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【民主漂流】「報道のせいで…」 失言反省せず八つ当たり まるで政権末期
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110912/stt11091222190006-n1.htm
2011.9.12 22:17 産経新聞
枝野幸男前官房長官が経済産業相に起用された最大の決め手は「ソツのなさ」だった。野田佳彦首相は政権へのダメージを食い止めるため、迅速に鉢呂吉雄前経産相を交代させたが、枝野氏の起用が本当に「適材適所」なのか。輿石(こしいし)東(あずま)幹事長は、閣僚たちの「地金」が露出することを嫌い、政府・民主党内で異例の“言論統制”に乗り出すなど、政権末期のような混乱をみせ始めた。(加納宏幸、小田博士)
「鉢呂氏が辞任した経過も含め大変残念だ。報道のあり方について皆さんももう一度考えてもらいたい」
輿石氏は12日、初の定例記者会見で記者団に注文を付けた。鉢呂氏の非公式な発言を記事にした方が悪いと言わんばかりで、報じた報道機関の幹部からの「事情聴取」も始めた。
「報道のせいで何も言えなくなっちゃったよ」「何を書かれるか分からんからしゃべれんわ」
12日昼の政府・民主三役会議終了後、党執行部の口は重かった。箝口(かんこう)令が敷かれたからだ。輿石氏は14日の両院議員総会で閣僚や党所属議員にも発言を慎むよう徹底する考えだ。
失言を反省せず、八つ当たりをするのは政権末期の様相だ。首相の所信表明演説のための臨時国会を13日からの4日間に限ったが、いずれ「不完全な内閣」(平野博文国対委員長)を露呈しかねない。
首相は9日の記者会見で鉢呂氏が東京電力福島第1原発周辺を「死の町」と表現した後、厳重注意にとどめる意向だった。しかし、記者団に「放射能をうつしてやる」と発言したことが同日夜に発覚すると、「更迭」にかじを切った。
鉢呂氏と同じ旧社会党出身の輿石氏は「辞めるべきではないという考えを持っていた」(官邸筋)。だが、いじめを助長する「放射能」発言があっては、元教員として抗しきれなかったようだ。首相は11日夜に枝野氏に経産相就任を打診し、輿石氏に伝えた。
「官房長官として3年分働いたので休みたい。行革を一兵卒として支える」
今月2日の組閣直前、枝野氏は周囲にこう漏らしていた。だが、弁護士出身だけあって目立った失言もなく、連日の記者会見をこなした「ソツのなさ」を逆に首相に買われた。
だが、この人事が新たな波乱を生んだ。菅直人前首相による震災や原発事故対応の責任を、枝野氏も一蓮托生(いちれんたくしょう)で負っているからだ。
枝野氏は3月17日、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の観測結果について「情報はどこかで一元化し勝手に出さないように」と文部科学省や原子力安全・保安院に指示しており、住民への情報公開が遅れた張本人が枝野氏ではないかとの指摘もある。野党側は国会で枝野氏の「連帯責任」を追及する構えだ。
首相のいう「適材適所」とはほど遠い交代劇を、民主党長老は皮肉った。
「最近の閣僚は(疑惑に関する)身体検査よりも国語力検査が必要だ。国語力があれば、後は役人が何とかしてくれる」
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