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財務党公認と揶揄される野田新総理、”ノーサイドで行きましょう”の真贋
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2011年08月31日 世相を斬る あいば達也
野田佳彦のノーサイド挙党態勢の姿が現れつつある。党執行部、特に幹事長に輿石を起用した点は、一定の評価が可能だろう。『輿石一人で何が出来る、菅・仙谷・岡田・前原包囲網で雁字搦めになり、小沢の党員資格停止も三党合意撤回も出来ないじゃないか!』と云う意見もあるが、小沢グループは海江田を擁し、代表選に負けたのだから、多くの要求を望むのは本質的に間違いだ。又、今さら小沢一郎も温情のような形で党員資格停止を凍結や解除は望んでいないだろう。法廷で決着をつけることを望んでいる筈だ。
輿石幹事長の誕生は野田佳彦のオリジナル・アイディアだったようだ。仙谷も岡田も財務省もマスメディアも介在していない可能性が高い。朝日新聞が社説で『・・・この人事の評価基準は二つある。ひとつは、輿石氏が公言してきた、小沢氏の党員資格停止処分の解除問題だ。私たちは、いま解除する根拠はないと考えるが、どうするのか。 二つめは政策面の対立解消につなげられるか、どうかだ。 マニフェスト見直しの3党合意を守り、消費増税にも取り組む野田氏と、マニフェスト固守を唱え、増税を嫌う小沢氏とは距離がある。野田氏の政策遂行を支 え、小沢氏らに同調を促すのが輿石氏の役割のはずだ。 幹事長職が焦点になるのは、党の資金と選挙の公認権を握るからだ。それを小沢氏側がとるかどうかが「挙党態勢」の試金石のように言われる対応を、いつまで続けるのか。民主党は、その原因が時代遅れの党の体制にあることに気づくべきだ。』等々と悲鳴のような声をあげている(笑)
野田首相が具体化している党人事は以下の通り。
≪ 民主幹事長に輿石氏=前原政調会長、平野国対委員長−岡田氏は重要閣僚に・新首相 野田佳彦新首相(民主党代表)は30日、党役員人事の 骨格を固めた。党運営の要となる幹事長に輿石東参院議員会長(75)、政調会長に前原誠司前外相(49)、国対委員長に平野博文元官房長官(62)、幹事長代理に樽床伸二元国対委員長(52)の起用をそれぞれ内定した。輿石氏は小沢一郎元代表と近く、小沢氏系と非小沢氏系双方から 「挙党態勢の象徴」と待望論があった。前原氏は野田氏と過去の代表選で連携を重ねた間柄で、平野氏は鳩山由紀夫前首相の側近。党内融和を強く意識した布陣となった。
一方、閣僚人事では岡田克也幹事長の重要閣僚での処遇が固まった。党幹部 が明らかにした。官房長官や財務相などが検討されている。官房長官には、野田氏側近の藤村修幹事長代理も浮上している。 野田氏は30日夜、党本部で 記者団の質問に答え、一連の人事について「党を挙げた態勢をつくる。本当に国民のためにがむしゃらに働く政治を実現する。そういう狙いの人事だ」と説明。「私なりの適材適所で選んだ」と強調した。
野田氏は同日、輿石氏に電話したのに続いて2度にわたり会談し、「あなたしかいない」と就任を強く要請。輿石氏はいったんは難色を示したが、最後には受諾した。同氏はこの後、記者団に「党内融和に全力を尽くす。その一点だ」と語った。
民主党で 参院議員が幹事長に就くのは初めて。輿石氏は参院議員会長を兼務する。野田氏は、野党が多数を占める参院側の実力者である輿石氏を幹事長に就けることで、 円滑な国会運営につなげる狙いもあるとみられる。 輿石氏を起用した野田氏の人事方針に対し、小沢氏に近い鳩山氏は「ノーサイドで党内融和のシンボルだ」と記者団に語り、評価した。
輿石氏は、小沢氏の党員資格停止処分の凍結か解除を主張してきた。これについて30日、記者団に「私の考えは変わっていないが、民主主義のルールとして、時機を見て党内議論がされるだろう」と語り、柔軟に対応する考えを示唆した。 一方、前原氏は党本部で野田氏からの就任要請を受けた後、記者団に「野党との交渉もしっかりやりながら、政策をまとめて日本を前に進めていく」と表明。平野氏は「党内融和 を含めてしっかりやらないといけない」と述べた。前原、樽床両氏は野田氏と同じく松下政経塾の出身。
民主党は31日午後、国会内で両院議員総会を開き、これら主要人事を正式決定。野田氏は閣僚人事の調整を本格化させる。党幹部によると、新内閣発足は9月2日が有力だ。代表選を争った鹿野道彦農林水産相や、城島光力政調会長代理の要職への起用も検討されている。≫(時事通信)
つまり、輿石の幹事長起用により、一番懸念していた民主党に積み上げられている130億円を超すと思われる政党助成金を仙谷らの意のままになるのを阻止しただけで“めっけもの”と云うことだ。又いつ何時解散総選挙にならないとも限らないわけで、その時、公認調整と選挙の軍資金の配分に一定の公平性が担保されただけでも、筆者などは一安心と考えている。
敗者が党人事や組閣に大口を叩くのは控えるべきだ。次のこと次のことを考えるのが権力闘争の常道だ。勝者である野田の人事に難癖をつけても詮ないことである。小沢一郎もその辺は充分理解している。12年秋の代表選乃至は政治理念の為の新党、その両睨みの態勢を早速立ち上げようとしている。
≪小沢グループが統合 結束強化、100人規模に 民主党の小沢一郎元代表は30日、衆参に三つある自らの議員グループを統合し、新グループの会長に就任することを決めた。グループへの帰属を明確にする 「純化路線」をとり、結束を強める。来年9月に再び行われる党代表選をにらみ、「最後の決戦」(側近)に備える狙いもある。
小沢氏は30日、3グループ幹部ら約30人を前に「グループをどういう形にしていくか、みんなの議論が必要だ」と述べ、約1時間意見を聴いた。出席者の ほとんどが一本化に賛同したという。新グループは100人規模になるとみられる。
小沢氏に近い議員によると、グループが分散していることで「政局のたびに、他グループとの間でふらふらする議員がいる」との意見が噴出。グループ統合で 他グループとの掛け持ちの禁止も視野に、小沢グループの結束力を強める構えだ。≫ (朝日新聞)
以上のように朝日新聞は坦々と伝えているが、筆者は今回の小沢グループの統合には多くの意味合いが内在していると考えている。朝日のいうように、12年秋の代表選睨みも一つの目標だ。“イザ鎌倉”の時の基礎を明確にする狙いもあるだろう。また、与党になったのだから、緩やかな民主党独自のグループから脱して、派閥として明瞭な意思統一を図る狙いがあるだろう。表向きは「政策提言を積極的に提言する集団」の位置づけだが、党の政調会長に起用される前原誠司への静かな圧力と捉えることも可能だ。
実はもう一つ重大な意図が隠されているような気がする。昨日の拙コラムでも書いたが、今回の代表選で鳩山由紀夫はまったく傷ひとつ受けていない事実である。これには流石の小沢一郎も拙いと思ったのではないのだろうか。選挙となれば、どんな選挙でも汗を掻き、損な役回りを演じるのが小沢グループの宿命だった。朋友鳩山由紀夫の顔を立て、5回ほど煮え湯を飲まさたら、お天道さまも許すと云う事だ。もうそれでは「国民の生活が第一」の政治理念の実現は無理だと悟ったと云うか、鳩山由紀夫への義理立てから卒業させていただこうと云うメッセージなのでは、と筆者は推測するのである。
つまり、09年の政権交代を曲がりなりにもなし遂げたのは鳩山・菅・小沢トロイカ体制だった。その鳩山と菅には、首相と云う座を結果的だが提供した。つまり、外様であった自由党の小沢一郎の義理立てが済みましたと云う宣言だと受けとめることも可能だろう。これで小沢一郎は「天命に遊ぶ」悟りの境地から、再び下界に降りてきた。剛腕小沢が政界に降臨してきたのだ。(笑)
この統一した小沢グループの集団は、政策提言集団であり、与党内野党ではなく、与党内連立グループの様相を呈するだろう。語らない、説明しない小沢一郎が、説明と指示を明確にする集団となり、自ら先頭に立つと云うことだ。政策提言を通し、表面上、野田を支える形で、仙谷・岡田・前原らクーデター勢力をけん制し続ける派閥と化すのだろう。
勿論、提言をするが最終的には代表の指示に従う行動原理も尊重されるだろう。しかし、このような集団が100人から150人くらいになると、猛烈なプレッシャーが「クーデター勢力」に圧し掛かる。野田代表との距離は一定範囲で縮めるスタンスを取るものと思われる。
おそらく筆者の予測だが、鳩山グループの崩壊は近いと思われる。なぜなら、今回の代表選で鳩山は二股を掛けていた事実が濃厚だからである。筆者もついに鳩山の裏切に愛想尽かしと云うことだ。漸く鳩山由紀夫を不実な、或いは無能な政治家だと悟った。小沢の心の中でも、筆者同様の疑念が生まれたのでないのだろうか。閣僚人事も着々と進んでいるようだが、仙谷由人をどのようなポストに起用するかが、筆者にとっては最大の関心事だ。野田佳彦の首相としての器量が試される最後の砦だ。野田は勝者なのだから、親米、財務省寄りの政権を目指すのは当然で、それに輿石や小沢集団がどれだけ軌道修正させるかがカギだろう。現状を眺めると、当面小沢一郎が新党結成をする大義が見えてこないので、静観するしかないだろう。
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