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野田首相初の外交デビュー TPP参加交渉も普天間問題先行きの見通しは全く立っていない
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/20562
2011年09月24日(土) 歳川 隆雄「ニュースの深層」:現代ビジネス
野田佳彦首相は9月24日夜、ニューヨークから政府専用機で帰国する。同地で21日午後(日本時間22日未明)にオバマ米大統領との日米首脳会談と李明博韓国大統領との日韓首相会談、23日午後(日本時間24日未明)には国連総会連総会で一般演説を行った野田首相初の外交デビューであった。
野田首相訪米には、官邸から斉藤勁官房副長官(政務担当)、長島昭久首相補佐官、河相周夫官房副長官補(外交担当・1975年外務省入省)、河井淳一首相秘書官(政務担当)、そして外務省から藤崎一郎駐米大使(69年)、別所浩郎外務審議官(政治担当・75年)、鶴岡公二総合外交政策局長(76年)、杉山晋輔アジア大洋州局長(77年)、伊原純一北米局長(79年)らが同行した。
「外交漂流」と言われた鳩山由紀夫、菅直人元前両首相時代、沖縄県宜野湾市の普天間飛行場の移設問題、環太平洋経済フォーラム協定(TPP)参加問題などによって日米同盟関係に大きな亀裂が生じたとされた。というよりも、特に普天間問題での鳩山首相(当時)の"日替わりメニュー"的な発言によって米側の対日不信は頂点に達した。対米関係修復の意味においても、今回の野田訪米は期待されるものが大であった。
だが、野田・オバマ会談は僅か35分間(通訳を介して)。パレスチナ問題が現在のオバマ外交にとって喫緊のテーマであることは周知のことだが、オバマ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相とは1時間40分間も時間を割いているのだ。「ジャパン・パッシング」とは言わないが、あらゆる領域でオバマ政権の対日関心が薄れているのは否定し難い事実である。
そうした日米間の現状の中で、野田政権は11月上旬にハワイで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合でTPP参加交渉に踏み切るのかどうかを表明しなければならない。野田氏はさらに普天間問題についても、訪米前に名護市辺野古への移設の日米合意を実現すると言明した。が、仲井眞弘多知事を筆頭に沖縄県側の辺野古移設反対の声は強く、先行きの見通しは全く立っていないのが現状である。
■ポスト菅は前原だと読み違えていた外務省
そして問題視すべきは、対米関係修復の先頭に立つ藤崎駐米大使のオバマ政権へのアクセスはカート・キャンベル国務次官補(東アジア太平洋担当)のみであり、所管局長の伊原北米局長もまた先月、ロサンゼルス総領事から帰朝したばかり新任局長である。
実は、それだけではないのだ。歴代の北米局長は、東大法学部卒業、アメリカンスクール(英語研修組)出身であり、北米局の第1課長か第2課長を歴任、さらに言えば外務省のかつてのエリートコースである旧条約局(現国際法局)在籍経験者が通り相場であった。ところが、伊原氏は京大法学部卒業、フレンチスクール(フランス語研修組)、北米局に短期間在籍経験はあるが課長を歴任していない経済畑である。同期の中ではトップランナーの一人であったのは間違いないが、これまでの同省の自然調和人事からすれば、異色の北米局長である。
では、なぜ伊原氏に白羽の矢が立ったのか。どうも今夏前から佐々江賢一郎外務事務次官(74年)ら人事当局は、ポスト菅直人首相は前原誠司元外相(当時・現民主党政調会長)であるとの読みを前提に人事を考えていたフシがある。
京大の故高坂正尭教授ゼミ出身の前原氏が外相時代、絶大な信認を置いた同ゼミの一年 先輩の垂秀夫アジア局中国・モンゴル課長(85年・現駐中国公使)を本省に留め置いたり、同じ京大出身の伊原ロサンゼルス総領事の早期帰国・北米局長就任を急いだことは、そうした観点からすれば得心がいく。
要は、現在の外務省に戦略的思想を持った優秀な人材が払底していることの裏返しである。中堅クラスで言えば、麻生太郎外相時代の「自由と繁栄の弧」構想のコンセプト・メーカーだった兼原信克前総合外交政策局参事官(81年)は年初に駐韓公使としてソウルに赴任、同世代の逸材である秋葉剛男駐米公使(82年)もまたワシントン勤務である。「適材適所」は何も閣僚だけに求められているわけではない。官僚もまた適材適所の人事が必要である。
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