人まで「4億円の原資について明快な説明ができていない」と指弾された。自身の公判で“剛腕”は裁判官を納得させることができるだろうか。(敬称略)
◇
資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、元秘書らと共謀したとして政治家で初めて強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の初公判が6日、東京地裁で開かれる。「剛腕」で知られる政界の実力者にどのような審判が下るのか。歴史的公判を展望する。
小沢一郎被告が強制起訴された事件の構図
http://sankei.jp.msn.com/affairs/photos/111002/trl11100222220000-p1.htm
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