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野田新政権への甘い期待と苛酷な現実
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2011/9/5 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
「歴史は繰り返す 一度目は悲劇として 二度目は喜劇として」この名言がピッタリ当てはまる野田新内閣。政権交代民主党政治から役人主導の昔の自民党政治へ戻ったが…
--国民生活よりも民主党政権の維持と生き残りが第一となった党内融和新政権のドタバタ政治のこれから
政権交代を切望した国民は、鳩山政権が潰れても、菅政権の誕生に沸いた。久しぶりの非世襲首相。薬害エイズを解決した武勇伝も記憶に残っている。鳩山政権の国家戦略相、財務大臣としての実績は何もなかったが、それでも新聞各社が世論調査をやると、支持率は軒並み60%を超えた。バケの皮がはがれ、権力亡者の正体が丸見えになる少し前だ。期待度はベラボーに高かったのである。
野田政権も同じだ。内閣支持率はV字回復である。野田首相、藤村官房長官、輿石幹事長と華のないドジョウたちが並んでも、支持率は60%前後まで戻した。政党支持率も自民党を逆転だ。
哲学者のマルクスは、「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」と言った。さて、「悲劇」の菅政権の次はどうなるか。顔からして芸人みたいな野田は、風貌にふさわしい喜劇を演じる気がしてならない。今は甘い期待を寄せる国民も、マンガのようなドタバタ政治を見せつけられて愛想を尽かす――。マルクスの名言がピッタリ当てはまる公算は大だ。
法大教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「野田首相のアタマの中にあるのは、政策ではなく政局です。党内融和の優先でグループのバランスを重視する人事をやる一方で、野党にも低姿勢で協力を引き出そうとしたのも、国民生活を考えてのことではありません。政権の安定が第一です。それでも党内や与野党のゴタゴタにヘキエキしていた国民からすれば、党内外と良好な関係を築こうとしている姿は好感が持てるのかもしれません」
だが、融和を目指せばすべてOKになるわけでもない。政治状況は、菅政権当時と同じだ。
◆雪だるまごろ坂道を転げ落ちる危険性
「震災からの復旧・復興、原発事故の収束、ねじれ国会、09年衆院選マニフェストを否定する3党合意など、菅政権が追い込まれた構図は何も変わっていません。しかも、野田首相は復興増税を実行し、来年の通常国会に消費税引き上げ法案を提出する構えも見せている。新代表の挨拶で、政権運営は雪だるまを押し上げていくようなものと例えましたが、菅政権からの宿題に加えて2段階の増税となれば、雪だるまごと坂道を転げ落ちる危険性も高い」(五十嵐仁氏=前出)
民主党の国会議員に「ノーサイドにしましょう、もう」と呼びかけたのも、国民のためではない。民主党政権の維持と生き残りのためである。本人は「国民の生活が第一の方向性は間違っていない」と強調するが、やっていることは国民無視の権力闘争だ。
同志社大教授の浜矩子氏は、東京新聞のコラムで〈政治の世界にノーサイドなどということがあり得るのか。あっていいのか。どっち側に立って何をどう主張するのか。そこが明確でない者がみずからを政治家と呼んでいいのか。鮮明にすべき旗幟を持ち合わせていない者に政治が出来るのか〉と書いていた。野田に首相はムリだ。政治家としても失格なのである。仲間を叩くことで人気を得ようとした菅の手法は正気の沙汰ではなかったが、仲良しごっこの政治もマトモじゃない。
◆軽量大臣が招く役人天国の復活
悲劇に続く喜劇はゴメンだが、すでに野田政権は、その一端を見せ始めている。グループ均衡を考えた結果、門外漢が主要ポストに座ったのが幕開けだ。
例えば、安住財務相である。就任の挨拶回りでは、「うれしそうに握手しながらも、『どうしよう、どうしよう』とビクビクしていた」(民主党議員)という。
本人は総務相や防衛相を希望していたらしいが、それすらおこがましいような小物である。米紙ウォールストリート・ジャーナルも「金融の世界では無名同然」とコキ下ろした。会見では、3次補正の財源について「直感で言うと生み出すのは難しい」とコメントしていたが、勘であれこれと手を付けられるのは迷惑だ。
玄葉外相もまったくの未知数である。松下政経塾出身で前原元外相の同期だから、対米隷属のタカ派なのだろうが、これまで外交に関して発言らしい発言をしたことがなかった政治家だ。国益を左右する重要ポストが務まるとは思えない。
中には、一川防衛相のように、自ら「素人」を認める者までいるのだから、もう笑うしかない。政治評論家の山口朝雄氏が言う。
「知識や経験がなければ、頼る相手は役人しかいません。素人大臣は、霞が関にオンブにダッコにならざるを得ないのです。民主党は政治主導を看板にしてきましたが、軽量大臣は官僚になめられて、いいように使われるのがオチ。政官で癒着した自民党政権に逆戻りするのは明らか。野田首相からして財務省の言いなりですから、役人主導の政治に抵抗がないのでしょう」
◆野田民主党は政権交代の原点に返れ
かつて財務官僚の言いなりで消費税率を引き上げた橋龍首相は、支持率の急落に首をかしげていたという。
「財務官僚が『決断できる政治家は先生だけです』『国民も望んでいます』と進言していたのに、人気を落とした。それが不思議でならなかったのです。増税路線をひた走る野田首相も、同じ道をたどることになる」(政界関係者)
野田は、民主党が掲げた「内閣への政策決定の一元化」もやめる。政調会長の権限を強化し、党側がOKしないと閣議決定できないように改める方針だ。目指す先にあるのは、閣外にいる族議員が役人と結託して法案を潰す自民党型の政治。これで喜ぶのは霞が関だけである。しかも、政調会長代行が役人と結んだ仙谷元官房長官といわれているから、国民は何も期待できない。
融和の先が役人天国の復活では、政権交代も台無しだ。日本の民主主義は完全に崩壊する。
「野田政権には、政権交代の原点に返れ、と言いたいですね。野田首相は、なぜ2年前に政権交代が実現したのか、もう一度点検する必要がある。国民は自民党政治に行き詰まりを感じたから民主党を選んだ。自民党のやり方ではダメだと分かったのです。それなのに自民党型の政治を推し進めようとしているのは、完全な誤り。そろそろ目を覚ましてもらいたい」(山口朝雄氏=前出)
ダメな自民党の亜流政権には、国民の暮らしや安全を守れない。甘い期待はまた裏切られる。国民は、そう覚悟しておいた方が賢明だ。
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