http://www.asyura2.com/11/senkyo118/msg/634.html
Tweet |
【高橋昌之のとっておき】民主党は変われなければ分裂あるのみ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110828/stt11082818030012-n1.htm
2011.8.28 18:00 産経新聞
民主党代表選が27日告示され、29日に菅直人首相に代わる新代表が選出されます。これで3月11日の東日本大震災発生後も政治空白を続けてきた菅政権はついに終わりますが、次の首相となる新代表は、政治空白を解消し、この国難をどう克服するかという重要な責務を担うことになります。
民主党は平成21年の政権交代以来、「日本の政治が変わる」という国民の期待を裏切り続けてきました。この政権運営の失敗は鳩山由紀夫政権、菅政権と2代にわたりましたが、私は両首相の個人的資質はもちろんですが、それ以上に理念と基本政策をあいまいにしたまま、「親小沢」対「反小沢」という属人的対立に終始してきた民主党の体質こそに問題があったと思っています。
その意味で、新代表のもとでの政権運営は「3度目の正直」、同党にとっては国民の信頼を取り戻す「ラストチャンス」といっていいでしょう。民主党が理念と基本政策を明確にして、そのもとに言葉だけでなく中身も伴った挙党態勢を築けるかどうかにかかっています。
政治空白を解消し、政権を安定して運営するには、参院で与党が過半数を占めていないという衆参ねじれを解消する必要があります。大連立については自民党が応じない方針であることから、打開策としては(1)衆院で再議決に必要な3分の2を確保する(2)公明党と連携する(3)自民党からねじれ解消に必要な参院議員を引き抜くーことなどが考えられます。
しかし、これらを実現するには、まず民主党が挙党態勢を構築できていなければ話になりません。代表選ではどの候補も「挙党態勢の構築」を掲げました。これが言葉だけでなく、本当にそう思っているなら、だれが新代表に選出されてもそのもとに民主党議員全員が一致結束すべきです。
挙党態勢という点でやはり焦点となるのは、小沢一郎元代表の処遇です。代表選に先立ち、立候補の意思を示した候補者はそろって小沢氏に会って支援要請するという「小沢詣で」が行われました。100人以上と党内最大勢力を誇る小沢氏の支持が得られなければ、代表選に勝つのは難しいからですが、そうならばだれが新代表になっても小沢氏の協力が得られなければ挙党態勢はできないことになります。
民主党はもういい加減、「親小沢」と「反小沢」という、属人的対立か卒業してもらいたいと思います。これが残っている限り、民主党にまともな政権運営を期待することはできません。その被害を受けるのは国民です。民主党政権も長続きはせず、早晩、内閣総辞職や衆院解散・総選挙に追い込まれるでしょう。
私が今回の代表選を「ラストチャンスだ」というのは、そういう事態に追い込まれれば民主党が分裂するのは必至だと思うからです。菅政権の退陣を求めるかどうかをめぐって、党内では「民主党を離党して新党を結成する」というハラを固めて行動した議員が、少なからずいます。そのマグマはまだ党内にたまっています。新代表のもとで政権運営に失敗すれば、民主党の中から同党に見切りを付けて、新党を結成する動きが表面化すると思います。
民主党にとってこれからの政権運営は党の存亡がかかっているのですから、所属議員はそのことを自覚すべきです。代表選の結果、だれが新代表になっても、それまでの経緯は別として一致結束するのが選挙の鉄則です。もしどうしても結果に納得できないというなら、すぐさま民主党を離党すべきです。党にとどまって結束を乱すことは許されません。
民主党はこれまでの血を入れ替えるぐらいの「化学的変化」をしなければ、同じ失敗を繰り返すだけです。そのことを肝に銘じて民主党議員は代表選に臨んでもらいたいと思います。
一方、この際に自民党にも言っておきたいことがあります。自民党は菅政権と対峙(たいじ)するにあたって、致命的な失敗を犯しました。6月2日の内閣不信任案で否決されたこと、そしてその後も内閣不信任案の再提出に踏み切れなかったことです。
もし、菅内閣のもとでは特例公債法案も再生エネルギー法案も通せないとして、内閣不信任案を再提出していたら、民主党を分裂させられた、あるいは自民党が望む衆院解散・総選挙に持ち込めたかもしれません。そうすれば自民党中心の政権を作れたのです。しかし、党内とくに執行部内に戦略がなく意思統一できなかったために、絶好のチャンスを逃してしまいました。
民主党が今回の代表選で、挙党態勢を構築して、東日本大震災の復旧、復興などの政権運営で実績を挙げだしたら、今度は自民党が危機に追い込まれます。各種報道機関の世論調査でも、これまでは政党支持率で自民党が民主党を上回っていましたが、いつ逆転するか分かりません。
また、自民党内には莫大(ばくだい)な東日本大震災の復旧、復興に絡みたいという思惑をもっている議員がかなりいると聞きます。民主党が平成23年度第3次補正予算をかなりの規模で提出してきた場合、自民党は果たして反対できるでしょうか。賛否をめぐって党が分裂状態に追い込まれる可能性があると思います。
自民党こそ、谷垣禎一総裁のリーダーシップ不足、党執行部の不統一、ベテランと中堅・若手の対立といった問題点を解決して、それこそ挙党態勢を構築しなければ、党は存亡の危機に立たされます。そのことに気づいていない自民党議員があまりにも多いのではないでしょうか。
私は民主党も自民党もそれぞれ党内には理念、基本政策の違いを抱えていますから、将来的には両党とは違った枠組みで、二大政党が再編されるべきだと思っていますし、恐らくそういう動きが進んでいくと思います。
どちらが先に挙党態勢を構築できるかによって、その政界再編の主導権を握れるかどうかが決まります。今回の民主党代表選とその後の政権運営は民主党はもちろん、自民党にとっても党の存亡がかかった勝負のときなのです。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK118掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。