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【佐藤優の眼光紙背】鉢呂経産相辞任と「オフレコ破り」問題
2011年09月12日09時43分
http://news.livedoor.com/article/detail/5854294/
佐藤優の眼光紙背:第114回
鉢呂吉雄経産相が記者に「放射能をつけちゃうぞ」という放言で辞任に追い込まれた原因を「オフレコ破り」にあると民主党は認識しているようだ。
「放射能発言」報道を検証=オフレコ漏れを問題視か―民主
藤村修官房長官は11日午後の記者会見で、鉢呂吉雄前経済産業相の「放射能を付けたぞ」という趣旨の発言が報道されたことについて、民主党幹部が経緯を検証し、今後のメディア対応も検討する意向を示していることを明らかにした。オフレコの非公式懇談での発言などが報道されたことを問題視しているとみられる。
藤村長官は、鉢呂氏と記者団のやりとりに関し「今後の報道との付き合いにおいても、少し検証しないといけないと(党側から)聞いている」と説明。また、「報道されている件は非公式懇談で(出たもので)、報道と本人の言っていることが違うようだ」と指摘した上で、「ちょっとこの問題は重要なので、輿石東幹事長の方で少し動くかもしれない」と語った。(9月11日時事通信)
各種報道によると赤坂の衆議院議員宿舎に着いたときに記者に囲まれたときの発言が報道されたということだ。通常、このような宿舎での「ぶら下がり」もオフレコと見なされる。オフレコ懇談は、録音もせず、メモもとらないという不文律があるが、実態は異なる。政治家が記者の身体検査をすることはないので、ICレコーダーを隠し持っている記者もいる。記憶力に自信がない記者がそうするのだ。また、重要な話がオフレコ懇談であった場合は、記者たちが集まって「メモ合わせ」をすることがある。今回に関しては、各報道で鉢呂氏の発言内容に関するブレがある。これは記者たちが「メモ合わせ」をしなかったからだ。報道の発言内容にブレがあることをもって、今回の鉢呂発言がなかったという見方には無理がある。仮に鉢呂氏が絶対にこのような発言をしていないという自信があるならば、そう言い張るはずだ。もし言い張って、仮に録音された証拠が出てくるようなことになると、致命傷になるので、事実関係について詰めることを鉢呂氏が避けたのだと筆者は見ている。
鉢呂氏の「放射能をつけちゃうぞ」発言を、聞いたときに記者たちは、これが大きな事件になるとは思わなかったのだと思う。しかし、聞いたことは何でも上司に報告するという習慣から、何人かの記者は、このメモを上司に報告した。報告されたメモは政治部記者の間で回覧される(そこから政治家や官僚に流出することもある)。9日の記者会見で「死の町」発言が問題となり、鉢呂氏に関心が集まったところで、普段ならば重視されない「放射能をつけちゃうぞ」発言についてもニュース性を持つという判断を編集幹部が行い今回の報道になったと筆者は見ている。
オフレコは、政治家と記者の紳士協定に過ぎない。仮にオフレコを破っても、それ以上に報道する価値があるとマスメディアが判断すれば、報道する。それだけのことだ。これに対抗する手段は、政府・民主党が一丸となって、オフレコ取材を拒否するということだが、そうなると政府・民主党にとって有利な情報をマスメディアを通じて流すこともできなくなってしまう。
いずれにせよ、鉢呂氏は、録音記録があることを恐れているはずだ。録音記録がでてくると、オフレコ破りであっても、この問題が蒸し返され、民主党にとって不利な状況が生じる。下手に経緯の検証をすると民主党にとって命取りになる可能性がある。それだから、本件の事実関係については「迷宮入り」し、「約束を守ることは重要です。オフレコという約束をしたら、守ってくださいね」というような小学校の学級会レベルの話にしかならないと筆者は見ている。(2011年9月12日脱稿)
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