11. 一隅より 2011年10月02日 10:55:09: PnbUj1IYwR18o
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>>02さん>大昔、狭山事件というのがあった。これは冤罪だという。 それも、支援者のイデオロギーを信じるか信じないかで「冤罪」と決め付ける。 そうでしょうか。 ここはひとつ、すでに出された証拠の、(裁判官による)評価を見てみましょう。 裁判官のする証拠の評価がひとびとを納得させられるものでなければ、それは疑わしいもの(=検察が十分立証できないもの)を有罪にしたということです。 それはつまり、「疑わしきは被告人の有利に」の原則のもとでは、してはならない有罪判決をした、すなわち「冤罪」ということでしょう。 たとえばこれはどうでしょう。 この証拠評価(=事実認定)は、「イデオロギーを信じるか信じないか」とは関係なく、ひとを納得させられるものでしょうか。 ↓ 狭山事件確定判決 (東京高裁 1974年10月31日) http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/1F569B420A528A7649256CFA0007B7E7.pdf 理由 第三、事実誤認の主張について 1 (3) (自白を離れて客観的に存在する証拠) その一 脅迫状及び封筒の筆跡について。 そこでまず脅迫文の全文を引用すると・・・「子供の命がほ知かたら4月28日の夜12時に、金二十万円女の人がもッて前の門のところにいろ。友だちが車出いくからその人にわたせ、時が一分出もをくれたら子供の命がないとおもい。―刑札には名知たら小供は死、もし車出いッた友だちが時かんどおりぶじにか江て気名かツたら子供わ西武園の池の中に死出いるからそこ江いッてみろ、もし車出いッた友だちが時かんどおりぶじにかえッて気たら子供わ1時かんごに車出ぶじにとどける。くりか江す刑札にはなすな。気んじよの人にもはなすな子供死出死まう。もし金をとりにいッて、ちがう人がいたらそのままかえてきてこどもわころしてヤる。」と書(かれている)。 ・・・ ・・・たしかに、被告人は教育程度が低く、逮捕された後に作成した図面に記載した説明文をみても誤りが多いうえ漢字も余り知らないことが窮えるのである。しかし、被告人は・・・「私は本当に漢字は少ししか書くことができません。私はその手紙を書くために『りぼんちゃん』という漫画の本を見て字を習いました。りぼんちゃんというのは女の子の雑誌で・・・いろいろ字が書いてあり漢字にはかながふってありました。」 ・・・「脅迫状は・・・吉展ちゃん事件をテレビで見てあの様な方法で子供を隠しておいて金を取ろうと思って脅迫状を書いたものです。字を書く時は妹の美智子・・・が読んでいたりぼんちゃんという漫画の絵本を見ながら漢字を探して字を書き(ました)・・・」と述べている。 そして、当審において証拠として取り詞べた雑誌「りぼん」昭和三六年一一月号(略)には、まさに二宮金次郎の像の写真が載っており、脅迫状に使われた漢字も「刑」及び「西武」の字を除きすべて右雑誌の中で使われており、これには振り仮名が付されているのである。 したがって、被告人の前記供述には裏付けがあることになり、被告人は、「りぼん」から当時知らない漢字を振り仮名を頼りに拾い出して練習したうえ脅迫状を作成したものと認められる(「刑」の字についてはテレビその他で覚えていた可能性も考えられることはすでに指摘したとおりであり、「西武」についても、被告人は西武園へしばしば行っていたのであるから、同様に前から知っていたであろうことは容易に推測されるところである。) ・・・・・・ 結局、被告人の当時の表記能力、文章構成能力をもってしても、「りぼん」その他の補助手段を借りれば、本件の脅迫文自体、ごくありふれた構文のものであるだけに、作成が困難であるとは認められないのである。しかも、脅迫文の内容は、いわゆる吉展ちゃん事件の犯人がしばしば親元にかけてきた脅迫電話の内容と全体的にみて類似性があると認められるのである。 殊に例えば、被害者の身分証明書を脅迫状の封筒に人れ、自転車を届け、「このかみにツツんでこい」と書いたのは、吉展ちゃん事件の犯人が「地下鉄入谷駅売場の所に靴下片方を置くから金をボロ紙に包んでおけ。」という脅迫電話をかけた手法に類似しており、また、「上野駅前の住友銀行わきの公衆電話ボックスに金を持って来い。警察に届けるな。つまらない了見を起すな。」という点は、前掲の「刑札には名知たら小供は死、」に通ずるものがあり、そして、……これが最後だ。子どもは一時問後に必ず返す場所を連絡する。」という点は、前掲の「……子供わ1時かんごに車出ぶじにとどける。」に通ずる(この脅迫電話の音声や文句は、当時テレビやラジオでしばしば放送され、新聞にも掲載されたことは、公知の事実といってよい。)。 (注) 判決文の論理はつぎのとおり− まず、被告人は教育程度が低く、漢字も余り知らない。しかし、
根拠1 脅迫状に使われた漢字は、「刑」及び「西武」の字を除き、雑誌「りぼん」の中にすべてあり、振り仮名も付されている。 根拠2 「刑」についてはテレビで、「西武」については看板で覚えたのだろう。 根拠3 脅迫文の内容は、吉展ちゃん事件の犯人の脅迫電話の内容と類似性がある。 そして、この脅迫電話の音声や文句は、当時テレビやラジオでしばしば放送され、新聞にも掲載された。 だから被告人もこれを見、聞き、読み(!)して、覚えたのだろう。 結論 だから、被告人の「自分が書いた」という供述には裏付けがあることになる。 |