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【核心リポート】壮絶!民主代表選の全内幕…手負いの“豪腕”次の一手はこれだ
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110830/plt1108301118002-n1.htm
2011.08.30 夕刊フジ
民主党の野田佳彦新代表(54)は30日午後、第95代首相に指名。東日本大震災の復旧・復興、日本経済の再生、政治の信頼回復に向けて、党役員人事・組閣作業を本格化させた。こうしたなか、歴史的大逆転となった代表選の知られざる背景と、敗れた小沢一郎元代表(69)の次なる一手が明らかになってきた。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が全真相に迫った。
代表選出馬に向けて、有力候補が最終判断を迫られていた18日(木曜日)夜、小沢氏と輿石東参院会長(75)、石井一副代表(77)、国民新党の亀井静香代表(75)が懇談した。
驚いたことに、小沢氏は饒舌だった。3時間半に及んだ懇談のうち、半分ぐらいは1人で話していたという。
小沢氏「いま名前が挙がっている候補は、どれも経験不足だよなあ」
石井氏「小沢グループは誰に乗るんですか?」
自信あふれる表情で、剛腕はこう答えた。
小沢氏「こういうときには、必ず神が降りてくるものなんだよ。心配しなくていい。必ず、民主党が一本化できる候補が見つかる」
石井氏「民主党内にはおらんでしょう。亀井さんを首相にして、1年だけやってもらったら?」
イエスともノーとも言わず、小沢氏は「アハハハ」と笑った。そして、こう続けた。
小沢氏「来週、俺自身が動こうと思う。(一新会と参院、北辰会の)3つに俺自身が出て集約する。絶対まとめてみせる。民主党を一本化できる候補がいる。神が降りてくると言ったろう」
この話を黙って聞いていたのが輿石氏だった。当然である。実は、小沢氏はみんなに話すフリをしながら、輿石氏に向かって話していたのだ。
誰を神輿に担ぐか。「神が降りてくる」「輿石氏」、すなわち「神輿」。つまり、小沢氏の一本化できる候補とは輿石氏だったのだ。
小沢氏はこの時点で、輿石氏に代表選出馬を打診していた。輿石氏は「考えさせてほしい」と保留。小沢氏は週明けには受けてくれると確信し、火曜日と水曜日のグループ会合で「輿石氏擁立」のヒントを示し、グループ議員を再結集させる予定だったのだ。
饒舌だった小沢氏の話を意訳するとこうだ。
「輿石さん。俺がまとめる。だから受けてくれ」
輿石氏を担ぎ出すというすごい絵は、誰も描けない。小沢氏の中では、菅直人首相(64)退陣が現実味を帯び始めたお盆前後から「輿石氏擁立」が固まっていた。小沢氏をよく知る元議員が言う。
「党内では『小沢グループが乗ってくる候補は誰か』という構図で動いていたが、小沢さんは『誰を担げばみんなが乗ってくるか』を考えていた。出た結論が、輿石さんだった」
参院からというのもポイントだ。首相は国会議員ならなれるが、参院の場合、院が違う衆院の解散権を持つため「問題が多い」とされてきた。ところが、小沢氏は「代表の残り任期の1年間だけ」「解散権は行使しない」「野党と協力して救国内閣を作る」という公約を掲げることでクリアできる、と考えた。しかも、挙党一致が実現できる。
「輿石さんは現執行部で、菅さんを守ってきた。『反小沢』の仙谷(由人官房副長官、65)さんも反対できない。『ねじれの主戦場(=参院)を党全体でバックアップしよう』という案にも誰も異を唱えられない。『1年間は解散しない』と宣言すれば、選挙を怖がっている若手も安心して乗れる」(同元議員)
実は、輿石氏はこうした小沢シナリオを受け止め、一度は「出る」旨の返事をしてきたという。ところが、ここからシナリオが狂う。
前原誠司前外相(49)がグループ内の主戦論に押され、「ラストチャンス」と見て、突然出馬へ転じたのだ。それは、小沢氏が動くと宣言していた先週初めだった。輿石氏はひるんだ。
「国民的人気の高い前原氏が参戦すると、世代交代などの争点も浮上し、若手が流れる可能性が高い。輿石さんが前言を翻して、22日、小沢さんに『辞退』を伝えてきたようだ」(小沢グループ参議院議員)
小沢氏は次善の策として、西岡武夫参院議長(75)の擁立を考えていた。このため、24日の同グループ参院の集まりでは、こうヒントを出した。
「地位と名誉と命もなげうつ覚悟があるなら、参院からでも構わない」
この話を聞いた主要メンバーは「小沢さんは西岡議長を考えている」と察知し、西岡氏擁立がグループの既定路線になった。だが、告示前日の26日になって、輿石氏が参院からの擁立に反対する姿勢を示し始めた。
「1つは西岡さんへの嫉妬。2つ目は、西岡さんが議長を辞めたら、小沢さんが自分を議長にするハラだと疑っていた。輿石氏はまだ参院を会長として掌握したい。だから『参院から出すのは反対。西岡さんじゃ勝てない』とクビを縦に振らなかった」(同参院議員)
小沢氏と共同歩調をとる鳩山由紀夫元首相(64)も、西岡氏擁立に反対だった。
今回の代表選、鳩山グループは路線対立から四分五裂。独自候補を立てないと、バラバラになる危機感があった。そのため、小鳩連合で海江田万里経産相(62)を擁立する案を決めたのだ。
鳩山氏も26日、小沢氏に「海江田氏支援」を提案した。小沢氏は、西岡氏にこだわっていたが、その後、連絡を取った輿石氏は「参院からは反対。海江田さんでもいい」とかたくなだった。小沢氏はなお、「西岡氏擁立」を模索したが、夕方、ついに折れて「海江田氏支援」を決めた。小沢氏の心中を元議員はこう解説する。
「小沢さんには強烈なトラウマがある。自民党を割って飛び出したときに、参院を軽視したばかりに誰もついてこず、その後の細川連立政権で苦労した。『参院を大事にしなければ何もできない』。輿石さんのかたくなな態度で諦めた」
小沢シナリオが潰えた瞬間だった。
もう1人のキーマン、仙谷氏は当初、今回は「前原氏は温存」と決めて、野田氏擁立で動いていた。表には出ていないが、仙谷氏はお盆を挟んで、小沢氏と3回接触した。2回は代理人を通じて、1回は直接。そこで、仙谷氏は人事での挙党態勢や、党員資格停止処分の解除など、野田氏への支援条件を提示したという。
こちらも、前原氏の出馬で筋書きが狂った。結局、野田氏が勝ったが、野田、前原両グループの信頼関係にひびが入った。
さて、今後小沢氏はどうするのか。
「人事によって強弱はあるが、いずれ野田さんとは増税などの政策面でぶつかる。今回は負けたが、嫌いな海江田でも必死でやった小沢グループ120人の結束は確認できた。実は近く、この120人を政策勉強会のような形で組織化して、野田執行部に揺さぶりをかけることを決めている。そこから政変になれば、あくまでも新党だ」(小沢グループ幹部)
大連立に反対し、3次補正予算成立後の解散・総選挙を求めている自民党とも、「小沢は水面下で接触して新党での出直しを図っている」(自民党ベテラン)という。
代表選敗北は過去のもの。小沢氏はすでに次の一手に向けて動き出している。
■すずき・てつお 1958年生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部などを経て、現在、日本BS放送報道局長。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「汚れ役」(講談社)など。
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