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「鳩山政権はなぜ戦略局を断念したのか」(EJ第3144号){Electronic Journal}
http://www.asyura2.com/11/senkyo119/msg/650.html
投稿者 メジナ 日時 2011 年 9 月 20 日 09:57:33: uZtzVkuUwtrYs
 

「鳩山政権はなぜ戦略局を断念したのか」(EJ第3144号)
"http://electronic-journal.seesaa.net/article/226749386.html"target="_blank"
2011年09月20日:{Electronic Journal}

 鳩山元首相は、国家戦略局強化になぜ一転消極的になったのでしょうか。民主党にとって国家戦略局の新設は、官僚機構の本丸である財務省に切り込むと同時にマニュフェストの財源確保のために不可欠であったはずです。

 菅氏が巨大な権力を握ることに懸念したともいわれますが、その真意はいまだにわかっていないのです。その代り鳩山氏は、行政刷新会議にはかなり力を入れ、こちらを「政治主導の司令塔」として機能させようとしたのです。つまり、事業仕分けで予算の組み替えをしようと考えたわけです。

 しかし、この考え方は間違っています。少なくとも事業仕分けで税金の無駄を削っても、民主党のマニュフェストの財源を生み出すことができないことは最初からわかっていたからです。

 なぜなら、ムダというのはその予算を必要とする側の意見とムダと断ずる意見が真正面から衝突し、決着がつかなくなるからです。それに事業仕分けは、行政のムダを発見する方法ではあるがムダと判定した事業に関しては、予算を計上した省庁で原案について廃止を含め、再考を促すに過ぎないのです。そのため、事業仕分けで「廃止」と判定しても続々と復活してきているのです。

 しかし、予算の組み替えはムダを排除することではなく、国家戦略に基づいて優先順位づけを行い、優先順位の低い政策は新年度予算からは削るのです。これこそ政治主導で行うべきであり、これならマニュフェストの予算は確実に確保できたはずです。

 鳩山氏が側近などからの間違ったアドバイスを受け入れ、小沢氏を幹事長には任命するものの、「政権運営、政権協議には関わらない」と条件をつけたことは大失敗であったのです。鳩山氏はいまだに自分のミスに気づいていないように思われます。

 鳩山氏が国家戦略局に対して冷淡であったことは、2010年2月に提出された「政治主導確立法案」においても国家戦略局にまったく配慮していないことでも明らかです。原英史氏はこれについて次のように述べています。

 2010年2月に遅ればせながら提出された「政治主導確立法案」では、「行政刷新会議」については「専門委員」という形で、国会議員が、正式にサポートに入る仕組みが用意されている(「事業仕分けチーム」への参加を想定していると考えられる)。しかし、「国家戟略局」については、どうしたわけか、「国家戦略局長」と「国家戦略官」の2名しか、国会議員は着任できないように定めてある。例えば「11年度予算での全面組み替え」を本気で「国家戦略局」でやろうと考えているならば、相当数の国会議員によるサポートが当然必要になるはずだが、なぜそのための制度を設けていないのか、不思議でならない。

 ──原英史著/新潮社刊    『官僚のレトリック/霞が関改革はなぜ迷走するのか』

官僚のレトリック

 実は、民主党が政権を取ったとき、財務省は最悪の事態を考えてその対応策を練っていたのです。2003年の民主党のマニュフェストには「内閣財政局」の設置が明記されていたのです。したがって、鳩山内閣が内閣官房か内閣府に予算局を設置し、政治主導で予算編成を実現させる可能性は十分にあったのです。

 財務省が絶対に守ろうとしていることは、次の3つのことなのです。これは国のためではではなく、省益のためです。

          1.財政破綻の回避
          2.予算配分権確保
          3.特別会計の死守

 財務省は、税収減と財政危機──基本的には自らがそういう状況を作ったのであるが、彼らはそうは自覚していない──これによって、自由裁量で差配できる財源がどんどん小さくなっていることに強い危機感をもっているのです。これは財務省の権力が小さくなることを意味しており、絶対に避けなければならないと考えていたのです。そのために彼らが画策していたのが消費税の大増税なのです。

 しかし、財務省は自信を持っていたのです。仮に官邸に予算局ができたとしても、実質的な予算編成権を握れればよいと考えたのです。国家の予算編成は誰でもできるものではなく、財務官僚が協力しなければ不可能です。その予算局には財務官僚が入り、財務省の定番のポストである官房副長官補の指揮の下で予算編成が行われれば実質的に同じと考えたからです。

 特別会計については、一般会計よりも財務省の自由裁量の余地がまだ大幅にあるので、それを支配下におくことで、ことカネに関しては財務省が支配できるので死守しようというわけです。

 しかし、案に相違して予算局の話は封印され、国家戦略局による予算の組み替えも事実上見送られたのです。確証はないもののこれは官邸と財務省の間で何らかの取引が行われたのではないかと考えられます。

 予算の全面見直しは見送る代りに、財政刷新会議での事業仕分けについては財務省は協力し、それなりの削減を行い、予算編成に全面協力するというものです。

 実際問題として、鳩山内閣では2010年度予算の全面組み替えには絶望感を示す議員も多くいたのです。「2011年度予算からやればいいではないか」という声も多かったのです。しかし政権交代のときであったからこそ、何が何でもやるべきだったのです。小沢氏だったら絶対に妥協しなかったと思われます。

 結局麻生内閣の概算要求88兆円をほぼそのままにし、それに民主党マニュフェストの予算を上乗せした予算を作ってしまったのです。予算の全面組み替えは結局行われなかったのです。これは民主党の国民への明らかな裏切りであり、とうてい許されないことなのです。
   ─── [日本の政治の現況/70]


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コメント
 
01. 2011年9月20日 10:36:20: JwDwgGy09c
そのための西松建設事件であり、陸山会事件であったのでしょうね。
財務省は当然のことながら法務省の予算についても権限を持っていますからね。

02. 2011年9月20日 13:51:04: 1xmbqJF6xU
鳩山元総理も二酸化炭素25%削減発言を日本のマスコミだけが、鳩山が25%削減を宣言した!経済が縮小する!!って
大騒ぎしていましたが、他の国家も二酸化炭素排出制限を行なうのならば。というコメントを最後に
言ってましたが全くの無視。

沖縄の米軍基地での精神的軽減を減らすべきだという事を打ち出しても、マスコミが
日米安保まで持ち出して危機感を煽り、そんな鳩山内閣の極秘情報がダダ漏れしてアメリカに
伝わっているにも関わらず、危機感のなかったお粗末な鳩山氏だったからこそ辞任しなければならなかった。
この時、なぜ小沢氏が鳩山氏にアドバイスをしなかったのだろうか。
第七艦隊だけで良いと発言した小沢氏がなぜ鳩山氏を援護しなかったのか。
内閣の情報管理の甘さゆえ、アドバイスも相手に漏れる為に自らが危機的立場に追い込まれると
判断したのではないだろうか。

麻生政権末期〜民主党政権になってから特に感じるのですが、マスコミの報道での批判が政策批判から
個人政治家批判へと変わってないだろうか。
政策批判すれば政府を敵に回す事になり、政策を支持する政治家全員を敵にする事になる。

最近では増税主義を民主党が唱えるが、実は自民党こそ消費税大増税を目論んでいる為に
ここで増税を思いっきり叩けば次の政権では、批判したマスコミに見事にブーメランが帰って来る事になる。
マスコミは既に次の政権の為に動き始めているのではないか?

所詮自民党の失政を数年で回復出来るわけもないので、民主党の無能さを自民党などが批判して
再び自民党政権に戻る可能性が高い。
つまり、鳩山元総理は小沢氏の政策を完全に信用していなかったのか、自分の政策がコロコロ変わったので
自爆するように質問を投げつけ、わざと矛盾に陥るよう仕向けたという事です。
鳩山氏の性格を見抜いた戦略ってやつでしょう。
国民を「B層」扱いして戦略を立てる位ですからね。

もし、ちゃんとした政治をマスコミは報道するのならば、政治家個人の批判よりも政策に対する批判を
きっちりと報道して欲しい。
政策のどこがダメでどこが良いのか。

鳩山氏の場合は個人批判が本当にヒドかった。
それ以上に言う事が変わるほうが支持していた者に取って裏切り行為でした。

しかしながら子供を大切にしようという意志は国家の基幹を作る事でもあり、これは良いこと。
社会で子供の教育に対する負担を少しでも減らそうと子供に投資する事は支持出来た。
ただ、マズイ面もあったので改良して行けば良かっただけの事なのに残念!

個人的に、民主党には官僚の無駄使いを洗い出して正しい国家予算としての透明性を特に期待していた。
特別会計は廃止するくらいの意気込みで…

考えれば考えるほど、中央官僚共が腐っていれば日本も腐るので未来は無い。
いかにして官僚の不正を防ぐ為の正しい国家組織が作れるかにかかっていると思います。
人が良いだけじゃ潰されますからね。


03. 2011年9月20日 14:42:33: rWmc8odQao
つまり表題の疑問の答えは…
「確証はないもののこれは官邸と財務省の間で何らかの取引が行われたのではないかと考えられます。」
ですか…

では、つづきは各人の妄想で、ということで。

【私の妄想】「友愛政経懇話会」の故人献金問題での、鳩山氏の不起訴とバーターした。


04. 2011年9月20日 17:45:41: XVX5sUWO8g
【ネット中継・告知】ニコ生×IWJ 「沖縄はゆすりの名人? 日米同盟の未来を問う」 岩上安身×ケビン・メア×孫崎享(24日:19:00〜)

http://live.nicovideo.jp/watch/lv64027201


05. 2011年9月21日 18:06:43: FHVyh15Kso
鳩山母資金問題と小沢資金問題で、国民の政権交代に対する期待感を払拭。
民主党躍進の原動力とされた長妻には徹底した嫌がらせとネガキャンを行い、
母子加算の復活作業(これは民主党が強く主張した政策のため後回しにはできない)をチンタラ進めて、それ以外は放置して、無能大臣のレッテル貼り。
お調子者の前原には「八ッ場ダム」で足元をすくわせ、JAL破綻処理で迷走。
水ぶくれになった各省庁の予算案の調整で、藤井財務大臣から総理の政治判断を求められた平野官房長官は、
その役割を放棄し、各大臣と藤井大臣と直接交渉を指示。やってらんねーと藤井大臣辞任。
菅副総理が後任大臣となるものの、菅財務大臣は国会答弁で晒し者。
行政刷新会議に属していた事業仕分けでレンホーをプッシュ。(この結果、官僚と仙石との関係が強化)
さらに、中国政府要人の来日に伴う陛下との会談日程の調整を「小沢の天皇の政治利用」とマスコミにリークして騒動に。

国家戦略局の構築以前に、政権交代の原動力となった脱官僚を唱えた有力者(鳩山、小沢、菅、長妻)は軒並み官僚から攻撃され、身動きが取れなくなった。
更に、仙石を中心とした勢力と小沢・鳩山勢力が分断され、翌年の「脱小沢路線」の流れが確立。


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