http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=aTH5uqQEEY3o

日本にも「アラブの春」が必要だ。
私が10年前に東京に赴任した時、今この時点で８人目の首相について書くことになるなどとは思いもよらなかった。しかし、野田佳彦新首相が果たして前任者５人よりその座に長くとどまれるのか、こうして分析したり考えたりする羽目になっている。

2001年４月に小泉純一郎氏が森喜朗氏の後任として首相に就任。小泉氏は５年という今では考えられないほど長期間、首相の座にとどまった。同氏の後は、記憶には薄いが安部晋三氏が就任、福田康夫氏と麻生太郎氏が後に続いた。
09年８月には政権交代が実現。有権者は約54年間の自民党一党支配と決別した。民主党は力量不足の鳩山由紀夫氏を首相に選ばなければまだましな状態でいたかもしれない。次に首相に就任した菅直人氏は先週辞任し、また新たに首相が誕生することになった。

世界経済が安定からは程遠いこの時期に、無難な選択として野田氏を選んだと、アナリストや批評家は政治家批判に忙しい。しかし、本当に非難されるべきは１億2700万人の日本国民だ。
国民は自分たちにふさわしい指導者を選ぶという古いことわざには一理ある。日本の場合、有権者は指導者に対しもっと要求し、変革を強く求める必要がある。それなのに、日本人はまるでまひしたかのように沈黙したままだ。

****インドの反政府運動
私はインドに数日間滞在した際、政治腐敗に反対する74歳の活動家のもとに何万人もの有権者が集結するのを見た。アンナ・ハザレ氏は格別カリスマのある人物ではない。だが、チュニジアの青年の焼身自殺が同国の革命の発端になったように、ハザレ氏のハンガーストライキはまさに時宜を得た行動だった。

インドやマレーシアやタイなどで最近起きている反政府運動が日本で起きないのには、明確な理由が二つある。その一つは豊かさだ。いくら日本が景気後退やデフレや賃金の伸び停滞などの問題を抱えているとはいえ、家計の貯蓄は数兆ドルにも上る。日本の失業率も4.6％と、米国の9.1％よりも低い。もう一つの理由は文化的なものだ。礼儀やしきたりが過度に尊重される日本では、街頭で旗を振りかざし、声を上げることはあまり人の心に訴えない。

*****無気力な日本
弱気で無力な政治家のために日本が何もできないでいる間、世界はスピードアップしている。中国は日本を追い越して世界第２位の経済大国の座に就き、その9.5％という高い成長率は多くの先進国とは対照的だ。また、ソニーなど日本を代表する企業がデフレで苦しむ中、韓国のサムスン電子などの新興企業は好調だ。

東日本大震災と原発事故が起こる以前から、日本政府の足取りは重かった。世界最大の公的債務を削減し、ゼロ金利政策から脱却する方法を考えようとする意志はほとんど見られなかった。
震災直後は、日本はこのような無気力な自動操縦の状態から脱し、経済を別の方向に進めていかざるを得なくなるとみられていた。しかし、この５カ月余りで証明されたことといえば、日本の無気力の根強さだ。政治家は菅降ろしに夢中だった。その任務が果たされた今、一体どうするのか。

*****陳腐な政策
東北では今でも何万人もの被災者が避難所や仮設住宅で生活する。被災者は福島第一原子力発電所の放射能漏れの影響や長期的な雇用の見通しに不安を抱いている。それなのに政府の対応といえば、いつもと変わらない小競り合いや、陳腐としか言いようのない経済政策だ。官僚は相変わらず国民にはほとんど目を向けず、自分の狭い利権を守ろうとするだけだ。
野田氏が財務相として示した政策能力は一つだけだった。同氏の時間やエネルギーの大半は円高や輸出対策に占められた。円高なのは投資家がドルやユーロを避けているためだ。同氏がすべきことは、円高に対抗するよう企業に促すことだ。
首相になっても野田氏は変わらず、復興増税について大いに語るだろう。増税で経済が打撃を受けることを考えれば、野田氏はまず無駄な公共投資を復興財源に振り向けるべきだ。だが、野田氏は新しい考え方とか大胆な発想で知られているわけではない。同氏が無難な選択だったということを忘れてはならない。
だが、もはや無難では済まされない状況になっており、日本人はいら立ち始めている。カイロやトリポリで普通の人々が立ち上がったように、東京や大阪の街頭で変革を求める時が来た。日本の革命が始まってしかるべき時だ。(ウィリアム・ペセック／中略）

********* comment
外人記者に煽られている日本社会の惨めったらしさ。
所詮、この国の民主主義は風俗でしかないのでしょうか？
本物の民主主義は一人一人が綱領を持つことだが・・
現実は、セクトorカルトorマスコミ雀に成果てておる。
　

コメント
01. 2011年9月01日 07:48:49: pzUIGBUOSM 日本はとっくにアラブの春が来てるから転覆させる必要なんてないんだよ。 コメント氏はもう少し勉強が必要
02. 2011年9月01日 08:06:58: FUviF2HWlS 街頭での民主党批判は、まず小沢一郎氏のグループからが結束して民主党を離党してからだ。 内閣発足直後に、臨時国会で自民党と一緒に内閣不信任案を提出しては、どうだろうか？
03. 2011年9月01日 08:08:14: FUviF2HWlS >>02 訂正 ＞まず小沢一郎氏のグループからが結束して民主党を離党してからだ。 → まず小沢一郎氏のグループが結束して民主党を離党してからだ。
04. 2011年9月01日 08:36:22: fX34h0UrmA 腐り切った財界に良いように転がされている自民党・民主党の時代は終わったということだ。 http://blog.goo.ne.jp/fugimi63119/e/29ccca663b23645d9044876e57310274 資本に飼育されて来たこういう腐敗政党では 国民の側に立った本質的な政治はもう出来ない。 原発政策ひとつとっても、 列島に余震が打ち続き未だに放射能が舞っているのに原発再稼動などという発狂思想は、腐り切った資本に骨の髄まで飼育されていないと出て来ないことだ。 http://esashib.web.infoseek.co.jp/tohokuzisin01.htm ◆がん患者は100万人単位で増えていく あまり煽(あお)りたくありませんが､今後10年でがんを発症する人は100万人単位になるかもしれません｡ 最初の5年で甲状腺がんや甲状腺異常が顕著になります｡ 次に50ｷﾛ以内の地域で肺がんの発症率が今よりも20%上昇するでしょう｡ この数字はﾉｰｽｶﾛﾗｲﾅ大学の免疫学者ｽﾃｨｰﾌﾞ･ｳｨﾝｸﾞ助教授が算出した数字です｡ そして10年で骨腫瘍や白血病､肝臓がんも増えてくると思われます｡ 福島の現状というのはこれくらい深刻なのです｡ まず日本の方に大変重要なことをお伝えしなければならない｡ それは福島第1原発の4基すべてから､いまだに放射性物質が放出されているという事実です｡ 3月中旬の水素爆発で飛散が終わったと考えていたら間違いです｡ 確かに9割はあの時の爆発で放出されたかもしれない｡ しかし､それで終わりではない｡ ですから環境汚染は計り知れないのです｡ 放出を防ぐには､建屋を覆いかぶせるﾃﾝﾄなどを使わない限り無理です｡ （米国の原発専門家ｱｰﾉﾙﾄﾞ･ｶﾞﾝﾀﾞｰｾﾝ氏） http://critic6.blog63.fc2.com/blog-entry-40.html
05. 2011年9月01日 08:48:17: i08Hfo8G5j 浅いのでは？　テレビで独裁に反対する民衆が集まっているから「格好良く」見えるが、騒動を煽ってるのは＋資金はＣＩＡ提供で、ツールはネットやツイッター。　民主主義の勝利に見えて、独裁→反米民主主義に移行する。中東を不安定にし、イスラエルとの緊張を煽り、中東戦争から第三次世界大戦に導くシナリオの１つとの見方もある。 欧米によるリビア侵略を単なる独裁ｖｓ民主という構図でしか報道せず、騙される国民が多い中で、アラブを真似して「政権転覆だ」なんてカオスを目指すのは、日本を震災、原発で計画的に破壊してきたアメリカの戦略の思う壺である。 小沢が民主党から離党せよと提案する輩はバカである。自民の別働隊＋統一教会系の「みんなの党」　総理候補上位だった、桝添氏、もう話題にならないではないか。阿修羅住民はお馬鹿な意見誘導にだまされないよ。離党するのは反小沢の面々なのは当たり前である。
06. 2011年9月01日 09:23:33: FUviF2HWlS >>05さん ＞総理候補上位だった、桝添氏、もう話題にならないではないか。 桝添なんて政治家は、聞いたこともないよ。 舛添要一氏は既成政党へ合流したから、自分の主張を貫くことができなくなった。 小沢一郎氏が独自の政党を旗揚げすれば良いだけだ。 自民党と民主党が共に衆議院で過半数割れして、小沢新党を加えれば過半数となる状況をつくり出せば良いだけだ。 戦略は簡単だ。前回の総選挙で落選した地盤・看板のある自民党の元・有力議員を鳩山の金で小沢新党に釣れば良いだけの話だ。自民党は新人候補を出さざるを得なくなり、自民党に追い風があっても力を発揮できない。民主党は、小沢グループが集団離党した時点で既に過半数割れだ。 総選挙後に、小沢新党は2009年の民主党マニフェストを掲げて、これを呑み込む方の政党と連立政権を組めば良い。できれば居残った民主党と連立を組むのが良い。 いつまでも党内野党に甘んじているから、小沢一郎氏の主張が党内で無視され続ける。本物の野党になれば、公党間の正式な約束になるから、2009年民主党マニフェストが正式に復活する。
07. 2011年9月01日 09:25:59: S57QJHub3w アラブの春どころか大国がアラブに及ぼす厳冬って表現が正しい。 エジプトやチュニジアで起きたこととリビアやシリアで起きていることは同義ではない。 とくにエジプトは親米親イスラエル国家でムバラクが反対派を抑えこんできた。 これが倒れたときの欧米、とくにアメリカやイスラエルの衝撃はリビアやシリアに対する反体制派への支援(私怨にもよる)工作の周到さを見れば一目瞭然である。 日本や欧米では私利私欲のアカラサマな大国の介入を正義、人道、民主主義などと口を拭って偽りの報道を繰り返しているがこんなものに騙されてはいけない。
08. 2011年9月01日 10:40:06: u8T2aRIP9Y アラブの春はイスラエルの政府転覆作戦なのに、表面だけ眺めていいと思っているなんて幸せすぎる。
09. 2011年9月01日 19:01:41: KZbEuLlvHk >>07 いやいや チュニジア〜エジプト〜リビア〜シリア〜イラン？ 用意周到にレベルアップ、段階を踏んでいることに気づくべきだ
10. 2011年9月01日 21:14:22: EVskgte9f6 ＞*****無気力な日本 弱気で無力な政治家のために日本が何もできないでいる間、世界はスピードアップしている。中国は日本を追い越して世界第２位の経済大国の座に就き、その9.5％という高い成長率は多くの先進国とは対照的だ。また、ソニーなど日本を代表する企業がデフレで苦しむ中、韓国のサムスン電子などの新興企業は好調だ。 いや、デフレで苦しんでるってことは無いと思いますよ。 ソニーなど大手家電の生産拠点は大部分海外ですし、受入国は 現地人雇用と現地への利益還流を前提に受け入れることが殆どです。 それに加えトータルでの税率を考えて海外での利益を外貨のまま蓄える ケースが多いですから。 そうでもなければ、あれだけの生産設備と余剰の投資預金を 持っていられるはずがありません。その手の会社に同情は無用です。 尤も、尚林寺さんの意見におおむね同意です。

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