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2011-09-19
『さよなら原発1000万人アクション』のデモに、6万人が集った。
信じられない思いであった。
日本人は、「声を失った羊の群れ」な成り果ててしまった。
と、思っていた。
『明治公園』
やはり、私には思い入れが有る。
明治公園から日比谷公園へ。
絵画館前から国道246(青山通り)へ。
通りの「歩道橋」上には、公安がカメラを構えて、デモ隊を撮影していた。
圧倒的な数の「機動隊」にサンドイッチにされて、デモをした。
デモ隊が「荒れる」事を期待して、しょっちゅう機動隊が挑発して来た。
いきなりジュラルミンの楯で、ガードレールに押し付けられ、デモ隊は崩れ落ちた。
将棋倒しで圧迫され、呼吸困難になり、死ぬかと思った事も有った。
日比谷にさしかかる頃には、完全に「戦闘状態」となり、催涙ガス弾の水平射撃の洗礼を受けた。
目が爛れるのを防ぐため、皆レモンを持参していた。
ガスを浴びると、レモンを潰して眼をこすった。
確かに「跳ね返って」いたのだろう。
しかし、『権力』と必死で闘っていた。
マッターホルンの北壁の様に、難攻不落で立ち塞がる『国家権力』の、圧倒的な存在感は、腹立たしく、悔しく、勝てる訳は無い事を承知でも、ぶつかって行かざるを得なかった。
そして、世の中は変遷する。
国鉄解体の結果、「鬼の動労」と「鉄の鉄労」が消滅したあたりから、日本では「全国動員デモ」などは、絶えて久しく見られる事も無くなってしまった。
『消費税』導入の時も。
『自衛隊海外派遣』の時も。
以前であれば、内閣がひっくり返る程の問題が起きた時ですら、『デモ』と言う行為が、全く起きなくなってしまった。
皆、口々に「政府」を批判し、政権の暴走に「不満」を述べる。
しかし、だからと言って、何かの意思表示を行うかとなると、残念ながら何も起こらない。
全く、「沈黙の羊の群れ」と化した日本社会は、お上の言いなりに行動し、批判も抵抗も起こさない、権力に対する「奴隷状態」に陥ってしまっていた。
民主党による政権交代は、一つの転換であったと思った。
なにしろ、「変化を嫌う」のが日本人。
矛盾が極限まで達していようが、我慢する。
福島第一原発のあの酷い事故と、その後の、更に輪をかけて酷い対応とにも、怒りを表に出さない。
実は、もううんざりだった。
日本の社会構造に。
日本人の思考に。
日本人の行動様式に。
70年安保に頃は、こんなじゃ無かった。
少なくとも、反対を唱えた。
デモを行った。
10万人集まる事も、珍しく無かった時代であった。
日本人は、すっかり変質してしまった。。。
と、思っていた。
そして、本日。
▶6万人集まり「脱原発」訴え 東京・明治公園(河北見出し)
>福島第1原発事故を受け、原発の新規増設計画の中止などを求める市民集会「さようなら原発5万人集会」が19日、東京・千駄ケ谷の明治公園で開かれた。脱原発を訴える作家大江健三郎さんらが、開催を呼び掛けた。
>目標を上回る6万人(主催者発表)が集まり、原発に反対する市民が沿道まであふれかえった。東北からも福島県をはじめ、各県の労働組合関係者らが駆け付けた。
>大江さんらがあいさつをした後、福島県の市民団体「ハイロアクション福島原発40年実行委員会」の武藤類子さん(58)が「国は国民を守らない。原発事故は収束しない。私たちは静かに怒りの炎を燃やす東北の鬼です」と語った。
>参加者はその後、会場周辺をデモ行進。新規増設計画の中止のほか、既存原発の計画的廃止、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の廃棄などを求めた。
【河北新報/9月20日(火)6時10分配信】
情報は、例に依ってツイッターで入って来た。
参加人数を知って、信じられなかった。
例に依って、始めはメディアは全く報じていなかった。
産経などは、22人の子供達による「お小遣い増やせ」デモを報じていた。
しかし、TWで「リアルタイム」の情報が、限りなく流れ込んでいた。
国民の、始めての「本格的」な怒りの意思表示であった。
出来たじゃないか。
日本人も、意思表示出来たじゃ無いか。
そして、とうとうメディアも無視しきれなくなって、報道し始めた。
▶<さようなら原発集会>参加の市民「日本全体で考えて」(毎日見出し)
>福島県南相馬市を離れ、川崎市に妻と娘、孫の4人で避難している元教師の山崎健一さん(65)は「福島に暮らしている人以外にも、原発問題にもっともっと関心を持ってほしい。原発政策、脱原発を日本全体で考えてほしい」との思いで集会に参加した。南相馬に戻りたいが「1歳の孫を思うと、除染が完全に終わらない限り安心して暮らせないので戻れない」と訴える。
>同県飯舘村から避難し、福島市の借り上げ住宅で暮らす女性(40)もバスで東京に駆け付け、パレードに参加。飯舘村で生まれ育ったが、第1原発のことは「小学生か中学生のころに社会科見学で行ったことがあるが、その後の日常生活で意識することは全然なかった」と振り返る。
>原発事故後、夫と一緒に勤めていた村内の会社を「100%安全と言い切れない場所では働けない」と夫婦そろって退社。「原発に無関心だった自分への戒めの意味もあってデモに参加した。悔しさをぶつける場所はどこにもないが、せめて今日は大声で『原発はもういらない』と叫びたい」と話した。
>同県郡山市から近所の主婦仲間と訪れた女性(72)は「街から子供の姿が消えた。公園や校庭に子供の元気な声が響く街に戻ってほしい」と参加。「国も東電も信じられない。都合の悪い情報をまだ隠しているのではないかと思える。こんなにも大勢の人が集まったのは、不信感の表れだと思う」と話した。
>一方、東京都練馬区のパート、小川美樹さん(40)は「行動しないのが一番悪い」と思い、初めて参加した。実家は静岡県富士市で、浜岡原発は身近な問題。3月11日以降「原発は安全というのはうそだった」と不信感を募らせた。
【毎日新聞/9月20日(火)1時54分配信】
個々の住民の声が、メディアに載った。
当たり前の感情が、全国に報じられた。
2011年9月19日。
「平成の夜明け」として、記念すべき出来事であったと、確信する。
そして、「専門家」と称される連中は、国民のレベルにまで追いついていない。
反省は口にすれども、「原発有りき」の前提でしか物事を考えられない性癖は、依然として続いている。
▶福島第1原発:原子力学会で専門家「過信があった」(毎日見出し)
>東京電力福島第1原発事故後、初めてとなる日本原子力学会の大会が19日、北九州市小倉北区の北九州国際会議場で始まった。
>会長の田中知・東京大教授は「国民に多大な影響と心配をかけ、学会として大変遺憾に思う」とあいさつ。
>二ノ方寿・東京工業大教授は「安全神話が独り歩きして結果的に改善が遅れた。専門家もあれほどの事故は起きないと過信があった」と批判の矛先を自らに向けた。
>参加者から事前に集めた質問に答える場面では、「事故が起こらないと問題が意識できないのか?」との問いに、宮野廣・法政大客員教授が「想像力の乏しさを反省しなければ」。山口彰・大阪大教授も「想像力を働かせなくていい環境があったのでは」などと安全神話に立って原子力を推進してきた自らの姿勢を戒める発言もあった。
>しかし、原発の是非そのものについては意見が出ず、原発の必要性を前提にした議論に終始。
>田中会長は「原子力エネルギーは必要不可欠」。杉山憲一郎・北海道大教授も「放射能のリスクにばかり関心が向いている。(原発がないと)エネルギー資源が制約されるリスクを若者に教育すべきだ」と主張した。
>シンポ後、一般参加した北九州市の女性(62)は「反省の弁が出たことは評価するが、本当に見直すべきは原発推進の姿勢では。事故で不安を募らせている市民感覚とずれていた」と不満を口にした。
【毎日新聞/9月19日22時49分配信】
反省の弁が口をついただけでも、進歩とすべきか。
方向転換の出来ない思考に捕われている「専門家」達を、糾弾すべきか。
そして中には。
@ikedanob 池田信夫
今日のしょぼい反原発デモが昔の学生運動と違うのは、かつては知的エリートが闘士だったから社会的インパクトが(よくも悪くも)あったこと。今は老人と情報弱者の暇つぶしで、何の影響力もない…
良くもまあ、言ってくれたものだ。
「老人と情報弱者の暇つぶし…」
私は、「もの言わぬ日本人」の殻を破った「老人達」に、最大の敬意を捧げる。
そして、今回のデモに、若い人達もかなり参加していたと言う情報に、日本の可能性を見いだす気がした。
佐藤雄平福島県知事。
勝俣恒久東電会長。
原子力安全・保安院院長、審議官。
菅直人。
枝野幸男。
海江田万里。
細野豪志。
今日この日、明治公園に集った6万人の声を、如何に聞く!!
『原発の電気エネルギーなしでは偉大な事業は成し遂げられないと申す人々もいます。それはウソであります。原子力によるエネルギーは必ず荒廃と犠牲を伴います』
『放射性物質で汚染された広大な面積の土地を、どのようにはぎ取るか。すでに内部被ばくしている大きい数の子供たちの健康を、どう管理するか』
『イタリアでは、もう決して人間の命が原発によって脅かされることはない。しかし、私ら日本人はこれから、さらに原発の事故を恐れなければならない』
『私らに何が出来るか。私らにはこの民主主義の集会、市民のデモしかないんです』
大江健三郎
『今の日本の政治は一人の命や安全を無視している』山本太郎
自分が参加出来ない事の悔しさも含めて、本日のブログは「中学生日記」風になってしまわざるを得なかった。
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