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◎川柳でドジョウ宰相読み解けば
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2011-09-22 07:21 永田町幹竹割り
何と言っても最近の傑作は読売時事川柳の<一煮立ちしたら税増すドジョウ鍋>でござろう。そのドジョウ宰相は華々しくアメリカで外交デビューだが、復興増税が当面最大の課題。しかし同じ与党・国民新党の「寝癖の亀」から「ああいう形で決めることはあり得ない」などとつれない見通しを述べられては立つ瀬がない。党内もちょっとどこかが軟化気味の税制調査会長では、まとまるものがまとまるか。21日も賛成はたったの1人。「顔がよごれの幹事長」が反対論を「そんなものは永久に出る」と開き直ったとか。一煮立ちしたら、とりあえずきざみネギ山盛りで食べた方がうまいのだ。
とにもかくにも<売り家と唐様で書く三代目>となるかは別として、民主党は3代目を作った。与野党の大連立どころか<民主党大乱立は成し遂げる>(読売)で、猫も杓子も立候補者の乱立。飛び跳ねて二匹日干しになっている>(自作)状態の中である。確かに「日干し」が首相になれるならオレがなってもおかしくないと次から次によくぞ立候補したものだ。売名方法としてはコマーシャル料ウン十億円分の効果だろう。そんな中で<泥沼の中からどじょう顔を出し>(読売)で、ピョコっとどじょうが顔を出した。かと思ったら<使い捨てだもの二日で出来上がり>(朝日川柳)だ。
どうも裏にはひさしぶりに顔を出した細川の殿様がとりもって「ちゃぶ台返しの一郎オヤジ」とドジョウの会談があったらしい。殿も隠居してロクロを回しているかと思ったら<殿様がちょこっと覗く泥の中>(朝日川柳)で血が騒いだらしい。その殿、政界に未練はないかと聞かれて<どろまみれいえいえロクロを挽いてます>(朝日)のだそうだ。在職中は突然狂ったように「国民福祉税構想」とやらを言い出して「志村けんの馬鹿殿と同じだ」などとけなされて、よほどこたえたとみえる。
こうして<逆転で野田のどじょうが生き返る>(朝日)とドラマチックに代表選に勝った。国民も<もう一度騙されてみる泥臭さ>(朝日)と観念してドジョウ宰相を見守ることにした。とにかく前・元のお二人は<草津温泉>で湯(言う)ばかりであったのう。そのドジョウも日干しになったお二人に懲りたのだろう、“逆張り”路線を選択した。所信表明でなんとお辞儀を12回もする低姿勢だ。<ひたすらにドジョウが泳ぐ低姿勢>(朝日)というわけだ。支持率も60〜70%とご祝儀もあってか高い。しかし株価は落ちた。<支持率の本音が示す株価安>(朝日)と、兜町も見るところは見ている。
それにしてもこのドジョウ宰相、ぬらりくらりと逃げてばかりだ。国会会期はたったの4日で閉じようとしてひっくり返されるし、恒例のぶら下がり取材にも応じない。側近は「当意即妙の答えが出るタイプではないから」と言い訳をする。<アドリブはどじょうも尻尾を出しかねず>(朝日)というわけだ。相田みつおの「 どじょうがさ金魚のまねすることねんだよなあ」の詩を引用して、泥臭さを演出するあたりまでは見事であったが、どうも代表選で票を獲得するために練りに練った言葉であったようだ。だから党内には<引っ張ろうにもドジョウには足がない>と足を引っ張るにも引っ張れないのだ。
しかしちゃっかりと利用できるものは利用する。<町工場政権浮揚に使われる>(朝日)と円高で落ち目の町工場を視察。もっとも「利用している」と受け取られるようでは上手の手から水が漏れる。問題は帰国した後だ。予算委員会がきりきりと“締め上げ”ようと狙っているのだ。自らの外国人献金や増税を追及しようと、怖い怖い野党のおじさん達が手ぐすねを引いて待っているのだ。最後に見事な川柳を披露。<そのうちにどじょう汚染となりて幕>(自作)。お後がよろしいようで。
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