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9月16日(金) 「政治改革」の失敗に学ぶ(五十嵐仁の転成仁語)
http://www.asyura2.com/11/senkyo119/msg/536.html
投稿者 gataro 日時 2011 年 9 月 16 日 10:19:49: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2011-09-16

9月16日(金) 「政治改革」の失敗に学ぶ 

〔以下の論攷は、『しんぶん赤旗』2011年9月15日付に掲載されたものです。〕

 野田新内閣発足のニュースを聞きながら、日本の政治はどうしてかくも劣化してしまったのかと嘆いた人は少なくなかったでしょう。その最大の要因は1994年の「政治改革」の失敗だったと、私は思います。
 企業・団体献金を禁止せずに政党助成金を導入し、小選挙区制を中心とする選挙制度に変えたために、政治は機能不全を強め解体の危機に瀕しました。「政治改革」ではなく「政治解体」だったのです。

閉塞破るために

 このとき主たる目的とされた「政治とカネ」の問題は全く解決されませんでした。もう一つの柱だった小選挙区制の害悪は今や明瞭です。5つの問題点を指摘したいと思います。
 第一に「二大政党化」による中小政党の排除です。その結果、有権者の選択肢が狭められ、新自由主義への疑念、普天間基地の国外移設、消費税増税やTPP(環太平洋連携協定)への反対などが国会に反映されなくなってしまいました。
 しかし、これらの選択肢を掲げていた政党はありました。共産党です。二大政党以外に明確な選択肢があったのに人為的に排除される結果になりました。
このことが、政治の閉塞につながっています。正しいことでも「共産党だから」ということで無視するような風潮は、マスコミも含めて改めるべきです。
 第二に理念・政策に基づかない政党の誕生です。民主党は綱領をもたない珍しい政党ですが、それは理念や政策とは無関係に結集した選挙互助会だからです。
 小選挙区制では現職以外の政党から立候補せざるを得ず、野党時代の民主党にはそのために加わったような人が少なくありません。理念や政策が二の次となるわけです。
 選挙での当選や政権獲得が主たる目的ですから、その結果、何をやるのか、政治の目標や国家ビジョンはあいまいです。政権運営の手続きや手法にも無頓着でしたから、政治主導が頓挫し、普天間問題などが挫折したのも当然でしょう。
 第三に、二大政党の政策的な接近です。小選挙区制では、有権者の半分以上の支持獲得を目標にしなければなりませんから、二大政党の間に位置する有権者の奪い合いが始まります。
 知らず知らずのうちに相互の政策が似通ったものになるのはそのためです。野田新首相の自民党への接近の背景には、このような事情があります。
 第四に、短期間による多数派政党の入れ替わりとねじれ現象の発生です。小選挙区制には、少しでも相手を上回ればその差が拡大されるという「膨らまし粉効果」があります。
マスコミ報道もあって有権者の支持態度は、短期間に大きく変化するようになってきました。選挙になればこれが増幅され、衆院選後の参院選で多数派政党が入れ替わってねじれが生じたわけです。
 第五に大連立への誘惑が生じる半面、それが困難になるという問題です。一方でねじれを解決するためには連立が必要となり、他方で小選挙区では敵対していますから、それは難しいというジレンマが生じます。

劣化を防ぐ道は

 このように、小選挙区で敵対する二大政党同士の連立は極めて難しいという矛盾を抱えながらも、野田内閣がそこへ向かおうとするところに政治の行き詰まりを見ることができます。
 こうして、日本の政治は政党政治の自縄自縛という新しい問題を生み出すことになりました。それを解決するためには、企業・団体献金を禁止し、小選挙区制を廃止して比例代表制的な選挙制度に変える、本物の政治改革を断行するしかありません。これが、政治の劣化を防ぐ唯一の道です。
 

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コメント
 
01. 2011年9月16日 10:53:37: OTJw5wPv6g
>企業・団体献金を禁止し、小選挙区制を廃止して比例代表制的な選挙制度に変える、
>本物の政治改革を断行するしかありません。

賛成だ。
中小政党は、命を賭して、比例代表制中心の選挙制度を政府・与党に提案するべきだ。
選挙制度改革一点に絞って、選挙制度改革を政権協力への条件とすべし。

■参院選挙制度、比例中心に=共産・市田氏
共産党の市田忠義書記局長は1日の記者会見で、参院選挙制度改革に関し、
「新しい制度は得票数が議席に正確に反映される比例代表中心とすべきだ」と強調した。
また、「定数削減は行わずに1票の格差是正を実現すべきだ」と語った。(2011/08/01-17:18)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011080100608

■<亀井代表>「比例、小政党に配慮を」衆院の選挙制度改革で
国民新党の亀井静香代表は14日の議員総会で、衆院の選挙制度改革について
「少数党が抹殺されないよう、今以上に議席を持てる方向が大事だ。
もう少し比例部分を小党に配慮される仕組みに変えていく検討もあり得るのではないか」
と述べ、比例代表の議席配分が少数政党に有利になるよう改めるべきだとの考えを示した。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110915k0000m010069000c.html

■「比例代表連用制」提案へ=衆院選挙制度改革−公明
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011081700601
■比例代表連用制、提案へ 公明が協議会設置呼びかけ
公明党は衆院の選挙制度改革で、現行の「小選挙区比例代表並立制」に代えて、
小政党に有利な「小選挙区比例代表連用制」を提案する方針を固めた。
15日の党政治改革本部で正式決定し、
各党に対して衆院選挙制度改革に関する協議会の早期設置を呼びかける。
協議会では定数削減もとりあげるよう提案する。…
問題は民主、自民両党が現行制度を大きく変えることに消極的なことだ。
自民党はすでに選挙区を5削減し、比例代表の定数を30削減する改革案を策定。
民主党内でも現行制度の大幅な改革には抵抗感が強い。
その中で公明党が希望を抱いているのが野田佳彦首相の指導力だ。
内閣官房参与に細川護煕政権で首相秘書官を務めた成田憲彦駿河台大教授が起用されたことも
「連携のシグナル」と期待を寄せる。
成田氏は8月19日付産経新聞の「金曜討論」で
「小選挙区制度を維持しつつ、多様な民意を反映させるよう比例代表の要素を強化した方がよい」
と主張、連用制に理解を示していることから、
公明党は「官邸の意向をテコに選挙制度の議論をリードできないか」(中堅)としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110914-00000099-san-pol

■衆院比例のみ削減に反対=みんな・渡辺氏
その上で、渡辺氏は「比例を基本に、小選挙区が付いている『併用制』も一つのアイデアだ」と述べた。
小選挙区300、比例代表180の現行の「並立制」を改め、
比例の方が小選挙区より定数が多い制度の検討を求めたものだ。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010080600626

共産党、国民新党、公明党、みんなの党の意見が珍しく一致している。
つまり、中小政党は、選挙制度改革で利害が一致しているのだ。
これは極めて有力な取引材料になる。

中小政党は、365日毎日、比例代表制を中心とする制度を導入せよと
政府与党に要求し続けるべきだ。


02. 2011年9月16日 12:49:55: u8T2aRIP9Y
議員内閣制である限り、比例代表制中心にしたらより一層政治は機能しなくなる。比例代表にするならば、大統領制と同時にやるべき。
政党助成金は政党のファイズム化を生んだだけなので、至急廃止して企業団体個人献金の自由化をはかるべき。

03. 2011年9月16日 14:09:22: FjKnm4yQdc
デフレの進行が大きな問題になっていると思います。政治改革は2次的な問題です。

経済が減衰することで民衆はいらだち、政権を見限るのです。


04. 2011年9月16日 21:58:30: ruKJNvFLFk
比例代表だけなら候補者のうち誰を当選させるかは党幹部の意のまま。

共産党なら特にそうだろう。

誰を当選させるかの選択権は有権者になくなる。


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