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陸山会裁判の判決が出た。この公判を全て傍聴したジャーナリストの江川紹子氏がツイッターで、「判決聞いてびっくりの連続でしたにゃ〜。これでは証拠なしでも裁判官の推測や価値観で、いくらでも有罪判決書けちゃいますね。検察官も本音では相当びっくりしているんじゃないでしょうか〜」とつぶやいているが、当にその通りだ。検察も驚いただろう。被告3人が控訴するのは当然の判決理由である。
この判決が出る前に、Lサイドコラムで、この裁判で問われるのは日本の「司法権」そのものであると書いたが、当にそうなった。何度でも同じことを書くが、先進民主国家の三権分立の考えの下では、裁判・司法権は、国家権力である検察(=行政)が法律に基づいた正当な手続きで捜査・起訴したか、を裁くのである。だが、断片的に明らかになった判決文の中には、それにほど遠いものが幾つかある。
その第一は“石川議員らが法廷で「合理的に説明できなかった」”という判決文だ。刑事裁判では被告に立証責任はない。立証責任があるのは検察である。刑事裁判のイロハに反している。第二は“小沢氏が明らかに証明することが困難である限り動機と認定することが可能である”という判決文。裁判で4億円の原資の詳細にについて、小沢氏に立証を求めたことはない。検察も驚きの裁判官の勝手な推測なのである。
さらに驚きは続く、“石川被告が4億円の原資に関して追及されることは予測でき、借入れの事実を隠蔽しようとしたことが推認できる”という判決文。日本の司法は遂に、江戸時代に先祖帰りした。遠山の金さんや大岡越前守なら、白州でこのような馬鹿は言わない。裁判官が、証拠も無しに被告の心理を“推認できる”はないだろう。
最も酷い判決は、西松建設献金で大久保氏を有罪にしたことだ。10年1月13日の公判で、検察側証人の西松建設元総務部長が、「政治団体はダミーではない」と証言したが、検察は反証できなかった。裁判官はこの証言を無視しながら、一方で、弁護側が矛盾点を指摘し、反証した水谷建設元社長の証言は信用できるとした。裁判官には検察側の主張が全てで、弁護側の証言など一切関係がないようだ。
判決文全文が公開されていない今、これ以上の論評は難しい。処でこの判決を前にして、弁護方針の失敗を言う者がいる。確かに弁護にも問題があっただろう。だが、それを言うのは、裁判官が公正公平であることが前提になる。果たしてそうだろうか。判決要旨を読む限り、検察の描いたストリー通りの判決文を書いている。加えて、裁判官の訴訟指揮を省みると、初めから「結論ありき」だった疑いが強いのである。
どうして「初めから結論ありき」なのだろうか。これこそが、日本の裁判=司法権の抱える問題そのものなのである。その第一は、過去、刑事裁判で98%以上の有罪率からみて、日本の裁判権が実質的に検察に握られており、裁判所が【単なる検察訴状の追認組織】に堕ちている構造的な問題がある。そこから裁判官の潜在意識に「検察は正義」「被告は犯罪者」が刷り込まれて生じた【裁判官の習性】が挙げられる。
次は【ひらめ裁判官】。憲法第76条には「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」とある。だが、裁判官人事には「検察から控訴されない裁判官が高く評価される」という不文律があると言われている。裁判官も自分の身が可愛いから、検察敗訴の判決文は書けない。だから収賄金額ゼロの収賄罪などというアホみたいな判決文を書くことになる。
三番目が【常識に欠けた裁判官】。門田隆将著「裁判官が日本を滅ぼす」に、「裁判官に事実認定の能力はまるでありません、これは司法修習などの教育で身につくものではないのです。事実認定の能力とは物事を謙虚に見る姿勢や社会でのさまざまな経験によって得た常識を積み重ねて初めて身につくもです」と書かれている。裁判官も人の子。検察リークのマスコミ情報を信じ、マスコミに迎合するということだろう。
以上は一般論だが、この事件固有のものとして霞ヶ関の総意を反映した疑いがある。以下は、それを端的に述べたElectric Journal第3148号からの引用である。これは小沢氏の元秘書3人の裁判というよりも、日本を支配しているのは官僚なのか政治家なのかを決める戦いなのです。官僚機構にとってもはや自民党は敵ではなく、政権交代した民主党も完全に骨抜きにしています。怖いのは小沢一郎の率いるグループだけです。もし、小沢氏が来年の4月に無罪になれば、9月の代表選に出馬し、民主党の主流として、いや最悪の場合は総理として復活してくる──これは彼らにとって悪夢なのです。(引用終り)
いずれにしろ今回の裁判で、証拠より状況の推定の積み重ねと、裁判官の推測・憶測で有罪判決を出したのだから、日本には「司法の正義」は存在しないことになった。そのように言っても過言ではないだろう。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?n=114776
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