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きょうの朝刊は、「天声人語」と「社説」と「声欄」を使って、反小沢キャンペーンを繰り広げている。「天声人語」では政変、処分中、闇将軍、傀儡、遺恨試合などというネガティブ常套句で小沢氏を揶揄している。「社説」は、小沢氏が支持する海江田候補の政見(復興増税や脱原発)は、自身が閣僚だった菅内閣の方針と異なっている、と批判している。その社説の右隣に並べられた声欄の投書は、脱小沢支配は震災復興と原発対策よりも重要、と暴論を吐き、古い政治体質、刑事裁判の被告、党員資格の停止処分など、これまたネガティブ常套句で小沢氏を貶めている。
それもこれも、海江田氏が代表に選ばれ、小沢氏の謹慎処分が解かれることを阻止するための、攻撃3点セットである。とくに問題なのは社説である。政見が菅内閣の方針と異なっているのは、濃淡の差はあれ5人の候補者に共通することであり、海江田氏だけが突出しているわけではない。また政治献金の新しい資料をかけこみで発表した前原氏には新しい疑惑が膨らんだ。なのに海江田氏にだけ「説明不足だ」と難癖をつけているのである。じつにアンフェアである。
以下、再録開始。
◆天声人語
小沢一郎氏は携帯電話を持たない。政界で「先生の携帯」と尊ばれるものは随行秘書が身につける。本人はめったに出ず、必要なら「おい、ピコピコ」と命じるらしい。秘書が長かった石川知裕氏の著書『悪党―小沢一郎に仕えて』で知った▼この週末、ピコピコは鳴り続けだろう。民主党代表選は5氏が争い、明日には「次の首相」が決まる。小沢氏が推す海江田経産相、世論受けする前原前外相を軸に、またぞろ親小沢と脱小沢の数合わせだ▼かれこれ20年、小沢氏は政界座標の真ん中にいる。政治家は氏からの距離と方位で論じられ、政変となればここから始まった。「原点O(オー)」は今般、処分中ながら師匠ばりの闇将軍を任じている▼その面前で、「小沢先生のお力を借りなければ日本は救えない。力を存分にふるって頂けますよう……」とべったり持ち上げた海江田氏である。念願の地位に就いても、なにかにつけてピコピコにお伺いを立てそうな気配がする▼代表選の構図を、小沢氏は「民主党の原点回帰か、菅政権の継続か」と語った。自民党に言わせれば「小沢傀儡(かいらい)か、菅亜流か」(町村信孝氏)となる。小沢氏の復権という「原点回帰」を争うのでは、危機にある政治の出直しに値しない▼氏の好きな言葉に、「人事を尽くして天命に遊ぶ」がある。通常の「天命を待つ」と違って、己に期待しない趣がいいそうだ。永田町で山あり谷ありを楽しむのはご随意だが、今の日本、与党の遺恨試合に付き合う時間はそうない。
◆社説 代表選告示−海江田さん説明不足だ
民主党代表選が告示され、過去最多の5人が立候補した。党内の最大勢力を率いる小沢一郎元代表は、海江田万里経済産業相を支持し、前原誠司前外相らと対決する構図になった。
だが、代表選がまたも「脱小沢」か「親小沢」かという対立に終始するようでは、民主党政権に展望は開けない。不毛な内紛を乗り越えるために、ここは候補者同士が政策論争の真剣勝負をしなければならない。
その際に、とりわけ立ち位置を問われるのは、菅内閣の重要閣僚でありながら、菅路線を否定する小沢氏らのグループに推される海江田氏だ。
菅内閣は東日本大震災の復興財源を賄う臨時増税と、社会保障を維持するための消費税率引き上げの方針を決めた。その内閣の一員だった海江田氏は共同責任を負っている。にもかかわらず、公約に「増税なき復興」や消費増税の先送りを掲げているのは、どうしたことか。
政府・与党で厳しい議論を重ねて、やっとまとめた方針を白紙に戻すつもりなのだろうか。
政権公約の見直しについても、しかりである。
海江田氏は、菅政権で「マニフェストが弊履(へいり)のごとく捨てられている」と批判する。それでは「子ども手当」の見直しなどで、自民、公明両党と交わした3党合意を反古(ほご)にしてしまいたいのだろうか。
そんな対応をすれば、両党の協力を得られず、何より急がれる復興のための第3次補正予算の成立に支障をきたすのは明らかだ。
エネルギー政策でも、海江田氏はきのうになって突然、「40年以内に原発ゼロをめざす」と表明した。菅首相の「脱原発」路線に疑問を呈していたのに、なぜ一変したのだろうか。
日本記者クラブでの共同記者会見でも、「小沢氏の処遇」などで海江田氏に質問が集中しがちだったが、政策的にも説明が足りない。きょうの党主催の公開討論会で答えてほしい。
各候補者の主張を並べてみれば、自民党との大連立などに差異がある。なかでも最も違いが鮮明なのは「増税」への姿勢だ。政府の増税方針の堅持を掲げる野田佳彦財務相を除いて、他の4人は濃淡はあれど、後退した見解が多い。
私たちが懸念してきた通り、幅広い支持獲得を狙って、あえてあいまいにする作戦なのだろう。だが、それは「次の首相」として無責任過ぎる。
政府・与党の方針を転換するという候補者は、明確な対案と成算を示すべきだ。
◆投書 代表選は脱小沢支配こそ重要(中島博昭、無職、77歳、長野県安曇野市)
民主党代表選が過熱している。選挙期間が短いため、告示前から多くの人が早々に名乗りを上げ、積極的に動いたのはよい。また、それらの人たちが「挙党一致」を掲げ、小沢一郎元代表にあいさつ回りをしたのも、まあよい。問題はこの短期間にこの国のかじを取る首相になる人がどう決まるかだ。
震災復興や原発対策も重要だが、いま最も大事なのは古い政治体質の小沢氏が支配する政治から脱却することではないか。小沢氏は刑事裁判の被告となり、党員資格停止の処分を受けた人だ。その処分は清潔な政治を望む国民が民主党に政見を託した意思と一致する。しかるにこの代表選で小沢氏の意向に沿う人物が選出されたら、国民が民主党に託した期待はマニフェストの不履行に続き、またも裏切られることになる。
小沢グループの議員には選挙基盤の弱い若い人が多い。候補者たちはそれらの議員に、小沢氏には多くの国民が厳しい視線を送っていることを強く訴えてほしい。
明日の代表選で海江田氏が代表に選ばれたら、激しいバッシングが始まるだろう。不偏不党、中立公正の看板を降ろしてしまった朝日新聞のなりふりかまわぬ「小沢つぶし」がまた始まる。そんなことを予感させるきょうの朝刊である。
http://60643220.at.webry.info/201108/article_1.html
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