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【野田政権考】小沢氏は、天命に遊ばれるのか
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110910/stt11091010130004-n1.htm
2011.9.10 10:11 産経新聞
久しぶりに面白い本だった。石川知裕衆院議員(38)の「悪党 小沢一郎に仕えて」(朝日新聞出版)だ。
■「悪党」
民主党の小沢一郎元代表(69)が選挙や政局の大一番をどういう理由で動いたか、真の側近でなければわからない裏話が満載なのだ。自由党担当時は、毎朝、小沢邸周辺を掃除し、まさに「雑巾がけ」をしていた石川氏も貴重な取材源ではあった。しかし、著書で初めて知る新事実のほうが実は多かった。
著書が面白いもう一つの理由は、決して「小沢礼賛」ではなく、小沢氏の人間臭さがにじみ出ているところにある。
その中で一つ注目したのは、小沢氏が自らの限界を知る場面だ。
民主党との吸収合併を決めたのは、自らのオーナー政党といわれた自由党が選挙で議席を伸ばせず、「小沢一郎」のネームバリューでは自民党を倒せない現実を知ったためだ、という。
小沢氏は民由合併後、しばらくして「選挙の神様」として復活、2009(平成21)年衆院選で政権交代を実現させた。
■出馬説得に失敗
ところが、鳩山由紀夫政権が退陣した昨年夏以降は党内野党に置かれている。
菅直人前首相(64)に徹底して排除された小沢氏は、党員資格停止の身でありながら、今年5月の時点で早くも「ポスト菅」に動いていた。
「ポスト菅」に選んだ最初の人物は、藤井裕久元財務相(79)だった。
5月下旬、小沢氏は藤井氏の自宅に電話し、「飲まないか」と誘った。かつては大将と参謀だった両者の関係は、今ではすっかり冷めている。とはいえ、1年半前にも会合をしていて、完全に切れたわけではなかった。
料理店に招いた小沢氏は、卓をはさんで藤井氏に「菅はもう限度だ」と切り出すと、こう告げた。
「後はあなたがやってほしい」
藤井氏は高齢による「体力の限界」を理由に財務相と官房副長官を任期途中で辞任している。小沢氏にも「体が続きませんよ」と断った。
「(77歳で首相になり、第二次大戦を終結させた)鈴木貫太郎がいるじゃないか」と小沢氏は説得したが、藤井氏は「あの方は世の中をシャットアウトする(戦争を終わらせる)のが仕事だったが、今回は前向きの話をやるので若い世代がやるべきだ」と受けず、「藤井擁立」は実現できなかった。
小沢氏はその後も、輿石東幹事長(75)、西岡武夫参院議長(75)の擁立を画策するも果たせず、最終的には消去法の形で海江田万里前経済産業相(62)を担いだ。海江田氏は1回目の投票でトップだったが過半数を獲得できず、決選投票で野田佳彦首相(54)に敗れた。
■「過去の人」
小沢氏は、代表選を通じて小沢系の結束をそれなりに確認することができたし、系列議員が野田政権で菅政権よりも人事で処遇された。しかし、これで心が晴れたわけではない。
担ごうとした藤井、輿石、西岡の3氏はいずれも高齢だった。民主党内の世代交代を恐れた。
加えて、9月26日に石川氏らの政治資金規正法違反事件の一審判決があり、10月6日には自らの裁判も始まる。永田町よりも裁判に精力を傾けなければならない。自身は無罪に強い自信をみせるが、裁判がいつ終わるかは分からないし、100%無罪の保証もない。
3つに割れているグループを一本化させ自ら会長に就くのには、身内の結束強化と小沢系の数を党内に見せつける意味があるのだろう。しかし、自民党の派閥は100人を超えたら分裂の運命をたどった。派閥の分裂を小沢氏は2度も体験しているのだが…。
石川氏の著書は小沢、石川両氏の対談で締めくくられる。そこで小沢氏が「最高に気に入っている」という言葉「人事を尽くして天命に遊ぶ」が登場する。天命というのは「期待するでも何でもない」。だから「待つ」ではないのだ、という。しかし、小沢氏は天命に「遊ばれる」立場に置かれているのではないか。
かつて、芦田均政権は、昭電事件で退陣に追い込まれ、芦田自身も収賄罪で逮捕、起訴された。芦田は最終的に無罪となるも逮捕から10年後のことで、政治生命はすでに絶たれていた。小沢氏も、裁判が終われば「過去の人」になっているかもしれない。(政治部 今堀守通/SANKEI EXPRESS)
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