http://www.asyura2.com/11/senkyo119/msg/762.html
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投稿者msehi関口博之
http://d.hatena.ne.jp/msehi/
日本の一般会計は2011年予算が92兆円4116億円であるが、実際は各省庁は21種類の特別会計を持ち、総額は国の予算の4倍を超えている。 こうした国民の血税を喰い尽す巨大な利権構造は、第3回で述べたように明治以来の悪しき官僚支配をドイツのように権限委譲と政治的任用で変えていくことなしには克服できない。 そして今緊急に目を向けなくてはならないのは、福島原発後も建て前とは異なって、突き進む原発ファシズムの暴走である。 しかし六ヶ所核燃料再処理計画を受け持つ国策会社日本原電は、福島原発事故後の4月に新たな拡張工事と言われる入札を実施しており、国策会社にもかかわらず情報公開もせず、2050年開始という高速増殖炉のためのプルトニウム燃料製造に突き進んでいる。 また核廃棄物最終処分場計画もドイツの多くの専門家が述べているように、安全な最終処分場などなく、ドイツでの最も安全と言われた岩塩鉱の3つの核廃棄物処分場の地下水侵入を検証すれば、只々核廃棄物を10万年という長い年月、安全に管理保管していくしかないという結論に達する筈である。 しかし日本の最終処分場を請け負うことになった国の事業体である原子力発電環境整備機構(NUMO)は、そのような検証も全くせず、3兆円の事業費で遅くとも2037年までに地層処分開始は可能だとしている。 NUMOの地層処理の空想の域とも言うべき全く楽観的な説明では、 「地下にある物質は主に地下水によって運ばれますが、地下深部では地下水の動きが極めて遅いため、物質の移動が非常に遅いという特長もあります。 このような説明がもし正しいとすれば、ドイツの地下500メートルを超えるモアスレーベンやアッセ岩塩鉱での、僅か数十年での数万個の放射線廃棄物ドラム缶の激しい腐食は起こらない筈であり、地下水汚染などは絶対に有り得ないことだ。 また万一の場合も安全であるという多重バリアの工学対策では、 「1.再処理した後に残る放射能レベルの高い廃液をガラス固化し、放射性物質をガラスの中に閉じ込めます。ガラスは水に溶けにくく、化学的に安定しているという特長を持っています。 また放射性物質はガラスと一体化しているので、ガラスが割れても放射性物質だけが流れ出すことはありません。 2.放射性物質を閉じ込めているガラス固化体をさらにオ−バ−パックという鉄製の円筒型容器に密封し、ガラス固化体と地下水が少なくとも1,000年間は接触しないようにします。 3.さらにオ−バ−パックの周りを水をとおしにくい粘土(緩衝材)で取り囲み、オ−バ−パックが腐食しガラス固化体から放射性物質が地下水に溶け出ても、緩衝材が吸着し、その場所から放射性物質を移動しにくくします」 しかしこのような説明も、ドイツの専門家が最終処分場ゴアレーベンの2000年の凍結決定の際理由として述べたように、鉄製容器は高温であることから(少なくとも100度以上が想定)緩衝材の変質は避けられず、水が高温の鉄製容器に接触すれば、モアスレーベンやアッセで見られたように激しく腐食し、数百年どころか数十年で、地下水の放射能汚染が始まる可能性は高く、地下水と接触する場合は工学対策も使いものにならないことは明白だ。 ドイツのような安定した岩塩鉱でさえボウリングによって地下水の浸入が避けられないことから、日本のような浸透性の高い地層では地下水との接触を避けることは不可能と言えよう。 現在NUMOは全国の市町村を対象に建設候補地を募集しており、建設が決まれば固定資産税が総計1700億円も入るということだ。 このような原発ファシズムを容認するならば、日本はたとえ福島原発事故以後再び爆発事故を起こさないとしても、地下水は放射能で汚染され、近い将来人が住めなくなるだろう。
もちろんこの巨大な総額は、国の予算との重複、各省庁間のやり取りなど複雑な仕組みが作られており、実際の国の総予算額は220兆円ほどである。
そして国会で予算が審議されのは220兆円の6分の1ほどであり、後の6分の5は官僚の権限である裁量によって、様々な公共事業などに配分され、巨大利権構造と指摘される独立行政法人、特殊法人、26000を超える公益法人、さらにその下の無数のファミリー企業を潤わし、ソドムとゴモラの快楽を与えていると言っても過言ではない。
例えば、公共上必要な事業と説明される99の独立行政法人の2009年予算総額は63兆円に達し、自己収入は半分ほどであり、残りの収入の大半は国からの交付金、助成金、そして借入金で賄われている。
そしてそれらの公表されている640人の役員の内訳は(2008年)、退職公務員が189人、独立行政法人等の退職者が165人、国から出向が85人であり、約七割が天下りである。
しかも役員報酬(平均)は法人の長が1861万円、理事が1550万円となっており、さらに退職金も国民の常識から逸脱していることから、国民の血税を喰い尽しているといっても過言ではない。
名古屋市の河村市長が言うまでもなく、ドイツであればこれらの法人長や理事は名誉職(ボランティア)となる筈である。
総額20兆円の六ヶ所核燃料再処理計画や、これまでに約2兆円を使果たした高速増殖炉開発計画は国際的な視点からも破綻しており、新自由主義路線を採る朝日新聞でさえ脱原発を論理的に打ち出しており、安全性を重視するならば当然廃止されるべきである。
(資料参照 http://www.asyura2.com/11/genpatu16/msg/210.html)
また高速増殖炉「もんじゅ」開発を推進する独立行政法人日本原子力開発機構も年間2000億円以上(2008年2191億円)の莫大な予算を組み、「ナトリウム使用は安全面で制御困難」という国際的見解にも耳を傾けることなく、想定外の事故に立ち往生しているにもかかわらず、開発計画を貫徹しようとしている。
まさに災いが起きるまで突き進む姿勢は、神をも恐れぬソドムとゴモラの裁きの滅びを予感せずにはおられない。
(資料参照 http://www.asyura2.com/11/genpatu16/msg/230.html)
(NUMO http://www.numo.or.jp/)
もう一つには、地下深部では酸素が極めて少ないため、錆びなどの化学反応が抑えられ、物質を変質させにくいという特長があります。これらの特長により、地下深部は地上に比べ、物質を長期にわたり安定して閉じ込めるのに適した場所といえます」
そして最も危惧されることは、国民の命を預かる計画にもかかわらず、NUMOの責任者(理事)たちは国の事業体であるにもかかわらず、電力会社OBと天下り官僚ばかりで、評議員も御用学者などの原発推進者で固められており、開発が開始されたら地下水が浸入しようが、汚染されようがストップすることは困難であるということだ。
それは財政破綻に向けて困窮する地方自治体が多いなかで、その弱みに付け込んで丸ごと買い取ることだ。
まさにこうしたやり方自体が、原発ファシズムを象徴している。
財政問題は増税で解決できない。第1回「政治の過ちによる国民への復興増税というタカリ(激怒!)」
http://www.asyura2.com/11/senkyo119/msg/620.html
財政問題は増税で解決できない。第2回「民にタカル官僚支配政府の舞台裏(審議会は「やらせメール」だ!)」
http://www.asyura2.com/11/senkyo119/msg/656.html
財政問題は増税で解決できない。第3回「ドイツから学ぶ官僚支配政府の克服(責任ある決裁権と政治任用制度!)」
http://www.asyura2.com/11/senkyo119/msg/716.html
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