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自民党の中曽根弘文参院議員会長が30日の参院特別議員総会に提案した主要幹部人事案は、投票の末、否決された。町村、古賀、額賀3派が中曽根氏に不信任を突き付けた形で、中曽根氏の辞任を求める声も上がり、混乱収拾のめどは立っていない。新執行部を決めた谷垣禎一総裁だが、党内の結束に不安を抱えるスタートとなった。
「承認できない。取り下げを願いたい」。中曽根氏が参院総会で示した鴻池祥肇元官房副長官を参院幹事長に起用する案に、額賀派の石井準一氏は猛然とかみついた。町村、古賀両派の議員も同調し、投票での決着を要求。
中曽根氏は「この投票は私に対する信任、不信任(を問う)というぐらい重いものだ」と指摘。辞任も辞さない覚悟を示した中曽根氏だが、投票結果は否決となり、室内は騒然とした。
昨年8月の議員会長選挙で、中曽根氏に敗れてしこりが残る3派は、今年8月末の参院総会で、小坂憲次参院幹事長の交代を要求。代わりに溝手顕正元国家公安委員長の起用を求め、所属議員の署名を集めるなど、中曽根氏への圧力を強めた。中曽根氏はこれを拒否し、鴻池氏の起用を固めたが、党内に根回しをしないまま参院総会に臨み、敗北を喫した。
党内からは「会長の進退問題だ。辞めざるを得ない」(額賀派若手)との声が出ているが、中曽根氏周辺は「本人は辞めるつもりはない」と強調し、対立は泥沼化の様相を呈している。
一方、谷垣新執行部の顔触れについて、党内では「派閥ねじ込まれ人事」(閣僚経験者)との批判が出ている。総務会長に町村派、政調会長に額賀派、国対委員長に古賀派から均等に起用され、各派に配慮した布陣となったからだ。
実際、町村派の町村信孝会長は谷垣氏に対し、塩谷立氏を含む同派の推薦者を伝えた。谷垣氏側近も「参院側が混乱し、党内を丸く収めるために仕方がなかった」と語る。昔と変わらない派閥均衡人事を受け、「この人事では来年9月の任期まで持たない。野田内閣を倒す前に『谷垣降ろし』の機運が高まる」。中堅の一人はこう指摘した。(2011/09/30-22:13)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011093001056
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