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野田したたかラブコール…“秘策”チラつかせ公明ホーレ来い!
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110929/plt1109291605003-n1.htm
2011.09.29 夕刊フジ
政府・民主党が、東日本大震災の復興財源をまかなう臨時増税案をまとめたことを受け、2011年度第3次補正予算案と臨時増税案をめぐる、民主、自民、公明の3党協議の行方が焦点になってきた。野田佳彦首相(54)の政治手腕が注目されるなか、選挙制度改革や議員定数削減など、公明党を味方に付けるための誘い水も目立ち始めている。接近か、反発か…、微妙に距離感を変えつつある公明党。どじょう宰相は低姿勢の裏で、したたかに布石を打ち続けているが…。
「与野党が事前に合意しながら、なるべく早く成立させる。3党合意を踏まえて中身の点検が早く進む方がいい」
野田首相は28日午前の参院予算委員会で、本格復興に向けた第3次補正予算案と臨時増税案に絡み、自公両党にこう協力を呼びかけた。
ただ、自民党は、民主党の小沢一郎元代表(69)の元秘書3人が、政治資金規正法違反事件で有罪判決を受けたことで、「事前協議は必要ない。国会審議の形骸化につながる」(世耕弘成参院議員)などと対決姿勢を強めている。野田首相の視線はもっぱら公明党に向けられている。
財務省主導で、野田政権は「不況下の大増税」に突き進んでいる。その狂気の行進に合わせるように、国会議員定数の削減案が浮上している。
野田首相は今月半ば、「(定数削減は)大きなテーマだ。与野党が協議のテーブルについてほしい」と述べ、後見人である民主党の藤井裕久税制調査会長(79)も先週初め、NHKの番組で「議員定数削減は増税と同じ次元で考えなければならない」と語った。
国会議員が身を切る姿勢を見せることで、国民に増税への理解を求める思惑だが、表裏一体である選挙制度改革が絡むと、もう1つ、重要な意図が見えてくる。
政治評論家の浅川博忠氏は「一連の発言は、野田政権の公明党へのラブコールとみていい。『倒閣路線』の自民党とは一線を画し、公明党は被災地の復旧・復興に、自分たちの政策を実現させるチャンスをうかがっている。加えて、選挙制度改革への関与は公明党の悲願でもある。一石二鳥の垂涎の呼び掛けだ」と話した。
実際、公明党は選挙制度改革では他党に先行している。21日、党政治改革本部の会合を開き、衆院選挙制度について、現行の小選挙比例代表並立制に代わり、「小選挙区比例代表連用制」「同併用制」「中選挙区制」の3案を併記した。参院の選挙制度については7月に、定数を現行242から2割減の200などとする案を発表している。
一昨年の衆院選で、公明党は8小選挙区で全敗した。連用制は現行の並立制に比べて、選挙区で獲得議席が少ない政党に比例の議席が優先的に割り振られるのが特徴。併用制は連用制よりも、比例の得票が小選挙区も合わせた全体の議席数に反映されやすい。
公明党関係者は「一昨年の衆院選と、昨年の参院選のマニフェストでは中選挙区制度を提案したが、みんなの党への支持が上がっており、定数3の選挙区では議席を取られる可能性があるうえ、小選挙区制導入を進めた民主、自民両党が受け入れにくい。現在、ウチの本命は連用制だ。議論するかしないかはともかく、こちらの提案を反映させたい。民主党はどう出てくるか」と話している。
民主党にとっても、公明党との接近・連携は大歓迎だ。
最大の懸案事項である、衆参ねじれの克服になる。参院定数は242議席で、過半数は122議席。民主党(105議席)と公明党(19議席)が連立すれば124議席となるのだ。
政策面でも共通点は多く、「民主、公明両党には、新進党時代に行動をともにした議員がベテランに残っている。子ども手当の理念や外国人参政権推進という点では一致できる」(民主党ベテラン議員)
選挙をにらんだ連携としても、自公連携よりも、民公連携の方が相性がいいという見方もある。浅川氏がいう。
「公明党は支持母体・創価学会、民主党は支持団体の連合という強固な支持組織を持っている。公明党とすれば、組織がボロボロになった自民党よりも、民主党と票でバーターした方が効果が高い」
民主党の平野博文国対委員長は28日午前、自民、公明両党に対し、第3次補正案と臨時増税案をめぐる与野党協議を提案した。これに対し、公明党幹部は「細かい点で異論はあるが、協議できる環境は整った」と前向きな姿勢を示したものの、単独での協議入りには応じない方向という。
一体、どうしたのか。
「野田政権の増税路線が露骨すぎる、とみているようだ。『野田増税内閣』とか『財務省傀儡政権』といった報道も多い。長引くデフレや超円高、欧州経済危機などもあり、支持者から『こんな時期に増税一直線でいいのか?』という声も出ている。公明党としては、国民世論の反応をしばらく見るつもりだろう」(永田町事情通)
いずれにせよ、民公の動きは党益を優先したもの。被災者や国民を見据えた本物の政治には程遠い。
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