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やっぱり有罪小沢の秘書 肝心の小沢一郎裁判への連鎖
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2011/9/27 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
この判決は順当なのか専門家筋はこう見る
やっぱり、いったん決められた国家の意思は、そう簡単にはひっくり返らないということだ。
きのう(26日)の陸山会裁判は、予想外の判決が下された。検察が描いたシナリオ通りで、被告の元秘書3人とも「有罪」だった。
しかも判決内容は、小沢事務所が水谷建設から1億円の「裏献金」を受領したと認定し、「(政治資金収支報告書を)故意に虚偽記載したのは明らかだ」と、ほとんど検察の主張に沿ったもの。
事前の予想では、少なくとも大久保隆規(50)と池田光智(34)の2人は「無罪」。水谷建設からの1億円裏献金は、完全に否定されるとみられていた。
なにしろ、東京地裁は特捜部が違法な取り調べをしていたとして、被告3人の供述調書40通のうち20通の全部または一部を却下。検察も自ら調書を取り下げるという大失態を犯したのだ。専門家の多くは、当然、小沢サイドに有利な判決が下されると予想していた。
しかし、結局、裁判所は「国家総意の秩序」をブチ壊すことはなかった。ある司法関係者は「検察は陸山会事件に関与した検事を一線から外すなど、へりくだってまで裁判所に“司法一家”の秩序の継続を求めた。そこは阿(あ)吽(うん)の呼吸。裁判所も了解したのだろう」と解説した。
もし、「無罪」という判決を下して政治謀略が明らかになったら、国家は立ち行かなくなってしまう。そんな最悪事態だけは避けたということだ。
しかし、この判決はどう考えても異常だ。ジャーナリストの江川紹子氏は、〈驚きを禁じえなかった。東京地裁は6月、検察側主張を支える供述調書の多くを証拠不採用にした。証拠を排除しながら、判決では「当然……したはず」「……と推認できる」などと推測や価値観で補い、次々と検察側主張を認めた。しかも論理展開は大胆に飛躍する〉と呆れ返っていた。
元東京地検検事で名城大教授の郷原信郎氏も、「判決内容を詳しく見なければならないが、信じられない判断だ」と語った。
ジャーナリストの魚住昭氏はこう言う。
「驚いたのは、水谷建設からの裏献金1億円を認定したことです。石川知裕議員に渡したという5000万円は、客観的な証拠が何もないのに受け取ったと断定しているからビックリです。5000万円が渡ったというなら、その5000万円はどこに行ったのか。それも明らかにされていない。『疑わしきは被告人の利益に』が裁判の大原則なのに、『疑わしきは検察の利益』になっている。考えられない判決ですよ」
裁判所は「国策捜査」だった陸山会事件を「無罪」にするわけにはいかなかったのだろうが、あまりにも国民の常識とかけ離れている。
◆検察の暴走はどうなるのか
自分たちの主張が全面的に認められた検察は大喜びだ。東京地検は「動機を含め、主張がほぼ認められたものと受け止めている」(八木宏幸次席検事)と勝ち誇っている。
「村木事件」でデタラメな捜査をしていたことが次々に発覚し、一時は「特捜部解体」まで浮上。検察も反省のそぶりを見せていたが、陸山会裁判で「完全勝利」したことで再び、暴走するのは目に見えている。
現場の検事たちは「ほら見ろ、俺たちの言った通りじゃないか」と欣喜雀躍しているという。
「村木事件でハッキリ分かったように、特捜部の捜査は、まず結論ありき。ターゲットを決めたら、どんな汚い手段を使ってでも、自白させ、起訴に持ち込むというものです。陸山会事件でも、最高裁が違法と判断した〈切り違え尋問〉を平然と行っていた。
〈切り違え尋問〉を平然と行っていた。〈切り違え尋問〉とは、『あいつは罪を認めたぞ』と嘘をついて自白に追い込むというものです。石川知裕議員が密かにICレコーダーに録音していた取り調べの様子を聞いても、脅し、賺(すか)しとヒドイ聴取をしている。恐らく、これまでも最初にシナリオを作り、シナリオに合わせて逮捕、起訴するという〈国策捜査〉をしてきたのでしょう。もし、陸山会裁判で〈無罪〉判決が下されていたら、〈暴走検察〉は徹底的に批判され、改めて捜査手法が問題にされたでしょうが、検察の主張が全面的に認められたことで、すべて元の木阿弥です」(政治評論家・本澤二郎氏)
しばらくおとなしくしていた検察のファッショがまた始まるのか。
◆石川は議員を辞めるのか
判決後、議員会館内で記者会見した石川知裕衆院議員(38)は、「判決内容に大変な不満を持っている。到底受け入れることはできず、控訴して断固闘う」と宣言。「判決は不当だと思っているので、政治活動をこれからも続けることにためらいはない」と、議員辞職する考えがないことを強調した。
だが、野党はこぞって議員辞職勧告決議案を出すと息巻いている。民主党の反小沢派を揺さぶる分断作戦だ。判決に小躍りした民主党内の反小沢派は勧告決議に同調するかもしれないし、仮に民主党が否決に回っても、野党は「裏金をもらった議員をかばうのか」という理屈で攻め立て、補正予算審議にも影響が出てくる。そうなれば、世論の批判を恐れるドジョウ首相が、石川に自発的な辞職を促す可能性もある。
さらにはメディアのバッシング報道。大マスコミが「悪いことをした石川議員は辞職が当然」とキャンペーンを張れば、そういう世論が醸成されてしまう。これはキツイ。四方八方からのプレッシャーに石川は抗(あらが)えるのか。
「辞めずに闘えばいい」と、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「これまで、1審で有罪判決が出ると議員辞職という選択が多かったことは確かですが、今回は、普通の事件とは違います。小沢排除という力学が働いた政局の中で起きた事件だし、検察の取り調べが問題視された。裁判所による客観的事実の判断にも疑問が残る。いろいろと複雑な要素がからんだ中での判決ですから、石川議員が控訴して闘う道を選んだのも分かるし、刑が確定するまでは推定無罪の原則が働く。今すぐ議員辞職する必要はない。徹底的に争えばいいのです」
しかも、今回は「疑わしきは被告人の利益に」の大原則を無視した理不尽な判決である。出処進退は、石川個人の判断に委ねるしかない。
ここで石川が辞めれば、「次は小沢だ」とエスカレートするのは目に見えている。腐った司法と闘うためにも、石川は絶対に辞めちゃダメだ。
◆小沢裁判はどうなるのか
今回の裁判結果は、10月6日から始まる小沢一郎の裁判にどんな影響を与えるのか。
小沢裁判の争点は、小沢一郎が「虚偽記載」の共謀をしたかどうかだ。秘書3人の裁判と小沢一郎の裁判は、争点や証拠の多くが重なっている。小沢本人も有罪になる可能性が高いのか。
「論理的に考えれば、小沢元代表は〈無罪〉以外あり得ません。検察審査会は、石川議員が検察に供述した『虚偽記載について小沢氏に報告・了承を得た』という調書を基に、小沢元代表を強制起訴しています。しかし、石川議員の調書は〈任意性がない〉と裁判所が証拠採用を却下している。つまり、検察審査会が強制起訴した根拠がなくなってしまったのです。常識的に考えて、〈有罪〉にするのは無理があります」(魚住昭氏=前出)
そもそも検察は、石川調書だけでは小沢一郎の共謀を具体的に立証し、有罪に持ち込むのは難しいと判断して立件を断念している。その調書まで裁判所が証拠能力がないと判断したのだから、小沢を有罪にできるはずがない。
ただ、秘書3人は証拠もないのに、裁判官の推測と価値観だけで有罪とされてしまった。再び国家の意思が優先される可能性もある。裁判官次第では、小沢一郎もどうなるか分からない。
◆小沢はもうダメか
今回の判決内容に、野党は鬼の首を取ったかのように大騒ぎだ。「管理者として小沢氏の責任は極めて重い。議員辞職に値する」と勢いづく自民党の石原幹事長を筆頭に、野党は小沢の道義的責任を強調、改めて証人喚問も求めるという。
これに党内の「反小沢」はしてやったりだ。
「党の倫理委員長は小沢嫌いの北沢前防衛相。さっそく、『倫理委員会を開いて、小沢を“除名”か“離党勧告”にするぞ』と息巻いていますよ」(反小沢の中堅)
だが、菅政権時代ならいざ知らず、まがりなりにも「党内融和」を掲げる野田首相が、すぐに“小沢切り”に動くことは考え難い。
「野田総理の頭の中は、とにかく増税。安全運転で政策を進めることを最優先しているので、小沢さんに離党勧告などして党を二分するような事態は望んでいない。輿石幹事長も判決当日の会見で小沢さんの道義的責任を否定しています。当面は静かにして、世論の動向を見ることになる」(野田に近い関係者)
小沢本人はきのう(26日)は、定期的に行く議員会館内の理髪店で髪を整え、赤坂の個人事務所で元秘書の判決を聞いた。予想以上に厳しい判決内容に、小沢グループの一部に動揺はあるが、小沢本人の裁判はこれから。「今までどおり淡々とやっていく」(小沢周辺)というのが大勢だ。
「元秘書の判決について、小沢さんは当然、最悪の事態も考えていたでしょうから、想定の範囲内だと思います。ただ、表立って動けない状況はまだしばらく続く。その間は、本人が訴え続けている『民主党の原点回帰』や『政治主導』の理念に共感する議員たちが代わりに動けばいい。小沢さん自身の判決が出るまで、小沢さんの力が削(そ)がれることはないし、何も変わりませんよ」(鈴木哲夫氏=前出)
小沢は自らが会長に就く新グループに毎回出席して、若手と政策論を戦わせる意欲を見せている。野党や反小沢議員が証人喚問だ、除名だと騒いでも、小沢は泰然自若を貫くだろう。
◆「小沢苦境」を煽り立てる大マスコミ
「小沢氏は即刻議員辞職を」「小沢氏復権に影」――。石川被告ら3人の有罪判決を受けて、小沢嫌いの大マスコミは「それ見たことか」といわんばかりに書き立てている。
検察の暴走シナリオを裁判所が“追認”し、それを旧体制の大マスコミが評価し、小沢の責任を煽り立てる。一大疑獄事件の判決でもあったかのような錯覚にとらわれてしまう。21世紀の民主主義国家とは思えない光景である。
今回の判決は専門家もクビをかしげる奇怪な結果だった。メディアが社会の木鐸を自負するのであれば、冷静に判決の妥当性を分かりやすく論じるべきではないのか。それを最優先して読者、視聴者に伝えるのが本来の使命だろう。
ところが、小沢裁判への影響や、小沢の政治責任を大騒ぎするばかりで、国民が最も知りたい疑問に応えようとしないのだからどうかしている。九大名誉教授の斎藤文男氏(憲法)がこう言う。
「そもそも、この事件は政治資金規正法違反(虚偽記載)という形式犯です。過去には修正で済まされてきたケースも多い。それなのに、検察の強引な構図で事件化され、大マスコミがはやし立ててきた。最初から、小沢失脚を狙った政治的な思惑があったとしか思えない。今回の判決にしても、法違反そのものを立証すればいいのに、状況証拠だけで踏み込んで、余計な背景説明までしている。なぜ、こんなことになったのか。本来ならば、マスコミは一歩引いて、冷静に伝えるべきですよ」
メディア改革にも積極的な姿勢を見せていた小沢は、旧体制からすれば天敵。元秘書3人の有罪判決の妥当性などどうでもいいのだ。ひたすら小沢の政治責任を強調し、世論を誘導していく。司法とメディアが一体化し、「推認」だけで特定の人物を失墜させる。こんな暴挙が、まかり通ろうとしているのだ。
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