http://www.asyura2.com/11/senkyo118/msg/644.html
Tweet |
http://www.janjanblog.com/archives/48164
高橋清隆
2011年 8月 26日 22:24
振興銀検証委が報告書=竹中元金融相らがヒアリングを拒否
10年9月に経営破綻し、戦後初のペイオフが実施された日本振興銀行に対する金融庁の検証委員会が26日、自見庄三郎金融担当相ら政務三役に報告書を提出した。報告書は銀行認可が「妥当性を欠く」とする一方、認可後の指導監督について「特段の落ち度は認められず」と結論づけた。検証の過程で、当時の竹中平蔵金融担当大臣と、副大臣で後任担当大臣となる伊藤達也氏がヒアリングを拒否していたことが分かった。
検証報告について説明する(左から)相沢、草野、貝塚、赤松の4氏(2011.8.26、高橋清隆撮影)
同検証委員会は同年8月、振興銀と木村剛(きむら・たけし)元会長ら元役員4人が銀行法違反(検査忌避)で起訴されるも、同年12月に保釈されたことを受け、2日後に自見担当大臣が設置を表明したもの。外部の有識者数名で構成する第三者委員会が2月に発足し、設立経緯を含めて検証に当たってきた。
構成メンバーは草野芳郎(学習院大学教授、元広島高裁判事)委員長と相沢幸悦(埼玉大学教授)、赤松幸夫(弁護士、元検事)、鴨池治(東北大学名誉教授)、菊池英博(日本金融財政研究所所長)の4委員に貝塚啓明(東大名誉教授)顧問。金融庁職員や銀行関係者、他の金融機関など16人から事情を聞き、委員全体で10回以上の会合を開いてきた。
報告書によれば、同委員会は(1)同行に銀行免許を認可したことの適法性・妥当性、(2)認可後の同行に対する指導監督の可否の検証を目的にした。
(1)では、銀行の営業免許について定めた銀行法第4条に基づく「財産的基礎基準」「収支見込基準」「人的社会的信用基準」の3点から検証。「銀行法4条の要件を満たしているかについては疑いがあり、十分な審査をすることなくなされた本件免許の付与は妥当性を欠く不当なものであり、金融庁は免許を付与すべきでなかった」と結論づけた。
(2)では、実施した3回の検査を基準に監督指導期間を3期に分けて検証。「金融庁の同行への最初の検査時期が遅れたことを除けば、特段の落ち度は認められず、破綻に到った問題の本質は、同銀行に免許を付与したことにある」と責任を認めなかった。
ヒアリングを拒否した竹中氏と伊藤氏からは、本人および弁護士から返信があった。竹中氏は「銀行免許は、内閣総理大臣から委任を受けた金融庁長官の権限に基づいて、金融庁担当部局が客観的な審査に基づいて付与するものであって、当時もそうした組織的対応が行われた」とし、「金融庁に組織的にご回答いただくべき問題」と言い逃れている。
報告書はこの点に触れ、銀行の免許交付権限は「金融担当大臣の専決事項となっている」と反論している。
ただし、この報告書は「法令上、行政上の対応についての検証」としながら、竹中氏らの責任追及について腰砕けの感は否めない。検証結果をあくまで「評価」とし、法的な問題については「違法とまで断言していない」(草野委員長)と回答。金融庁長官ら事務方の責任についても「最終的には、裁判などで行われるものであり、この報告ではしていない」(同)と具体的な処分と切り離す見解を示した。
同行への免許付与は、竹中金融相の下で組織された「金融分野緊急対応戦略プロジェクトチーム」が策定した「金融再生プログラム」(通称竹中プラン)に基づいて実施されたものだ。木村氏は当時金融庁顧問を務め、策定の中心になった。しかし、検証委員会は肝心の同プログラムの策定過程を検証の対象とせず、議事録も金融庁に「ない」と繰り返してきた。
報告書の「結び」には、次の記述がある。「金融庁には、『金融再生プログラム』の実現が至上命令のように扱う雰囲気があり、銀行法4条2項で慎重に審議すべしという意見が抑えられるような気風のなかで交付された」。メスの入らない作文が、空しく映る。
竹中、伊藤両氏の返信についても、類似する記述が目立つが、言及はない。伊藤氏の書簡には「金融庁内の所管部署が客観的な基準に基づいて組織的に実施したものであり」と竹中氏と同種の言い回しがある。
さらに、「問題点が特定されており、現金融担当大臣が、いわば大臣の引き継ぎの一環としてその点をお尋ねになりたいということでしたら、現金融担当大臣から、当該問題点を明確にした文書にてご質問を頂ければ、可能な限り誠意を持って対応いたします」(竹中)、「問題点を特定した形で質問状を頂戴できれば、可能なかぎり文書にてご回答申し上げます」(伊藤)とも。
2人が口裏を合わせた可能性があることはもとより、議事録を残さなかった真意が露骨に表れている。
振興銀をめぐっては23日、整理回収機構が木村氏ら旧経営陣7人に総額50億円の賠償を求めて東京地裁に提訴しているが、このこととの絡みを否定。「報告書の提出は震災などで遅れたが、菅内閣のうちにとまとめた」(草野)としている。
“竹中プラン”の闇に光か=日本振興銀行検証委の設置で
http://www.pjnews.net/news/490/20101215_1
───
高橋清隆記者のプロフィール
反ジャーナリスト
著書:『亀井静香が吠える--痛快言行録--』(K&Kプレス)
『偽装報道を見抜け!―世論を誘導するマスメディアの本質』(ナビ出版)
ホームページ:
「高橋清隆の文書館」
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK118掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。