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民主代表選:野田氏、決選投票で海江田氏破る
http://mainichi.jp/select/today/news/20110829k0000e010076000c.html
2011年8月29日 14時35分 更新:8月29日 14時52分 毎日新聞
民主党は29日、菅直人首相の後継を決める代表選出のための両院議員総会を東京都内のホテルで開き、新代表に野田佳彦財務相(54)を選出した。第1回投票では過半数を獲得する候補がおらず、決選投票の結果、野田氏が215票で、177票だった海江田万里経済産業相(62)を破った。30日に首相指名選挙が衆参両院で行われ、野田氏が第95代、62人目の首相に就任する見通し。新首相は、震災の復興や原発対応などに加え、党内融和やねじれ国会を踏まえた野党との協力関係構築が課題となる。
投票権者は党員資格停止処分を受けた小沢一郎元代表ら9人を除く党所属国会議員398人(衆院292人、参院106人)で、第1回投票では395人が投票した。海江田氏は143票で1位になったが過半数に届かず、代表選規定により102票で2位だった野田氏との決選投票になった。前原誠司前外相(49)は74票、鹿野道彦農相(69)は52票、馬淵澄夫前国土交通相(51)は24票だった。
野田氏は早期に出馬の意向を固めたが、復興増税に前向きな姿勢が党内の反発をよび、支持層が重なる前原氏が急きょ出馬したこともあって当初は伸び悩んだ。しかし「怨念(おんねん)を超える政治を」と訴え、決選投票では前原氏の票に加え、鹿野氏の票も取り込んだ。野田氏は2010年代半ばまでに消費税率を10%に引き上げるとした「税と社会保障の一体改革」を推進する立場で、「財務省公認候補」との批判もあった。
野田氏は直ちに党役員人事に着手するとともに、組閣作業を本格化させる。09年9月の政権交代から2年足らずで鳩山由紀夫氏、菅氏に続く3人目の首相となる。
新首相は東日本大震災の復興に向けた11年度第3次補正予算案の早期成立を目指す。ねじれ国会を乗り切るため自民、公明両党など野党との協力関係を構築できるかが焦点だ。また、「脱小沢」路線を継続するのか、修正して党内融和を図るのかも課題となる。
総会は午前11時に始まり、5候補者が最後の演説を行い、震災復興や原発事故収束、党内融和を強調した。
前原氏は外国人献金や偽メール問題に言及し「自分自身が古い皮を脱ぎ捨てる必要があることは、誰より自分が身にしみて分かっている」と述べ、「残り2年の(衆院)任期を最後まで皆さんと全力疾走したい」と早期の衆院解散を否定した。
馬淵氏は田中角栄元首相に憧れて政界を目指した経緯に触れ「私にはすべての人の力を発揮させる企業経営の経験がある。全党一丸となって政権運営に取り組む決意だ」と訴えた。
経産相として原発事故を担当した海江田氏は「修羅場をくぐった私にしか分からないことがあり、私だからこそできることがある」と強調。「私が勝利したら総理室のドアはオープンにしておく。皆さんの声を生かしたい」と話した。
野田氏は自身の風貌をドジョウにたとえ、「金魚のまねはできない。支持率はすぐ上がらないと思う。だから解散はしません」と語り、「泥臭く汗をかき全身全霊でこの国を前進させる、ドジョウの政治をとことんやり抜きたい」と語った。
鹿野氏は「融合と和の心を持って民主党は一つにならねばならない」と強調。「政権を担うのは苦しく大変だとしっかり身に刻み、我慢することだ。真の勇気と気概と信念を投票行動で表してもらいたい」と訴えた。【須藤孝、田中成之】
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