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鉢呂経産相:「放射能つけた」発言 辞任やむなしの声も
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110910k0000m010154000c.html
毎日新聞 2011年9月10日 2時30分(最終更新 9月10日 2時59分)
鉢呂吉雄経済産業相が東京電力福島第1原発の視察を終えた8日夜、東京都内で報道陣の一人に近寄って防災服をすりつける仕草をし、「放射能をつけたぞ」という趣旨の発言をした。鉢呂氏は9日午前の会見でも福島第1原発の周辺市町村を「死の町」と発言し、同日午後にこの発言を撤回して陳謝した。
原発を所管する担当閣僚として不適切な言動との批判が出るのは必至で、政府・与党内からは「辞めざるを得ないのではないか」との見方が出ている。閣僚の一人は「こういう話が続くと厳しいかもしれない。救いようがないかもしれない」と語った。
報道陣は、鉢呂氏の福島第1原発視察の見解などを聞くため、8日午後11時過ぎに東京・赤坂の議員宿舎で取材していた。10人程度の記者が鉢呂氏を取り囲み、鉢呂氏はたまたま近くにいた毎日新聞記者に近寄り、防災服をすりつける仕草をした。鉢呂氏はすりつける仕草をした後、報道陣に「除染をしっかりしないといけないと思った」などと語った。
鉢呂氏は8日、野田佳彦首相に同行して、福島第1原発や原発から半径20キロの警戒区域を視察した。その後、帰京し、防災服を着替えないまま、議員宿舎に戻り、報道陣の取材に応じていた。
鉢呂氏は9日夜、報道陣に対し、「放射能をつけたぞ」との発言について、「(記者に)近づいて行って触れることもあったかもしれない。そういうこと(放射能をつけたぞ)は言っていないと思う」と釈明した。
鉢呂氏は9日午前の閣議後会見で、8日に福島第1原発などを視察した際の印象について「残念ながら周辺市町村の市街地は人っ子一人いない、まさに死の町という形でした」と発言した。野田首相は9日、訪問先の三重県紀宝町で記者団に「不穏当な発言だ。謝罪して訂正してほしい」と要求。これを受け、鉢呂氏は9日午後、「被災地に誤解を与える表現だった。軽率だった。被災をされている皆さんが戻れるように、除染対策などを強力に進めるということを申し上げたかった」と釈明した。
藤村修官房長官は9日の会見で、鉢呂氏が佐藤雄平福島県知事に謝罪の電話をしたことを明らかにした。「ただちに(経産相としての)適格性につながるとは思わない」と閣僚を辞任する必要はないとの認識を表明。一川保夫防衛相の「素人だが文民統制」など問題発言が続いていることを踏まえ、近く各閣僚に発言に注意するよう求める考えを示した。
一方、野党からは鉢呂氏の自発的な辞任や更迭を求める声が相次いだ。自民党の石破茂政調会長は「経産相としてではなく人間として不適格で、間違いなく辞任だ」と批判。公明党の斉藤鉄夫幹事長代行は「大臣として不適格で自ら辞意を表明すべきだ。首相の任命責任も問われる」と語った。鉢呂氏は衆院北海道4区選出で当選7回。大蔵政務次官や民主党国対委員長などを歴任している。
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鉢呂経産相:失言 福島「ふざけるな」「くだらない」の声
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110910k0000m010155000c.html
毎日新聞 2011年9月10日 2時30分
「不用意」では済まされない発言が、東京電力福島第1原発を視察したばかりの閣僚から飛び出した。発言の主は原発を所管する鉢呂吉雄経済産業相。今も避難生活を強いられる被災者、原発事故を巡る政府の対応に振り回されてきた自治体の首長らからは「この人には何を言っても届かない」「辞任に値する」との声も上がった。【神保圭作、高橋直純、田中裕之】
福島県南相馬市の自宅が立ち入り規制中の警戒区域(原発から20キロ圏)内にある主婦、黒沢千恵子さん(41)は、中2と小6の子供と一緒に同市内の警戒区域外にある仮設住宅に身を寄せている。「『死の町』とか『放射能をつける』とか、住民にとっては言ってほしくないこと。子供にもそういう目が向けられていると思うと怖い」と話す。
第1原発が立地する大熊町から猪苗代町のホテル「リステル猪苗代」に避難している無職、福岡渉一さん(60)は「あそこを見てきたら、まともな街じゃないということは誰でも分かるが、『死の町』とまで言うのなら国はもう住めないと早く宣言してほしい」といらだちを募らせた。
大熊町から白河市に避難している元畜産農家の池田美喜子さん(52)は原発事故のため廃業に追い込まれた。「肉牛30頭を置いて来ざるを得なかった人の気持ちを全く理解していない。こうした発言が風評被害を拡大させることになるのだろうが、この人には何を言っても届かない」と語った。
計画的避難区域に指定されている飯舘村の菅野典雄村長は「ふざけるなと言いたい。我々は放射能で何十年も苦しまなければならない状況にある。政治家としてまともに理解しているとは思えない発言で辞任に値する」と怒りをあらわにした。
原発作業員も憤りを隠さない。大熊町から田村市の仮設住宅に避難中で、第1原発での作業経験がある亀田典夫さん(59)は「原発作業員たちが事故をどうにか収束させようと懸命に働いているのに、開いた口がふさがらない」と話す。現在も福島県外の原発で働いている双葉町出身の男性(24)は「『放射能をつけたぞ』は子供じみていて本当にくだらない。そんな発言をするくらいなら視察に来ないでほしい」とあきれた様子だった。
◇民主議員も戸惑い
鉢呂経産相の発言には民主党議員からも戸惑いの声が上がった。
福島県出身の山口和之衆院議員(比例東北)は「言葉だけでは判断できない。今、福島は復興に向けて全力で戦わなくてはならない時。揚げ足取りで国会がストップするようなことになってほしくない」と話す。
古賀一成衆院議員(比例九州)は「責任者として現場に行ってきたことを何か表現したかったのだろうか。こんなことで、もし政権がガタガタするなら日本の政治は世界の笑いものになる」と述べた。【青島顕】
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鉢呂経産相「ほら放射能」…党内に進退論
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110909-OYT1T00995.htm?from=top
2011年9月10日03時03分 読売新聞
鉢呂経済産業相が野田首相とともに福島第一原子力発電所の周辺自治体を視察して帰京した8日夜、着ていた防災服の袖を取材記者にくっつけるしぐさをし、「ほら、放射能」と語りかけていたことが9日、明らかになった。
原発を担当する閣僚として不適切な言動だとの批判が出るのは必至で、与党内では同日夜、進退問題に発展するとの見方が浮上した。
発言について、鉢呂氏は9日夜、記者団に「(現場に)親しいマスコミの皆さんが多く、被災地の話をしたというのが真意だ。(放射能をうつすとか)そういう発言はしていないと思う」と説明した。
この問題で、野田首相周辺と民主党幹部は9日夜、対応を協議した。
同党幹部の一人は、「参院では鉢呂経産相に対する問責決議案が出るだろう。国会運営はきつくなる」と述べ、鉢呂氏の進退論に言及した。
鉢呂氏はこれに先立ち、9日午前の記者会見で、福島第一原発周辺について、「人っ子一人いない。まさに死のまち」と表現したことについて、同日午後の記者会見で「被災地の皆さんに誤解を与える表現だったと真摯(しんし)に反省し、表現を撤回し、深く陳謝申し上げる」と謝罪、発言を撤回した。
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